VOL. 9
● 旬の味覚を求めて 能登・北陸路へ
2006年5月1日〜5月3日
5月1日(月)
2006年のGW休暇は、過去最長の9連休。仕事も嫌だがあまりにも長い休暇もやる事が無くて困ってしまう。こういう時は、そうだ、走りに行こう!。一昨年は『天の橋立』に行ったし昨年は・・・?と考えていたら、昨年は入院していたので何処にも行けなかったナ。おまけに夏まではバイクにも乗れなかったし・・・。夏期休暇は隔年で北海道に行っているのでGWは本州の岬巡りにしようと(まだ2回目ですが・・・)、その場の勢いで決めて行先を検討。ちょうど見ていたグルメ番組で富山のホタルイカを取り上げていて、4月から5月が漁の時期で旬なのだそうな。今しか食べられないのであれば行きましょう!という事で富山行きに決定。
ネットで富山周辺でホタルイカ料理が食べられるお店を探すが、『割烹や日本料理,高級寿司店』という私の知らない世界の言葉ばかりが並んでいる。「そんな、たかがイカじゃないか・・・。もっと安く食べられるところは無いの?」と観光協会のHPを探してみると滑川市にある道の駅のレストランで前述の敷居の高い店に比べればリーズナブルな料金で食べられる事が判明。GWともなれば渋滞で移動も大変だろうと考えて、一応カレンダー通りに働いている人によって多少なりとも空いていると思われる5/1〜5/2の日程で行く事に決めた。行った状況によっては日程を延ばして能登まで足を伸ばす事にしよう。
なるべく低予算で行きたかったので宿泊もキャンプとすることに。ツーリングマップルで確認すると滑川市から高岡市の日本海側にかけてキャンプ場が点在していたのでここで野営する事で、あとは行ってから決めれば良いと考えて荷物の準備。しかしテントや寝袋を持っていくだけでパニアケース1ケを余分に装備せねばならず、トップ+サイド1ケではバランスが悪いので、結局、トリプルパニア仕様(私はこれをエールパックシステムと呼ぶ)にして行く事になった。たかが1泊の富山行きにも関わらず、北海道ツーリング並みの装備となってしまった。
5/1(月)は朝、7:00に自宅を出発。国道257号を岐阜県恵那市に向かって北上していきます。国道257号→国道19号で中津川市に入り中津川道路の有料区間を避ける為に途中から県道420号→県道410号で再び国道257号へ。そのまま北上を続け下呂市からは国道41号で高山市を目指します。途中、サイドパニアを装着しているのを忘れていつもの様にすり抜けを行うと後方で「ガン!」という音と衝撃と共にバランスを崩します。あやうく右側に信号待ちで停車していた車にぶつかりそうになりました。どうやらガードレールにヒットした模様。気を取り直して昼食の為に高山市を目指します。お目当ては高山ラーメン。以前、スクーデリア・オクムラ様とのツーリングで市内のラーメン店に行ったことがあったのでそこを目指しますが、連れられていったので正確な店の場所が分りません。しかも流石は有名な観光地です。人も車も大渋滞で全く進みません。ローラー作戦で範囲を絞り込もうとしますが、13:00になろうかという時間になってきたので、あまりにも遅い昼食になると最大の目的であるホタルイカ料理が食べられなくなる恐れがあったので断念。近隣のラーメン村とやらも探しましたが場所が分らず終い。結局、コンビニでの昼食となってしまいました。
国道41号線を更に北上していくと飛騨古川町付近から雲行きが怪しくなってきます。とりあえず前日に確認した天気予報では、雨の心配は無かったのですが今にも降り出しそうです。『道の駅・細入』で携帯電話から天気予報を確認すると今夜の富山地方の降水確率は90%でとてもキャンプどころではありません。とりあえず行くだけ行って宿泊は、あとで考える事にします。富山市に入ると既に路面が濡れていました。どうやら少し前まで振っていて止んだばかりの様です。これなら今夜は降らないかもしれないという期待と共に、国道41号→県道30号→県道1号で滑川市の『道の駅・ウェーブパークなめりかわ』に到着します。ここは道の駅,ホタルイカミュージアム,温泉,レストラン,物産店を集めた複合施設となっています。
お目当てのレストランの夕方の部の開店時間は17:00となっていてまだ1時間以上も時間があったので『ほたるいかミュージアム』で時間をつぶします。ここのメインイベントは本物のホタルイカを使った発光ショー。実際の漁を模した状態でホタルイカに刺激を与え、真っ暗な部屋の中で幻想的なホタルイカの発光を見ることができます。レストランの開店時間と共に1番乗りで席に着き、お目当ての「ほたるいか御膳」を注文します。この料理では天婦羅,刺身,酢味噌合えの3種類でホタルイカを味わえます。
