VOL. 33
● 愛を求めて『天地人』ゆかりの地めぐり
2009年8月11日(火)~8月13日(木)
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1日目:8月11日(火)
今年の夏期休暇中ツーリングは春先から計画していた新潟・山形方面へ行く事にしました。折しもNHK大河ドラマ『天地人』で上杉謙信・上杉景勝・直江兼続の所縁の地として観光客で賑わっている土地です。ボクもそんな一人になろうかという魂胆ですが…。1週間前に新潟と米沢のホテルを予約し、この日に向けてリフレッシュ作業をしたVFR-VTECの準備も完了。そんなワクワクの出発前日に台風8号と9号が九州地方に接近し、出発当日は台風9号が太平洋岸に沿いながら移動した事で朝から雨模様となってしまいました。しかし、天気予報によると長野県に入ってからは台風の影響は無く、雨の心配もなさそうなので長野県に入るまではレインスーツを着ての出発となりました。
4:00に起床し、前々日に購入した調理パンでかなり早めの朝食を食べます。5:00前に玄関先でレインスーツを着こんでガレージで荷物の積み込みやETCカードのセットをしている時に、「ゴー!」という地鳴りとともにグラグラと地震が襲ってきました。体感的には震度3位に感じましたが、目の前でMV
AGUSTAも揺れていたのでしがみついて転倒しないように支えました。揺れが収まったところでVFR-VTECをガレージから出し、余震がないか暫く様子を見ましたが自宅のリビングの照明もついて家族が無事な事が屋外から確認できたので大きな地震ではなかったと判断して5:20に出発しました。
この日は平日なのでETC特別割引となる上限1000円適用の対象となりませんが、6:00前には東名高速に入ることも可能です。しかし高速を使うと東名高速道→豊田JCT→東海環状道→土岐JCT→中央高速道経由で長野県に入らねばなりません。豊田JCT付近までの約1時間は台風に向かって走行する事になり、そこから東海環状道→中央高速道で飯田ICまでは更に1.5時間程かかってしまいます。下道で飯田ICを目指しても早朝であれば3時間もかかりません。また台風から離れる方向に向かう事で高速で行くよりも雨が早く止む事も考えられます。よって飯田ICまでは国道257号線→国道153号線で飯田ICを目指す事にしました。タイヤの皮むきが完了していないフレッシュタイヤでスリップの恐怖に怯えながら雨中の山道を慎重に走行していきます。途中、国道153号線沿いにある【道の駅・信州平谷】で休憩した時に道路状況案内の電光掲示板に「地震発生・長野県で震度5強」とあったので震源地は長野県だったのか・・・と思って、情報センター内で流されていたNHKの朝のニュースに目を移したら震源地は静岡県で震度6となっていたので、急いで自宅に電話し被害がないか確認をしました。幸い何も被害が無かったのでそのままツーリングを続行する事にしました。
国道153号線で飯田ICに向かうと阿智村を過ぎた所で中央高速への案内看板が出ていたので、「飯田ICへのバイパスでもできたのかな?」と思って右折していくと『飯田山本IC』というボクが持っているマップル関東甲信越の2005年度版には掲載されていない新しいICができていました。ICに入る前に給油をしたかったのですが、Uターンする事が出来なかったのでそのまま中央高速道に突入。駒ケ岳SAに入りレインスーツを脱いで新潟まで給油しなくて済む様にここで給油を済ませました。中央高速道→岡谷JCT→長野自動車道→上信越自動車道経由で新潟に入りました。お昼前にどこかのSA・PAで昼食を済ませてから高速を降りようと思って妙高SAに入りましたが、手持ちのマップルではSAとなっていましたが実際にはPAに格下げされていました。SAレストランがあるかと思っていましたが、PAではお馴染みのスナックコーナーのみで新潟の名物料理らしい物も無かったので上越市内のどこかで食べようと決めて、上越高田ICで降りました。
