ペテルブルグ訪問 Санkт-Петербург

佐藤亮



  建都300年のロシア・ペテルブルグ訪問
(このページは拡大写真を使用していません)

2003年5月23日から30日まで埼玉県で「さくら草音楽共和国」を主催する伊藤邦夫氏のご厚意でぺテルブルグ市を訪問することができました。
この場を借りて感謝申し上げます。
写真は2001年に伊藤さんがロシアへ寄贈された私の製作したチェンバロです。冬の約半年間保税倉庫で保管された事情があり、メンテナンスのために訪問しました。

現在ペテルブルグ市の「シェレメチェボ宮殿」付属の楽器博物館に展示されていますが、チャイコフスキー・グリンカ・ショスタコヴィッチ・ラフマニノフが愛用したピアノを展示してあるフロアにこのチェンバロが置いたある写真を見せて頂き、どうしてもメンテナンスに行かなければと思いました。
左が佐藤、中央が伊藤さん、右が館長のブルンツェフさん。


 チェンバロのメンテナンスは時間の制約もあり約3時間集中して仕上げました。
やはり極度の乾燥状態による狂いがあり、「思い切って来て良かった!」と思いました。
今後は現地の方にメンテナンスをして頂かなければないません。響版の一部に亀裂が入っていましたがケースその他に損傷はありませんでした。


 館長のブルンツッェフさんと。

ブルンツェフさんは英語も堪能でロシアの民族楽器は一通り演奏できます。特にバヤン(ボタン式アコーディオン)の演奏は素晴らしく、特に私の為に演奏してくださった事は本当に感動的でした。
私が手にしているのは遠く「日露戦争」で捕虜になった日本人が現地で作った「月琴」でした。


 本業は建築士のコシュレフさん。

楽器博物館が付属しているシェレメチュボ宮殿の修復を担当していますが、ロシア随一のツィターのコレクターとして有名な方だそうです。
最近刊行された美しいツィターの本を頂きました。現在二冊目の本を編集中で一部を見せて頂きましたが大変大部なものでした。
世界中の民族楽器にも大変興味を持っておられるそうです。


 上の写真は鈴木楽器製作所のご厚意で寄贈したお琴(正式には筝)を興味深く弾いているコシュレフさん。
(私も少しは弾けるので)琴柱の立て方、調弦の仕方、爪の説明をしました。

右の写真は「専門」のツィターを演奏しているコシュレフさん。ツィターも非常に多様な発展をした、しかも美しい膨大なコレクションを一部見せて頂きました。


 コシュレフさんとノーリンさん。

ノーリンさんは本職はギター製作者ですが、コシュレフさんの収集したツィターなどの楽器を一手に引き受けて修復されたそうです。
ノーリンさんとも大変親しくなったのですが、お二人とも英語を話さないのでとても歯がゆい思いをしました。
もっともも私の英語もひどいものですが・・・。


 ノーリンさんの仕事場から
ギター作りの道具など。2枚の写真を合成したので不自然ですが・・・。
お父さんから受け継いだ道具がほとんどとの事。
お土産に彼の使っていた道具を2つ頂きました!もちろん大切に使わせてもらっています。


 ノーリンさんから私に送られたミニチュア工具。

ちゃんと刃がついています!
伊藤さんがこの年の秋にペテルブルグを訪問した時に託されました。
ピノキオを作っているお爺さんの籐人形。
人形はフェリーチェ合奏団の吉川由利子さんの作品です。


 工具の大きさと種類

ノーリンさんから頂いた工具です。
上の写真にディスプレーされたピノキオと工具の大きさを見てください。
既製品のおもちゃではなく、すべて手作りのオリジナルのものです。


 ノーリンさんの工房でパーティ
この写真は夜の11時半に撮ったのですが、北極に近いので夏はこんなに明るいのです。
ぺテルブルグでは6日の滞在で4回のパーティがありました!本当に心のこもった歓迎を受けました。


 コシュレフさんのお宅でのパーティー
ツィター・ギターなどコレクションも拝見しました。そして伊藤さんが三味線をプレゼント。私は組み立て・調子合わせと撥などの使い方説明。


 パーティーでは必ず音楽が演奏されました。

ここではいとこ同士の歌とギターでロシアの民謡を演奏しました。本当に心を揺さぶられるような素朴で生き生きした素晴らしい演奏でした。
ノーリンさん製作のギターを使って(リュートのように見えるのもギターで彼の作です)。
伊藤さんがどんなに信頼されているか、ここに集まっている方達の歓迎ぶりで良く分りました。
印象深かった想い出は、滞在二日目にこのパーテイがあり、先ずノーリンさんの手作りのロシア式サウナで迎えられた事でした。
暑いの何の!地獄でした!


