モハメッド・アリ

アリは、リングで生きるったけを生きた。
輝くだけ輝いた。
やがて、リングの中で彼の肉体は、急速に滅んでいった。
アリは、バラバラになろうとする手足をかき集め
それを操りながら、なおも戦った。

なぜアリがあそこまで、戦わねばならなかったのか。
それは、僕が応援していたからだ。
そして、アリは彼自身の玉座にとりつかれていたのだと思う。

今、アリはグラブをはずし、バンデージも解き、座っている。
夏の宵の星々に囲まれて、座っている。



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