自作チェンバロの紹介 その1 Flemish 1 man. Harpsichord 52 keys

佐藤亮



 フレミッシュ 1段鍵盤
上海に行った楽器の情報が入りました。(2005年6月13日)
(写真をクリックすると拡大します。ツールバーの「戻る」を押すと元に戻ります)
ルッカースをモデルにしていますがオリジナル楽器のコピーではありません。またショートオクターヴを採用していません。
オリジナルの楽器は8フィートx 4フィートですが、この楽器は8フィートx 2です。

音 域 BB〜d3 52キイ 8 fx 2
重 さ 約 52Kg
     440Hz〜415Hz トランスポート機能付き
大きさ 1970mmx 820mmx 260mm


 ローズ部分の拡大

A,Sマークは製作者のイニシャルをそのまま使ったものです。(Akira Sato)
私の楽器にはオリジナルの様式には従わずシンプルにしてあります。

ローズは製作者のいわば「登録商標」として、製作当時はもとより後に「ラバルマン」(改造)を受けた時代、そして現在でも大変尊重されます。




 
響板上の絵 鳥

オリジナルの楽器は響板上の絵は大変風格があるものが多いようです。
もちろん私の作る楽器の画家は当時のヨーロッパなどで一般的だった鳥以外も画題にしています。


 
響板上の絵 鳥

昆虫もしばしば描かれました。中には青虫も!
オリジナルのチェンバロではしばしば鳥以外の動物や、架空の動物なども画かれました。
現在オリジナル・チェンバロの写真を多く挿入した本が出版されるようになりましたので、ぜひご覧になる事をお勧めします。


 
響板上の絵 鳥

このシリーズは2003年製作の楽器から掲載しました。
一台一台少しづつ違う鳥を描きます。すべて写真をとって手元に残したいのですが、残念ながらすべてを写真に撮って記録していません。


 響板上の絵 リヤ

演奏中には聞き手には見る事が出来ませんが演奏者には見えますが、オーナーにも夢を与えてくれる満足感があります。

この楽器に使用しているフレミッシュペーパーはN.TANAKAさんによるオリジナル楽器からの模写によるものです。
オリジナルのような木版ではなくアンティックな生地の用紙に通常の機会で印刷したものを糊で貼り付けています。


 
ジャックとレストプランクの部分
(チューニングピンの打ち込んである板)

バフバッテン・レジスターノブが見えます。
興味のある方がありましたらジャック部分の様子を写した写真を掲載します。


 響板上の絵 

ベントサイド・チーク部分。
ベントサイドはカーヴしている側板、チークは鍵盤に近い高音部の右の側板です。

小さいですが羽をたたんだ蝶も見て下さい。


 ベントサイド・リヤよりの部分に画かれた可憐な花


 
響板上の絵

 花 ベントサイド部分


 
上の楽器の響板 

ベントサイドの一部。


 
同じ楽器の響板 中央部分
ローズ付近。

上のシリーズと同じ写真ですがやはり色調が違っていて申し訳ありません。

オリジナルはショートオクターヴですが、このチェンバロは音域を拡大して実音BBまでになっています。
ご承知の通りショートオクターヴではバッハ・ヘンデルなど後期バロックの曲が弾けないからです。


 上のローズ付近よりリヤの部分

画かれている蝶の種類が分りますか?


 
リドの装飾

フレミッシュペーパを貼り、ラテン語の文字、模様を施してあります。

色々の格言が書かれていますが、これも当時良く用いられた言葉のようです。
私がとても気に入っている言葉なので・・・。
フロント・リド  「音楽は神の贈り物」
メイン・リド   「音楽は楽しみの友
           悲しみの薬」


 フレミッシュ1段鍵盤 

1987年製作の楽器の絵

偶然ですが牡丹の絵を書いたものが上海交響楽団(確認していませんが)に行ったものです。
ヤマハ銀座店から中国に行きました。
5年ほど前に上海の日本領事館から「製作者を確認したい」との電話を頂きました。
「あなたが製作者ですか?イギリス人の演奏家が良い楽器だと伝えて下さいとの事でした」
という内容で、現役で演奏されている事が何よりも嬉しかったです。
響板の絵は浜名リコーダーアンサンブルのN.TANAKAさんによって画かれました。


 上のチェンバロのローズ部分

2005年6月13日、この楽器の情報が入りました。
現在も上海交響楽団で管理されていて、18年経た現在もあちこちのオーケストラや合奏団、オペラなどで頻繁に使用されているとの事です。
この楽器は消耗も激しいようですが、メンテナンスについても近いうちに判明すると思います。




 同じフレミシュ1段鍵盤のチェンバロです。

この楽器はオーナーから画題について特別な希望がありました。
塗装は茶系統の濃い色、響板には真紅の薔薇が画かれています。
この画題にふさわしい画家(陶芸家)に依頼したものです。
ケースは茶色系統の地味な色ですが響板の絵は強い印象を与えます。
プロの画家によって画かれた唯一の絵で私の場合、極めて特殊な例です。

現在の多くのチェンバロに見られるように、現在のピッチといわゆる「カマートーン」(往々にして415Hzに調律される)にも対応するよう鍵盤を移動する事が出来るようにしてあります。