VOL. 85
 新春恒例 伊豆ツーリング2012

2012年01月05日(木)


 
 ボクはここ数年、本格的な走り初めを伊豆半島に設定しています。この時期だと南伊豆は距離的に遠い事と中伊豆は天城越えが困難な場合があるので、西伊豆と東伊豆を交互に訪れています。昨年も一昨年も東伊豆に行ったので今年は西伊豆に行こうとも思ったのですが、訪れてみたい食事処周辺にめぼしい観光スポットが少なかったので今年も東伊豆を候補にして翌日は仕事始めにも関わらず、お構いなしに1/5(木)のお正月休み最終日にツーリングしてきました。

 ここ数年は事前にコッソリと告知していたおかげで同行してくれる方もいましたが今年は仕事始めの方も多く、基本的に写真撮影をしながら気ままに走行したかったのでソロで行く事にしました。翌日からの出勤に備え、正月休みボケしてしまった身体を慣らす為に通常時と同じ5:50に起床し、出発準備をします。今回のライデョングウェアはユニクロのヒートテック上下+ロングTシャツ+フリースジャケット+Gパン姿に上下共にHYOD製のウインターウェア+HYOD製ネックウォーマー+HYODウインターグローブで完全武装です。出発時にはVFR1200F DCTの外気温度計は2℃を示していました。

 自宅を7:00に出発し東名浜松ICとは逆方向となる浜松西IC方面に進路を取り、浜松のテクノロード沿いに年末にオープンした、いつも利用するエクスプレスの系列店で給油。ここは24時間営業なので便利です。そして給油後は浜松東環状線(・・・と、いっても普通の幹線道路ですけどネ!)を走行し東名浜松IC方面を目指します。そして浜松IC近くにオープンしたばかりのマクドナルドで朝マックを食べていきます。しかし朝マックの販売時間帯であるにも関わらずハッシュドポテトが調理中との事で5分程待たされました。店内での飲食だったので素直に待ちましたが、セットメニューで数量が出るのが分かっているんだからPOSシステムでしっかり管理してくれないと困るんですよねぇ、利用者側としては。

 浜松ICから東名高速道路に入り沼津ICを目指します。お正月の交通渋滞を心配していましたが、もう仕事始めとなっている方も多いのか平日という事もあった為か、比較的道路は空いていました。大井川を越えたところから見えた富士山が綺麗だったので11月の伊豆紅葉ツーリング時にも立ち寄った由比PAで撮影タイムとします。11月の紅葉狩りツーリング時と同じバイクで同じ格好で同じヘルメットの写真ですが、使いまわしはしていませんヨ。今回は今回で撮り直しています。
 沼津ICには9:30過ぎに到着。東伊豆に向かうにあたり、今回は行先はしっかりと決めていませんでした。ただ昼食場所の候補は3店舗くらいに絞ってあったのでそちらに向かいながら途中で少し撮影が出来る景観ポイントを探しながら行こうと大まかに決めていただけでした。三島市内のエクスプレスで給油し満タンにします。11月の紅葉ツーリング時には伊豆に入る前に給油を怠ったために伊豆の山中で危うくガス欠になりそうになりましたから。東伊豆に向かう時はいつも箱根に出て伊豆スカイラインを利用する事がほとんどなのですが、今回は修善寺から県道12号線→県道59号線で東伊豆に出るつもりです。
 伊豆中央道と修善寺道路の有料区間を利用して修善寺ICで降りるつもりだったのですが、前を行く乗用車がノロノロ運転していたせいでイライラしていたので、どうにかして追い越してやりたいと思っていたところ、前走車がICで降りたので「今だ!」とアクセルをワイドオープンしたその瞬間、「あっ! 前の車が降りた修善寺ICで降りるつもりだったんだ…と気付いたものの、後の祭りで戻れません。こんなところでイライラして事故にでもあったら元も子もないので、「明確な予定もない事だし時間も早いからこのまま突っ走ってやろう」と気持ちをリセットしてそのまま国道414号線を南下していく事にしました。

 【道の駅・天城越え】でトイレ休憩をします。ココの名物ソフトクリームで儀式をしようと思いましたが、気温2~5℃の中を走行してきた身体は儀式を拒んでいたので、無難にホット缶コーヒーでほっと一息。ここから下田までは約40Km。時間して約1時間強で行けそうです。南伊豆でまだ道の駅スタンプラリーをしていない場所が2ヶ所あったので、この時期としては走行距離が多くなり翌日からの出勤を控えていましたが、ソロツーリングなのを良い事にスタンプラリーをしながら目的地を南伊豆に変更し、写真撮影をしながらのんびりツーリングとする事にしました。

