(財)静岡県サッカー協会 中西部支部           ヤングサッカーニュース               
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中西部ヤングサッカーニュース
  
取材、編集活動を基に構成
  されています。
 

石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈11〉
             スピードとプレーの正確性
 育成年代(特に4種)を指導するうえでの留意点として、プレースピードとプ
レーの精度の関係があります。速く、正確なプレーを目指すことは重要であり、
スピーディにプレーすることはポジティブにとらえられています。しかし、育成
年代において「速さ」を求めすぎて指導してしまうと、正確な技術を習得する妨
げになる場合もあります。
 ボールを正確に扱えている選手を見ていると、自分自身がボールを扱えるスピ
ード(移動するスピードとボールを扱う動作のスピードの両方)でプレー出来て
おり、オンザボール時には、ゆったりと力が抜けているように見えます。プレー
スピードをコントロールし落ち着いてボールを保持出来れば、相手の動きや味方
のポジションもしっかりと観ることができ、ミスでボールロストすることも少な
くなるのではないでしょうか。
 多くの選手は、ボールを保持すると相手を恐れて速くプレーしようと焦り、視
野が狭くなり正確な判断でプレー出来ないことがあります。指導者は、速くプレ
ーすることを求めすぎず、正確な技術の習得やプレーしながら周りが観られるス
ピードを意識させる指導を根気強く継続することが必要です。
プレーする上で「観る」ことは不可欠であり、「観る」ために体の向き、ファー
ストコントロールを指導するのと同様に、「観る」ことのできるスピードについ
ても指導していきたいものです。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈10〉
               伝える力
 先日、島田市サッカー協会が主催した「ブラインドサッカー教室」に参加し、
アイマスクを付けた選手(U―11・U―12)に、体操や動きの説明が巧く伝わら
ない様子をみて、改めて「伝える」難しさを感じました。アイマスクを付けて
いる人に、「右!右!」や「もうちょっと」と伝えても、誰から見て右なのか?
どのくらいもう少しなのか?日常では気にしなかったような言葉でも、正確に
伝えるとなると大変です。
 サッカーをプレー、指導するうえでよく使われる言葉に「コミュニケーション」
があります。選手同士、選手と指導者、保護者と指導者など選手育成やチームマ
ネージメントを行うためには、自分の考えや意見を伝え、人の意見や考えを引き
出すことは欠かせないことであり、サッカーの試合で「コミュニケーションスキ
ル」の高い選手が集まったチームでは、情報を伝え合うことでプレーを予測し、
攻守において質の高いプレーが可能になります。海外で活躍している選手も「コ
ミュニケーション」の重要性を日本のメディアに伝えているように、テクニック
やフィジカルと同様に大切なものであり、育成年代の選手にも意識させ伸ばして
いくことが必要です。
 指導者養成でも、「絵画の分析」や「問答ゲーム」でコミュニケーションスキ
ルの授業を行っています。 選手への伝え方が上手い指導者、試合中に的確なコ
ーチングが出来る選手を目指して、「伝える力」を養っていきましょう。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈9〉
                  組織力 大人の関わり
 今年度より、夏に御殿場で行われていた全日本少年サッカー大会(全日少)が
12月に鹿児島で行われることになり、各都道府県で全日少の予選を兼ねるU12の
リーグ戦を実施することが義務付けられました。カレンダー、運営方法について
は、日本サッカー協会の主導で行われ、各地区とも既存の大会との共存が難しく、
4種の関係者の方々には多大な労力をおかけしてしまいましたが、しっかりとし
た準備と工夫で各地区のリーグ戦から静岡県決勝トーナメントまで大きな問題も
なく無事に終了することが出来ました。
 大会を開催するにあたり、地区や県での委員会で多くの意見交換を行い大会の
考え方を共有して頂いた結果だと思います。
選手を育成するためには、現場の指導者だけでなく大会を運営する関係者の方々
や、審判、保護者など大人の関わりが重要です。そうした方々もそれぞれの組織
(委員会)に属しての活動であり、組織力が各県のサッカー育成力にもつながる
と考えます。組織は常に、選手のための組織であり、「プレーヤーズファースト」
の精神を忘れずに、生産性、効率性のある組織づくりを心掛けることが大切だと
思います。
 少子化や他種目スポーツとの競合で、サッカーを行う子供たちも少なくなって
きているのが現状ですが、競技スポーツとしての選手育成と同時に、KIDS年
代からサッカーを長く続けていくための環境づくりにも組織力が益々必要になっ
てくると思います。


