VOL. 46
● バイクで観光旅行したっていいじゃない
2010年4月29日〜5月1日
毎年、GWには日本海側へツーリングに行っています。一昨年は福井の東尋坊、昨年は・・・右脚の大腿骨から足首にかけて突き刺さっていたプレートとボルト数十本の抜釘手術で入院してました。と、いう事で2年ぶりのGWツーリングです。行先は5年ぶり通算3回目の金沢・能登です。しかし今回はツーリングがメインではなく観光がメインです。多くの人が電車や飛行機、自家用車で観光地を訪れるのと同じように、ボクはバイクで全国を駆け巡ります。しかし観光目的でも各地のグルメは外せませんけどね。 という事で4/29(木)〜5/1(土)にかけて2泊3日の日程で行ってきました。
4月29日(木)
初日は5:30に起床し、6:00過ぎに浜松の自宅から東名浜松西ICに向けて出発します。今回はHYOD製のレザージャケットにレザーパンツ、レーシングブーツといつものツーリングとは違う装いで行く事にします。浜松西ICへ向かう途中にある、いつも早朝出発の時に利用するマックで朝マックをし、これまたいつも利用しているエクスプレスのセルフスタンドで給油をして東名高速に入ります。天気予報では午前中に東海地方で雷雨の予報だったので、まだ降ってはいなかったもののマックでレインスーツ着用し出発したところ、三ヶ日ICを過ぎたところから前方が急に真っ暗になり、県堺付近で稲光がしたと思ったその瞬間、雷雨に見舞われました。当然、ペースダウンを余儀なくされます。金沢まではずっと高速道路で移動予定でしたが、東海環状道→東海北陸道→北陸道ルートと、東名→名神→北陸道ルートのどちらで行くか悩みましたが、低気圧が北陸から東海にかけて縦長に張り出しているとの事だったので、名神→北陸道ルートで行った方が早く低気圧を抜けられると判断し豊田JCTをそのまま名古屋方面に向けて直進します。すると雷雨の範囲は狭く岡崎ICを過ぎたあたりで雨もやみ、名神高速に入ったあたりからは早くも路面が乾き始めていました。
この日からGW開始となるので渋滞の発生が予想されましたが、まだ時間的に早いのか、休日の分散取得が定着したのか慢性的に発生する岡崎IC〜豊田JCT間と小牧IC〜一宮JCTで少し渋滞しただけで通り過ぎる事が出来ました。と言ってもすり抜けしたので影響が少なかったのですが乗用車はノロノロ運転でした。2区間共に土日祝日等では慢性的な渋滞場所ですが、どちらも追突事故が発生して更に通過が遅くなっていました。ノロノロ運転で追突するなんて注意力散漫とイライラ運転が原因である事は明白です。
北陸道に入り賤ヶ岳SAで2回目の休憩。ここで愛らしい元祖ゆるキャラの特大ひこにゃんのぬいぐるみがお出迎え。正直、この特大サイズが欲しいと思いました。でも非売品なので普通のぬいぐるみサイズを自分用に購入。相方お気に入りのひこにゃんですが、相方にはプレゼントしません(笑)。金沢が目的地なのに彦根のお土産を早速、買ってしまったヨ。
賤ヶ岳SAでは大勢のツーリングライダーが休憩していました。ほとんどのライダーはレインウェアを着用していませんでしたが、携帯電話で天気予報を確認すると福井県内でまだ雨の可能性があったので脱がずにそのまま行く事にしました。昼食は金沢市内で食べたかったので休憩もソコソコにを出発します。事前にネクスコ中日本のサイトで調べたところ、通常期であれば浜松から金沢までは約340km,所要時間は約4時間となっていましたが、賤ヶ岳SAを出た時には既に10:30を回ろうかという時間でした。これではあと1〜2回休憩し、常識的なスピードで走行するとお昼に金沢には到着できそうもありません。だからといって明らかなる速度超過で連続走行すると疲れてしまうので、場合によっては高速道路の途中にあるSA・PAで昼食を食べる事にします。そして尼御前SAでお昼となってしまいました。でもこの時点でまだ金沢市内で昼食を食べる事を諦められなかったので、もう少し悪あがきをしてみる事にしました。なぜ金沢市内にこだわったかというと、市内にある洋食屋さんで金沢B級グルメメニューを食べたかったからです。これが何かはまた後ほど。知っている方もいるかもしれませんけどね。
