VOL. 41
● 冬の旬を求めて伊勢湾ぐるり旅
2010年1月20日(水)
![]() |
三重県鳥羽市浦村地区に冬の味覚である牡蠣食べ放題の直販所がある事を数年前に知りましたが、冬場である事と食べ放題の直販所も土日の予約はすぐに満席となってしまい、これまでなかなか行くチャンスがありませんでした。2010年の年明け早々にツーリング企画として同行希望者を募ってみるものの誰も希望者がいなかったので、「よし、平日に1人でこっそりと行ってこよう」と思い立ち、1月中旬の平日に取得した有給休暇の日に行く事にしました。前の週から週間天気予報に注目しながら予定日の天候が晴れである事を確認して週初めに牡蠣食べ放題の直販所に電話予約したところ、難なく予約できました。ついでなので伊勢神宮へ参拝しながら三重県を走って、見て、食べて、と満喫する事にしましょう。では、そろそろ出発しますか。
浜松から鳥羽までは東名高速→伊勢湾岸道→東名阪道→伊勢道と全行程高速道路を利用する方法と伊良湖岬から鳥羽まで運航している伊勢湾フェリーを利用する方法が現実的です。今回は平日ツーリングという事でETC特別割引の適用メリットが少なく¥1000で伊勢まで行く事はできないのでガソリン代金を含めて考えるとフェリーを利用した方が割安なので往路は伊勢湾フェリーを、復路は帰りが遅くなってフェリーに乗れない事も考えられたので高速道路で帰る事にしました。
いつも仕事に行くのと同じ時間に起床し、いつもと同じ生活パターンで出社・・・ではなく出発準備。出勤時間と同じ時間に自宅を出発し7:00開店のいつものエクスプレスで給油してから通勤ラッシュの浜松環状線を国道1号BPに向け右へ左へと車列の間を縫うように走り抜けます。渋滞に巻き込まれるのを承知でこの時間帯の移動としましたが、やっぱり周りの状況を考えずにマイペース走行するドライバーにはイラっとさせられます。国道1号BPでは強風でバイクが少しフラつきますが、最近覚えたロングツーリングで疲れないライテクを実践しながら豊橋方面へ向かい、道の駅・潮見坂を過ぎた後は国道42号線へ。ここから伊良湖岬までは1本道です。9:30発のフェリーに乗りたかったので少しペースアップ。この日はこの時期としては暖かくなるとの予報であったので、オーバーパンツは着用せずにHYODのスポーツデニムのみとしましたが、日陰となる区間を走行中はとても寒かったです。オーバーパンツを履いてこなかった事をちょっぴり後悔したりもしました。でも日中は暖かくなるだろうと思って我慢して走りました。途中、一度も休憩する事もなく9:00にフェリー乗り場となる道の駅・伊良湖クリスタルポルトに到着。急いで乗船券を購入します。伊良湖→鳥羽までの乗船料は750cc超の場合、車両+ライダー1名で¥4000になります。往復購入すれば¥7000で割引が受けられます。でも今回は片道のみの利用です。乗船券を購入するとすぐに乗船手続きが始まりました。今回はボク以外に浜松ナンバーのBMW
GSオーナーさんが1名いました。この方は伊勢から和歌山まで1泊ツーリングに行くとの事でした。
約3年前に車で伊勢湾フェリーを利用した時にはずっと船上デッキにいたので客室の様子は見る事が無かったのですが、今回は冬という事もあってずっと客室内にいました。十年以上前にツーリングで乗船した時に比べ、とても豪華になっていたのには驚きました。伊良湖から鳥羽までの航行時間は50分です。ちなみにこの伊勢湾フェリーの航路は【海の国道】として国道42号線として登録されているって知っていましたか?
