VOL. 99
● 初秋の甲州・西沢渓谷ツーリング
2012年10月26日(金)
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新東名からは富士山がクッキリ | 朝霧高原から望む富士山 | 本栖湖湖畔にて自分撮り | 皆吉さんの『ほうとう』で昼食 |
食後は県道303号線→国道140号線で雁坂トンネル手前の【道の駅・みとみ】で休憩とペットボトル飲料を買い、西沢渓谷のパンフレットをもらって市営駐車場に向かいます。今回、西沢渓谷に行くにあたって事前リサーチしたところ、約1.5時間の散策コースと約4時間の散策コースがあるとドコかのウェブサイトで確認しました。どちらも最大の目的地である『七ツ釜五段の滝』には行けるとあったので午後からでも1.5時間のコースであれば余裕で写真を撮影しながら行けるだろうと楽観視していました。
しかし、道の駅で売店の方に聞いたところ、散策には往復で4時間以上かかって17:00頃になるとこの周辺は真っ暗になるとの事。しかも散策道は道なき道でチェーンをつたってよじ登っていく場所もあるし、昨日は滑落事故があったばかりだと脅されました。すでに時刻は13:00を回っており、4時間もかかると17:00ジャストとなります。急いで無料の市営駐車場にバイクを停めて荷物を持って西沢渓谷への入口に向けて一歩を踏み出します。
入り口に向かいながら道の駅でもらってきたパンフレットに目を通すと、お勧めの散策コースは往復10Kmとなっており、往路は笛吹川沿いに多くの滝を見ながらフィールドアスレチックみたいな道なき道を4.5Km/3.5時間。復路は比較的平坦な散策道を5.5Km/1.5時間となっていました。事前リサーチで見た1.5時間はどうやら復路の片道所要時間だったみたいです。しかし楽する為にこの復路となるコースで最大の目的となる滝を見に行っても往復で3時間かかる事になり、他の滝を見ることはできません。ここは意を決して推奨コースの10Kmの難コースに挑みたいと思います。
13:30に入山し、アタック開始。既に散策を終えて戻ってくる人の姿を見ると、明らかに今流行りのトレッキングルックで手には杖、リュックを背負い、熊除けの鈴を鳴らしながら歩いています。全員がライダーズルックのボクを怪訝な眼差しで見つめながらすれ違って行きます。「まさか、ヤッチまったか?」と思いましたが、滝を見たさに気にせずに先を進みます。
笛吹川沿いは紅葉が始まっていました。最初は未舗装の狭くて平坦な道ですが、一歩踏み外すといきなり谷底へ一直線です。最初の見どころとなる【三重の滝】です。さらに笛吹川沿いに上流を目指していくと、とうとう足場が悪くなり道の駅で聞いた噂のチェーンの手すり(?)が現れました。
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笛吹川沿いの紅葉 | 狭い散策道の左は谷底 | これより西沢渓谷に入ります | とうとう散策路もなくなり… |
途中に数ヶ所かある滝のポイント毎に少し休憩しながら滝をカメラに納めていきます。時には50cm近い段差の石段を何度も上り下りし、濡れた石場の上を斜めに歩き、チェーンをたぐりよせながら先を進む回数、数知れず。思わず「ゆけ~ゆけ~♪ 川口浩♪」とエンドレスで脳裏にBGMが流れたり、「ファイトー!いっぱーつ!!」と一人CMを妄想したりとあまりの疲労で思考回路が崩壊寸前デス。全身汗だくで呼吸は乱れ、既に両足にダメージが来ていて体力もギリギリ。無事に帰る事が出来るのかとても不安になってきたゾッ!
