8月の第一週目は、予てから行ってみたかった『日本のチロル』と呼ばれる長野県・下栗の里へソロツーリングしてきました。当日は痛恨の二度寝をしてしまった事で出発の支度が遅くなりましたが、ドタバタしながらも8:00に浜松市内の自宅を出発します。国道152号線をひたすら天竜川沿いに北上していき、佐久間町と水窪町とに分かれる交差点を水窪方面に向かい青崩峠でなぜか途切れてしまう国道152号線からヒョー越林道に入り、兵越峠を経由して長野県へ入ります。
この兵越峠は武田信玄が遠州遠征(現在の静岡県西部地方で浜松に居城を構えていた若かりし頃の徳川家康を討伐する為)の際に通った事から名付けられたそうですが、近年の調査で実際にはこのルート(当時は現在の林道よりも整備されていない道です)は通っていない学説が有力なんだそうです。そして毎年、静岡県浜松市と長野県飯田市が県境を賭けて戦う国盗りの綱引き合戦で有名となった県境に差し掛かります。記念撮影をしましたが、なぜか痛恨の撮影ミスで全てピンボケでした。
兵越峠を越えて再び国道152号線に戻り、長野県飯田市の遠山郷へは10:30頃に到着しました。まずは【道の駅・遠山郷】に寄って恒例のスタンプ集めを行います。昼食はこの界隈でジビエ料理が食べられるお店があるのをチェックしてあったので探しますが、所有するナビではヒットしなかったのでローラー作戦で探すこと約15分。ツーリングマップルにも掲載されている【山肉専門店 星野屋】さんです。
ジビエ料理がお勧めなので、熊・鹿・猪・馬 などの獣肉が食べる事が出来ます。ボクは予算と肉の種類から【鹿味噌グリル定食(\1500)】を注文。単品で注文できる地元の名物料理である遠山豆腐と二度芋の小鉢が付いているのでお得です。鹿肉は初めて食べましたが、味噌で味付けされていても獣肉らしい後味と香りがしばらく続きました。肉は豚とも牛とも猪とも違い、赤身の質感が際立っている感じです。ボクは平気でしたけど、食べ慣れない人は普通に豚や鶏の料理を注文した方がいいかも。
そして、ここで問題発生! デジカメの収納袋と一緒に保管していた別体式ストロボが見当たりません。この場所以外でデジカメを取り出したのは兵越峠の県境と道の駅・遠山郷です。そういえば兵越峠で記念撮影している時に道路上にプラスチックの塊が落ちているのを目撃しているのですが、もしかしたらそれが落としたストロボだった可能性があります。今から戻るには時間がかかりすぎるので、諦めるか帰りに同じルートで戻って確認していく事にします。
食後は国道152号線を飯田市方面に向かい、ナビの誘導に従って側道に入り下栗の里を目指します。しかしナビが誘導したのはVFR1200FDで走行するには少しハードな酷道。落石あり、陥没あり、ガードレールなしのビビリロードです。対向車が来ない事を確認しながら走行していくと7月号のBikeJIN誌でも紹介されていた【民宿ひなた】の前に辿り着きました。どうやらビューポイントから見る『日本のチロル』と呼ばれる急斜面の狭い道路そのものを登って来ていた様です。ビューポイントに徒歩で移動するのに駐車場があると聞いていたのですが、ドコか分らなかったので、行けるところまで登って行ったら目的の食堂が管理する駐車場に到着しました。
レザージャケットを脱いで軽装になって徒歩で20分らしい天空のビューポイントに向かう事にします。一応、歩くことを前提に冷やしたペットボトル飲料を2本持参していきましたが、これが大正解! 夏場の山道では給水はMUSTですよ。
駐車場から急な坂道を歩いて行くと間もなく地元の方々が手作りで整備された小道への入口が現れます。人ひとりが通れるほどの舗装もされていない山道です。手すりやフェンスは心もとない程度のものしかありません。滑落したくなかったらそれなりの服装で行き、すれ違う時は譲り合いましょう。そんな山道を息を切らせながら歩くこと約15分。行き止まりとなる場所から見る光景は、【引越しのサカイ】のCMで有名となった『日本のチロル』と称される集落です。ここ数ヶ月、BikeJIN誌や他のツーリング情報誌で多く取り上げられた事でライダーの数が非常に多かったデス。まぁ、ボクもその一人ですけど。
観光地化してしまった下栗の里ですが、今でも住民が住んでいる場所です。言葉は悪いですが、人様のお宅を遠くから拝見している様なものです。地元住民の方が不快に思わない様に色々と配慮したいですよね。ちなみにこの場所で事故を起こすと救急車は即、駆けつけてくれないので慎重な運転を心がけたいですね!
帰りは標識に従って国道152号線へ向かい、上村小学校の裏手に出ることができました。こちらの方が道幅が広く道路も綺麗です。この下栗の里へのアクセスは何ルートかありますが、国道152号線沿いにある上村小学校の裏手から登っていくルートが一番お勧めです。この上村小学校の前を通る国道152号線は、何度かしらびそ高原に行った時に走行しているのですが、その時は下栗の里の存在を知らなかったので気にもしていませんでした。
帰りは国道418号線経由で国道151号線に抜けて鳳来町方面から帰るつもりでしたが、紛失したストロボを探すべく往路と同じルートで戻ります。兵越峠の県境でバイクを停めて徒歩で周辺を捜しましたが、午前中に見たプラスチック部品はおろか、それが通行する車に踏みつぶされた破片すら見当たりませんでした。翌日、道の駅・遠山郷にも電話して落し物としての届け出がないか問い合わせましたが、残念ながら見つかりませんでした。純正付属品で既にメーカー廃番になっていて、代替品は普通のコンデジも買えてしまう1.5万円もするのでどうしたものか・・・。
でもなんか久し振りにクネクネ道を堪能したし、心が洗われる景色も見れたし充実した1日でした。 あっ!そうそう、このツーリングで今夏に購入したHYODのスマートレザーパンツ(メッシュタイプ)を実戦投入しましたが、履き心地が良く涼しさも良好でとても良かったデス。こんな快適アイテムだったのならもっと早くから買っておけばよかったヨ♪