今ツーリング最大の目的を果たしてレストランから外へ出ると無常にも雨が降ってきました。仕方なくパニアケースからレインスーツを取り出し温泉施設の入口で着込んでいると更に強く振ってきて雷も鳴り出します。ここでも自分の「神の力」の強さを恨めしく思います。この雨で確実にキャンプは出来ないと判断して宿泊場所を探します。こんな事もあろうかと十数年前に能登ツーリングの基点で宿泊した高岡市のビジネスホテルを事前にチェックしておいたので(今時、良心的な¥4000台の料金です)朝食付のビジネスイン高岡に予約を入れます。ここからは雨の中、国道8号で一気に高岡市に向かい県道57号でJR高岡駅の駅南のホテルにチェックイン。折角、能登半島の入口付近まで来たことだし、急いで明日に帰る必要も無いので明日は能登一周をする事にします。実は高岡市まで来た時点で能登行きは決まっていたも同然ですけどね。
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道の駅 飛騨街道なぎさにて | ほたるいかミュージアムに到着 | お目当ての、ほたるいか御膳 |
5月2日(火)
朝、目覚めると窓の外は生憎の雨模様。朝のニュースの天気予報では能登地方は昼過ぎから天候が回復して富山地方は午後も曇りの予報。この為、高岡市から反時計回りに能登を回ろうと考えていたが、雨の降っている朝方に羽咋市方面に抜け雨雲を追いかける形で時計回りに移動する事としました。ホテルで朝食を済ませ折角、乾かしたレインスーツを着込んで出発します。とりあえずは日本3大大仏である高岡大仏へ。鎌倉や東大寺の大仏に比べビルに囲まれた場所にある小さな大仏です。お賽銭を入れ、色々なお願いをして(あれっぽっちのお賽銭で色々とお願いして御免なさい!)早々に立ち去ります。
県道64号→国道8号→国道471号で羽咋市へ。波打ち際を車やバイクで走行できる事で有名な『なぎさドライブウェイ』を目指します。途中、コンビニで暖をとるべく缶コーヒーを購入。これは砂浜でバイクを止めるのにスタンドが埋まらない様に下に敷くのに利用する為でもあります。県道229号から『なぎさドライブウェイ』へ。目の前は日本海です。雨は止みましたが曇天で海も濁っていました。十数年前に訪れた時から景色が何も変わっていません。ここからしばらく波打ち際を走行してパリダカ気分。調子に乗ってスロットルを大きく開けたらスタックして転倒しそうになったので、気持ちを入れ直して走行します。あまり波打ち際を走行するとバイクが痛むので(既に昨日からの雨で泥だらけですが・・・)早々に切り上げ国道249号に戻ります。とりあえず海岸線を北上して行き県道36号に進路をとります。県道36号を走行している頃には陽も差してきましたが、気温は10℃以下と肌寒くレインスーツを脱ぐことが出来ません。再び国道249号に戻り輪島市を目指します。
輪島市では有名な朝市が行われていて過去に2回も輪島を訪れているにも関わらず一度も立ち寄った事が無い為、買う買わないは別として今回は何としても見てみたいものです。お昼少し前に朝市会場に到着。駐車場にバイクを止め朝市を眺めながら散策します。残念ながら今回はクーラーバックは持ってこなかったので海産物を勧められても購入できません。それならばと、胃袋に納めるべく以前から朝市に立ち寄ったら是非、訪れてみたいとチェックしていた海の幸の丼専門店である『海鮮茶屋』さんで昼食をとります。海老が大好物の私としては、車海老と甘海老の両方が楽しめる『えびエビ丼』を注文。昼に贅沢をしてしまったので夕食は節約しなきゃ。
食後に再び朝市通りを散策しようと思っていたら、12:00で終わりらしく露店のほとんどが撤収されていました。買い食いすると昼食が食べられなくなると思って後回しにしたのに今度は、ゆっくりと朝市が見られない憂き目に合うとは。ちょっとタイミングが悪かったみたいです。同じくツーリングで訪れていた人々は、発砲スチロールに海産物を入れてもらいバイクに括り付けて走り去っていきました。近県の人々かな?駐車場は出るときに料金を払う方式だったのですが、朝市が終了して料金の徴収係も撤収していたので払わず終い。少し得した気分です。輪島からは国道249号の海岸線を珠洲市に向けて走っていきます。途中、輪島地方伝統の棚田である千枚田に立ち寄ります。すっかり観光名所となってしまっていますが、保存の労力には頭が下がります。さて能登まで来たのならお約束の岬巡り。国道249号→県道28号で禄剛埼灯台を目指します。灯台へ続く細い道を歩いて登りきった所で足腰が震え動悸も激しくなります。最近、ウォーキングをサボっているツケが出て完全に運動不足です。珠洲市付近はまだ曇っていた為、水平線の彼方に見える大陸は肉眼では分りませんでした。晴れていれば肉眼でも中国大陸が見えた気が・・・。見えなかったっけ?
