W.腰に目
【The Skipper is Oyaji師匠】
<症状>バッティング時に軸がブレる
1)バッティング時に「軸がブレる」 ので、空振りが多い
2)投球のコースに合わせて軸が動くので、ボテボテのゴロや内野フライが多い
3)アウトコース低めの球を空振りし易い。(ワンバウンドする球を空振りする)
<Oyaji師匠所感>
これは、贅沢で欲張りな悩みの一つです、この中に打撃のエッセンスが半分くらいは詰まっています
<チェックポイント>
@頭の位置が動いてボールを見ているため、体が動いて、軸がブレる
A「膝で立っている」ので、腰が回らないために、体が動いて、軸がブレる
Bインパクトで、首が傾いてボールを見ているので、下から振ってしまい、空振りする
@頭の位置が動いてボールを見ている
<意識の持ち方>
「腰の真横に目玉が付いていると思え!」
頭の位置を動かさずにボールを見ることを意識しましょう。
投球を見る時に「腰でボールを追っかける」感覚にイメージを変える。
子供達には言葉の理解はできても、それをなかなか動作に反映させることができません。
こう言ってみては如何でしょう。「腰の真横に目玉が付いていると思え!」です。
<解説>
頭の位置を動かさずにボールを見ることが大切です。
「目でボールを追っかける」ということが、よくないのです。 子供達の頭の中で理解して欲しいことは、
「目でボールを追っかけるのは、すべての球を自分の感覚の中で、
ストライクに見たててしまうことになるんだよ。」ということです。
打者が、構えた目の位置から、高い球に目線が上がる、低い球に目線が下がる、
アウトコースに目の位置が乗り出して行く、インコースに身体が先に逃げてしまう、
このすべての動作が、目で投球を追っかけるという動作です。
「目でボールを追っかける」のは必ず上半身から始動してしまいます。
アウトコースに頭を持っていくと、下半身が全く動かずに手だけで振ってしまいます。
ファールボールで逃げるのならば、それでいいのかもしれませんが、
それは打撃の技術とは全く異質の物です。
低めの球に身体が前に行ってしまうのも、よく似た動作です。
低い位置からボールを見るとストライクに見え易くなるのです。
「高い球は頭の位置を下げて、叩き落とせ。低い球は腰を高くして掬い上げろ。」
勿論、そういうふうに使い分けれる訳ではないのですが、そういうつもりでいいんだとアドバイスしています。
A「腰で立て」 股関節で地面をとらえれば、軸がブレにくくなる
よく指導者が顔を真っ赤にして、「もっと、腰を回せ!腰を回せゆうとるやろー!」(笑)
これやめましょう。
腰を回せる状態をアドバイスして作っておいてから、「後は腰をまわすだけや!」にしましょう。
では、腰を回せる状態とは?
「自分の体重を股関節で支えるのであって、膝で支えるのでは無い。」ということです。
「腰で立つ」ということが、構えにおいては「人それぞれ」、
しかしテークバックのトップでは「重要なポイント」になります
つまり、テークバックのトップでは、「腰で立つ」状態になっていなくてはなりません。
<解説>
膝で体重を支えていると、膝は使えても、その上に乗っかっている腰は回りません。
回っているようにみえても、或いは本人がそう感じていても、
回っているのではなく、前に移動しているだけなのです。
腰を、回したいならば、腰で立てば自然と回ります。
「自分の体重を股関節で支えるのであって、膝で支えるのでは無い。」
これは身体意識の持ち方に関わってくるので、とても難しいことです。
しかしこれができれば、驚異的に打撃技術は進歩します。
膝を曲げて構えるのは良いのですが、その膝の真上に頭が乗っかっているのは、
膝で体重を支えていることになります。これでは下半身が使えません。
<腰で立つ ドリル#1>
クラウチングスタイルで感覚をつかむ
単純にベースの上に頭を持ってくればいいのです。
外国人選手のようにクラウチングスタイルでいいのです。
クロマティが極端でしたね。最初は極端くらいでいいと思いますよ。
最初は腰を引いたような変な構えに見えますが、
顔を最初から最後までストライクゾーンに置いてスイングするつもりで極端にやらせる方がいいです。
これだけで、股関節で地面を捉えるしかないようになります。 つまり軸がブレにくくなるわけです。
必ず、胸よりも低い球を打つのですから、身体を真っ直ぐにしては打てない訳ですね。