そこから県道63号線で本日の最初の目的地である春日山城址に向かいました。ご存じ、上杉家の居城です。NHK大河ドラマの影響で平日にも関わらず多くの観光客で賑わっていました。春先に観光客の違法駐車が相次いで近隣住民に迷惑がかかったという事で、現在は春日山城址まで自家用車で入る事はできず麓の上越市埋蔵文化財センターに車両をおいて無料のシャトルバスに乗り換えて春日山城址に向かう事になります。春日山神社入り口から春日山城本丸までの道は舗装整備されておらず昔ながらの風情を残したものです。しかし前日に降った雨の影響で至る所がぬかるんでいてブーツが泥だらけになってしまいました。またシャトルバスの発着所から片道15分程を歩いて移動する事でHYOD製のレザージャケット&レザーパンツ(どちらも夏用)を着用していたので汗だくになってしまいました。ハンドタオルを湧水で濡らし、涼を取りながら往復しました。春日山城は中世時代(室町時代後期から安土桃山時代)に全国の武将によって建てられた山城の代表格です。これら山城の屋敷は平屋造りであり、大阪城や伏見城に代表される多層式の天守閣を持つ近代的な城は豊臣秀吉が天下統一を果たしてから全国に広がったものです。春日山城本丸から、かつて『お館の乱』が起こった上越市街を見下ろし、実際にこの地で起きた出来事なのだと実感しました。それにしても若い女の子の観光客の多い事。これも演じた妻夫木聡さんや、北村一輝さん、玉山鉄二さんらの二枚目俳優の影響でしょうね。そんなボクも天地人所縁の人物はすべて、NHK大河ドラマのキャスティングで思いを馳せていますが・・・。
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幸先不安の中、出発 | 上杉謙信公像と | 春日山城本丸より城下を望む |
春日山城址を出た時には既に13:00になろうかという時間でした。どこかで昼食を食べようと思いましたが、なかなか「これだ!」と思える食事処が見つかりませんでした。事前に結構、評判の良いラーメン店もチェックしてありましたが、あまりにも暑かったのでパス。もうマクドナルドでも良いと思いましたが、移動中には見つかりませんでした。仕方がないので次の目的地である『上越・天地人博』の会場に向かいました。ここではNHK大河ドラマ『天地人』の撮影で使用されたスタジオセットの再現や直江兼続や登場人物の紹介がパネル展示されていました。残念ながらパネルといえども俳優陣や写真や撮影用の小物や古文書等の撮影はNGという事です。唯一、撮影ができたのは来館記念という事で上杉謙信を演じる阿部寛さんが実際に使用した衣装を纏いスタジオセット内で自分のカメラで記念撮影してもらえるものです。折角なのでボクも撮影してもらいました。1時間程をかけて館内をまわり、14:00過ぎに上越市を後にしました。
水分補給ばかりしていたのと、時間的にも昼食を食べる気もなくなりそのまま国道8号線→国道352号線の日本海沿いの国道を走り、柏崎刈羽原子力発電所を過ぎたところで県道23号線→国道116号→県道193号線→県道69号線で長岡市与板町へ。ここは直江兼続が直江家に婿入りして城主となり、妻のお船夫人と過ごした場所です。与板歴史民俗資料館には愛の前立てで有名な直江兼続の甲冑のレプリカが所蔵されています。本物は山形県米沢市の上杉神社宝物殿に所蔵されています。(※ どちらも撮影禁止)ここでは兼続が婿入りしてからの与板の歴史が紹介されていました。
