忍野修行4
良型ニジマスのファイトと、イブニングのケニス(ヒメカゲロウ)
 7月6日、今日は久し振りの終日釣行が楽しめます。ここのところ、思うような釣りが全然できていないので、気合充分でAM8時に漁協の駐車場に到着しました。今日ご一緒するひろりんさんに電話をすると、まだ自宅との事です。お先に釣り下ることにしました。今日は、最下流までじっくり探ってみるつもりです。

 いつも真っ先に様子を見る、釣堀裏の堰堤下を覗くと多数の魚影が見えます。良型の岩魚に狙いを付けますが、#20〜24のミッジ・ピューパ、フェザントテールに見向きもせず、(鬱陶しいな〜〜!)といわんばかりに逃げてしまいます。仕方ないのでターゲットをニジマスに変えるとあっさりと咥え込みました。
 ここでニジマスをもうひとつ、ちょっと下流でブラウンを追加しました。レギュラーサイズはもう堪能したので、良型に狙いを絞ります。しばらく下ると、テニスコート裏で40センチほどの貫禄充分の岩魚を発見しました!・・・が、下手くそなアプローチで、あっという間に姿を消してしまいました。しかし、良型のニジマスが多数定位しています。厚く重い流れに、なかなかフライを泳層に送り込めません。ヘビーウエイトのビードヘッドニンフを流すと、魚の鼻先にフライを送り込めますが、やはり嫌われます。ミッジニンフはティペットを細くしても、沈みきらないので、粘土状のシンカーを練り付けキャストします。すると、やっと反応してくれました。40ほどのニジマスは”ジィ〜〜ッ”とリールを鳴らして気持ち良く走ります。0.4号のティペットですが、案外あっさりとキャッチできました。ちょっと尾鰭の丸い38センチのニジマスです。
 その後、今は無い東電の吊橋下の直線で、藻の陰に定位して盛んに餌をついばむニジマスに、#18のヨコエビパターンを投じると一発でした!35〜6のニジマスです。ジャンプを繰り返し、良いファイトを楽しみました。
 更に下流のS字付近で、レギュラーサイズ(ニジ)を追加、40近いニジをばらし、12時過ぎにようやくひろりんさんとお会いしました。ここで、ひろりんさんのお知り合いの丹ちゃんさんとお仲間のラクロアさん、アラブさんとお会いしました。初対面のご挨拶を済ませ、もうお昼の時間ですが、もうひと頑張りしようと更に下ってみました。
#20のフェザントテールニンフを咥えた、38センチのニジマスです。コンディションは今ひとつでした。ヨコエビパターンで釣った35〜6のニジマスは画像を誤って削除してしまいました。お間抜けです。
 まだ、ヤマメの顔を見ていないので、やる気のありそうなヤマメを探します。しかし、ハッチも低調で、ライズも無いまま、ホテル前までやってきました。アシの切れ間から流れを覗きますが、ほとんど魚影は見えません。(そろそろメシにするか・・)駐車場まで戻ることにしました。
 