あまり土地勘の無い場所を走行するので時間の感覚が掴めず小松ICを過ぎた時にはもう13:00になろうかという時間でした。金沢西ICから市街地までの移動時間を考えるともうお昼の営業時間が終わってしまいそうだったので、ここでようやく諦めて徳光PAに入り軽食コーナーで『白エビかき揚げ丼・半玉うどん付(¥580)』を注文。価格の割には意外といっては失礼ですが、美味しかったです。
もう昼食を食べてしまったので急いで金沢市内に向かう必要は無くなってしまいました。金沢西ICで降りましたが、この日は祝日なのでETC特別割引で当然、¥1000の通行料でした。浜松から金沢って驚くほど安く行けるようになったんですね。所要時間も渋滞が無ければ浜松から南伊豆に行くのと大差ないですし。ただ全行程高速道路利用なので退屈といえば退屈ですが。事前に調べておいた金沢西IC近くのエクスプレスで給油すべくお店を探しますが、IC周辺の国道8号線は変則車線となっていて目指すエクスプレスの交差点が分からず周辺をグルグル回る羽目になりました。得意のローラー作戦で範囲を狭めながらようやくエクスプレスに到着し無事に給油する事が出来ました。
給油後は県道25号線→国道157号線でネット予約しておいた会員にもなっている【東横イン香林坊店】に到着。チェックイン時間前に到着してしまったのでバイクと荷物を預かってもらって市内の観光に出かける事にしました。
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出発時はまだ雨は降らず… | 特大ひこにゃんがお出迎え | 予定外の昼食 |
まずはホテルの裏手にある長町武家屋敷跡界隈の散策です。旧加賀藩士高田家跡から中央通りに向かって大野庄用水沿いに散歩。何かの目的施設やお店があったわけではなく、土塀や現在も住居として住んでいる屋敷など江戸時代から続く風景をブラブラと1時間ほど歩いて楽しみました。ちょっと気になる金沢伝統菓子店などもありましたが、手荷物になるので購入は見送り。どうしても欲しくなったらまだ2日間も滞在しているので最終日にでも買う事にしましょう。
国道に出て日銀前のバス停から市バスに乗り、橋場町へ。目指すはひがし茶屋街です。ここはその名が示す通り、花街として栄えた格式高い未だに現役の一角です。中国や欧米からの観光客がとても多かったです。海外の人から見れば、この様な茶屋文化は日本文化の代表の様に見えるんでしょうね。この一角では手軽に茶道などを体験できるお店がありますが、一人だった事とレザージャケット&レザーパンツ姿で入店するのは申し訳なかったので遠慮しておきました。正座もできない事ですしね。ここもゆっくりと1時間ほど見て歩き、かれこれ17時過ぎになったために再び市バスに乗って香林坊前まで戻ります。
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旧加賀藩士 高田家跡 | 江戸の風情を残す一角 | ひがし茶屋街の風景 |
ホテルでチェックインして部屋に荷物を置いて今度は夕食のために再び外出。お目当ては金沢の台所である近江町市場です。ここで海鮮物でも食べようと決めていたのでした。金沢に到着してから散々歩きましたが、お腹をすかせてから美味しく食べようと思い、市場まで約2Kmの道のりを歩いて行きました。普通のライディングシューズでなら街歩きも楽ですが、レーシングブーツだと爪先や足の裏が痛くなります。15分ほど歩いて近江町市場に到着。どんなお店があるのか、この日は祝日なのでお客さんの入り具合はどうか見て回りました。飲食店が多く入っている『いちば館』のどこかのお店に入ろうと思いましたが、回転すしは休日の夕食時にしてはお客さんが入っておらずパス。中華や和食では近江町市場に来た感じがしないので海鮮丼が食べられる【近江町海鮮丼家 ひら井】にしようと思いお店の前まで行きましたが、17:00には閉店との事。しかしここは支店で同じ近江町市場のエリア内にある本店の方は営業しているとの案内があったのでそちらに行く事にしました。注文したのは『近江町海鮮丼(¥2000)』です。14種類程のネタと金伯がちりばめられています。あと¥500追加すると特選丼も食べられますが、この近江町海鮮丼で十分でしょう。食べ方はワサビを溶かした醤油を丼に欠けるのではなく、ネタをひとつずつ取分けて普通のお刺身を食べるみたいに小皿の醤油に付けて食べて下さいとの事。ご飯に味が付かなくなるので食べ方は自由にさせて欲しかったデス。