与板からは県道22号線→国道116号線で本日の宿泊先である新潟市へ。新潟駅前付近で少し迷子になりましたが何とか19:00前に【東横イン・新潟古町】に到着しました。このビジネスホテルは全国展開しており、安くて部屋が綺麗で無料朝食サービスがあるので結構、ソロツーリングの時は全国各地で東横インを利用しています。食事はその地の名物料理を食べるのを目的にしているので食事自慢の旅館などに宿泊する必要がありませんし、一人だと利用し難いというのも理由ではありますが。チェックインしてシャワーを浴びてから夕食を食べに行きました。新潟市に宿泊した一番の目的はこの地方の名物料理である『へぎそば』を食べる事です。へぎそばは、『ふのり』という海藻をつなぎに使用し、へぎ板と呼ばれる容器にそばを2口サイズ位に小分けにされた魚沼地方発祥の蕎麦です。かつて、『ウンナンの気分は上々』というTV番組で、内村さんとキャイーンの3人がバイクで新潟巡りをするロケで紹介したのを見て、いつか新潟に行ったら食べたいと心に決めていたのでした。普通は数人で注文し、大きいへぎ板に盛られて食べるので1人前で提供してくれるお店はなかなか無かったのですが、探して【須坂屋そば 山水庵 古町店】で食べることができました。注文したのは、『天ぷら付き手振りへぎそば』です。美味しかったので見映えの事も考えて2人前でも良かったかな?と思いました。帰りにコンビニで飲み物とスナック菓子を買ってホテルに戻り、いつもの様にテレビを見ながら寝入ってしまいました。
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謙信公の衣装で記念撮影 | 直江兼続像 | 新潟名物・へぎそば |
本日の走行距離:514Km
2日目:8月12日(水)
2日目はホテルの無料朝食サービスでスタートです。メニューは概ね全国共通で、おにぎり・パン・味噌汁・サラダ・コーヒー等の軽食です。昨日のように昼食を食べ損なってもよい様に腹持ちの良いおにぎり3個を食べて出撃準備完了。チェックアウトする前に食後の散歩を兼ねて古町商店街にある『水島新司マンガストリート』に向かいました。
新潟市は原作者の水島先生の故郷ということで商店街に水島野球漫画の主人公の銅像が飾られています。『ドカベン』の明訓高校四天王である山田太郎・里中智・殿馬一人・岩鬼正美,『野球狂の詩』の水原勇気・岩田鉄五郎,『あぶさん』の景浦安武など。ボクは30年以上、ドカベンファンであり高校野球編や大甲子園編は処分してしまいましたが、プロ野球編やスーパースターズ編のコミックは持っています。ドカベンの影響で浜松在住にもかかわらず西武ライオンズファンでもあります。
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東横イン 新潟古町 | 水島新司マンガストリート像(明訓四天王) |
チェックアウトを済ませ、この日は山形県米沢市に向かいます。当初の計画では午前中に新潟県村上市に立ち寄って、町屋見学や昼食にいくら料理を食べて行こうと思っていましたが、翌日の山形・新潟地方の天気が悪くなるとの予報であった為に、3日目の最終日に予定していた山形観光をこの日のうちに済ませてしまう事にしました。県道3号線→国道7号線→国道290号線で新発田市の田畑の間を通って通称小国街道と呼ばれる国道113号線へ。途中、【道の駅・関川】で本日初めての休憩。売店で売られていた山形名物らしい『玉こんにゃく(¥100/1本)』を買って午前中のおやつ。いわゆる醤油味で煮込まれたおでんダネですが、やっぱりこんにゃくには味噌でしょう。
国道113号線→国道287号線を経由して米沢市街へ。当初、昼食用に駅弁を購入しようと思って米沢駅に向かうつもりでしたが、狭い道が続き観光客らで大渋滞です。また本日の最大の観光目的である上杉神社への案内看板が出てきたので、そのまま上杉神社に向かうことにしました。観光地には今時珍しい無料駐車場のバイク駐輪スペースには県外から来たライダーが多かったです。昼食で駅弁を食べ損なったので、神社周辺で食事できる場所を探します。駐車場に入る前に米沢ラーメンのお店を見つけていましたが暑すぎてラーメンには食指が動きませんでした。【上杉城史苑】というレストラン・喫茶・お土産販売所の建物があったので、涼む為と帰りに購入するお土産をチェックする為に建物の中に入ります。