石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈8〉
                世界を感じて
 10月の連休に「スルガカップ2015静岡国際ユース(U―15)サッカー大会」
(GSA)が開催され、静岡県選抜の2チーム、メキシコのプーマスFC、タイの
チョンブリFC、ブラジルのイトゥアーノFC、名古屋グランパスの6チームが
カップを目指しました。
 決勝ではプーマスFCが、SJタイガー(静岡県選抜)を2―0で破り優勝を飾り
ましたが、プーマスFCの統制のとれた守備力、ボール際の体の使い方など日本
では体感したことのないプレーを感じることが出来たと思います。また、攻守に
「走る」意識が徹底され、守備ではボール保持者に、攻撃ではDFラインの背後
やサポートにと、相手に隙を与えず隙を突く姿勢は、鍛えられたチームの印象を
持ちました。
日本では、メキシコサッカーは体格も似ていることもあり、参考にするところ
が多くあるといわれていますが、今大会でプーマスの選手が見せてくれた「体の
使い方」や「ボール奪取能力」「攻守の切り替え」は、静岡の選手も意識し日々の
練習から取り組むべきだと思います。
タイでの選手育成も、チョンブリFCなどプロリーグのチームがモデルとなっ
て強化を進め、アジアの強豪国になることが予想され、イトゥアーノFCは、年齢
が1つ下の参加でしたが、ドリブル時の独特なステップと身のこなしは、ブラジ
ルらしさを存分に出してくれました。
 大会を経験した選手が、今後どのように成長していくのか楽しみにしています。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈7〉
              GKを育てる
 9月に行われた技術委員会において、膳亀技術委員長からオランダ指導者研修
(8月実施) の報告があり、報告内容のひとつとして「GKの育成」について
挙げられました。
 オランダでは、4種KIDS年代からGKとしての育成(練習)が確立され、
質と量が非常に充実しているという報告でした。もちろん、オランダのクラブ育
成システムをそのまま参考にすることはハード、ソフトの面からも不可能だと思
いますが、日本サッカーが世界の舞台で活躍するには、強化しなければいけない
ポジションであると思います。
 現代サッカーにおいて、GKは足元の技術がなければ攻撃の起点になれず、キ
ャッチングやセービングなどGK独自のスキルと同じように、練習を行う必要が
あります。
地区トレセンにおいても、GKがパス&コントロールの練習をフィールドプレー
ヤーと一緒に行い、足元の技術の習得にフォーカスしています。反面、GK本来
のプレーである、「ボールを捕る・シュートをうける」ための練習量はどうでしょ
うか?
 限られた練習時間内で、シュート練習に割く時間は多くないと思いますが、「G
Kを育てる」ためには、たくさんのシュートをうけることが必要で、同時に、フ
ィニッシャーの育成にもつながっていくと思います。
 シンプルなシュート練習を数分間。など指導者の工夫で、効果的な練習時間を
行い、チームや地区ごとでGKコーチの育成が「GKを育てる」第一歩と考えます。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈6〉
                サッカーの本質
 7月の下旬に、47都道府県のユースダイレクター研修会が行われ、その研修の
なかで、日本代表強化指針(コンセプト)として、「原点回帰」がありました。サ
ッカーの本質を忘れることなく、ボールを奪い、ゴールを奪うプレーを常に意識
しよう。といった趣旨の話でした。
 海外の指導者は、日本人プレーヤーの特徴として、クイックな動き(アジリテ
ィー)や持久力、狭いエリアでもボールを扱えるテクニックに優れていると指摘
します。一方ボールを奪うプレーや、シュートの意識、シュート技術についてはま
だ課題があるといわれています。
特に育成年代の試合では、ボールに対するアプローチが甘いように感じます。「い
つ」「どこで」「どうやって」など、子供たちはボールを奪いに行く時、多くのこと
を考えながらプレーしなければなりません。しかし、多くのことを与えすぎて
(教えすぎて)子供たちの動きが鈍ってしまうより、まずは、ボール保持者にプ
レッシャーをかけることをチームとして徹底させ、多少のミスよりも躍動感のあ
るプレーを優先し、守備における成果と課題の原因をしっかりと分析して、個別
に伝えてあげることで、選手のもっている感性や特徴を引き出すことができると
感じています。
シンプルな指示を徹底して行う。その繰り返しが、選手の習慣となりプレーの
熟成につながっていくのではないでしょうか。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈5〉
              キッズ活動
 日本サッカー協会は、キッズプログラムとしてキッズ指導者養成・フェスティ
バルの実施・巡回指導などの活動を各県に推進し、静岡県でもキッズ委員会を中
心に関係者の方々が熱心に活動をされています。キッズ(就学前児童と小学生低
学年)でサッカーと出会い、サッカーを好きになり継続し、サッカー文化を育む
ためにも、キッズ活動は非常に大切です。
遊びを中心とする身体活動の時間が減少しているなかで、キッズ活動を通じて
体を動かし、基本的な運動動作の習得を行うことも、キッズ活動の目的のひとつ
になっています。U―6キッズの子供たちが多彩なアクティビティ(リズム体操・
ボール遊び・鬼ごっこ等遊びの要素を含むもの)で神
経に刺激を与えることで、体を移動させる動き(走る・はねる・跳ぶ・よける等)
や、体のバランスを保つ動き(立つ・回る・転がる等)、用具を操作する動き(投げ
る・蹴る・捕る等)をスムーズに行うことが出来るようになると言われています。
(スキャモンの発育曲線では、小学生低学年までに90%の神経系が発育するとい
われている)。
就学前の子供たちの能力をタイミング良く引出して、次のカテゴリーでも気軽に
楽しくサッカーを続けられる環境を各地区で整備し、サッカー界の土台作りをす
るために、少しでも多くの指導者が、種別を超えてキッズ活動に関心を持ち参加
することが、地区の育成力の強化につながると思います。