 国道414号線を走行し、河津ループ橋をグルグル回りながら河津町方面へ。そしてそのまま国道414号線で下田へ向かうつもりでしたが、国道414号線と県道14号線の別れ道となるセブンイレブンのある交差点で本日2回目のミステイク。国道414号線には右折しなければならないのですが、標識には西伊豆方面とあったので「この道は違うゾ!もう1つ先の交差点だったハズ」と思ってそのまま直進してしまい県道14号線へ。すぐに間違いに気付きましたが、河津から国道135号線に出て下田に向かう事も出来るのでUターンはせずに海岸線に沿って下田に向かう事にしました。
 下田市に入ってまず向かった先は【道の駅・開国下田みなと】です。ここに入る手前でスピード違反の取り締まりを行っていましたが、車列について走行していたので何事も無くスルー。そして道の駅に到着しました。海岸線にあるので強風が吹き付けています。バイク用駐輪場は見当たらなかったので堂々と売店前の路上に駐車します。他にも車がいっぱい停めてあったし。そして目的の道の駅のスタンプもゲットしました。ここのスタンプは2階にある観光協会でもらう事ができます。1階の売店には無いのでまだ行っていない方はご注意を!

 そして下田まで来たので、いつか来た時に立ち寄ろうと思っていたお店を目指して出発しました。【道の駅・開国下田みなと】を出発して稲生沢川にかかる橋を越えてすぐに左折し、狭い下田市街の路地を入って行きます。目指すは『ツーリングNAVI・伊豆』というツーリング情報文庫でも紹介されている【平井製菓】さんです。今回、南伊豆には来るつもりで無かったので詳細な場所を事前に調べてきませんでしたが、『ツーリングNAVI・伊豆』は持参していたので、これに掲載されていた地図を頼りにお店を探します。しかし地図に示された場所にはお店は見当たらず、その周辺を2周ほどグルグルと徘徊する事となりました。一方通行の狭い路地ばかりなので迷い込むと現在位置が分からなくなります。
 仕方が無いので地元のご婦人にお店の場所を尋ねて教えてもらいました。どうやら『ツーリングNAVI・伊豆』で示された場所は若干、ズレていた模様です。しかもお店に到着するとシャッターが閉まっていて看板はおろかシャッターにも店名などが書かれていなかったので、何度もお店の前を通過していたのですが気付きませんでした。シャッターの前には「本日休業 支店は営業しています」との張り紙が…。先程、場所を教えてくれたご婦人もわざわざ足を運んでくれて確認しに来てくれました。ご婦人曰く、「下田駅前通りに支店があるのでそちらに行ってみれば?」との事。詳しい場所は分かりませんでしたが、とりあえず下田駅前の道路に出れば分かるとの事だったので方向だけを頼りに向かってみると市民文化会館の横にそれらしきお店を発見しました。お目当ての物の幟が出ていたのでお店の看板を確認してみると確かに【平井】とありました。駐車場は見当たらなかったので歩道にバイクを駐輪させてもらいます。
 そして求めていた物は『ツーリングNAVI・伊豆』の背表紙で紹介されている『下田あんパン』です。下田あんパンには4種類ありましたが、ボクは小倉あんパン2個と、牛乳あんパン1個を購入しました。あんパンには濃しあんと栗入りもあります。牛乳あんパンはその名からクリームパンかと思っていましたが、小倉あんが出てきたので不良品か?と思ったら奥からバターみたいな物が出てきました。どうやら俗に言う、あんバターだった模様です。まぁ、どっちも好きだからOK牧場です。

由比PAで富士山をバックに 道の駅・開国下田みなとに到着 お目当ての下田あんぱんを購入

 平井製菓さんを出発し昼食を予定しているお店に向かう為に国道136号線を石廊崎方面に向かいます。先にも書きましたが今回、南伊豆に来たのは予定外だったのですが、いつか南伊豆に来た時には行ってみたいとチェックしておいた人気店に行く事にしました。県道16号線を経由して弓ヶ浜方面に向かいます。南伊豆に詳しい方であればもうドコのお店に行ったかはお察しですね? 向かった先は【青木さざえ店】さんです。そして注文したのは店名にもなっている看板メニューの「サザエでございまーす♪」ではなく伊勢エビ天丼です。ボク、貝類は2枚貝は食べられるのですが巻貝はダメなんです。齢43歳、今もって好き嫌いが激しいお子チャマ味覚なのです。
 伊勢エビ天丼は、伊勢エビ1匹に野菜(確認したのはサツマイモ、茄子、人参、あしたば)の天麩羅が添えられています。伊勢エビは腹部の身は天麩羅になって出てきますが、頭部も揚げられていてその内側にある味噌や身も食べる事が出来ます。しかし油だらけの殻を掴んで中身を掘り出すのは至難の業です。ほどほどに取り出せたらヨシとして諦めましょう。南伊豆では伊勢エビがたくさん捕れる様で、他にも伊勢エビを売りにしているお店を多く見かけました。