レストラン内では本格的な米沢牛ステーキ等も食べられますが、昼食からは贅沢すぎるのでもっとリーズナブルなものがないかと思っていたら『米沢牛入りメンチ焼きカツ(¥1520)』なるメニューが目に入りました。サラダ・スープ付きでメンチカツ大好きなボクとしては、これは行くしかないでしょうという事で、一人で入るには気が引けるような披露宴会場みたいなフロアに入り、迷わず注文。程無くして料理が出てきました。普通のメンチカツでなく焼いてあるところがポイント高いです。端からナイフで切り分け1口。適度な肉の甘みがあり満足。しかし、この段階ではまだメンチカツの本当の姿に気付いていなかったのでした。中央付近まで切り分けていくと中から赤い塊が姿を現しました。なんと、メンチカツの中に米沢牛のブロックが隠されていたのです。米沢牛入りとはひき肉ではなく、こっちの意味だったのかぁと思ったのは言うまでもありません。しかしこのレストランはお土産販売フロアや、上杉神社周辺の観光施設の開館時間に合わせて16:00までしか営業していません。よって夕食目的で行くと食事にありつけない事態となりますので注意が必要です。
食後は米沢城址内にある上杉神社へ参拝。ここは関ヶ原の合戦で西軍につき敗者となった(実際には会津に留まっていたので関ヶ原の合戦には参戦していまん。)上杉家が米沢に移封された後に上杉謙信公を祀るために建立された神社です。また江戸中期で米沢藩の財政改革で手腕を発揮した上杉鷹山の銅像もあります。上杉鷹山を知らなくても「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」という言葉を耳にした事があるでしょう。あの『がんばれロボコン』の主題歌でも歌われていますね。その有名な言葉を残したのが上杉鷹山です。ちなみに直江兼続の時代から約200年後の時代の人ですが江戸時代、米沢藩の歴史の中で奸臣扱いされていた直江兼続に対し、再評価し200回忌の公式な法要を行ったのも鷹山です。
上杉神社参拝の後は隣接する歴史博物館である稽照殿へ。今回のツーリングで観光では最大の目的地です。ここでは直江兼続の「愛の前立て」で有名な甲冑の本物や上杉景勝の甲冑が展示されています。前日に与板で見たレプリカとは違い本物には異様な迫力がありました。残念ながらこちらも館内での撮影がNGとの事で写真はありませんが自分の目にしっかりと焼き付けてきました。ちなみに直江兼続の甲冑は愛の前立てのデザインが有名ですが、それ以前にも色々なデザインがありそれら現存する一部も展示されています。また直江兼続と親交があり米沢移封後には1000石で召し抱えられた、ボクの好きな武将である前田慶次郎縁の品もあり楽しめました。前田慶次郎の甲冑は米沢駅近くの『宮坂考古館』に展示されているとの事ですが、今回のツーリングでは時間的な都合から訪れる事はできませんでした。しかし一度に全部を見て回ってしまうのももったいないので、いずれ再び米沢に来た際の楽しみとしますかね。
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米沢牛入りメンチ焼きカツ | 米沢城址 | 上杉神社 | 上杉鷹山像 |
上杉神社の後は米沢城址に隣接する『伝国の杜』へ。ここでは米沢の歴史資料館であり『米沢・天地人博』が上越と同じく開催されていました。『天地人博』の方は上越で見たのとほとんど同じであり、米沢ならではという趣向はありませんでした。唯一、甲冑の紹介シアターが楽しめたかな? 館内入口に唯一撮影可能な記念撮影用の甲冑の巨大レプリカがあったので撮影。このページトップやHPのトップページで使用している写真はこれのものです。ここでも1時間程を過ごし、米沢城史苑に戻って屋台で販売されていた米沢牛コロッケ(¥180)を購入。揚げたてでジャガイモはホクホクとした食感のコロッケとは違い、しっとりとしていました。ボロボロと削れ落ちるパン粉のカスを目当てに雀が群がってくるのをみて観光客慣れしているなと感じました。