 金田一のすぐ上流に差し掛かった時です。流れを通して見ても、惚れ惚れする素晴らしい魚体の、45センチ以上はあろうニジマスが藻の切れ間に定位して、時折、流下する餌をついばんでいます。
 (よっしゃー!)
 俄然やる気が沸き起こってきました!! 確実にキャッチできるように、6Xのティペットに#18のヨコエビパターンを結び、背後の木から伸びた枝に邪魔されながら、キャストを続けますが、無反応です。
 仕方ないので、キャッチできる可能性は低くなってしまいますが、ティペットをフロロの0.4号に変え、#20のフェザントテールを結びました。すると、明らかにフライに反応します。しかし、あわせてもスッポ抜けばかりで、フライが頭上の枝に喰われるばかり。もう、10本近くロストしたでしょうか。フェザントテールは残り僅かになってきました。
 空腹も重なり、集中力が途切れてきたので、心機一転、ティペットを結びかえる度に短く太くなるリーダーを交換することにしました。
 しかし、普段はたやすくできることが、もどかしいくらいに上手くいきません。深呼吸して一休み。ヤツは相変わらず同じ場所で定位しています。
 ぼ〜っと川を眺めていると、腹を見せた20センチ足らずのヤマメが流れてきました。すると、ヤツが猛然と襲いかかりました!! 
 ”ガボッ!!!”
 ヤマメの横っ腹に噛み付いています。2,3度水面を大きく乱して、ヤツは定位置に戻っていきました。こんな光景は初めて見ました。しかし、それほど興奮すること無く、案外、平然と釣りを再開しました。 
 フライボックスを覗きます。残っているのは、いかにも釣れなそうな不細工なものです。でも、何といってもこれしかフライはありません。ソラックスにオーストリッチ・ハールを巻いた、#20のフェザントテールもどきを結んでキャストしました。
 何回目のドリフトでしょうか?その瞬間に、フライとニジマスの動きが、完全にシンクロしたと100%の確信が持てました!!
 スッとスライドして、口を閉じたの見て、一呼吸おいてフックセット!!
 「どーだっ!!!」
 ”ゴンゴンゴンッ” 
 (きたーーーーーーっっ!!!!!)
 狂ったように首を振り、 ”ドッボン” ”ドッパーン”とジャンプ!ジャンプ!! 息つく間もなく、一気に上流に遡ります! ”ジィーーーーーーッ” リールが悲鳴をあげます!サミングが追い付かず、ちょっとバックラッシュ、ブッシュの下に突っ込みそうです。 ”ヤバイ!” と思った瞬間、瞬時にUターンして猛然と駆け下っていきます!あたふたと竿を立ててラインを手繰りますが、全然追い付きません。既にヤツは目の前を悠然と泳いでいます。
 (もうバレちゃったかな?)

 しかし、手繰ったラインの先には、まだヤツがいました。テンションをかけると、またギュィーーンと駆け下っていきます!! 足下に垂れていたラインは瞬時に無くなり、”ジャーーーーーッ!”とリールが鳴き、すごい勢いでラインが竿先から引きずり出されます!咄嗟に竿を倒し、サミングしました。しかし、興奮しすぎてサミングする左手に力が入ってしまったのでしょうか? ”プッツン” とラインブレイク! ・・・その場にしゃがみこみ、竿を握り締めた拳で、膝を叩き、ふかーい溜息をついてしまいました・・・
 
 時間はもう3時頃、大分時間をくってしまいました。急いでひろりんさんのもとに向かいます。心優しいひろりんさんは食事もしないで、ボクを待ってくれていたようです。お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!!
 近くのコンビ二で、メシと酒と肴を仕込んで、漁協の駐車場で小宴会です。すきっ腹の酒の効くこと!最高です!
ひろりんさんとご一緒すると、これも大きな楽しみのひとつです!丹ちゃんさんとお仲間の方達も交えて、とても楽しいひと時です! 楽しい時間は早いもので、もう時間は5時半すぎ、イブニングに向けて出陣となりました。
 タイミングよく地元ショップのマスターにお会いして、イブニングの狙い目についてアドバイスを頂けました。ケニス(ヒメカゲロウ)のハッチに伴う良型のライズを、#28、8Xティペットで狙うそうです。ボクは初めてお話しをしましたが、とても親切で、大変好感の持てる方だと思いました。やはりその情熱は熱いですね!
 すっかりケニスの虜になってライズを待ちます。するとはっきりケニスのハッチは確認できませんが、モコモコとライズが始まりました。#28のケニスのスピナーパターンを投じると一発できました!・・が20センチ余りのチビヤマメです。すぐにリリースして次のライズを!といきたいところですが、ライントラブル、あたふたと仕掛けを直しているうちに、チャンスを逸してしまったようです。既に時間は7時半すぎ、コウモリが飛び交っています。ヒゲナガもフタスジモンカゲも見当たりませんが、未練たらしく#10のホワイトパラシュートをキャストしていると、何かがフッキング。
何とコウモリです。宙を飛ぶラインにどうしようかとまどいながらも、フリッピングを繰り返すとどうにか外れてくれました。これで、踏ん切りがついて、納竿となりました。

 久し振りの忍野でしたが、小規模ながら、湧水の流れの懐の深さを再認識しました。忍野熱が再燃しました!
 今回ご一緒して頂いた皆様、大変楽しい釣行でした。またご一緒しましょう!!