☆アウディーA4 H9 ヒーター効かず
☆ローバーミニ 黒煙が出る良くみているとアイドリングも少し不安定だ。
ダイアグはMASセンサー不良
☆ベンツW210 リヤーウインドーガラスが上がらない
☆フオードエクスプローラー H9 出力がない 診断すると左バンクの4番の出力が少ない
「1週間ほど放置後エンジンを始動したら調子が普通でないので見てくれ」と来社。「ダイアグをみれば短時間で解決する」と高ををくくっていた。早速NewダイアグINOVA3110で確認、フォルトコードはないようだ。次に排気ガス(堀場社製)を分析、AFRは17で多少燃料は薄いが極端な異常は認められない。次に失火TESTをするとV8中左バンクの出力が全体的に低い特に4番の出力50%位しかない、これは、コンプレッションが抜けている。「バルブもしくはリング不良か!」誤診してはいけないのでフオード浜松に問い合わせてみた。「たまにシリンダー(リング)不良はある」との回答。しかし、待てよ。この歴史あるエンジンがそう簡単に壊れる!!!わけないよ。再度ユーザーに経緯を正確に回答してもらう。やはり破損は考えられない。そのまま1週間が過ぎてしまった。(自分ではレシプロエンジンの基本は克服したはずなのに)メカニックが「カムは?」・・・。そんな簡単に狂わないよ。でも一応みてみるか!メカがバルカバーをはずしタイミングを見てびっくりカム角が30度以上もずれている。何だこれは、「このエンジンはカムギヤーとのロックピンがない」ロックピンが無いエンジンなんて最近のエンジンでは見たことない。カムの先端のボルトで締めているだけ。情けない「自分の常識が非常識だった。同時にフォードのエンジン設計者になぜロックピンを附けないか聞いてみたいものだ。その事でユザーが無駄金払っていないかなー。OHCのチェーンの取り回しといいフォードの将来が見えているように感じたこの2週間だった。
その後、各部のDETA取りと調整を繰り返し「ほぼ完璧なV8に仕上がった」この車は左右出しの太いツインマフラーと相まって「アメリカンV8サウンド」を聞かせてくれた。
☆フオードマスタング カブリオーレ オーバーヒート&出力がない。ヒーターも効かない
まずNewダイアグINOVA3110 ダイアグを診てみる。左O2不良と出たが基本的なオーバーヒート修理が先である。
こちらはV6だ、冷却液を入れ始動するとマフラーから大量の水蒸気が噴出。アイドリングのエンジン出力を測定すると左バンクの4番が低いので、これはヘットガスケットかヘットヒビ、シリンダーのヒビ割れが考えられる。
ユザーへの概算見積もりは、ヘット面研とガスケット交換だが分解の結果、おお事(シリンダーブロック不良、ヘット再使用不能)になる可能性ある事を説明し了解をえた。翌日左バンクのヘットを降ろし、ガスケット破損を確認し、シリンダー、ヘットの亀裂点検(2液)した(+清掃で1時間)。次に歪測定を行い0.2mm以下と意外なほど少ないので砥石研磨で良しとした。
部品も到着したので組み付けエンジンも1発始動以前とはまったく違う音色だ。フォルトコードを消しTEST走行20-30分しフォルト無しを確認。さらにダイグでデーターストリーム等を監視。すべてが完璧に作動している。入庫前と走りも、先に書いた音も違う、どこが違うかというと私の表現であるが「ハモッテいる」(6シリンダーがハーモニーをしている)。
修理には、この音が非常に重要、特に初期診断を効率的に行うのにメカニックは聞き分け能力を訓練すると結構役に立つ思う。
ヒーターの診断は、非接触型温度計でヒーターホースの表面温度を測定したところ、エンジンからヒーターコアーつまり高温部のホースの中間に何かが入っている。この前後の温度差が著しく異なっている。ホースを外し、その異物を取り出した。外形15mm内径5mm位のオリフィスが入れてあった。その中心の穴が錆で、つまり温水が回らなかったのが原因と判明、オリフィスをきれいに掃除し元のようにくみ上げエヤー抜きをした。エンジンが温まってくると比例してヒータも効いてきた。その場でフォードに電話して「この種の車両は皆オリフィス入れてあるのか」の質問にメカは「見たことない」との返事、しかし、「以前EXプローラーに1台だけ入っていた記憶がある」という。水バルブを持たないこの車は水量調整用に挿入されていることは間違いない。しかもパーツはきれいに仕上げされている。いずれにしてもヘットガスが破損し硫化物が水系統に混入されなければこんなにさびる事も考えにくいので、詰まる事もないが。
2重故障診断時間約25分間
☆BMW320 (E36) H7 当社の代車 出力がない。もう10万キロ以上なのでエンジン不良か??
エンジンCheckランプは朝始動後消え方が少し遅い程度でそれほど異常は感じない。この車は以前のオーナーの手入れが悪く「ちゃんと整備はしたことない」BMWがかわいそう。と言いたくなるような車だった。現在フォルトコード(SPX社ダイアグ)はないが加速が悪い。ダイアグでデーターストリームを観ると「O2反応が今一悪い」ではないか。いわゆる作動はしてはいるが「応答性が悪い」故障だ。
手元にBENZのO2があったので取り付けた。BENZ用なので完璧ではないが高速性能は戻り、BMW本来のエンジンになりつつある。その後も代車に使用しているが、2000ccにもかかわらず、良く回るエンジンで時々私も乗るが「オーこれがBMWか!!」とか「やっぱりBMW」と思うくらいスムースだ。もうじき13万キロになるが快調に走っている。昔からBMWはエンジン開発には力を入れているが、それは、現在でも同じ、「宝の持ち腐れ」にならないように。
診断時間約15分
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