食後は運動も兼ねて金沢駅までまたまた20分くらいかけて歩いて向かいました。お土産を駅ビルの金沢百番街で買うためです。二日目は能登をまわるので帰りが遅くなると買い物をする時間がなくなってしまう恐れがあったので今日の内に行く事にしました。ホテルも連泊としているので荷物は部屋に置いておけますし。到着した金沢駅は15年位前に来た時とは打って変わって近代的なガラス張りのアートビルとなっており、まさに北陸の玄関と言う雰囲気が漂っていました。また駅前の景色も昔、宿泊したビジネスホテルがどこだったか思い出せない程の変わり様でした。お土産は自宅用には【板屋】さんの『香林』という和菓子を、相方には同じ和菓子と和小物の巾着袋を買いました。帰りはホテルまで歩いて帰る気力も体力もなく、土日祝は市街観光用の循環バスが¥100で運航していてホテルの前まで行く事ができたので、これに乗って帰りました。初日だけで食べて買って(ひこにゃんのぬいぐるみは予定外…)動いて、満喫しました。
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東横イン香林坊店 | 近江町市場 いちば館 | 初日の夕食は豪華な海鮮丼 |
本日の走行距離:367Km
4月30日(金)
金沢・能登ツーリング二日目。この日はツーリングらしい能登周遊です。朝の天気予報では加賀・能登地方は晴れの予報であるものの朝方にところにより雷雨があるとの予報。ホテルの窓から外を見ると曇っています。ホテルの無料朝食でガッツリと食いだめしておきます。また仕事の為にツーリングに同行できなかった相方に相方の大好物である朝食で食べたクロワッサンの写メを送りつけ後悔させてやりました。(←どんな女だ!) 空腹を満たし部屋のカギをフロントへ預けて外を行きかう人の様子を見ると傘をさして歩いています。慌てて路面や空模様を見るといつの間にやらドシャ降りとなっています。朝食を食べている時は降っていなかったのに…。朝の天気予報にあった「ところにより雷雨」は、ココだったのか…。仕方が無いので前夜に乾かして片付けたレインウェアを再び着こんで出発します。
国道157号線→国道159号線→国道249号線で羽咋市方面へ向かい、金沢市を抜ける頃には雨もやみました。波打ち際を車やバイクで走行できる、なぎさドライブウェイを走行しようと思いましたが、この朝方の雨によって走行できるコンディションではないと判断して立ち寄らずに本日最初の目的地となる気多神社へ向かいます。ここは能登で一番大きい神社で恋愛祈願に効果があるそうな。貝合わせをモチーフにした縁結びのお守りを購入し、恋みくじも引きます。結果は小吉でしたが書いてある事は結構、前途多難な内容でした。マジでへこみマス。(←結構、気にするタイプなんで・・・)
その後は昼食を食べに国道249号線→県道3号線→国道249号線で能登半島を横断して穴水町方面に向かいます。中居交差点から県道26号線に入り山間部を通り抜けて県道57号線に出るつもりが、県道26号に入った直後にミスコースをしたらしく、獣道と数軒の民家の間を走行した揚句に出た場所は、県道26号線に入るために左折した中居交差点からわずか200m程先でした。まったくの時間の無駄です。どこでミスコースをしたのかさっぱり分からなかったので同じ道を走行しても時間の無駄だと思って、『急がばまわれ』の諺の通り、穴水市街地へ戻り県道303号線(通称、珠洲道路)から能登空港の横を通り県道57号線へ抜ける事にしました。この珠洲道路、空港へのアクセス道路の様で、3桁県道にしてはとても走行しやすい道路で遠回りでもこちらのルートの方が断然、快適に早く走行できました。途中ある桜坂という地区では桜並木となっていて満開でした。奥能登はGWが見頃なんですね。