 「蓄音機」コレクター。とても残念ですがお名前を忘れてしまいました。
ブルンツェフさんとコシュレフさんが「俺達の親友でもう一人面白い男がいるから行って見よう」と案内されたのがここ。
膨大な収集で大きな部屋3つに美しい陳列をしていてこれまたびっくり!すごい!というと「韓国にはおれの十倍集めているヤツがいるよ。この間訪ねてきたが彼にはかなわん」。


 オーナーと。右から二人目は通訳のアリーナ嬢。

現在ももう一つ展示室を自分で作っていましたが、コレクションの質を認められてペテルブルグ市からアパートの部屋3室を提供されているとの事、市をあげて文化財を大切にしている事が分りました。
通訳のアリーナさんは素晴らしい!漢字も読める!エルミタージュへ行っても専門用語を訳するのに困った顔を見せませんでした!


 このコレクターの門に掲げられてるロゴマーク
なかなかしゃれたデザインです。ところで彼の職業は?
なんとサーカスの「熊使い」でした。現在は引退して息子さんが継いでいるそうです。
現役時代日本にも半年間、巡業で滞在さた事があるとのこと。
ペテルブルグには常設のサーカス小屋がありとても人気があるそうです。


 有名なマリンスキー劇場

それはそれは美しい劇場でした!
指揮者のホフロフさんの奔走でチャイコフスキーの「白鳥の湖」を鑑賞する事ができました。本当に幸運でした。
なんと言っても人気のある出し物ですから私達が到着してからではチケットの入手は至難の業だったようです。
この写真はアエロフロートのパンフレットから転載しました。


 エルミタージュ美術館の日本語版案内書

開都300年の記念行事の当日、めったに開かない正面玄関の大扉から長い長い列を作って押し合いへし合い入館しました。
たくさんの報道陣も、整理の警察官も・・・しかし中に入るとあまりに巨大なので楽々鑑賞できましたが、恐らく一週間かかっても総ては見られないでしょう。
見覚えのある名画がいっぱい!
この巨大で有名な建物にも有料駐車上は無し。何しろ周囲があまりに広く、自家用車を止めるスペースが不足する事は無さそうでした。
建物の規模はルーヴルをはるかに凌ぐのではないでしょうか。
ネヴァ河の対岸から見るこの建物の美しさは忘れられません。


 ペテルゴフ〜夏の宮殿〜

日本語版案内書。中国語・ハングル語などヨーロッパ各国語以外に翻訳された案内書が揃っている事には驚きました。

ピョートル大帝によって「ルーヴル宮殿以上の規模」を目指しただけの事はあります。しかしネヴァ河もバルト海も半年近くも凍りに閉ざされるのだそうです。
また街中が建都300年祭に向けて修復工事が行われていて丁度最終段階でした。
ペテルブルグ中心街からネヴァ河を下ってバルト海に面したこの宮殿まで高速水中翼船で約30分。
思いもかけなかった美しい宮殿を見る事ができました。


 ロマノフ王朝ゆかりの子孫夫妻。
1917年の革命でパリに亡命し現在も住んでいるそうです。
近年になってしばしばロシアに正式招待されるとのこと。

この写真はコシュレフさんが4年前に撮影したものです。
ブルンツェフさん、コシュレフさんとも大変交際範囲が広い方です。お二人とも文化人として尊敬されている事が分りました。


  "緑のミューズ伝説"

  この本を20世紀 日本と世界の
            無念に散った 7000万の戦没者に捧げます

2003年5月、ロシア訪問を含めた伊藤さんのこれまでの音楽活動をまとめた本です。この本に興味のある方はこちらへお問い合わせ下さい。ロシア語版もあります。
発行者:さくら草音楽共和国 (建国17年)
伊藤邦夫:
〒 362−0076 埼玉県上尾市弁財 1−10−11
Tel 048−771−4425   Fax 048−771−9192
E-mail kuni.muse@m6.dion.ne.jp


更新:2005/Jan/12 21:44