VOL. 3
● タイムリミットは15時間
2005.1.21〜1.23
2005年1月21日(金)、午後から会社を休んで私とVFR-VTECは東名高速道路を西に向かって走っていた。目的地は大阪の泉大津港。週末を利用して真冬の2泊3日の九州ツーリングである。本来の目的は2月に結婚する妹の為に、熊本の阿蘇で活動する方からのビデオレターの撮影である。事前に最も安く時間的ロスが少ない移動方法を検討したところ、バイクで行けば長距離フェリーが最適な移動方法である事が分った。今回利用した長距離フェリーは阪九フェリー。泉大津←→新門司までは約12時間でどちらの出発地でも夕方に2便が就航している為、乗船中に睡眠が可能である。インターネット予約をすれば10%の割引も受けられる。当然、これも利用し往復共に20:00発の便を予約した。これにより九州滞在時間は12時間。北九州から熊本まで九州自動車道で移動する時間を差し引くと熊本県内には8時間位しか滞在する時間が無い。
泉大津港までのルートは、東名高速道路→伊勢湾岸自動車道→東名阪自動車道→名阪国道→西名阪自動車道→阪和自動車道→堺泉北有料道路の全線、高速道路(名阪国道は一般道ですケド・・・)に設定した。これは移動が順調に行って17:00頃に泉大津港に到着すれば、17:30発の第1便に乗船変更しようと考えたからである。そうすれば九州滞在時間が3時間、増える事になる。
昨年末に伊勢湾岸自動車道が東名高速道路と繋がった為、豊田JCTから伊勢湾岸道へ。強い横風を受けながらスロットルを開け続けます。名港トリトンを越えたあたりから前方に黒い雲が立ちこめ、VFRのスクリーンに水滴が付き始めます。「雨か!?」と思ったのも束の間、振り出した物体は縦横無尽に舞いまわっています。「まさか、雪!?」四日市JCT付近からは完全な雪模様。幸いにして御在所SA手前だった為、緊急ピットインをして慌ててレインスーツを着込みます。「雨は想定していたけど、まさか雪が降るとは・・・。この先も降り続いていたら17:00には泉大津に到着できないかも・・・」と時間が読めない中、不安がよぎります。VFR-VTECの水温計表示を外気温表示にしたところ、マイナス1度。雪も降るハズです。気を取り直して本線に戻ります。雪はますますひどくなり、スクリーンに付着した雪が固まりになって肩口にバシバシッと飛んできます。そしてヘルメットのシールドにも積もって視界が確保できません。路面の光具合とタイヤのグリップ具合から凍結はしていないと判断し、四輪車と同じペースで名阪国道へ。ここは高速道路になりそこなった道路で結構、スピード違反の取り締まりも行っていると聞いたのでペースダウン。上野あたりでは流石にタイヤグリップにも不安を覚える程の路面状況となった為、丁寧なアクセルワークと極力バイクを寝かさない走りに徹して西名阪道へ。途中のSAで休憩と給油をした時点で16:30を過ぎようとしている。「ヤバイ!17:00まで30分しか無い!この先、どの位の時間が掛かるんだろう?」と考えながら、泉大津を目指します。松原JCTあたりから薄日も指してきて阪和道に入ると完全な『晴れ』の世界。30分前まで雪の中を走っていたのが信じられない天候です。何とか17:00過ぎに泉大津港のフェリーターミナルに到着し乗船時間の変更を申し出るとOKの返事。「もう乗船が始まっています。」の案内で何とかフェリーに乗船しました。
この時期なら一般乗客は少なくトラックドライバーはドライバーズルームで過ごすハズだから空いているだろうと判断して往復共に2等自由席を予約。予想は的中して1部屋に3人しか居ませんでした。19:00頃までは風呂もレストランもトラックドライバーで混雑するだろうと時間をずらします。夕食はビュッフェ方式で種類も充実しています。私は写真のメニューを選んで¥1,200でした。入浴後に今、密かなブームの高機能マッサージチェア(¥100/5分)を発見したので2回連続でマッサージを受けます。あちらこちらに痛みを感じます。バイクにお金を掛けるよりも自分の身体のメンテに掛けなければならないかもしれません。 明朝の新門司への到着は5:30の予定です。朝早い為、早めに就寝します。
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四日市から名阪国道は雪模様 | 新門司行きの阪九フェリー | 船内食はビュッフェ方式 |
1月22日(土)の5:30に予定通り、新門司港に到着。バイクは一番最後の下船となる為、九州の地を踏んだのは6:00。ここから九州自動車道で一路、熊本を目指します。しかし走行開始早々、ミスコース。辺りは真っ暗で道が全く分りません。「たぶんこっち」という勘を信じて走り出すと幹線道路に出られました。実はフェリーターミナルの真横の道路で左に曲がらず右へ出ていれば、すぐだったのです。九州自動車道へは案内看板だけを頼りに先を急ぎます。(※ ツーリングマップル九州は持っていたのだけれども、そこまで細かく載っていないし暗くて見えない)