石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈4〉
           GKは攻撃の第一歩
 先日、つま恋でU―11トレセンサッカー大会が開催されました。5年生になっ
たばかりの選手達のプレーには、技術的なミスも多くありましたが、ボールを持
った時にはしっかりと顔をあげ、状況に応じた意図のあるプレーを選択しようと
していました。相手のプレシャーがある中で、ボールを失わずシュートまで持っ
ていく。そのために育成年代では、テクニックをしっかりと習得し正しい判断が
できる選手を育成することが重要とされています。
同時に、攻守の切り替えを常に意識させ、攻〜守・守〜攻へと切り替わる瞬間
の重要性を指導する必要があります。特に育成年代の試合では、GKからの素早
いフィードが少ないことが気になります。GKがキャッチすると、試合が一度リ
セットされGKがパントキックする時には、相手選手は全員が前向きで守備の準
備が整ってしまっています。GKやフィールドプレーヤーが守〜攻の切り替えを意
識してプレーできれば、相手のプレッシャーを回避し、多くのチャンスを作り出す
ことが可能になり、サッカーの質の向上につながります。
指導者は、フィールドプレーヤーがGKからの素早いフィードを受けるために、
いつ・どこに・どんな体の向きでポジションを取ればいいのか。またGKが、素
早いフィードを行うための取り組みには何が必要かを、自チームの練習から選手に
働きかける必要があると感じます。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈3〉
パス(蹴ること)    
 5月の連休に、JFAプレミアカップU―15を視察しました。出場チームのほ
とんどがJリーグの下部組織で、全国レベルの大会です。
 全国レベルのチームと静岡県内リーグのチームの何が違うのか? を考えなが
ら観戦し、印象に残ったプレーとして、「キック」が挙げられます。もちろん、
Jの下部組織の選手のなかには、体格的にも恵まれて、遠くに強いボールを蹴れる
選手もいましたが、ショートパスにおいても、しっかりとボールをとらえ、正確
にパスを送っていました。そのパスは、サッカーをしている選手であれば、蹴れ
る距離であり特別なプレーではありません。試合中に「正確に蹴る」ことは、技
術だけの問題ではなく、ボール保持時のコーディネーションや相手との駆け引き
のなかでの判断、コントロールの正確性なども要因になると思いますが、単純に
回数をこなす「蹴り込む」練習がまずは重要と考えます。
パス&コントロールは、ジュニア年代の指導でも行われていますが、1人の選
手がどのくらいの量を蹴っているか? 量だけを求めた「対面パス」などではリ
アリティーに欠けることもありますが、ジュニア年代からきれいなフォームで
「止めて」「蹴る」の量を確保し、そのうえで、攻守があり判断を伴う練習を行
うことが必要と再確認することが出来ました。チーム練習の始まる5分間を有効
利用してみてはどうでしょうか。