柳田地区でまたもやミスコースを繰り返しながら目的地である【和味家 竹次郎】さんへ。ご当地グルメである能登丼として提供している『能登牛の炙り丼』を頂きます。¥300追加で大盛りにしてくれるとの事だったので大盛りを注文。大盛りは肉が5枚→7枚に、ご飯の料も約1.3倍程になります。食用菊を散らして彩りも華やかに頂きました。事前に調べた結果、能登牛を扱ったメニューを提供しているお店は多数ありますが、予約不要なのと価格と内容が一番ライダー好みなのが同店でした。ちなみに能登丼登録店では、お土産に輪島塗の御箸をいただけます。
食後は県道57号線→国道249号線で内浦町の恋路海岸へ。15年ほど前に始めて能登ツーリングに来た時に、のと鉄道で廃千区間となった松波駅〜恋路駅間で発行されていた記念切符を購入しましたが、まだ販売しているのか確認するためです。まずは現在の運航区間の終着駅となる穴水駅に食前に立ち寄って記念切符があるか駅員さんに聞きますが、すでに販売はしていないとの事。今年のバレンタインの時に夫婦箸とセットにして販売していたらしいのですが…。仕方が無いので松波駅に向かいますが、既に駅舎は他の施設に改装されていてプラットフォームに昔の面影を残すのみとなっていました。5年前に来た時にも既に駅舎は閉まっていて記念切符は販売されていませんでしたが、これでもう入手不可能である事を確信しました。続いて恋路駅に向かいます。国道249号線が整備されてからは、この恋路海岸線を行き交う車は少なくなりましたが、恋路駅跡地にはカップルや恋愛成就を願う人達が書き残したノートが今でもあります。なぜ、この2区間が恋愛に関係しているかというと、【松波→(待つわ)】→【恋路→(恋への路)】と、恋が実る乙女心(男性でも構いませんが…)に、ひっかけているんですね。気多神社といい、恋路海岸といい、アラフォーなのに乙女チックでスイマセン。
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多賀大社の縁結びのお守り | お目当ての能登丼 | 恋路駅にあるノート |
恋路駅を出発する頃にはもう14:00を回ろうかという時間でした。これではこの日、一番の観光目的である輪島市到着が遅くなってしまいます。最短時間で行くルートをツーリングマップルで確認しますが、国道249号線で行くのがベストの様だったので珠洲市を突っ切る様にし曽々木海岸側に抜け、強風吹き荒れる中、輪島方面を目指します。海岸線に出てからは右手となる海側から吹く強風が左手の岩山に反射してバイクがバンクしている方向とは逆側に吹き飛ばされる事もあり、かなりバイクにしがみついて走る羽目にもあいました。そしてついつい右手にも力が入ってしまい速度超過での走行になりかけたその瞬間、対向車線から走ってくるダンプカーがパッシングしてきました。念のため速度を落として走行するとピーポ君がお仕事中でGW中の獲物を大量ゲットしている最中でした。有難う、イカツイ顔のダンプカーの運ちゃん。
棚田で有名な千枚田は過去に2度も立ち寄っていたので今回は立ち寄らずに通過するつもりでしたが、強風の中を走行した事で少し疲れてきていたので輪島までもう少しでしたが、休憩のために立ち寄る事にしました。田植えが済んで青々とした稲が一面を埋め尽くしているのをイメージしていましたが、毎回このGWに来ているので、まだ田植えの準備中らしく畦道が露出している状態でした。