 食後はお店の前に広がる弓ヶ浜海水浴場を見ながら少し休憩。夏場は海水浴客で賑わうのでしょうが、「だーれもいない海♪ 二人の愛を確かめたくーてー♪(南沙織じゃなくて森高千里の方でお願いします)」と思ったらこの寒いのにサーフィンをやっている人がいました。そして海を見ながら、たそがれてみました。たそがれているのではなく天丼のダメージが思いのほか大きく、ただヘルメットを被れなかっただけだ!というのはナイショだ!

 
伊勢海老天丼で豪華な昼食 弓ヶ浜をSONY NEX-5のパノラマスイングモードで撮影 海岸でたそがれ?


 弓ヶ浜海岸で食後の休憩をしつつ撮影などにも興じたあとは浜松へ戻る事にします。翌日は仕事始めとなるのであまり遅い帰宅としたくなかったのですが、せっかくここまで来て伊豆の先端まで行かないのはツーリングライダーとしてあるまじき行為なので、石廊崎に立ち寄って西伊豆にまわり、東名沼津ICを目指す事にしました。石廊崎に行くには弓ヶ浜から県道16号線に戻り、道なりに走行すれば良いのですが、その前に国道136号線まで戻って、道路沿いにあるもう1ヶ所の道の駅、【道の駅・下賀茂温泉湯の花】に立ち寄ってスタンプラリーをしていきます。
 今回のツーリングは元々東伊豆に行くつもりだったので東伊豆に多く点在する無料の足湯に浸かろうとハンドタオルも持参してきていたのですが、南伊豆にはあまり無料の足湯処が見当たりませんでした。下賀茂温泉郷にある道の駅なので足湯がある事を期待していましたが、到着したその風景からここも期待外れと思ってスタンプだけ押して出発したのでした。しかし帰宅後に確認したスタンプブックにはしっかりと足湯があると記載されていました。こりゃ、うっかりしました。

 道の駅を出発し県道16号線を経由して伊豆半島の最南端に位置する石廊崎を目指します。ここに来るのは15年ぶりです。その昔は今でもあるトンネル手前の細道を入っていく有料駐車場ではなくて灯台に近い場所に植物園みたいな施設があったので、ここにバイクを停めて行ったものですが、今は閉園して入れないので素直に有料駐車場側に入って行きます。しかし平日という事でお土産&食堂が立ち並ぶ向かいの無料駐車場に多くの観光客が駐車していて、有料駐車場には誰も駐車していませんでした。ボクもバイクだし他にライダーが先に停めていたので横に失敬して停めさせてもらいました。

 石廊崎への参道となる急な坂道を歩いて行きます。年末年始、暴食を繰り返し寝正月を決め込んでいたのですっかり身体が鈍ってしまい登りきる頃には息はゼイゼイ、軽い目眩も覚えたりしました。コリャ、ちとヤバイ・・・。平坦な場所に出てから少し息を整えて先端部を目指します。石廊崎灯台は台風のニュースなどで目にしたり耳にする機会があるかと思いますが、写真の様な建物です。残念ながら敷地内や内部に入る事はできません。何十年もの間、石廊崎沖を航行する船舶の安全を見守ってきました。そして灯台を過ぎて更に先を進んで石段を下りて行くと石室神社と石廊崎があります。この日は西から吹きつける強風で岬の先端に立っていられません。岩の東側に回って風を回避します。またこの岩下の波打ち際で釣りをしていた人も漁業組合の巡視船に退避勧告を受けて救助されていました。その位、風が強かったんです。崖をくり抜いた部分に立てられている石室神社で初詣のお参りをして帰りの安全を祈願しつつ、今年も無事故で楽しいバイクライフを過ごせるようにお参りもしておきました。

