VOL. 43
● 春の訪れと冬の足跡が同居した伊豆ツーリング
2010年2月17日(水)
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早咲き桜として全国的に有名な伊豆・河津桜の見頃は2月中旬から3月初旬となっています。毎年、一度は見に行ってみたいと思いつつも、週末には全国各地から観光客が押し寄せ大渋滞に巻き込まれると聞いていたので、なかなか行く事はありませんでした。ならば平日であれば少しは混雑が少ないのではないか?と思ったのでここのところ定期的に水曜日に取得している有給休暇を利用して見に行く事にしました。
週間天気予報によると、この週は予定日の水曜日までは雨の心配が無く、木曜日から雨マークとなっています。夕方の静岡県西部地方の降水確率は高くなっていましたが帰宅するまでは天気は持ちこたえそうです。しかし週初めから寒波が押し寄せてきて、伊豆山中では降雪の可能性もありそうです。これが後の悲劇に・・・。
今回のツーリングの相棒は万が一の悪コンディションでも走行可能(他の2台に比べればですけど・・・)なVFR-VTECです。パニアケースに荷物も入るし。7:00過ぎには自宅を出発し東名浜松ICへ。今日は寒そうだったので上下共にHYOD製ウインターウェアの完全防寒仕様です。浜松ICから高速に入るとバイクの外気温計はマイナス1℃を表示していて牧の原台地を過ぎるまでは『遠州の空っ風』と称されるほど風が強いので体感温度は更に低く感じます。この日は出発前にバタバタしていたので使い捨てカイロを携行するのを忘れてしまいました。カウルの中に身体を沈めながら110Km/h巡行で沼津ICを目指します。途中、由比PA過ぎの走行車線上に木屑が散乱しているのが見えました。どうやら木箱が落下して飛散した模様です。走行車線上には逃げ場がなかったので路肩を走行してやり過ごしました。しかし車は確実にタイヤが通過する位置です。休憩で立ち寄った富士川SAで高速道路の緊急コールの案内があったので連絡して撤去を依頼しました。誰も被害にあわずに済めば良いのですが。
平日という事もあってか思っていたよりも高速道路が空いていたので沼津ICには予定よりも早い9:00過ぎには到着してしまいました。今日の最初の目的地したある伊豆市の昼食場所は11:00開店なのでかなりの時間調整が必要になります。この為、伊豆縦貫道経由で三島の国道136号線に出るのをやめて、国道1号線経由で三島に抜ける事にしました。そうはいっても今日は平日。こちらの経路でもスムーズに流れて瞬く間に国道136号線に入ってしまいました。国道136号線から伊豆市修善寺方面に行くには有料道路となる伊豆中央道を利用するか、通称下田街道と言われる国道136号線をそのまま南下する2ルートがあります。いつも利用する有料道路は市内の渋滞を避けて短時間で行くことができますが、今日は時間に余裕があるので十数年ぶりに下田街道で修善寺を目指す事にしました。このルートは韮山近辺で道路が狭くなり信号のある交差点が多いのでかなりストップ&ゴーの走行となります。時間に余裕があったので韮山の反射炉でも見学していこうかとも思いましたが、これは次回のお楽しみにする事にして先を進む事にしました。
10:30頃に修善寺町内に到着。お店は開店時間まではまだまだ余裕があります。この為、修善寺温泉街のシンボルとなっている赤い橋や独鈷の湯を見に行く事にしました。しかし河川工事を行っており、写真撮影をすると工事現場が入ってしまい狙った構図になりません。トイレにも行きたくなったので修善寺のカインズホームに向かい休憩。被っていたヘルメットをパニアケースへ入れようとケースを開けると、あろう事か通勤用ヘルメットが入れっ放しだった事が判明。予定外の荷物のおかげでパニアケース内は常時入れっ放しのレインスーツとあわせて既に満杯で荷物が入る余裕がありません。立ち寄り先で雨が降らなければいいんだけど・・・。
