『仮面を脱ぎ捨てて…』 

 

ナナシ:「…………………(すぱ〜」屋根の上

新:「・・・鬼隆さんきませんねぇ(ぽつり)」いつもの所で正座して独り言のように

新堂:「……そう簡単に、割り切れる物じゃないでしょうからね」

新:「でしょうね・・・しかし、難しいですね気持ちというのは・・・」

新堂:「…………ふぅ」

新:「新堂さんも・・・まだ本調子じゃ無いみたいですね」ため息見て

新堂:「そう、見えますか……風速さん」

新:「ええ、いつもより元気が無いように見えますね・・・」

新堂:「自分では隠しているつもりなんですけどね……ばれちゃいますか」

ナナシ:「………いつもの様に取り繕う余裕がない位には元気がなさそうだな…よっと(すとん」

新堂:「名無しさん…………確かに、これではいつもの私じゃないですね」

新:「・・・これでも新堂さんよりは長く生きてますしねぇ・・・あ、名無しさんどうも・・・」

新堂:「うん……いつもみたいに取り繕う余裕が無いみたいです……」

新:「鬼隆さんもそうですか、他の方々・・・この頃姿が見えない司さんとかも心配ですね・・・」

ナナシ:「……ま、何があったかは菊に聞いたさ……司の奴もあの性格だからな…一人で悩んでるんだろうぜ(しぼっ」

新堂:「そうでしょうね……司さんも、寧子さんも、心配です」

ナナシ:「……自分が落ち込んでても人の心配するんだな、お前は(くしゃ」

新:「自分の知っている人が亡くなるのはショックですよね・・・ただ、前に進まなければそこで生きている意味が無くなります・・・」

新堂:「正直に言って、私まだ、割り切れないです……大切な誰かを……家族を守るのが、私の役目だと、ずっと思ってましたから」

ナナシ:「そこで簡単に前に進めるほど人間強く出来て無ぇのさ……大抵はな(ふぅ〜」

新:「それでも、いつかは前に行くしかないのですよね」

ナナシ:「前に進めなきゃ…そいつはそこで終わりさ…」

新:「・・・判ってますよ、俺も前に進んでここに居ますからね(苦笑)」

新堂:「たぶん、私がまだ大丈夫なのは、実感が無いからだと思うんです……鈴鹿さんが殺されるのを、直接見たわけじゃないですから」

新堂:「ひょっとしたら、今この時が、いつも見てる悪夢の延長じゃないか……なんて事も考えてます」

ナナシ:「残念だが現実だ…実感があろうが無かろうが…な(ふぅ〜」

新堂:「名無しさん……お願いがあるんです」

ナナシ:「……どうした?」

新堂:「風速さんでも良いんですけど」

新:「なんですか?」

新堂:「……全力で、殴ってくれませんか……私の目が覚めるように……それこそ殺すぐらいの勢いで」

新:「・・・殴れって・・・言われても・・・」(とまどい)

ナナシ:「………………(すうっ」手をさしあげ

新堂:「私自身で何とかしようと思ったんですけどね……血は出るんですけど、大して痛くないんですよ」包帯巻いた右手出しつつ

ナナシ:「……( ぱ あ ん っ ! ! 」全力で頬っぺた張り飛ばす

新:「あ、な・・・名無しさん・・・」

ナナシ:「…………目ェ覚めたか?」

新堂:「うん……痛いです…………」

新堂:「…………やっぱり、夢なんかじゃないですね」

ナナシ:「ああ、夢じゃない……現実だ」

新:「・・・強引な手段ですねぇ・・・手の方はちゃんと手当してあるのですか?」

新堂:「手なんてどうでもいいです……どうせ、大した傷になんてならないんですから」

ナナシ:「体の傷はな……(しぼっ」

新:「・・・そんなこといっちゃいけませんよ・・・その手を鬼隆さんが見たら心配しますよ、一寸見せて下さい」

新堂:「大丈夫です……手当てぐらい慣れてますから……」

新:「・・・そうですか、一応道具だけおいときますね・・・しかし、鬼隆さんきてくれますかねぇ」救急箱置いて

 

新堂:「…………ああ、やっぱり、鈴鹿さん、死んじゃったんだ」

新堂:「……今でも思うんです、あの時もうちょっと気をつけていれば、こんな事にはならなかっただろうって」

新堂:「もう……ちょっと、うまく…出来た…はず………だって」

ナナシ:「……………(ぎゅっ」頭を抱いて胸に押し付ける

新:「・・・・・・」無言で

ナナシ:「もういい………」

新堂:「私は守りたかったんです!私が好きな人を!!私を好きになってくれる人を!!なのに!!守れなかった!!

新堂:「私にもうちょっと力があれば!とめる事も出来たかもしれないのに!!

