興津宿小さな博物館

見所の説明(認定書)と写真を掲載しています。

おもちゃと模型博物館
 この博物館には、時代とともに現れ消え去っていった、懐かしいおもちゃや模型が大切に展示されています。
 館内右側のケースには、テレビ大衆化時代(昭和30年代後半以降)のヒーローや怪獣を模したソフトビニール製人形(フィギア)、超合金ロボットなどが、多種類かつ良い保存状態で展示されています。(非売品)
 中央ケースの戦艦模型は、館長自身が板から切り出し組み立てたもので、その後、趣味が高じて商いとなったとのこと。
 手作りのこま、竹とんぼ、プラモデル、ゴム飛行機など、商品についても「工夫して遊ぶこと」にこだわっています。

館長名 長崎京次
商店名 ホビー金魚屋
 



キッコーフジ醤油館
この博物館は、昔はどの町にもあった造り醤油屋です。
 身延道に面した格子戸と屋号入りガラス戸の建物(大正10年築)、帳場、欅の長押、大黒柱、鉄製の金庫などが当時の賑わいを映しています。
 工場には18石醤油桶、煉瓦造ボイラー、麹室などがあり、今も・ ・ ・うまみにこだわり自社製の醤油を造り続けている生きた博物館です。
 醤油の原料や製法の話、もろみと生揚醤油の味見、工場内の見学は館長さんにお願いしてみてください。
 キッコーフジ「亀甲の中に藤の字」の屋号は、万年生きる亀の長寿にあやかり、創業者の伏見藤作さんの藤をデザインしたもの。

館長名 伏見裕之 (四代目)
商店名 伏見醤油店



米屋のおやじ博物館
 昭和20年代まで、どの米屋、どの家庭にもあった道具や日用品を、そのままタイムスリップさせ展示した"おこめと暮し"の博物館です。
 一斗升、唐箕、千歯扱などの米の道具や、手回し電話、箱火鉢、陶器の枕、ブリキ製看板など「小さいころあったっけネ〜」と思い出される展示品に加え、店先では今も豆を計り売りし、お米は産地銘柄にこだわり奥の工場で玄米から自家精米しています。
 母屋(昭和8年築)は平成11年に一部改修(承元寺桧使用)され、その際にも、興津宿の商家の雰囲気を損なわぬよう苦心されています。
小学生は、精米工場の見学を館長さんに頼んで見てください。

館長名 高山一郎 (四代目)
高山雄次 (五代目)
商店名 高山仙吉商店
 



糸屋博物館
この博物館は、江戸時代から綿や糸などを商ってきた商家です。
 興津宿が東海道の宿場町として賑わったころから在り、明治元年の街並の図にも、屋号の島田屋喜助として記録されています。
 糸屋の看板、糸巻きカード、大福帳などの商い道具のほか、角樽、結納道具、手提げ弁当、身延講のぼり旗など昭和20年代まで用いられた、めずらしい道具が保管され、そのつど展示替えしています。
 宿場町の町割で間口が狭く奥行きが長く、母屋、蔵、中庭、離れの配置で、埋立て前は離れから清見潟の絶景を眺望していました。
館長自作の能面、知己の手芸作品なども展示されています。

館長名 堀江君平
商店名 堀江糸店



レトロクラシック音楽館
 音楽を聴きながら、お茶を楽しみながら癒される博物館です。
 ステレオ(昭和30年代製、真空管)から流れる、フルトベングラー指揮ベルリンフィルの演奏を聴きながら、お茶をお楽しみ下さい。
 この地は、明治後半から大正時代にかけて政治家や財界人の別荘が多く、東海ホテル、海水楼(ホテル)、カフェ・ライオンなど、モダンな雰囲気につつ包まれ、洒落た人々が行き交う東海の保養地でした。
 そうした興津の文化と土地柄に思いを馳せていただきたい。
 館を出られたら、裏山の中腹にある波切不動尊堂の庭から、町の佇まい、清見潟と三保の眺めをお楽しみ下さい。ゆっくり徒歩15分(片道)

館長名 山梨晴正
商店名 茶楽(有)山梨商店



興津の歴史写真館
 大正から昭和にかけて興津の歴史を写真で回想する博物館です。
 最後の元老、西園寺公望と21年間(大正8年〜昭和15年)を過ごした坐漁荘の佇まい、水口屋に御宿泊なされた昭和天皇皇后両陛下の御様子など、歴史の証人として撮影した多くの貴重な写真が展示されています。
 良く整理されたパネル写真からは、清見潟の浜辺や街道の家並み、東海道線の蒸気機関車や新幹線の営業開始など、日常の風景も記録に留めたいという館長の思いが表れています。
 もしかしたら、あなたも写っているかもしれませんね。
 これからも、興津を記録しつづけていただきたい。

館長名 山田昭次
商店名 山田写真館



麺の博物館
 この博物館では、今も昔ながらの天日干しにより素麺を作っています。
 創業明治29年、約110年の歴史があり、当初は横浜港から輸出していました。以来原料の小麦粉と塩を吟味し、防腐剤や油などは用いません。
 天日干しは、表通りの店舗と奥の製麺工場との間にある中庭において、4月から10月の晴れた日に行います。 乾燥には二昼夜を必要とし、天候に左右されるため大量生産はできません。
 原料を引き立てる伝統の業により、素麺本来の香りが味わえる麺づくりにこだわり続けています。
 天気のよい日に、中庭の白い簾のような天日干しをご覧下さい。

館長名 大澤 一仁 (三代目)
商店名 大澤製麺所



駿河雛人形博物館
 親子二人の伝統工芸士と家族が、駿河雛人形(伝統工芸品)を手づくりし、販売、飾付、保管、修繕と四季の営みをつづけている人形師の博物館です。
 初代光月の時代は、人形一体すべてを一人で製作していました。
 現在は、京都の布生地をはじめ、各地から頭、土台、手足、道具、屏風、ぼんぼり、台などの材料、部品を取り寄せ仕立て上げています。
 人形づくりは一年を周期としており、7月から10月は家族総出の製作を見学でき、10月から翌年5月にはその作品を展示、販売しています。
 歴代の作品などによる歴史的な雛人形の展示もご覧ください。
 創業明治30年(1897)

館長名  岩城 孝(光月三代目)
商店名 (有)岩城人形