 往路は急な坂道を登ってきたら復路は同じ道を下らなければなりません。往復したおかげでボクのポンコツの両脚はもう限界寸前です。おかげで帰宅後に右膝の曲げ伸ばしが不自由になり坐骨神経痛が久々に発症しましたヨ。
 バイクに戻り県道16号線で西伊豆方面を目指して行きます。この県道16号線は海岸線沿いのルートとなるのですが、ボクはここで初めての恐怖体験をしました。今まで何度か強風の中を走行して風に煽られてバイクごと横っ跳びした事はあるのですが、今回は向かい風でバイクが後方へ押し戻されるという事態に見舞われました。アクセルをフルスロットルにしても全然、前へ進みません。しかも左カーブでバイクを倒しているのに風で煽られて右側に倒され対向車線に飛び出しながら、あわや転倒するという事態も一度や二度ではありません。フルパワーで走り抜けるのが良いのか、速度を落として走行するのが良いのかまったく判断ができませんでした。幸いにして対向車の通行もなかったので、なる様になれっ!てな感じで身を任せて切り抜けました。それにしてもバイク+ライダーで350Kgもの重量物を吹き飛ばす風の威力って凄まじいと思いました。軽量バイク+女性ライダーやバイクビギナーは完全に吹き飛ばされて転倒していたと思います。この時期にこの区間を走行されるライダーの皆さんは状況を的確に判断して無理そうだったら下田方面の国道136号線に引き返す勇気も必要だと思います。

 恐怖体験をしながらも国道136号線に入り、西伊豆を目指します。時間的には余裕があったのでこのまま西伊豆の海岸線を走行し沼津市街を抜けて沼津ICに出る事も考えたのですが、走り初めという事もありますし何よりも夕方になると気温も低くなってインチキハイグリップタイヤを履いたVFR1200F DCTでは転倒のリスクも出てくるのでこちらは却下。同じく松崎町から県道59号線のタイトな山間道路を走行して天城に抜けるルートも考えましたが、同じく夕方の気温の低くなる時間帯での走行となる事でリスクが高まるのでこちらも却下。何よりも今年一年、楽しくバイクライフを過ごせるか否かの走り初めツーリングなので安全に帰宅する事が最重要です。さらに昨年のBikeJIN秋祭りの中でネモケンさんが話していた「明日、来週、来月、1年後、そのずっと先までバイクを楽しみたかったら、この瞬間に無理をしない事!」の言葉を今一度、胸に刻み直し土肥町から国道136号線で天城に抜けて、往路と同じ修善寺道路と伊豆中央道の有料道路を利用して三島に抜けて、伊豆縦貫道経由で沼津ICに抜ける事にしました。

 石廊崎を出発してから2時間近く連続走行していてこの先も休憩ポイントがなかなか無いのは知っていたので、土肥金山近くのセブンイレブンでトイレ休憩と少し遅めのおやつタイム。冬場はホット缶コーヒーと肉まんの組み合わせは最強コンビです。休憩で気持ちを引き締め直して国道136号線で天城方面を目指します。西伊豆スカイラインへの入り口で「少し西伊豆スカイラインでも流して行くか!」という気持ちが湧きましたが、ここはグッと我慢してそのまま走行します。ついさっきネモケンさんの言葉で気を引き締め直したばかりなのにダメですねぇ。
 天城からは北天城道路→修善寺道路→伊豆中央道を経て三島市内へ抜け、箱根に向かう国道1号線沿いのいつも利用するエクスプレスで給油して伊豆縦貫道から東名沼津ICに抜けて東名高速へ入ります。帰りも平日だからなのか比較的、空いていて長い渋滞になる事も無く流れていました。

 この日は夕食は自宅で食べないと伝えてあったので帰り際にどこかで夕食を食べて行こうと思います。浜松ICを出てから自宅までの間は食事を食べるお店があまりないので、牧之原SAで休憩を兼ねてスナックコーナーで食べて行こうと思います。昼食は豪華な食事としたので夕食は軽めの温かい物を食べたかったので、蕎麦にしてみました。しかも昼食に続いて夕食も豪華なエビ入り! ただし今回は伊勢海老ではなく桜エビが入った掻き揚げですケド。
 牧之原SAから自宅までは約30分です。ここで気を抜くと事故になりかねないので再び気を引き締めて出発。浜松ICで降りて自宅に到着したのは20:00前でした。

 今回の2012年の伊豆走り初めツーリングの走行距離は500Km。このうち三島を起点とした伊豆半島を走行した距離は195Kmでした。この時期の走行としてはやや走り過ぎた感もありますが、無事に帰宅する事が出来ました。2012年も楽しく安全運転に留意して各地の旨いもんや景色を求めて走りたいと思います。

道の駅・下賀茂温泉湯の花 石廊崎灯台 石廊崎

本日の走行距離:500Km 


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