お土産は最終日となる翌日に再び立ち寄って買おうかとも思いましたが、翌日は天候が崩れる恐れがあったのと、開館時間が10:00であり出発予定時間が遅くなってしまうので今日中に買ってしまう事にしました。自分用に直江兼続と前田慶次郎の扇子、米沢天地人マスコットである『かねたん』のぬいぐるみ(自分用!),自分と相方用にかねたんの携帯ストラップと米沢牛入りハンバーグを6袋購入。ハンバーグ以外は一晩パニアケースに入れておけば良いですが、ハンバーグは冷凍されており自宅に帰り着くまでに溶けてしまうので購入しようか迷いましたが、保冷剤付きの保冷バックも販売していたので一晩はホテルの冷蔵庫に詰め込んで保存する事にし購入しました。
2日目の宿泊先は前日と同じく会員登録している【東横イン・米沢駅前】です。チェックインした後、ハンバーグを部屋に備え付けの冷蔵庫の冷凍庫スペースに押し込み、忘れないように包装の袋を冷蔵庫の前に掲げておきました。シャワーを浴びてから米沢のグルメで一番の楽しみである米沢牛を食べに行きます。米沢牛は神戸牛・松坂牛と並び国内牛肉産地の御三家ですが、ボクは恥ずかしながら生まれて40余年、一度も国産高級牛肉という物を食した事がありません。今回は3日目がお盆期間中の平日特別ETC上限¥1000適用日になっているので、この浮いた交通費を米沢牛に投入する事を事前に決めていたのでした。そうは言っても米沢牛の相場なんてさっぱり分りません。出発前にインターネットで米沢牛を食べられるお店をチェックしましたが、どこも結構なお値段がします。また色々と調べて分かった事ですが、米沢牛はステーキよりもすき焼きで食べる方が美味しく頂けるとの事ですが、真夏にすき焼きを1人前で提供してくれるお店はなかなかありません。よって1人でも入れてステーキを提供してくれるお店を数軒チェックしておきました。ホテルのフロントに米沢牛食事マップなるものもあり、クーポン券も付いていたので貰い受けます。このマップにも掲載されていて『米沢牛のれん会』にも名を連ねる米沢駅前の【ステーキ東洋館】さんに行く事にしました。特選米沢牛
牛ヒレ肉ステーキ(A5) スープ・ライス・サラダ付 (¥6300)を注文。肉質が柔らかいのに肉の味が濃い満足のステーキでした。クーポン券で、かねたん缶バッチとお店オリジナルのハンドタオルをもらいました。
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天地人博会場・伝国の杜 | 米沢牛コロッケ | A5等級 米沢牛ヒレステレーキ |
本日の走行距離:140Km
3日目:8月13日(木)
3日目もホテルの無料朝食サービスでスタートです。メニューは前日の新潟と同じく、おにぎり・パン・味噌汁・サラダ・コーヒー等の軽食です。ここでのパンメニューはクロワッサンの写真となっていたので、この日はパン食にしようと思っていましたが提供されたパンは食パンだったのでガッカリ。仕方がないので、この日もおにぎりにしました。冷蔵庫内のお土産用ハンバーグを忘れないようにしチェックアウト。最初の目的地は米沢駅前近くの【松川弁当店】さんです。ここはJR米沢線が開通した時から駅弁を売り続けている老舗弁当屋さんです。全国各地の駅弁大会などで良く目にする『牛肉道場』という米沢牛を使用した駅弁が有名です。同店の駅弁は米沢駅ホームで販売されていますが、同じお弁当がお店でも購入可能です。7:00から営業しているので昼食用に一番人気の『牛肉道場』を購入しました。事前に所在を調べておいた米沢市郊外にあるエクスプレスのセルフスタンドに向かいスピードパスで給油。その後は米沢市街に戻り前日に徒歩で行くのを断念した春日山林泉寺に向かいました。ここは直江兼続夫妻、仙桃院や上杉景勝の正室である菊姫の墓所があるお寺です。普段は有料ですが、お盆期間中という事で無料で入る事ができました。