新門司ICからは九州道に乗って100Km/h+αのペースで巡航します。途中、外気温表示はマイナス3度を示します。今回は首周りの寒さ対策としてホンダアクセス製の「BUFFヒストリーミラクルスカーフ」を購入して身に付けていたのだが、これが大正解。首から進入する冷気を完全に遮断し、背中に仕込んだホッカイロと合わせてツーリング中は外気温度程に寒さを感じる事はありませんでした。
今回の九州ツーリング最大の目的地は熊本県の阿蘇にあるアニマルテーマパークのカドリー・ドミニオン。ここで「みやざわ劇場」を主宰するアニマルトレーナーの「宮沢厚」様からビデオレターをもらう事です。11:00頃に面会の約束をもらっていたので行きの移動時間には余裕がありましたが折角、熊本に来たので他にも観光をしようと目論見ます。北熊本SAに8:00頃に到着して休憩をしながら朝食でも食べようと売店の中に入ると、熊本ラーメンが出店しています。でもここまで来たのだから市内の店で食べたいとの思いが、ここで食べる気持ちを制止しました。この判断が10時間に後悔する事になるのだが、この時は知る由もない。
ツーリングマップルの熊本・阿蘇付近をみると、大観峰,阿蘇山,熊本城とあります。お城大好きの私としては、ここまで来て熊本城は外せません。そしてオーナーズクラブの九州地区オフ会等で大観峰でソフトクリームを食べるという企画を良く目にしていたので、ここにも行って名物?のソフトクリームも食べたい。という事で早めにカドリー・ドミニオンに到着してビデオ撮影を済まして午後から大観峰観光をして市内に抜ける観光ツーリングをしようと決めます。
9:30頃にカドリー・ドミニオンに到着したが生憎、開園前。一応、11:00前に到着する事もある事を伝えていたので事務所に連絡をします。11:00からのステージショーの前に撮影に応じてくれるとの事で早速、事務所に伺い撮影開始。宮沢様の粋な計らいもあり(スイマセン。ココでは公表できません)、妹にとっても私にとってもプライスレスの記念となるビデオレターとなりました。
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2等自由席 | AM6:00に下船完了 | 雪景色の阿蘇山 |
12:30にカドリー・ドミニオンを出発し少し熊本市内方面へ戻ります。カドリー・ドミニオンへ向かう途中に、「阿蘇名物・元祖高菜めし」なる看板の食事処を目にしていたからです。「名物」と「元祖」に引かれて店内へ。勿論、名物の高菜めしセットを注文します。ここでアクシデント発生。デジカメのバッテリーが予備を含めて全て充電切れ状態。(充電してあったハズなのに・・・)以降、バッテリーの消耗を抑える為に液晶表示をやめてファインダー越しの撮影と携帯電話での撮影を余儀なくされます。
大観峰へのルートを確認すると阿蘇山へも立ち寄って行けそうなので国道57号から右へ。路肩の残雪にビクビクしながら途中の展望台で記念撮影。その先のロープウェイ乗り場まで行こうと思っていたが、この先は軽く圧雪路になっていたので諦めて大観峰を目指します。国道212号経由で30分程で大観峰に到着。こんな時期にバイクツーリングしている物好きは私くらいかと思っていたが、他にも数台いました。皆、浜松ナンバーのVFR-VTECを呆れ顔で覗き込んでいます。名物かどうかは定かではないが、折角なのでソフトクリームを購入。寒い中でもおいしかったです。
国道57号に戻って熊本市内を目指します。駐車場探しに手間取るものの、熊本城には16:30に到着。「天守閣への入館は17:00までですよ」の受付の声に急いで駆け込みます。土曜日という事もあってか観光客の多い事。会話を聞いているとどうやら韓国からの観光客一行様の模様。日本では韓流ブームらしいですが韓国でも日本ブームなのかしら?天守閣の隣にある宇土櫓は浜松城の天守閣よりも立派です。(←くやしい!)
40分たらず滞在したのみで熊本城を後にします。目指すは熊本城に向かう際に国道57号沿線で見つけた熊本ラーメンのお店。ここなら18:30頃に出発すれば余裕を持って新門司港へ到着できるだろうとの読みだった。しかし、店の手前の信号機で四輪車が駐車場から溢れ出て道路にまで達している状況が目に飛び込みます。おまけに店外にも長い行列が・・・。待ち時間1時間位との事で泣く泣く諦める事に。(こんな事なら朝、北熊本SAで食べておけば良かったと後悔します。)でも諦められない私は下り線の北熊本SAのスナックコーナーで待望の熊本ラーメンを食し、再び高速道路に戻ります。
途中、雨に降られる事もあったが19:30に新門司港に到着。でも乗船手続き後、40分以上待たされやっぱり最後の乗船となります。しかも行きの時とは違い、2等自由席でも意外と乗客が多い。比較的人数の少ない部屋に滑り込み入浴後、MDを聞きながら寝転がっていたら朝になっていました。
1月23日(日)は行きと逆のコースを走行し鈴鹿市へ。TSRの藤井社長やスタッフへの新年の挨拶の後、しばし談笑。その後、今年のカスタマイズ計画の本命である部品の製作依頼をして浜松まで下道で帰路につきます。
3日間の総走行距離は1100Km。今回は寒中ツーリングとなりましたが、暖かい時期にまた訪れたいと思います。
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大観峰から阿蘇を望む | 熊本城の雄姿 | SAで念願?の熊本ラーメン |