さあ、ここからは折り返しです。県道28号→県道52号→県道12号→国道249号で恋路海岸の見附島へ。観光客がまばらな事を良い事に恋愛成就のチャペルを一人で盛大に鳴らしてダッシュで逃げ去ります(笑)。ここから十数年前に訪れた時に購入して既に時間が経ち過ぎて効能が無くなっていると思われるゲン担ぎの『松波駅→恋路駅』の記念切符を再び購入しようと旧能登鉄道の松波駅に向かいますが、残念ながら販売は行われていませんでした。前々回の北海道ツーリング時にも『幸福駅』で記念切符を手に入れましたが相変わらず効果は見られません。さてはガセネタを掴まされたのか・・・??次回の北海道ツーリングでまた手に入れればいいや♪と気を取り直して本日の宿泊予定地である高岡市の『高岡二上山キャンプ場』を目指します。国道249号を南下して途中、コンビニで休憩をとっていると沼津からのマスツーリングの集団と一緒になります。彼らは今晩の宿泊先を決めていない為、とりあえず富山市まで行って探すとの事でした。(宿泊可能なスーパー銭湯の利用かな?)
私は一足先にコンビニを出発して途中、能登島へ渡る2本の橋を渡りたいが為に県道257号に進路を取ります。能登島の最短ルートを通り、県道47号→国道249号で七尾市街へ。ここから国道160号へ進路を取るつもりが市街で道路案内標識が無くなり痛恨のミスコース。現在位置が分らなくなってしまってウロウロしていたら先程、コンビニで一緒になった沼津の集団と擦れ違ったので後ろについていきます。どうやら道路案内標識は県道289号経由で国道160号へ誘導していたらしく少し渋滞にはまりましたが何とか国道160号へ。ここからは海岸線を南下して氷見市を通り過ぎて高岡市へ。『高岡二上山キャンプ場』手前のコンビニで休憩をしながら携帯電話で天気予報チェック。18:00の時点で雨の心配はなさそうであるが相変わらず曇りの予報。しかしキャンプ場の上空には今にも降り出しそうな雨雲が広がっていてバイクの外気温計では8℃を示して、とても寒い状況です。冬用のキャンプ装備でなければ、かなり危険な状況であると判断してキャンプは断念する事にしました。日本海側のキャンプ地という事で某国に拉致でもされたら洒落になりませんし。昨日も宿泊したビジネスホテルに部屋の空き状況を確認して宿泊可能との事で予約を入れます。ここからは30分程度でホテルに到着。昨日も宿泊していたのでフロントの人も「また来たのね?」という感じで名前だけ記帳してあっさりチェックイン。高岡駅のマックで夕食を調達してベットで横になっていたら、いつの間にか寝入ってしまいました。
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高岡大仏 | なぎさドライブウェイ | 海老づくしの昼食 |
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千枚田 | 禄剛埼灯台 | 不審船接近!(見附島) |
5月3日(水)
3日目の今日は浜松へ帰るだけですが、往路と同じルートではおもしろくない。という事で少し遠回りになりますが国道8号で新潟県の糸魚川市まで海岸線を走り、そこから白馬を通って松本に抜けて帰るルートとします。途中、昼食として信州そばを食べる目的もあります。この日もホテルで朝食を取りチェックアウト。ホテルへの宿泊を決めた時点での気温は8℃でしたが今朝も冷え込んで7℃を示しています。やっぱり無理をしてキャンプをしなくて正解でした。