国道121号線を喜多方方面へ南下し山形県に別れを告げます。福島県に入ってからは県道333号線になり喜多方市へ。全く土地勘がないのでツーリングまっぷるに「太平洋の浪江と新潟を結ぶ東北横断ルート 変化に富んだ絶好のツーリングコース」とあった国道459号線経由で新潟県に入る事にしました。しかし喜多方市内で国道459号線へ抜ける交通案内標識が出てきません。しばらく喜多方駅周辺をウロウロし方向だけを頼りに県道を走行したところ何とか国道459号線に出ることができました。しか~し!国道にも関わらず対面交通もできない1本道の獣道になり所々ではダートにもなっています。心の中で「こりゃ国道じゃなくて酷道だよ、やっちまったナぁ」と思ったのは言うまでもありません。ところどころで対面交通区間もありましたが静岡県西部の県道10号線みたいな狭く見通しの悪い山道を30分以上も走行する羽目になりました。また、余程交通量が少ないのか県道と国道の分岐の場所では地名での道路標識があるものの国道なのか県道なのか表示されていません。何度かミスコースをしながら走行し、3日間で最大の危機が訪れました。山都町の相川温泉付近から国道459号線は交通規制により一部区間が通行止めになっており、県道385号線経由で、水蕎麦で有名な宮古集落付近を通過する迂回ルートが指示されていました。通行止めの場所には迂回ルートの説明案内板が出ていましたが、必ず誘導表示があるハズ…と停止してまで見ることもなく右折して迂回ルートへ。小雨も降り出し路面が濡れ出した中を国道から右折→左折→左折で宮古の集落を通り、元の国道に出たと思って走行していくとまたしても通行止めの案内が出ていました。しかし国道459号線に戻って走行していると信じて疑わなかったのと、この道が通行止めだと新潟に抜ける事が出来ないと思ったのでそのまま突き進みました。まもなく舗装路はなくなり工事中の砂利道へ。道路工事の作業者の不審な目線が気になりつつも突き進むと遂に道がなくなりました。ボクに気づいた工事作業者が近寄ってきて「この先は道がないから行けないよ」と。ボクは「これって国道459号線じゃないんですか?」と聞くとどうやら、通行止めの迂回路は国道から右折→左折→左折で更に左折しなければならなかった様です。途方に暮れているボクを見るに見かねたのか工事責任者と思しき方が、「国道まで案内してあげるから後について来て」と道案内してくれる事になりました。しかし、下は雨でぬかるんだ深い砂利と泥で斜めになったカーブの途中です。ブーツを泥だらけにしてバイクの向きを必死に変えて、サイドスタンドを掛けるにも砂利に埋まってしまうのでギアを入れた状態でクラッチを握り、エンジンを掛けて走り出したバイクに飛び乗りました。パリダカで砂漠に埋もれるバイクみたいにホイールスピンとテールスライドをしながら転倒したら最悪…と思いながら砂利道の中をフルスロットルで発進します。道案内をしてくれた作業員の方は信じられないスピードでハイラックスサーフで狭い道を駆け抜けていきます。途中でボクと同じくミスコースをして迷い込んで来たドライバーが二人もいたので、まとめて国道まで誘導していました。でもボクも含めて3人もミスコースをするなんて、案内板の表示の仕方が悪いんじゃない?と思ったのでした。でも優しい作業員さん、有難うございました。
雨も本降りになってきたので阿賀町の麒麟山付近で屋根付きベンチがある駐車場でレインスーツを着ます。この日の新潟県は台風8号が温帯低気圧に変わった影響で雨の予報でしたが、この日は新潟観光はせずに帰るだけの予定だったので覚悟していました。阿賀町からは国道459号線→国道49号線に入ります。晴れていれば阿賀野川沿いの快適ルートです。この国道49号線に入ってから思いましたが、喜多方市で市内を抜けて最初から国道49号線経由で新潟を目指せばミスコースもせずタイムロスもせずに行けたのかな?…と思いました。でも行かないと分らないこともありますので、このツーリングレポートを読んで喜多方から新潟に向う方は最初から国道49号線を利用する事をお勧めします。