ナナシ:「……お前だけのせいじゃない………だからもういいんだ」体勢そのままで頭を撫でる

新堂:「…………」

新堂:「ぐすっ…………ひぐっ……」

新:「・・・・・・何もかも忘れて今は泣くといいでしょう・・・ただ、それがすぎたなら立ってくださいね、そうしないと・・・」

ナナシ:「………………」無言で頭を撫でる

新堂:「…………………………………………名無しさん、もう、いいです」

ナナシ:「……少しは気が晴れたか?」離しつつ

新堂:「はい…………流石にちょっと無理はしてますけど」

ナナシ:「ま、あんまり無理すんなよ……お前、普段から色々背負い込み過ぎてるんだ…(しぼっ」

新:「落ち着いたなら、何か飲み物のみますか?」

ナナシ:「おう、バーボンにしてくれ」

新:「はい・・・新堂さんはお茶でいいですか?」台所へ

新堂:「私はホットミルクをお願いします……しかし、化けの皮がはがれちゃいましたね」

新:「ホットミルクと、バーボンですね・・・少し待って下さいね」

ナナシ:「その方が良いのさ……それが本当の『新堂唯』って事だろ?(くしゃ」

新堂:「そうなんですけどね……表情隠すには便利だったんですよ……たいていの人は「〜様」なんてつけたら変な顔しますし」

ナナシ:「そりゃそうだろうな(くくっ」笑う

新:「どうぞー、クッキーとサラミ置いておきますね」二人に飲み物渡し、自分はお茶を

ナナシ:「ああ、済まんな」

新堂:「ありがとうございます」

新:「いえいえ、鬼隆さん居ない今は俺の役目ですし(ぇ・・・まぁ、無理していたのなら隠さないでも良いのでは?」

新堂:「ふぅ……こうなったら、千秋姉さんには悪いけどもうやめようかな……ばれちゃった事ですし」

ナナシ:「いいんじゃないか?…皆ビックリするだろうけどな」笑いつつ

新:「というか、すでにびっくりですしねぇ」

新堂:「そういえば名無しさん、一つ言わせてください」

ナナシ:「ん?」

新堂:「…………さっき、本当に本気で叩いたでしょう、もうちょっと抑えてくれてもよかったと思うんですよ!

ナナシ:「……………本気で殴れって言ったじゃねぇか」情けなさそうな顔で

新:「・・・そういえば、びっくりするほど音してましたねぇ」

新堂:「私だって一応女なんですから、色々気をつけてるんですよ!闘うときだって顔だけは傷がつかないようにしてるのに!

ナナシ:「………判った、俺が悪かった」お手上げのポーズ

新堂:「うん、よろしいです」

ナナシ:「…………(しぼっ」困ったような顔で笑いつつ

新:「・・・体は良いんですか?」

新堂:「体なんてもうすでに手遅れですから、だから顔だけは何とかしてるんです!

新:「はぁ・・・なら、もう一寸防御を考えませんか、新堂さんの戦いみてると、かなり心配なですが?(汗)」

新:「ちなみに、俺の見た所この寺の人は防御考えない人が多すぎです・・・命は一個なんだから気を付けないと(怒)」何故かヒートアップ

新堂:「心配してくれるのはうれしいですけど、あんな闘いかたしか出来ないですから、しょうがないです」

新:「いいえ、新堂さんだってちゃんと出来るはずです、知らないなら名無しさんなり、俺なりが教えられますから、聞いて下さい!」

ナナシ:「…ま、もう少し考えた方が良いのは確かだろうな……でないと身が持たんぜ(でこピン」

新堂:「あう……出来る限り気をつけるようにしたいと思います」ちょっと笑いつつ

新:「ったく、蒼矢さんもそうだし・・・加速する人ってなんでこう・・・(ぶつぶつ)」暴走中のためすでにあっち行き

ナナシ:「それでよし(すぱ〜」何故か偉そうw

新堂:「さて、私はそろそろ帰らせていただきます……鬼隆さんや司さんの様子も見に行きたいですし」

ナナシ:「ああ…特に司はあの性格だからな……元気付けてやりな(ふぅ〜」

新:「・・・あ、おやすみなさい・・・手の手当はちゃんとして下さいよ」

新堂:「大丈夫ですって、本当にかすり傷ですし」

新:「・・・そういえば、名無しさんて・・・たまに父性を感じるんですよねぇ・・・何歳なんですか?」

ナナシ:「企業秘密だ(すぱ〜」

新堂:「……お二人とも、ありがとうございました!!」外に向かって走っていく

新:「いえいえ、気を付けてくださいね・・・ぶつかれば自動車もただではすみませんから」

新堂:「どういう意味ですかそれっ!!」ドップラー効果で流れていく

新:「・・・そのままの意味なんですけどねぇ」

ナナシ:「…………(見送り)……さてと…寝直すか(欠伸」

新:「まぁ、名無しさんは名無しさんですからねぇ・・・俺も修行の続きしてきます」刀もって外へ

ナナシ:「よっと(ごろり)………(欠伸」屋根に上がって寝転がる

新:「・・・・・・ふぅ・・・はぁ・・・」岩の前で又集中