パンフレットでは所要時間が2.5時間となっていましたが、2時間で最大の目的地となる【七ツ釜五段の滝】に到着しました。もう脚がガクガクで歩けません。しばらく休憩を兼ねて撮影に没頭します。まだ理想的とはいきませんが、滝の周辺の紅葉も色付いてきていました。
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三重の滝 | 竜神の滝 | 母胎淵 | 七ツ釜五段の滝 |
息を整えて撮影も数十カットの撮影ができたので復路へ戻ります。往路は予定所要時間よりも短くて済んだものの、予想以上の難コースだった事から復路も同じ様なコースだと相当な時間を要してしまいます。しかし復路はかつてトロッコで木材を搬出していた跡の整備道である事から未舗装ですが歩きやすく景色を見ながら歩く余裕すら生まれました。
往路で歩いた周辺の山々は結構、色付いていました。足元ばかり見て歩いていたので周囲を見る余裕なんて全然ありませんでした。途中でヘリコプターが飛来し、ボクの頭上でホバリングし始めました。程なくして狭い山間を低空飛行しながら何かを探している様です。間もなくすると山岳救助隊や消防隊、警察関係者らが集まっていて、先ほどのヘリコプターからロープが垂れ下げられ隊員が沢の方に下降して誰かの救助活動を行っていました。聞いたところ老齢グループの1名が過って50mもの崖下に転落したそうです。道の駅で話に聞いた滑落事故をまさか目の前で救助活動を目撃する事になるとは思いませんでした。
復路も1.5時間の所要時間のところを1時間強で歩き駐車場に戻る事が出来ました。さっそく両足が筋肉痛となっています。駐車場には既に数台の車しか停まっていません。手荷物をまとめて国道140号線を甲府方面に向け出発します。
帰りは本栖湖方面ではなく、国道52号線で新東名高速道路の新清水ICから高速に入りたかったので、ずっと国道140号線を走行し甲府市内を抜けて国道52号線へ。途中、国道140号線がバイパス化された区間を走行しましたが、約10年ぶりに走行したので道が大幅に変わっていてどこを走行しているのか分りませんでした。一応、ツーリングマップルも持参していたのですが、暗くて確認できなかったですし。結局、ナビの誘導をある程度信じつつも交通案内表示に従って走行しました。国道52号線に出てからは静岡方面に向けて爆走し、信号もコンビニも道の駅も無かったので休憩する事無く、一気に新清水ICまで進みました。
ここから新東名高速に入りNEOPASA清水で遅めの夕食です。西沢渓谷でかなりカロリーを消費してお腹が空いていましたが、給料日前でお財布も寒かったのでフードコート内でプルコギ丼を注文。この日、初のお米ものメニューでしたが、できればスープは付けて欲しかったなぁ。
食後はお気に入り店となったクシタニ・パフォーマンスストアさんに立ち寄り、顔なじみの店員さんに挨拶だけして(お気に入りの女性店員さんはいなかった…)出発。NEOPASA清水の駐輪場を同じタイミングで出発した素敵女子ライダーと浜松浜北ICまでなんちゃってランデブー走行しながら走行してきました。平日だったことから帰宅ラッシュに巻き込まれ、山梨県を抜けるのにかなりの時間を要してしまったので浜松の自宅には21:30に到着しました。
以前見たJAF会報誌に掲載されていた西沢渓谷の【七ツ釜五段の滝】の風景が見たくて今回紅葉狩りを兼ねて訪れましたが、西沢渓谷に行った事がない方で訪れてみたいと思っている方に何点かアドバイスをしたいと思います。
・服装ですが、原則自由ですが気軽に行ける場所ではないので季節に合わせた体温調整ができるウェア選びをお勧めします。
・ハイキングコースとなっていますが基本は登山です。危険も伴います。
・体力に自信のない方や普段運動をしない方は無理しない事です。無理と思った場合は途中で引き返す勇気も必要です。
・ハイキングコースは一方通行指示とはなっていませんが、笛吹川沿いに歩く滝巡りコースは人がすれ違う事が困難な狭い場所が数多くあります。よって笛吹川沿いに奥地に向かい、帰りはトロッコ軌道で戻る一方通行が暗黙の了解になっている様です。
・ペットを連れての入山はできません。ペットが他の人を襲ったり、ペットが思わぬ行動をとる事で滑落事故につながるからです。
・推奨の10Kmを巡る所用時間は標準的な体力のある方で約4時間です。これに1時間くらい余裕を持ってゆっくりとコースを巡れば景色も楽しめます。この為には午前中のうちに入山して、お弁当等を持参して途中で食べるのが良いでしょう。
・冬場でも相当な汗をかきますのでこまめな水分補給をお忘れなく。
今回、行ってみて自由がきくソロツーリングならともかく、マスツーリングで訪れるのには向かない観光スポットだと感じました。ツーリング参加者の同意が得られれば行っても良いでしょうが現地でのペースがバラバラとなり、メチャクチャ疲れますし、汚れます。ライディングブーツなどでは滑って危険極まりないのでお勧めしません。ライディングシューズやトレッキングシューズの利用をお勧めします。
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トロッコが運航していた散策道 | 渓谷の山々は紅葉していました | ソロで気楽に散策するのがお勧め | プルコギ丼で夕食 |
この日の走行距離:420Km