VOL. 15
● ブル−インパルス
救急隊の通報記録によると2004年5月29日(土)14:14分。管理人がとある若者の無謀な運転による交通事故に巻き込まれ加害者車両を飛び越し路面に叩きつけられた時間である。その瞬間、手塩に掛けてきたRVF/RC45もアルミとカーボンとチタンの屑と化した。
あれから半年、懸命のリハビリの甲斐もあってどうにかバイクには乗れる様になったが、完全な回復は望めず今後も障害を抱えたままの生活を余儀なくされそう。そして無残な姿となったRVF/RC45の損害賠償交渉も進展せず修理の見通しも立たない現状。とりあえず数少ない使えそうな部品は活用してゼロから作り直す希望は持っているものの、時間的にも予算的にもそして部品の入手製を考慮してもすぐに乗れるような状況ではない為、代替車両の購入を検討する事になった。
候補は最新型のCBR1000RR,VTR1000SP-2,ドゥカティ999R,そして中古でのRVF/RC45。CBRは8耐でも優勝してその性能は折り紙つきであるが、インライン4なら別にホンダ車でなくても良いと思っているので脱落。やっぱりV型エンジンが良いと思っている管理人としては999Rにも心惹かれる物があったが予算的にNG。RVF/RC45はタマ数が少ない上に程度の見極めも難しい状況。そうなるとVTR1000SP-2が現実的な選択肢となった。
VTR1000SP-2を探し始めた時に、日頃お世話になっている『スクーデリア・オクムラ』の奥村氏の「RC45は時間をかけてまた作ればいい。それ時までウチのデモ車を譲ってあげるから乗りなさい」という事故直後に連絡した際の言葉を思い出した。そういえば『スクーデリア・オクムラ』にはVTR1000SP-2ではないけれどもVTR1000SP-1のデモ車があったなぁ。しかもデモ車だから同店のチューニングメニューが全て盛り込まれているし。早速、『スクーデリア・オクムラ』に出向き恐る恐る譲ってもらえるか交渉すると快諾。しかし障害の残った身体でレプリカ系の車両が乗れるか不安だったので、暫く預かって試乗させてもらう事に。
そして12月初旬に引き取りに行き、晴れて5代目のArcadia号となった。その性能は、さすがは1000cc。トルクでグイグイ車体を押し出す力強い走行フィールは今までに経験した事の無い物で、Vツインの概念を覆す程モーターの様に良く回るエンジン。当然、足回りはオクムラチューンでRC45からの乗り換えによる違和感無し。正に衝撃(インパルス)を覚える1台となりました。
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