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東横イン・米沢駅前 | 直江兼続夫妻のお墓 | 道の駅・R290とちおで昼食 |
五泉市からは国道290号線に入り、ひたすら南下します。目指すは【道の駅・とちおR290】です。予定では12:00頃に到着するつもりでしたが、宮古でのミスコースとペースが上げられない国道459号線を利用した事で計画よりも遅れ気味です。また国道290号線に入ってから【道の駅・とちおR290】までの距離を確認していなかったので、どの位の時間がかかるか分りませんでした。途中、休憩もとらずに米沢を出発してから4時間以上も運転しっ放しです。そろそろ疲れてきてトイレにも行きたくなりましたが国道290号線沿線には休憩できるポイントがありません。国道49号線に2ヶ所程、道の駅があったので立ち寄ればよかったと思いましたが後の祭りです。一般道ですが結構なペース(?)で走行できた(したのかも…)ので我慢して目的地に行ってしまう事にしました。そして13:00過ぎにようやく【道の駅・とちおR290】に到着。わざわざ新潟県内陸部のこの地に立ち寄ったのは、この地方の名物料理であるジャンボ油揚げを食べる為でした。これも初日のへぎそばと同じく、『ウンナンの気分は上々』というTV番組で紹介されていたのを覚えていたからです。そして今朝、購入した駅弁と共におかずにして食べようと思ったのでした。道の駅では外の屋台と館内の食堂で購入できます。ボクは館内のフリースペースのテーブルに座り食堂の油揚げ(¥300)を注文。駅弁は車中で冷めても美味しさが失われないように作られていて、牛そぼろと、スライス肉の2種類の食感が楽しめます。油揚げは出し汁に浸されていない揚げだし豆腐という感じで、長さ20cm,厚さ3cm位があり、まさにジャンボサイズ。油で揚げた後に焼いて香ばしさを引き出しています。白ネギが大量に乗せられて大根おろしと生姜の薬味で醤油をかけて食べます。中身がスカスカの味噌汁の中に入っている油揚げとは違い、立派な豆腐料理です。
時間も14:00過ぎとなりあとは浜松に帰るだけです。柏崎までは下道で行こうかと思いましたが、ゲリラ雷雨さながらで視界が悪くなってきたので、ストップ&ゴーの多い見知らぬ一般道では危険が伴うと判断して関越自動車道・長岡ICから高速に入る事にしました。IC手前のセルフスタンドで給油し、長岡JCTから北陸自動車道→上越JCT→上信越自動車道と走行します。上信越自動車道の片側1車線区間では帰省・行楽渋滞が発生していましたが、バイクの機動性を発揮して前へ出ていきます。姨捨SAで休憩し晴れ間も見えていたのでレインスーツを上着だけ脱ぎました。
この日は平日ですが、お盆期間中のETC割引適用で¥1000で浜松まで行くことができたので、中央自動車道・飯田ICで下りずにずっと高速道路を利用する事にしました。岡谷JCT→中央自動車道→土岐JCTで東海環状道へ。途中、豊田市のトンネルでは入り口では晴天だったものの出口側はドシャ振りになっていました。停車する事もできないので濡れたまま暫く走行し、鞍ヶ池PAに入りレインスーツの上着を着ます。他にも途中で抜いていったバイクが2台、ピットインして雨やどりをしていました。ちょうど2時間近くを走行してきたので、ついでに休憩もしました。豊田JCT→東名高速道で浜松西ICには19:00に到着。浜松環状線経由で自宅には19:30に到着しました。この日もレインスーツを着ていたので途中で夕食を食べる機会を失い、何も食べずに帰宅してしまいました。
翌日、泥だらけになったバイクを洗車しチェーンルブを注油し交換時期となったエンジンオイルの交換をして3日間のツーリングを終了しました。新潟・山形と未だ訪れた事にない土地をめぐるツーリングでしたが、まだまだ回りたい観光地や食べたいグルメも沢山あります。また訪れたいですね。
本日の走行距離:730Km
3日間での総走行距離は1384Km