11:00過ぎになったので県道12号線で伊東市方面へ向かい、本日の最初の目的地である昼食場所の【宮城(みやしろと読みます)】さんへは11:20頃に到着。お目当ては以前、BikeJIN誌の伊豆の旨いもん丼特集で紹介された『ロース豚丼』です。千切りキャベツの上に盛られた分厚いロース肉が2枚。そして味のアクセントとなるバターと生ワサビを溶かしながら豪快に食べるのがお勧めです。この時に富士宮市在住のV4仲間からメールがあり「大将さん、さっき沼津IC近くにいました?」と、しっかりと目撃されていました。
お店のおばちゃんから「天城峠は雪だから気をつけてね」と言われ、どのルートで河津に向かうかツーリングマップルを見て確認しますが、修善寺方面へ戻って国道414号線で行くのは遠回りになるので最短ルートとなる県道59号線経由で天城峠に抜けるルートを選択。しかし県道59号線に入ってすぐの場所に国土峠が道路崩落により通行止めとの案内が出ていました。また前方に広がる天城峠方面は積雪で真っ白となっていました。これでは国道414号線で天城峠越えをするのは危険と判断して一年を通して温暖で路面凍結の心配がない東海岸の国道135号線に出て河津を目指す事にしました。国道135号線までは伊豆スカイラインの冷川ICから天城峠ICを利用するつもりで料金所に向かいますが、ここも積雪により通行止めとなっていました。料金所の職員に国道135号線までの通行可能ルートを聞いたところ、中伊豆バイパス経由で伊東市へ出るしか方法がないと教えてもらいました。伊東市経由ではかなり遠回りになってしまいます。しかしここから修善寺方面に戻っても天城峠が通行可能か判断ができなかったので、「急がば回れ」の格言通りに伊東市に抜けて国道135号線に出る事にしました。中伊豆バイパスを抜けると道路標識に県道351号線経由で東伊豆方面に抜ける案内が出ていたので道路標識に従い、一碧湖を時計回りに周回する様に走行して国道135号線へ。県道12号線のまま伊東市中心街に抜ける事無く近道する事が出来ました。
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雨上がり後の早朝出発 | 絶品!ロース豚丼 | 天城峠は積雪でチェーン装着規制 |
国道135号線に出てからは河津町に抜けて一気に南下していきます。この道路は東伊豆ツーリング時には毎回走行しているので時間感覚も分かります。東伊豆町を抜けると次に現れるのは目的地である河津町です。河津近辺に来ると道路脇には何本もの河津桜が目に付き始め既に5~7分咲きとなっていました。この日は河津桜祭りの開催期間中という事もあって予想以上に観光客が大勢、押し寄せていました。駐輪場を探しましたが四輪車専用ばかりでバイク用としては設置されていなかったので通行の邪魔にならない場所に路上駐車して河津川沿いに咲いた桜並木を見て歩きます。遊歩道沿いの道路には多くの露店が出店していました。何か買い食いしようと思いましたが昼食の影響で満腹感が解消しません。結局、何も買い食いせずに桜を見て目の保養だけで済ませました。生憎の曇天により綺麗に色づいた桜の花びらも白っぽく見えます。コンパクトデジカメでは綺麗に撮影するのにも限界があります。やっぱり本格的な1眼レフデジカメが欲しいです。1時間程の滞在で歩いて見て回れる範囲は見たので帰宅の途に就く事にしました。