荷物をパニアケースに放り込み出発準備。国道415号→県道350号で『海王丸パーク』へ。海の貴婦人の異名をとりマストを張った姿は有名ですよね。同船の事は知っていましたが富山港に常時、停泊しているとは知りませんでした。GW中だから、もしかしたらマストを張った状態で停泊しているかもしれないという淡い期待は、あっさりと崩れ去りました。到着時間が早すぎて船内観光もできずマストを張った優雅な姿を見ることができるのは4日後でした。それでも近くまで寄ることは出来たので写真をと撮りまくります。やはり、この様な船にはロマンを感じますね。相変わらず気温は8℃。ホンダアクセス製のウインタージャケットの付属品であるアルミ蒸着インナーベストを持ってきていたので着込んで防寒対策をします。これで陽が差して暖かくなってくれれば良いのですが・・・。ツーリングマップルを見ると近くに『日本版、マディソン群の橋?』と書いてある東橋とやらがあるらしいので、どんな橋か探しに行きます。確かに『?』な橋でした。どんな橋であるかは是非、ご自分の目で確認してみて下さい。
国道8号へ出て新潟方面を目指します。立山連峰を右手に見ながら1時間以上も気温7〜8℃の中を走行してきた為、黒部市に到着する頃には寒すぎて気分が悪くなってきました。コンビニで休憩した後、まさか使用することは無いだろうと思いながら持ってきたフリースとネックウォーマーも全て身につけ完全防寒をします。これで少しは暖かくなりました。『道の駅・越後市振の関』で「タラ汁」を食べるつもりでしたが、時間が中途半端でここで食事を取ると信州そばが食べられなくなる恐れがあった為、断念します。「タラ汁」は次回、訪れた時の楽しみにしましょう。
糸魚川市に入ってから国道148号に入り前方に白馬岳を望みながら走行します。北陸自動車道・糸魚川ICを過ぎたところでオドメーターが17000kmを示します。今年に入ってから走行距離のペースが上がっています。国道148号はマウンテンロードである上に、マイカー族の観光客も多く数珠繋ぎ状態です。小谷村を走行しているあたりで12:00を回ります。このまま国道148号を走行していると一向にペースが上がらない為、途中から県道33号→県道31号に進路を取り『道の駅・ぽかぽかランド美麻』に立ち寄ります。トイレ休憩のあと、食事が取れそうだったので休憩所側と温泉側の両方を覗きますが丁度、お昼とあって満席で待ち時間も長そうです。この辺りであれば他にそばを食べられるお店もあるのでは?と思いツーリングマップルで先の行程を確認すると県道31号線沿いに手打ちそばのお店がありそうです。県道沿いなのでそんなに混んでもいないと思われます。
到着したのは『美郷』さん。この辺りは蕎麦村と言われる程、蕎麦屋が多いようです。そんな中でも『美郷』さんには県内外から訪れる人が途切れません。結局、1時間程、店の前で待ってようやく席につきます。自家製のそば粉に自家製手打ち麺で「大盛りざる蕎麦」でも¥900と大変、リーズナブル。野沢菜や蕎麦粉煎餅もサービスで付きます。蕎麦を打っているところもカウンターに座れば見ることができます。ここはまた是非、訪れたいところです。国道148号→県道306号で高瀬川の堤防道路を長野道・豊科ICに向かって走行します。豊科からは時間節約の為に高速道路で中央道・飯田ICまで一気に移動します。GW、4連休の初日でしたが、思った程には渋滞はしていませんでした。
飯田ICで降りて国道153号で稲武町方面へ。『道の駅・信州平谷』で最後の休憩をとり県道10号→国道257号で浜松へ向かい、無事?に3日間のツーリングを終了。3日間の総走行距離は1160Km。静岡・愛知・岐阜・富山・石川・新潟・長野の7県にまたがるツーリングでした。それにしても3日間でリヤタイヤがはっきりと磨耗したのが分る程の走行距離です。雨と砂に祟られたツーリングだったので翌日は1日掛かりで洗車&メンテナンスに追われたのは、言うまでもありません。消耗部品の交換時期が重なっちゃったなぁ・・・。
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道中、17000Km突破 | ぬおぉ〜!と持ち上げてみる | 昼食の信州手打ちそば |
総走行距離:1160Km