![]() |
![]() |
![]() |
伊勢湾フェリーで出発 | 牡蠣を次から次へと焼きます | 焼き牡蠣は1時間食べ放題 |
10:30頃には鳥羽港に到着し、国道167号線→県道750号線で通称パールロードへ。今回の最大の目的は鳥羽市浦村地区にある牡蠣食べ放題の【共栄物産・与吉屋】さんです。実は浦村地区の場所がパールロードを走り抜けた志摩スペイン村近辺だと思い違いをしていたので、鳥羽から1時間程度パールロードでの走行を満喫できると思っていたのですが、鳥羽港を出てから15分程度で目的地に到着する事になりました。与吉屋さんの予約は12:00としてあった為に1時間以上も待ち時間ができてしまいました。仕方がないので以前、ドライブで立ち寄った事のある鳥羽展望台まで脚を伸ばして時間調整をする事にしました。ここでは地元出身の演歌歌手『鳥羽一郎・山川豊』兄弟の記念歌碑があります。またここのレストランでは『とばーがー』という伊勢海老を食材にしたハンバーガーを販売しているので食べてみようと思っていましたが、かつて地元出身者のブログに期待した程の味ではない旨のコメントがあり、また牡蠣食べ放題の前にお腹を満たす訳にはいかなかったので今回は断念しました。結構な値段もした事ですしね。鳥羽展望台では冷たい風が吹きつけるのでじっとしていると体の芯まで冷えてしまいます。トイレ休憩だけして与吉屋さんで時間まで待つ事にしました。
この【共栄物産】さんでの牡蠣食べ放題はかつては海岸線沿いにある物産所で浜焼きとして行われていましたが、2年程前にパールロード沿いに牡蠣食べ放題の食事処を開店して営業し始めたそうです。食堂隣の小屋では大勢の店員が休む間もなく牡蠣を大量に焼いていました。予約時間前でしたが入店できるとの事だったので代金(¥2100)を支払って浦村漁港を見下ろせる窓際のテーブルに案内されました。まず使い捨て容器に入った牡蠣ご飯,牡蠣の味噌汁,牡蠣フライを受け取り(牡蠣ご飯,牡蠣の味噌汁は1杯のおかわり可能)、座席で焼き牡蠣が運ばれてくるのを待ちます。しばらくするとアルミトレイに12~15ヶ程が入った牡蠣が運ばれてきました。全て食べ終わって店員さんに声をかけるとおかわりをもらえます。通常は3~4名で食べるみたいですが、ボクは1名だったのでお構いなしに食べ始めます。以前、北海道で食べたサロマ湖産の牡蠣に比べると小ぶりですが、小ささは数で勝負です。焼き牡蠣とはいうものの、殻を焼いているだけなので中身には完全に火が通っておらず牡蠣自身の旨味で軽く熱が入った程度です。隣に座った愛知から来た年配の御一行は「兄さん、いっぱい食べるねぇ。ワシらは5ヶも食べれば十分じゃ。」と話していましたが、途中で何軒か見た浜焼きのお店では焼き牡蠣は¥100/ケだったので元を取らないと損した気分になる生来の貧乏性が災いか?。焼き牡蠣はおかわりを1回して当分は牡蠣にありつけなくても構わない量となるトータル30ヶ以上は食べました。予約時間の12時頃からは団体客などが大勢押し寄せ店内は大賑わいとなりました。平日だから空いているだろうと思っていましたが、仕事をリタイヤした悠々自適な生活を送っている年配の方々には関係ない様です。これではこの後に予定している伊勢神宮・内宮も混雑していそうです。
食後は自宅へのお土産として生食用のむき牡蠣(500g)を2袋買いました。殻付き牡蠣も販売していましたが殻はゴミの処分に困るのと持ち帰るのに邪魔なだけなのでむき牡蠣にしました。通常は¥1500/袋ですがこの日は特売で¥1000でした。この牡蠣は週末に牡蠣フライと牡蠣鍋にしてもらって美味しく頂きました。お土産をパニアケースに詰めて出発準備をしていたところ、観光バスで来たオバチャン二人が写真を撮って欲しいと言ってきたので撮影してあげました。このオバチャン達は食後にボクと同じ様に伊勢神宮・内宮に向かうそうです。
