←戻る

歯周病と糖尿病

糖尿病にかかると、体がだるいだけでなく、網膜症や腎臓病など、全身の疾患に 悩ま されることになります。さらに、体中の悪玉細菌と戦う機能が極端に低下します から、 歯周病菌にも十分にも抵抗できず、口の中での増殖を一方的に許してしまいます 。そ のため歯周病はどんどん悪くなっていき、糖尿病性歯周病とでもいった状態に陥 って しまうので歯周病は糖尿病の合併症といわれています。 歯周病を治療せずににそのまま放置しておくと、口の中に生じる炎症や感染の持 続に よって血液中にTNF-αなどのサイトカインの量が増え、脂肪組織や骨格筋の細胞 のイ ンシュリンに対する抵抗性を高め、インシュリンを作用しにくくしてしまう。ま た炎 症によって生じた物質のCRP(C反応性タンパク)などは肝臓の働きを鈍らせ、グル コー ス(ブドウ糖)を分解する能力を低下させます。インシュリンは血液中の糖の濃 度を 下げるホルモンなのですが、之がうまく作用しなくなると血液中の血糖値をコン トロー ルすることが困難になり、血糖値が上がり、糖尿病は悪化傾向をたどって、同時 に病 原菌感染をおさえる能力や創傷治癒能力までが低下していきます。