重篤な副作用
1:ショック、アナフィラキシー
  ショックはまず二つに分けられる。
  ひとつは痛みや恐怖、たとえば耳垢をとったときの痛みとか、点滴の針を
  見たときの恐怖など。このタイプは高齢者でなければ、横にして足を高くすれば
  5分くらいでよくなることが多いがたまに重篤になることもあるので要注意。
  唇の色の回復と脈の力強さで判断可能か
  もうひとつは、上記でないもの。ここでは当院に関係のある薬剤のアレルギー
  反応によるものだけを説明します。
   原因についてははっきりしませんが、薬を飲んだとき大体30分以内(点滴の   場合は10分以内)に気持ちが悪くなります。座っていられない状態になります   のですみやかに救急車を呼んでもらいましょう。
   初めて飲む場合と、二回目の場合が多く起こります。ただし、薬をのむあいだ   が抗原抗体反応が成立するのに十分でないばあいは3回目以降でもおこります
  ので油断はしないように。
   起こしやすい薬としては、抗生剤、抗菌剤、解熱鎮痛剤、麻酔薬(耳鼻科でよく  使うスプレーにも入っているので、歯医者さんで麻酔の注射で気持ちが悪くなっ  たことのある人は要注意、かならず耳鼻科にかかるときはそのことをいいましょ  う。)テオフィリン(テオドール、テオロングなど)、ヨード造影剤など
   はたからみては、まず顔面蒼白、冷や汗(暑くもないのにひたいにじっとりと)
  血圧低下し脈がふれにくくなり、意識ももうろうとしてきます。子供さんに薬をあ   げる場合、30分は大人がついていて様子をみていただくとよいとおもいます。
  子供さんの場合は薬の副作用で気持ちが悪くなって寝たのを、痛み止めが効い  たのとかん違いすることがあります。理想的には飲ます前にさりげなく脈をみて
  飲んで少しでも変だなと思ったらもう一度脈をみるとわかりやすいです
   救急者がくるまで、吐きそうでなかったら上を向けて寝かせ足を台かふとん
  にのせてたかくします。脈が触れず、意識もないようなら心マッサージ(多発性
  骨髄腫などのような骨折しやすい病気があるときはしないほうがよいか?)
  人工呼吸をする。心マッサージは剣状突起すぐ上の胸骨下縁をおす、ベッドのう  えなど下が柔らかい場合は洗濯板のようなものを相手の下にひいてからする
  一分間に60回くらい、気分として3cmくらいへこますくらい。以外に骨折させる   ので、骨折させないよう相手の体格にあわせてください。人工呼吸は頚部に
  病気がなければ、頭を布団のふちで落とすようにしたほうが楽です。もし、吐き   そうなら、全身を横に向け上の脚を下の脚の前方に曲げてだし、上の腕も前に
  投げ出すような姿勢(Sims体位)にします。
   極めてまれですがおこりえますので御注意をお願いするとともに、もし起きた
  場合は速やかな対応をお願いいたします。
    
目次へ


2:中毒性表皮壊死症
  皮膚がくろずんだようになり見るからに汚くなる、被爆による火傷に似た感じに
  なる。


3:皮膚粘膜眼症候群
  発熱、食欲不振、口や口の中にぶつぶつ、多形性紅斑や結膜炎


4:偽膜性大腸炎
   血便、腹痛、下痢、発熱など


5:再生不良性貧血
   鼻出血、歯肉出血、咽喉の痛み、動悸、息切れ、倦怠感など


6:間質性肺炎
   発熱、乾いた咳、呼吸困難、X線写真で診断


7:偽アルデステロン症
    脱力感、手足のしびれ、不整脈、高血圧など


8:横紋筋融解症
    ニューキノロン抗菌剤で知られるようになった、治療法はまだ特にないと思い    ます。筋肉痛が激しく、今までに経験したことがないような痛みの場合これを疑   います。ほかに、脱力感、赤褐色尿、たまに呼吸困難


目次へ