う蝕になりやすい大人になるかどうかは、幼児期にどんな菌叢を周囲の大人から受け継ぐかで決定されます。個人の持つ固有の菌叢はそれぞれ異なり、う蝕菌比率も個人に固有のものと考えられています。
う蝕菌のうち特にミュータンスレンサ球菌は、歯牙が萌出するまでは口腔内に存在しません。 ミュータンスレンサ球菌は歯牙の上でしか棲息できない細菌であるために歯のないところでは生きられないためです。 生後19ヶ月から31ヶ月の間に萌出したばかりの歯牙の表面に現れて定着します。
これは周囲の大人の口腔からスプーンなどを介して幼児の口腔内に移植されて感染した結果です。
この時期に感染する機会がなければ、それ以後は感染する可能性はなくなります。 なぜなら、一旦完成した個人に固有の細菌叢のバランスは容易にくずされることはなく、後からミュータンスレンサ球菌が進入してきたとしても受け入れられて定着することはないからです。
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