千枚田から輪島まではあと10km程です。これなら16:00前には到着できそうです。輪島朝市駐車場にバイクを駐輪して朝市通りに向かいます。今回、輪島塗りの体験工房で何かオリジナル食器でも制作しようと思っていました。輪島塗りの体験工房として、かつてBikeJIN誌に連載を持っている多聞恵美さんが訪れた工房に行こうと思っていましたが、予定よりも遅い時間に到着してしまったので作業に時間を要する同工房では終了時間が18:00頃になってしまう恐れがあったので事前にチェックしておいた【塗太郎】さんに行く事にしました。こちらは御箸の他、茶碗やお皿への絵付けをする事も出来ます。失敗した時の金銭的リスクを減らすべく一番低価格でできる御箸への輪島塗り体験をする事にします。御箸に漆で文字や絵柄を自由に書き、その上から数色の粉末状の塗料を振りかけて刷毛で落とすと、漆が接着剤代わりになって着色できるというものです。ボクは絵心が無いので文字でデザインしてみました。出来上がってから「もっといい出来栄えにできたのでは?」とも思いましたが、これは次回の楽しみにしましょう。これで¥1000はたいへんお得です。
輪島塗り体験中に外では雷雨があった様ですが、工房を出る頃には止んで青空が広がっていました。【塗太郎】さんを出た後は隣接する地元出身の漫画家である永井豪氏の【永井豪記念館】に立ち寄ります。デビルマンやマジンガーZを見て育った世代なので原画などには興味がありましたね。残念ながら館内は撮影禁止だったのでメジンガーZ等の巨大オブジェ等はお見せできませんが。
輪島での観光目的を果たしたので金沢に戻る事にしますが、もう17:00を回っています。過去の経験では金沢から輪島まで一般道で来ると3時間以上かかっていたので国道249号線で帰ると金沢への到着は遅くなってしまい予定している夕食時間に間に合いそうにはありません。ここは不本意ですが、有料の能登道路を利用して一気に金沢に戻る事にします。輪島から県道1号線→県道271号線→県道303号線で能登道路の能登空港ICへ。この道路はETCが利用できずに入口で行き先を告げて通行券を受け取ります。今回は終点まで行くので¥830を支払い通行券を受け取ります。急いでいる時にこの料金で能登半島を縦断できるなら便利かな? 途中、小雨が降りましたが、行先方面の雲は切れていてすぐに雨雲の中を抜けられると思いレインウェアは着用しませんでした。朝方に立ち寄る事を諦めたなぎさドライブウェイはこの夕方の時間でも通行禁止となる交通案内表示が出ていたので今回は諦めました。
金沢ICを出て一般道で金沢市街地を目指しますが、行先上空に雨雲が立ち込め稲光もしています。これでは確実に雷雨に見舞われそうです。ちょうど給油のタイミングだったので雨雲の後方に回る様に国道8号線に出て初日に立ち寄ったエクスプレスのガスリンスタンドで給油して少し時間稼ぎ。県道25号線→国道157号線で前日と同じく東横イン香林坊店に向かいました。この県道25号、ちょうど雨雲の境となっていて雨雲が通過した直後で右手方面はまだ雨が降っている状態です。
ホテルに戻り荷物を部屋に置いて市バスで前日と同じく近江町市場に向かいます。この日の夕食は前日にチェックしておいた市場内の食堂である【近江町食堂】にしました。注文したのは『近江町定食(¥1575)』と単品料理の中から海老団子です。近江町定食はお刺身、もずく、ひじき、茶碗蒸し、漬物、ご飯、味噌汁がついてこの値段です。とってもリーズナブルだと思います。海老団子は白エビの明石焼きみたいな感じでした。前日に続いて贅沢してしまいました。
帰りは食後の運動を兼ねて散歩しながらホテルまで戻りました。帰りの途中、ホテル近くにライトアップされた西洋風の寺院みたいなものがあったので翌朝に行ってみる事にします。
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千枚田は田植え前 | 完成したマイ箸 | 二日目の夕食 |
5月1日(土)
3日目は金沢城と兼六園で観光をして午後から高速で浜松へ戻る予定です。前日の寒い天候から打って変わってこの日は朝から快晴で気温も上昇しそうです。ホテルの無料朝食は前日はパン食だったのでこの日はおにぎりと味噌汁の和食スタイルにして朝からガッツリ食べます。ホテルをチェックアウトして荷物をバイクのパニアケースに入れますが、金沢城や兼六園周辺にはバイクを駐輪するスペースがなさそうだったので、ホテルでお昼頃まで預かってもらう事にしました。
