VOL. 32
● 『百聞は一見に如かず』な伊豆ツーリング
2009年6月27日(土)
2009年の走り初めで訪れた西伊豆松崎町の【地魚さくら】さんで看板料理である『あじのまご茶定食』を食べましたが、ここのお店ではもうひとつ『かつおのまご茶定食』も看板料理となっています。この時はお正月という事で鰹の時期ではなく食べる事が出来なかったので、旬となった初夏のこの時期にリベンジツーリングとして相方を誘って再び行く事にしました。
6:00少し前に自宅を出発して東名浜松西ICを目指します。ICに入る前にマクドナルドで朝マックするつもりでいたので浜松西ICのお店に行きました。でもココのお店はICの目の前という事で早朝でもお客さんが多く、商品が出てくるまでに結構な時間がかかる事が予想されました。果たして時間を節約したい朝マックの利用なのにやっぱり調理に時間がかかって食べ終わってお店を出る時には6:30を過ぎようかという時間になっていました。「これなら途中にあった反対車線側のお店に寄れば良かったよ」と思っても後の祭り。7:00に相方を迎えに行く約束をしていましたが遅刻確実です。浜松西ICから三ヶ日ICまでは少しハイスピード走行で時間を詰め、一般道ではノロノロ運転するもみじマークドライバーにイライラしながら7:10に豊橋に到着。持ってきたヘルメットとジャケットを手渡しタンデムツーリング時には大活躍のライドコムを接続して準備完了。4月末の開田高原ツーリング以来の長距離ツーリングです。
三ヶ日ICまで戻り、再び東名高速で一路、沼津ICを目指して巡航して行きます。まだ8:00前でしたが袋井~沼津間の追い越し車線は遅い大型トラックや交通状況を判断できないマイペースドライバーが後続を抑えつけてしまっている為に、ずっと数珠つなぎ状態でした。時折スペースが空く走行車線側を有効に利用して前へ前へと出て行き10:30に沼津ICに到着。最近、新しく整備された県道をJR沼津駅方面へ抜けて国道414号線→県道17号線で西伊豆の海岸線を南下していきます。途中、戸田の出会い岬で休憩。いつもは駐車スペースが無いほど車がいっぱいですが、この日は空いていました。しばらくすると夫婦、息子、娘さんの3台のライダーファミリーがやってきました。どうやら娘さんが免許を取得したばかりみたいで一家で初ツーリングに来た様です。ボクも将来、こうして子供達と一緒にツーリングしてみたいものです。
出会い岬で20分程休憩してから出発。土肥からは国道136号線をひたすら南下します。今日の最大の目的は『かつおのまご茶定食』を食べる事ですが、走りっぱなしになってしまうのは相方に申し訳ないので、帰りにはどこかに立ち寄って観光するつもりです。道中で帰りに立ち寄れそうな場所を説明しながら13:00に【地魚さくら】さんに到着し2名だったのでカウンターに通されました。そして鰹の入荷があるか聞いたところ、「今日は無い」との返事だったので諦めて二人とも『あじのまご茶定食』にしました。相方は初、ボクは2回目です。料理が出てくるまで食事をした人にはサービスされる心太を食べて待ちます。今回は細長状で酢醤油で食べる一般的な心太に加え、コーヒー味も試してみました。コーヒーゼリーとは違い、やっぱりどことなく心太で黒蜜とミルクの組み合わせが意外とイケます。まもなくして料理がカウンターテーブルが狭くなる程運ばれてきます。相方に食べ方を説明しながら、お釜のご飯を半分くらい茶碗に取り分け最初は普通の鯵のたたき丼として、そして2杯目はたたき丼の上から出し汁を注いでもらってお茶漬け風にして食べます。鯵が大好きなボクとしては何回食べても飽きない美味しさです。相方には少し量が多かったみたいなのでボクが残りを食べてほぼ完食。食前に心太も食べているので流石にお腹いっぱいです。
会計時に『かつおのまご茶定食』はいつ頃、来れば食べられるか聞いてみたところ、西伊豆で鰹が獲れたのはかなり昔の話で、今はほとんど獲れないそうです。『かつおのまご茶定食』は昔の名残でメニューにあるだけで実際には旬の時期でも提供される事は滅多に無いとの事でした。地元で獲れた魚介類を提供する事をポリシーにしているので、スーパー等から鰹を買ってきてまで『かつおのまご茶定食』は出したくないとの事でした。こんな事も直接、聞いてみなければ分からない事です。どうしても食べたいという人は事前予約をしている様ですが、この場合は前述のように地元で獲れたものではない鰹を買ってきて提供している様です。先日、ツーリング雑誌にも大々的に紹介されていましたが、これを読んできた人は(ボクもその一人ですが)ガッカリするでしょうね。でも地産地消に拘っているお店の方々の真面目ぶりには共感できます。ごく稀に鰹が獲れて入荷する時もあるそうなのでこの時に偶然来店できればラッキーでしょうね。
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戸田の出会い岬にて | 後方から視線を感じつつ | サービスの心太 | 今回もアジのまご茶定食 |