頭を最後までベースの上に置く意識で、チルドターンを促します。
インパクトの瞬間は「バナナのように曲がる」です。
<体の使い方>
@右打者なら右膝、右腰、右肘を一気に左半身で巻き取るつもりで打ちなさいということです。
「軸がブレる」ということは、やはり後ろの足で押しているのです。
その力が基点になるべき腰(股関節)をスルーして上半身にダイレクトに伝えようとしているのです。
この中にフリーフットも含まれます。
例えば、ステップをし終わった状態、つまり広い目のスタンスで素振りをしてみて下さい。
お腹を前に出せば、身体の真上に頭があることになり膝で体重を支えることになりますね。
これでは腰が回りません。お腹をへこめてお尻を後ろに出してみて下さい。
腰がスムーズに回るようになります。これは股関節で体重を支えているのです。
地面に水平に振るとか、インコースのとんでもないボール球を所謂、
大根切りで振るつもりならば、膝で立つのは都合が良いかもしれません。
しかし、自分の胸より低い ストライクゾーンの球を打つのが野球ですから、
腰は地面に水平に回ったとしても上半身は、斜めの回転をしないとボールは打てないのです。
つまり、バックネット側から打者を見た時、インパクトで真っ直ぐになるのではなく、
「く」の字にならなければならないのです。
これをスムーズに実行するためにお尻を後ろに引いて、頭を前に出すことで、
股関節で体重を支える訳です。
但し、これをやると顔も傾いてしまう子がいるので顔は真っ直ぐにして下さい。
<腰で立つ ドリル#2>
「膝で立つな!腰で立て!」
股関節で地面をとらえれば、軸がブレにくくなります。
練習の昼休み時間を利用すると良いと思いますが、その子をバッターボックスに立たせます。
そして、「今から、君だけ特打ちをやる。しかし打ってはいけない。
打つつもりで、腰の目玉でボールを見るだけだ!
ストライクならバットは振らず、腰を強く回すだけ、 ボ−ルなら腰の目玉で睨みつけて見送る。判った?」
バッティングピッチャーはコントロールの良い人がいいでしょう。
バッティングピッチャーは、四球中三球はワンバウンドになるボール球を投げて下さい。
一球はストライクです。
要するに、開かないこと、タメを作ることの具体的な表現のひとつです。
ボールを見送る練習はタメを意識させる目的です。 何度も言いますが、最初は極端にやらせて下さい。
丸くなっては駄目ですよ。背筋はピンと伸ばしていた方がいいです。
ただし、目と身体の誤差が発生することを計算しておいて下さいね。
ま、直ぐに選手本人が調整できることなのですが、
今までの頭の中で描いていたイメージよりもスイングスピード、
特に始動から早い身体のターンができるようになりますから、
ボールのスピードに合わせて振ろうという意識だけが残ることになります。
思ったよりも早く振れることで、初めはバットの先っぽにあたる現象がでてきます。
「ボールを引き付けて、いきなり振れ!」というアドバイスが生きてくるはずです。
<腰で立つ ドリル#3>
<ヘルメットを掴んでロングティー>
ロングティーで打者の前に指導者が立って、ベースの上にある打者のヘルメットを
最初から最後まで掴んでおいて、イメージを植え付ける方法。
世界の王さんは、子供に教える時これをよくやります。
腰を基点にして身体を回す感覚が、よくわかると思います。
これだけでスイングスピードが見違える程アップします。 打者の前に立つというのは、ホームベース側です。
ドア−スイングもこれで直ります。ドア−に打ちづらくなります。
膝を使いたいなら膝で立てばよくて、腰を回したいなら腰で立てばいいのです。
FullSwingさんが言う「背筋で支える」というのは、何となくそんな感じがしないでもないですが、
ここらあたりは身体意識の問題なので何とも言えないですね。
いずれにしても膝を重心として立たない、というか膝に体重を乗せない感じです。
Bインパクトで、首が傾いてボールを見ているので、下から振ってしまい、空振りする
<症状>
インパクトで首を傾ける子
下から覗き込むようにしてインパクトで首を傾けて打っている子がいます。
傾いた方向が水平だと感じてしまっていますね。
こういう子には、いくら下から振るな!とアドバイスしても、自分では真っ直ぐ振っているつもりなんです。
先に首の傾きを直してあげるべきです。
顔を真っ直ぐにしてボールを見ることが必要です。