石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈2〉
      「オフの個人戦術」  〜ボールがない時の動き〜
 3月末に、静岡県選抜(新中3年)を2チーム編成し(ジュビロ、エスパルス、JF
Aアカデミーは除く)、静岡Jrユースサッカーフェスティバルに参加しました。
 試合前、選手には厳しくボールを奪いに行く、攻撃時にはできるだけグランダーのパ
スでボールを運ぼう、と伝えました。守備では、ファーストDFが相手のボール保持者
にしっかりとプレッシャーを掛け、セカンドDFはその状況下でポジションをとり次の
プレーの準備を行い、チーム全体で、スライド(全員の横ずれ)やラインアップなどの
連動した守備の動きが出来る時間帯もありました。攻撃では、グランダーでのパス交換
をするために、角度を気にしながらボール保持者のサポートに入り、1タッチを入れな
がらコンビネーションプレーで相手のゴールに迫ることも出来ていました。
 ジュニア年代からジュニアユース年代になると、ボールを持っていない選手の動き
(サポートやカバーリング)が非常に重要になってきます。ボール状況(攻撃ではボール
保持者、守備ではボールにアプローチをかけている状況)を感じとり、ボールを持って
いる選手や、1対1で守備をしている選手に対して、サポートやカバーリングを意識し
てポジションをとれば、攻撃時にはボール保持者の選択肢が増え、守備では、簡単に突
破されない守備ができると思います。
「ボールがない時に何が出来るか」足を止めず、周りを観て、次に何が起こりそうかを
感じながら、ポジションをとることが習慣化できるように、チーム全員で意識して練習や
試合に臨むことが大切だと思います。


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石井知幸ユースダイレクターから
        ヤングプレーヤーへの提言 〈1〉     2015 4月号
 新しい年度を迎え、育成年代のなかでサッカーの環境が大きく変わる年代として、
ジュニアからジュニユースにカテゴリーが変わる時ではないでしょうか。ゴールデ
ンエイジ(テクニック習得に適した時期)からポストゴールデンエイジに入り、骨
格や筋肉の発育、心肺機能の向上など身体的に大きく成長する時期といわれていま
す。また、ゲームコートはジュニア時代よりも広くなり、ボールも一回り大きくな
ります。「いい選手」になるためには、多くの要素が必要ですが、身体的な特徴も
欠かせません。「背が高い」「足が速い」などの先天的な要因もありますが、しっ
かりとした食事をとり、睡眠時間を確保し、試合や練習に耐えられる体づくりが必
要です。Jリーグで活躍している選手も、食事には非常に気を使っています。試合
の前には何を食べるのか? 試合の後には何を食べれば回復するのか? 食べるタ
イミングは? 学校生活のなかでは、プロ選手のように徹底することは不可能です
が、食事に興味をもち自分自身で、体づくりと食品の関係を調べてみてはどうでしょ
うか? 
 また、ジュニア時代に比べスピードやパワーが増すことで、怪我をする可能性も
高まってきます。一回り大きくなった体に柔軟性(ストレッチ、入浴)を持たせる
ことは、プレー向上や怪我予防の助けになると思います。「いい選手」になるため
には、日々の練習だけでなく、普段の生活から意識を高くもって過ごすことが必要
になってきます。
●プロフィール
石井 知幸(いしい ともゆき)52歳
ヤマハ発動機でプレーの後、ジュビロ磐田でスカウト・育成コーチ・トップ
コーチ、アルビレックス新潟と大宮アルディージャでもヘッドコーチを歴任。
アテネオリンピックではU−23日本代表コーチを務める。
2013年7月より静岡県サッカー協会のユースダイレクターに就任し、
若い年代の育成責任を負う役割を担う。


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