食後はお腹いっぱいですぐにバイクに乗ると大変な目に遭いそうだったので松崎町の観光マップを眺めていたら、この地域特有の『なまこ壁』の旧家や明治時代に建設された商家が公開保存されているとの事だったので食後の散歩を兼ねて見て回りました。この『なまこ壁』は壁の表面に平瓦を張り、漆喰を板蒲鉾のように盛って固めた様がなまこに見える事から名付けられた壁の様式で、伊豆の松崎町等では昔の建築物がそのまま保存されています。静岡県に住む者としては以前から一度見てみたいと思っていましたが、まさかお店のすぐ近くにあるとは知りませんでした。長八記念館の裏手には足湯もあったので次回はタオル持参で行ってみたいものです。幹線道路沿いばかりでなく、ひとつ路地裏に面白い場所があるとは良くいいますが正にその通りでした。
松崎町を徒歩で散策してからは堂ヶ島に向かいました。ツーリングでも活用している旅行情報誌『まっぷる伊豆』によると堂ヶ島では遊覧船で洞窟巡りができるとの事だったので陸路ばかりではなく、たまには海からの観光もしてみようと考えたのでした。加山雄三ミュージアムの駐車場にバイクを停めて遊覧船乗り場へ。洞窟巡り以外にも何種類かのコースがありましたが、当初の目的の通り洞窟巡りコース(¥1100/大人)にしました。伊豆松島と言われる小島が点在する場所を25分程かけて周遊します。そして最大の見世物である島の洞窟部に遊覧船のまま入って行き、『天窓洞』と呼ばれる天井部に穴が開いていて太陽光が差し込む場所へ。幻想的で神秘的ですらあり、ついつい見上げたまま見入ってしまいました。天井部の外側は公園として整備されていて外から天窓洞を見下ろす観光客が手を振っていました。この洞窟巡りも松崎町で実施されているのは昔から知っていましたが、ドライブならいざ知らずバイクでひたすら駆け巡ってばかりいた今までは立ち寄るという考えは無りませんでした。そして実際に旅行ガイドや観光案内で知ってはいたものの、自分の目で見ないと伝わらない感動。これは¥1100支払ってでも乗船する価値があると思いました。そう言えばかつて東尋坊ツーリングに行った際にも遊覧船に乗船しましたが、この時も海側からしか見ないと分からない景観に感動した事を思い出しました。
洞窟巡りが終わった時点ですでに16:00を過ぎようとしていました。往路と同じ県道17号線で海岸線を通ると獅子浜付近で大渋滞に巻き込まれる事は過去の経験から分かっていたので国道136号線で修善寺方面に抜け、修善寺道路を利用して三島へ出る予定にしていました。仁科峠にある牧場の家でソフトクリームでも食べて行こうかとも思っていましたが時間的に営業終了時間になってしまう可能性があったのと、観光できる場所が限られてしまうので土肥まで行く事にしました。途中、相方リクエストで西伊豆で結構、有名な岬に立ち寄ります。この岬には社会人になったばかりの頃、短大時代の友人と二人で夜な夜な来てガンガンと鐘を鳴らして愛を誓い合った?ものです。あの頃はボクも若かった…。
17:30過ぎに出発し土肥町から国道136号線に入り修善寺を目指します。西伊豆スカイライン→県道18号線で修善寺に抜ける事を考えましたが、タンデムで暗くなる時間帯でのワインディング走行はリスクもあり、国道136号線で修善寺に抜けた方が時間的に早く行けると判断してそのまま国道を進みます。愛用しているツーリングマップル中部北陸編は2005年版ですが、これには掲載されていない新しい道として修善寺道路が天城側まで1区間延長されていて大平ICが出来ていました。三島方面を目指していると思われる車の多くは大平ICに向かっていきますが、そんな道路が出来た事を知らないボクは通行料金が余分に徴収されると思って(後で調べたら新しい区間は無料の様です)利用実績がある修善寺ICから修善寺道路に入ります。結果的に数分前までボクの前を走行していた乗用車が後方から来たので大平ICから乗らなかったボク達の方が移動がスムーズだった様です。でもこの道路はETCが利用できないので不便なんだよね。
修善寺道路→伊豆中央道→渋滞する国道135号線を経由して国道1号線へ。清水町付近は流石にすり抜けするのを躊躇う程の渋滞だったので車列について行き、東名沼津ICの取り付け道路へ。お昼を食べ終わったのが14:00頃でそれ程お腹が空いているわけでもなかったので夕食は富士川SA内で食べる事にしました。往路の東名とは打って変わって帰りの高速道路は比較的スムーズに流れています。タンデム走行なので100Km/h+αキープで富士川SAでトイレ+夕食休憩,浜名湖SAでトイレ休憩をして三ヶ日ICにて高速を出た後、浜名湖北岸の一般道を走行して豊橋に向かい相方を送り届けます。この日は580Kmを走行しましたが、この内の150Kmは伊豆とは反対方向の相方の送迎で稼いだ距離です。
交換後、既に13000Km走行しているミシュランパイロットロードも既にダンピング特性が低下しておりセンター部だけ異常に摩耗してそろそろ限界です。もう1000Kmくらい頑張って使って夏休みのツーリング(まだ予定なし)に向けてタイヤを新調したいと思います。それにしても総走行距離が33000Kmに達したVFR-VTECはあちらこちらにガタが出始めてきました。3000rpmでギクシャクしたりホイールの回転にフリクションを感じたり。まだまだ活躍してもらわなければならないので一度、メンテナンスに出そうかな?
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松崎町のなまこ壁 | 堂ヶ島で洞窟巡り | 西伊豆のどこかの岬 | もう一息で到着 |
本日の走行距離:580Km