伊豆、狩野川水系
H.15 3/16, 3/23
 昨シーズン、足繁く通った忍野も解禁を迎えましたが、今年は伊豆の川をもっと探索するつもりです。
 
 既に、#14くらいのドライフライで釣り上がりが楽しめるとの情報を得たので、まずは、大見川の支流の冷川を探ってみます。冷川とは名ばかりで、日照も充分で落差もなく、川に降りると、春たけなわといったところです。フタバやオリーブのコカゲロウや、小型のカディスも多数ハッチしています。ライズを探しながら釣り上ると、早速、瀬の中から6寸ほどの綺麗なアマゴが飛び出しました。
 「こりゃ幸先いいな〜!」
 にんまりしながら、釣り上ると小さな落ち込みの下にイイ感じのプールがあります。目を凝らすとピシャ!とライズがおきました。コカゲロウのダンパターンで様子を見ますが、反応はありません。何投かして、フライを替えようかと思い始めたとき、真横の護岸の際で、「ドボンッ!!」と飛沫が上がりました。
 「ウワッ!!!」
 護岸の上の竹薮から、石でも落ちてきたのかな、と思いましたが、そんな様子はありません。しばらく川から離れて様子を見ると、再度「ゴボンッ!!」ときました!イブニングのヒゲナガのような派手なライズです。あれが小物のはずがありません!意気込んでフライをキャストしましたが、全然反応もなく、再度ライズが起こることもありませんでした・・。
 
 その後、上流の徳永川に行きましたが、餌師のラッシュで入渓する余地はありませんでした。
 コンビニで弁当を買って休憩して、今日、こちらに来ているはずの、釣れないフライマンさんに電話をしてみると、本流でたくさんのライズがあったそうです。 急いで本流へと向かいました。
 本流では、釣れないフライマンさんとmotoさん、お初のOさんが、もう釣り仕度を解いて、川から上がっていました。挨拶もそこそこに状況を伺うとハッチもライズもかなりあったもののドライには全然でなかったそうです。motoさんは、25センチほどの良型をウェットでしとめたそうでご満悦でした。
 堤防上で川を眺めながら雑談していると、釣れないフライマンさんが派手なライズを発見しました。散発ですが、惚れ惚れするような刺激的なライズです。
 早速、川に向かいますが、全く自分のフライには反応がありません。そのうちライズも止まって、朝からやっている釣れないフライマンさん達は帰宅しました。
 時間は午後3時すぎ、ごく散発ながら、3箇所くらいでライズがあります。しかし、全くフライに反応がなく、もうやめた!と川から上がるとライズが起こり、また川へ・・の繰り返しで5時すぎまで粘りましたが、完全敗北でした。
 
 すご〜〜〜く悔しいです!! 前回の釣行では、悟ったように小生意気な釣行記を書きましたが、大間違いでした。大バカのヘボ釣り師の苦悩は、まだまだ当分続きそうです。

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 翌週、3/23、幾つかのフライを捏造してリベンジに挑みました。まずは冷川の様子を伺います。瀬の中のライズを2つかけましたが、どちらも手元でさようならでした。目差していた先週のライズポイントに近づくと、長〜い竿先がちらちら見えます。がっかり、釣り下ってくる餌釣り師です。年に1回くらいは、この規模の川で、釣り下る人と擦れ違いますが、とてもがっかりしますよね。しかし、釣り下りが禁止されてる訳でもないし、仕方ないですね。
 気分一新、予定よりちょっと早いですが、本命の本流へと向かいました。しかし、ハッチは先週以上にあるものの、魚の気配がありません。近くの支流を覗いてみましたが、こちらも魚の気配がありません。また本流へと向かい、ライズを待ちました。
 
 時間はそろそろ3時になります。フタバコカゲロウがだらだらと緩慢にハッチを続けます。ライズは15〜20分に1度くらいのごくごく散発のライズです。1時間ほどすると風が強くなり水面が波立ちました。足元の流れに目をやると、#14〜16くらいのカゲロウの赤茶色いシャックがぞろぞろと流れてきました。黒っぽいスチルボーンも混じっています。上流でまとまったハッチがあるようです。しかし、強風で吹き飛ばされるのか、虫の姿は見えません。赤いシャックだからアカマダラ、黒いからクロマダラと考えるのはあまりに短絡的でしょうか?ご覧の皆様、迷える子羊に知恵を授けてください。
 相変わらずライズも無いまま、午後5時を過ぎました。風もおさまり#12ほどのエルモンヒラタや、足下の石からヒゲナガもハッチを始めました。しかし、相変わらずにライズは単発です。
 「あ〜あ〜〜、今日もボ・・か〜・・・」
 あきらめムードの漂い始めた頃、30メートルくらい上流の深瀬にライズが起こりました。しばらく眺めるとまたライズ!淵尻のライズは諦めて、急いでそちらに向かいました。
 もう6時過ぎ、10メートル余り先の護岸の際でライズしています。#14のフラッシュボディー・パラシュートをキャストします。淡い色のカゲロウに良くマッチして、イブニングに実績のあるフライです。 しかし日暮れは早く、もうフライは見えません。#10にチェンジすると今度はばっちり見えます。
 気合一閃、投じたフライは上手くライズのレーンに乗りました。着水後、ス〜ッと30センチほど流れたところでスプラッシュ!!!!
 「きたーーーーーっっ!!」
 バシャバシャバシャーー!! やっときました!!
 グリングリンと走りまわり、時折鋭い突っ込みをみせてリールを気持ち良く鳴らしてくれます。本流育ちは元気一杯です!
 充分、そのファイトを堪能してネットに収まったのは28センチのビカビカのアマゴでした。
 先週は手も足も出ずに惨敗で、今日も殆ど諦めモードに陥りかけていただけに、しばらくは興奮が冷めなかったです。今、キーボードに向かっていても、まだ嬉しい気分は残っています。
 本流の釣りは苦労が報われることが少ないために、根性なしの自分は、今まで殆どしたことがありませんが、その分、結果が出たときの達成感というか充足感は例えようもありませんね。

 ちょっとクセになりそうです。