まずは徒歩で昨夜、近江町市場から戻るときに見かけた西洋風の寺院に向かいます。ここは初代加賀藩主である前田利家公を祀っている『尾山神社』といって明治初期に建てられた写真の神門はステンドグラスも用いられた重要文化財となっています。神社内には前田利家公像や正室であるおまつの方の石碑もありました。神社内を通って裏口から出ると正面には金沢城があります。
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前田利家を祀る尾山神社 | 前田利家公像 | おまつの方の石碑 |
お堀の周りに整備された遊歩道を歩きながら金沢城の石川門への入口を探しますが、どうやら兼六園入口まで行って石川橋を渡って石川門に到着。15年前に金沢にツーリングに来た時には兼六園には行ったものの金沢城には立ち寄りませんでした。当時は天守閣の無いお城には興味が無かった事と、金沢城は石川大学のキャンパスになっているので一般者は入れないという間違った情報を信じていたのでした。(それもツーリング直前まで!) 金沢城には元々、天守閣は建造されなかったそうで、その代わりに大きめの櫓や武器庫、住居となる屋敷などが整備され実用性に重きを置いた城郭だったそうです。
しかし度重なる火災や戦災で大部分が消失してしまいましたが平成に入ってから当時の図面や古文書を基に忠実に再建したそうです。この金沢城で特筆すべきは、釘を1本も使わず、木材の凸凹の組み合わせやクサビのみでこの巨大建築物を構成しているという事。また縦の支柱の断面は菱形に加工されているそうです。何故に菱形断面なのかは解明されていないそうです。恐らくは大工達が自らの技術力を誇示する為ではないかという事ですが…。再建された金沢城も多少は現在の建築基準に沿ってモディファイされているところもあるでしょうが、主要部分は当時と同じ技法で再建しているそうです。コンピューター解析など無い時代にこれだけの建造物を建築をしたのですから当時の大工などの技術力は凄いですよね。五十間長屋の内部はこれらの技法を紹介する資料館となっていますが、梁や支柱が剥き出しになった姿を見るとまるでトラリスフレームの様でした。マッシモ・タンブリーニだって400年以上前にこんな建造物が日本にあったと知ったら驚くでしょうね。
金沢城内を1周して歩き疲れたので日陰で休憩して、たまたまジャケットのポケットに手を入れた瞬間、「あれ?バイクのカギが無い!」と思わず叫んでしまいました。ウェストバックにもジャケットのありとあらゆる場所を探しましたがありません。「やっべ〜!落としたかも…」と思いましたが、そういえばホテルでヘルメットをヘルメットホルダーに掛けた後、カギを抜いた記憶がない事に気付き、あわててホテルに電話して確認してもらうと、思った通りにカギが付けっ放しになっていました。国道沿いの歩道上に駐輪してあったのでバイクはもちろん、パニアケースの中身も盗まれる前に気付いて良かったです。すぐに取りに戻れなかったのでカギはフロントで預かってもらう事にしました。チェックアウトしたのにバイクを置かせてもらっているばかりか迷惑まで掛けてしまいました。
バイクのカギの心配が無くなったので安心して人生2度目となる日本三景のひとつ、兼六園へ。兼六園は加賀藩主前田家の庭園で5代藩主である綱紀の時代から整備が始まりました。前回は駆け足で観光してしまったので有名な灯篭をバックに霞ヶ池で記念撮影をした事しか覚えていませんが、今回はソロなので時間の自由が利きます。とはいっても昼頃にはホテルに戻らないといけませんが…。今回も霞ヶ池で自分撮影をしようと思いましたが、流石は人気bPスポット。とても三脚で撮影できる状況ではありません。そこで周りを見渡すとお互いに記念撮影をしている感じのいいカップルがいたので「折角ですから一緒のところを撮りましょうか?」と声をかけ撮影してあげてついでにボクも撮影してもらいました。それにしてもナイスカップルだったなぁ。(彼女は可愛いかったし…)。金沢城石川門につながる桂坂口から入ったので時計周りで園内を回りました。園内は菊桜もまだ見頃となっていて記念撮影をする人で混み合っていました。それでも1時間くらいで園内を1周してしまい、お昼も近づいてきたので昼食を食べに行く事にしました。