帰りのルートをどうするか悩みました。国道414号線の天城峠越えは路面凍結でチェーン装着規制が出ています。下田方面に回って西伊豆の海岸線沿いを北上するか、来た通りに東伊豆の海岸線沿いを北上するかの3ルートしか選択肢がありません。西伊豆ルートは下田まで出るのに時間がかかる事と、東伊豆ルートは往路と同じになる事と伊東市から三島に抜ける山間部に同じようにチェーン装着規制が出ている可能性があったので、こちらも断念。天城峠方面から河津に向かってくる車やバスを注意深く観察したところ、スタッドレスタイヤを装着している車はなく、雪上を走行してきた様な車両下部の汚れも見られなかった事から、注意報やチェーン装着規制は出されているものの走行は可能と判断して国道414号線で北上する事に決めました。河津川沿いに咲く桜並木を右手に見ながら走行。途中、速度違反の取り締まりも行われていましたが、ゆっくり走っていたので何事もなし。後方から勢いよく迫ってくる車両は先に行かせ、観光バスの後続をついて行きました。天城峠に差し掛かると路面はハーフウェット状態となっていましたが路肩や周辺の山林は一面、銀世界となっていました。バイクの外気温度計もみるみる低下していきます。天城トンネルを過ぎた所で駐車場があったので停止してこの風景を撮影しようと思いましたが、足元が悪く下手に停止すると転倒する危険もあったので諦めて先を急ぐ事にしました。ほんの30分前まで春の訪れを告げる河津桜を見ていたのに今は真冬の景色に逆戻りです。
道の駅・天城峠付近に来ると山手側にワサビ田が見えてきます。この雪解け水がワサビの栽培に欠かせないんですね。今回は道の駅で休憩せずにこの先にある浄蓮の滝に立ち寄って休憩しました。石段を下りて行った先にある日本100名瀑に数えられる浄蓮の滝を見ながらマイナスイオンを浴びます。でもひんやりして寒いくらいでした。今回、この浄蓮の滝に立ち寄ったのは、ここの売店で販売されている『モッフル』という餅米を使用したワッフルをおやつとして食べるつもりでしたが、観光客が長蛇の列をなしており、注文を受けてから作るので時間がかかります。とても順番待ちをしていられる状況では無かったのでモッフルは諦めて次回の楽しみにしたいと思います。沼津で夕食を食べていく予定だったので浄蓮の滝を出発してからは時間調整の為に伊豆中央道を利用せずに国道414号線を伊豆長岡を通過して沼津・内浦地区へ向かいます。ここからは国道414号線で沼津港へ。土日は渋滞となる幹線道路ですがこの日は全く渋滞はありませんでした。
思ったよりも早く沼津港に到着してしまったので沼津港にある海産物のお店を見ながら時間をつぶして17:00に夕食場所と決めていた【魚河岸 丸天】さんへ入店。土日祝は昼夜共に行列のできる超人気店ですが、平日は待ち時間もなくすんなりと入れました。しかし平日にしては相変わらずお客さんで賑わっています。この日の目的は、丸天さんが特許を取得した同店の名物料理である海鮮かき揚げを丼で食べる『海鮮かき揚げ丼』です。このかき揚げは直径8cm,高さ15cmの円柱状になっており、天つゆをかけて崩しながら食べていきます。しかし思ったよりも夕食の時間が早かった事と、この時間になっても尚も残る昼食のダメージ。そして完全防寒装備のまま暖房の効いた店内に入った事で身体中が熱くなってウインターパンツがお腹周りを圧迫します。上着を脱いでウインターパンツやジーンズのファスナーを下ろしてお腹周りの圧迫を緩めますが、急激に満腹感が増してかき揚げの油が胃袋に堪えてきました。以前もこの海鮮かき揚げを単品で食べた事がありますが、その時は副食として2人で食べたのでそれ程キツく感じませんでしたが、今日はもう限界です。ご飯だけ食べきってかき揚げはお残し、お店の人に持ち帰り用のパックをもらって持ち帰る事にしました。これで他店を含めて過去3回連続でかき揚げ丼の完食失敗です。普通の具たくさんの天丼はまだまだイケルんだけどなぁ。レジでアナゴの押し寿司をお土産に買い、タンクバック内に潰れないように入れて出発。
国道414号線に戻り県道405号線で東名沼津ICへの取り付け道路へ。東名高速道路に入り一気に浜松ICへ向かい、20:00前に自宅へ到着しました。今日は伊豆の冬と春、そして美味しい物を満喫した1日でした。
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早咲きの河津桜 | 浄蓮の滝 | 巨大かき揚げの天丼 |
本日の走行距離:427Km