【与吉屋】さんからは来た道を引き返して鳥羽港方面に向かい国道167号線→県道37号線で伊勢神宮・内宮方面へ。今までドライブ等で伊勢神宮~鳥羽間の移動は国道167号を走行していましたが、ツーリングマップルでは県道37号線が抜け道として紹介されていたので今回初めて走行してみました。確かに二見近辺の渋滞を避けられるので移動時間が短くて済みそうです。伊勢神宮・内宮はマイカーで来た観光客の駐車場待ち渋滞が発生していましたが、バイクは参道入り口前に駐輪できたハズなので渋滞をすり抜け宇治橋方面へ向かい、警備員に誘導され宇治橋前のロータリー脇に駐輪しました。大鳥居をくぐり抜け新しくなった宇治橋を渡り本殿でお参りをして1周してまわりました。3年前にも右脚を引きずって杖をつきながら参拝した事がありますが、何度訪れても神聖な雰囲気が漂っています。ここも平日にも関わらず大勢の参拝者で溢れかえっていました。初詣を兼ねてという事もあるのでしょうが、平日でこの混雑なのですから土日の混雑は推して知るべしです。
参拝の後は、おはらい町やおかげ横丁で買い食い・買物をします。ここで行きたい豆腐料理屋があり夕食にと考えていましたが、水曜日の夜の営業は休業となっていたので諦めました。他の候補としてコロッケが有名な伊勢牛が食べられる【豚捨】さんで牛鍋を食べようと思いましたが、こちらの営業は16:30までとなっていて夕食として食べるには時間が早すぎるのでこちらも断念しました。とりあえずおやつとして冬の期間限定で販売されている【赤福】のぜんざいを食べる事にします。伊勢銘菓として親しまれている赤福餅とは違った味でおやつタイムには最適な1品でした。何か伊勢ならではのお土産が無いかウロウロと歩いて見てまわりますが、なかなか衝動買いをしたくなる物が見つかりません。そうこうして歩いていると疲れてきたので本日2度目のおやつタイム。【豆腐庵山中】さんでおとうふソフトクリームを買って店先で食べました。食べ終わった後に同店で販売していた、うの花ドーナツが猛烈に欲しくなったのでお土産用として5ケを買って持ち帰る事にしました。この時点でまだ15:30です。ここ伊勢で夕食を食べられなければ松阪に立ち寄って松阪牛料理を食べていこうと思って事前に何軒かお店をチェックしておきましたが松阪に立ち寄っても夕食の時間には早すぎます。この為、伊勢や松阪で夕食を食べて帰るのは諦めて浜松に帰る事にしました。バイクに戻り出発の準備をしていると先ほど与吉屋さんで写真を撮ってあげたオバチャンがボクに気付いて近寄ってきました。「バイクがいっぱい停めてあったから、もしかしたらこの辺りにいるんじゃないかと思っていたのよ。先程はありがとう。これ、お土産に持って帰って。」と手提げ袋から伊勢銘菓の生姜糖をボクに差し出してくれました。それ程の事をしたつもりはありませんでしたが、折角の御好意だったのでありがたく受け取りました。ボク、こう見えてもチビッ子とオバチャンには人気があるんです。若い女性からは全く相手にされませんが・・・。
![]() |
![]() |
![]() |
伊勢神宮・内宮に到着 | 新しくなった宇治橋 | おはらい町通りも大賑わい |
伊勢神宮を出発し、伊勢ICから伊勢道に入り、伊勢湾岸道→東名阪道→東名高速へ。東名阪道・鈴鹿IC付近で発生した追突事故で10km程の渋滞に巻き込まれ予定よりも少し遅くなりましたが、19:30に自宅に到着しました。燃費計算上では無給油で浜松に戻れるはずだったので途中給油せずに走り続けましたが、音羽蒲郡付近から燃料計が点滅し始めたので100Km/h巡航の燃費走行をして戻りました。出発時に給油したエクスプレスで本日2回目の給油をしたところ、ガソリン残量は3Lでした。VFR-VTECの燃料計は残量が多い段階(満タン法で約7Lの残量)で点滅が始まるので焦って早めに給油するとそれ程、入らないという事があります。途中でガス欠に見舞われる事を思えば安全サイドの設定なので良いですが、もう少し他車と整合して実用性を考えた設定にして欲しいですね。
与吉屋さんの牡蠣食べ放題は3月末頃まで実施されていますが、すでに3月の予約は始まっていて土日はほぼ満席となっています。平日であれば比較的空いているのでこのレポートを見て興味を持たれた方は平日に訪れる事をお勧めします。三重県の伊勢志摩方面ではまだまだ行きたい場所や食べ物があるので、また機会を設けて訪れたいですね。
本日の走行距離:364Km