目的地は初日の昼食で行きそびれた老舗洋食店である【グリルオーツカ】さんです。兼六園を出た交差点にある金細工工房で金箔入りソフトクリームを店頭販売していたので休憩を兼ねて涼を取る為に購入しました。金箔は全然、気になりませんでした。兼六園界隈で他にも何軒か金箔ソフトクリームを売っていましたが、見かけた中ではこのお店が一番安かったなぁ。香林坊方面に歩いて行くといたるところで警官が交通整理で立っていました。ちょっと気になっていた事があったので金沢城・兼六園周辺でバイクが置ける駐車スペースがあるのか問い合わせしたところ、バイク専用駐車場は無いとの事でした。乗用車用のコインパーキングに置くのが適切な措置だそうです。金沢城周辺にバイクで行かれる方は注意しましょうね。ホテルに宿泊する場合は、今回のボクの様にホテルにバイクを置かせてもらって公共交通機関を使用して移動するのが適当かと思います。しかし実は兼六園ではバイク駐輪場を発見してしまいました。桂坂口の手前に観光案内所があるのですが、その横のタクシーの待機所として利用している細い道を入った100m程奥に、バイクと自転車用の駐輪場が2ヶ所あります。決して多くの台数は駐輪できませんが路上駐車でキップを切られる事を思えば利用しない手は無いでしょう。
【グリルオーツカ】さんにはお昼前に到着しましたが、すでに長蛇の列ができていました。約30分ほど待ってようやく入店。注文したのは同店一番人気で金沢B級グルメである『ハントンライス』です。これ、オムライスの上にマグロフライとエビフライがトッピングされたメニューなんです。『ハントンって何?』と思ったアナタ!気になりますよね。ボクも気になったのでお店の人に聞いてみました。すると昔、ハンガリー人が金沢で郷土料理である白身魚のフライを乗せたオムライスを作ろうとしたところ、白身魚が手に入らずカジキマグロを代用品にして食べたのがルーツらしいです。カジキマグロをハンガリーではトンと呼ぶ事から名付けられたそうです。エビフライは後にどこかの洋食店がトッピングのバリエーションとして加えたのが定着した模様です。【ハントンライス】は『ハンガリー風、カギジマグロ(→トン)フライ乗せオムライス』の略称なのです。半分トンカツの意味では無いのであしからず。
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まさに木製トラスフレーム | 爽やかカップルに撮影依頼 | 念願のハントンライス |
お腹もいっぱいになったところでホテルにバイクを預かってもらう時間も過ぎていたので他には立ち寄らずにホテルに戻りました。フロントで預かってもらっていたカギを受け取り、お礼を言って出発準備。とりあえずパニアケース内の荷物に異常が無いか確認しますが問題なく一安心。そして二泊したホテル東横イン香林坊店を後にします。
国道257号線→県道204号線で北陸道金沢東ICへ。その後は浜松までひたすら高速道路を走行します。往路と同じルートではなく、最近、全面開通した東海北陸道を走行してみたかったので、北陸道→小矢部砺波JCT→東海北陸道→美濃関JCT→東海環状道→豊田JCT→東名高速道で浜松西ICへ。東海北陸道は飛騨清見ICから富山県方面は初めての走行でした。東海北陸道はずっと片側1車線の道路が続き、所々で追い越しの為に2車線区間があります。前にペースの遅い車がいると追い越しのタイミングが重要となります。しかし白川郷・高山・付近で少し交通量が増える以外は、このGW期間中であっても比較的空いていました。ただし富山県〜岐阜県の区間は猛烈に寒かったです。金沢を出発する時には暑くてたまりませんでしたが、こんな事もあろうかと思ってレザージャケットの下にウインドストッパーのミドルレイヤーを着ておいて正解でした。
今回は走る事よりも観光が目的の金沢・能登ツーリングでしたが、満足の行く三日間でした。しかし、帰宅直後に悲劇は起きました。これはまたの機会に『大将's Talk』でお話ししますね。
本日の走行距離:330Km
3日間の総走行距離:1043Km