自作チェンバロの紹介 2 Flemsh 2 man. Harpsichord

佐藤亮



 フレミッシュ 2段鍵盤

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ルッカースをモデルにしていますがオリジナル楽器のコピーではありません。またショートオクターヴを採用していません。
オリジナルの楽器は8フィートx 4フィートですが、この楽器は8フィートx 2、 4フィートx1です。

音 域 AA〜e3 56キイ 8 fx 2 4fx1
重 さ 約 58Kg
     440Hz〜415Hz トランスポート機能付き
大きさ 2 227mmx 820mmx 280mm


 上の楽器の斜め前方からの写真

装飾は外部・響板の絵とも浜松のT・Hosinoさんの創作です。
この装飾モデルは1994年製作の1台のみです。
当時の塗料を使用していません。

浜松近辺ではこのようなヨーロッパ家具の塗装の専門家が見つからず、そのためこの楽器の装飾には大変苦労しました。
この美しい写真の撮影は浜松の大石写真館のご厚意によるものです。


 上の楽器を正面から撮影

フレミッシュチェンバロの現存する楽器は、あまりにも名高い Ruckers 一族や Moermanns Couchet 後期の Bull Dulcken などが有名です。
しかし我国にあるオリジナル楽器は非常に少なく、楽器製作者には構造はともかく、オリジナルの音を聞く事が大変困難です。

フレミッシュモデルとはフランダース地方、現在のオランダ・ベルギーにまたがる地方で生産された様式を意味します。


 上の楽器の響板。

この絵はオリジナルモデルの模写ではなく、オリジナル楽器当時の習慣を写真を参考にしながら自由に創作してもらったものです。
オリジナルの楽器ではテンペラで画かれたものが多いそうですが、私の製作したチェンバロでは水彩系の絵の具を使用しています。
楽器外部の装飾もオリジナルの模写ではありません。

大石さんにはこのホームぺージに掲載した写真のほとんどを撮影して頂きました。
本当にお世話になりました。この場を借りて大石さんに感謝の気持ちを表したいと思います。


 上の楽器のスパインとリド

オリジナルのヒストリカルチェンバロでは裏側側面の部分は、往々に塗装・装飾を省いている楽器があります。
つまり通常では部屋の壁に接しているのでこの部分が目に入る事が少ないのです。

しかしこの楽器ではステージ上でいろいろな角度から見える事を考え、また表とは異なった装飾を施してオーナーの楽しみとしているのです。


 上の楽器と同じモデルの一般的な塗装です。

この楽器もオリジナル楽器を忠実に模写した塗装ではありません。
他に赤系統の塗装を施した楽器も何台か製作しました。
外装の塗装は17世紀フランドル地方で製作された楽器では、100年あまり後にフランスで製作されたものよりも地味なものが多いようです。

なおマンションに住んでいる方で、エレベーターに収まらないために全長を少し短くしたモデルも数台製作しました。 


 上の楽器の響板

オリジナルの楽器のイメージをもとに当時共通の画題、花・鳥・蝶・その他の昆虫などを自由に画いています。

外部の塗装が同じ楽器でも響板の絵は全く同じものはありません。
一台一台違ったデザインで手書きされています。


 この楽器を使用したコンサートから

ハンス・マルチン・リンデ氏のフルート・トラベルソとリコーダーの演奏
チェンバロはクレイグ・ハンセン氏

なおこのチェンバロは後に輸出されました。

1995年11月18日 天竜市林業会館にて
コンサートホール天竜の主催

更新:2005/Apr/04 16:22