キャバリア 毛色の遺伝の法則
1、はじめに
キャバリアの毛色には、ブレンハイム、トライカラー、ルビー、ブラックタンの4色のカラーがあります。
それでは、この4色の間で交配を行うと、どんな色の子犬が産まれてくるんだろう・・・って考えたことは
ありませんか?
専門書などを読むと、いろいろ難しいことが書いてあって分かりにくいですよね!
これは、このホームページを見てくださった方に、キャバリアの毛色の遺伝の法則について、
できるだけ分かりやすく理解していただくために、私の経験も含めてまとめたものです。
これから、交配を考えている方は、是非お読みになってください。
もっと詳しく知りたい方は、メールでお問い合わせいただければ、分かる範囲でお答えいたします。
それでは、毛色の遺伝の法則の始まり、始まり〜!
2、毛色の基礎知識
キャバリアは、全体に色がつくホールカラー(ルビーとブラックタン)、有色と白が混ざっているパーティー
カラー(ブレンハイムとトライカラー)に分けられます。ホールカラーの犬は、S優性遺伝子を持っています。
この遺伝子の働きで、単一色になります。ルビーとブラックタンは、S優性遺伝子を少なくとも1個は
持っていますので、遺伝子型はSSか、Ssになります。パーティーカラーの犬は、いつも遺伝子型はssで、
毛色を単一にするS優性遺伝子は持っていません。
ブラックタンやトライカラーの黒は、E優性遺伝子を持っているために現れます。ブレンハイムとルビーには、
黒は出ません。なぜなら、このE優性遺伝子を持っていないからです。そのかわり、黒を茶色に変える
e劣性遺伝子を持っています。ルビーとブレンハイムは、いつも遺伝子型eeです。
トライカラーとブラックタンは、E優性遺伝子を少なくとも1個は持っています。つまり、遺伝子型EEか、
Eeのどちらかになります。
ここまで読んでも、遺伝子のことに詳しくないと、さっぱり意味が分かりませんよね〜。
簡単に言えば、キャバリアには下記の9種類の遺伝子パターンが存在するということです。
@ ssee ブレンハイム
A ssEe トライカラー その1
B ssEE トライカラー その2
C Ssee ルビー その1
D SSee ルビー その2
E SsEe ブラックタン その1
F SSEe ブラックタン その2
G SsEE ブラックタン その3
H SSEE ブラックタン その4
これらの組み合わせによって、子犬の毛色が決定するのです!
3、遺伝子の見分け方
(1) EE、Ee、ee
トライカラーやブラックタンの犬が、EEなのか、Eeなのか、見ただけでは分かりません。
その犬の親のどちらかがルビーかブレンハイムなら、Eeです。ブラックタンやトライカラーの両親から産まれた
のなら、EEかEeのどちらかです。それを判別する唯一の方法は、その犬をルビーかブレンハイムと交配して、
ルビーかブレンハイムの子犬が産まれたら、親犬は必ずEeです。そして、何回か交配を行って、ルビーや
ブレンハイムの子犬が一匹も産まれなければ、親犬はEEであると確信できます。
(2) SS、Ss、ss
片方の親犬から、1つのS遺伝子を受け継ぐ限り、ホールカラーの犬が産まれます。ホールカラーの犬を、
パーティーカラーの犬と交配すると、子犬は必ずSsになります。ホールカラーの犬で、両親もホールカラー
でしたら、その犬をパーティーカラーの犬と交配することで、SSなのかSsなのか分かります。その時、
子犬たちの中に、トライカラーかブレンハイムの子犬が産まれれば、親犬はSsであり、数回子犬を産んでも
その中にパーティーカラーの子犬が産まれなければ、親犬はSSです。
(3) まとめ
要約すると、遺伝子Sとsが、キャバリアのホールカラーとパーティーカラーを決定し、遺伝子Eとeが、
キャバリアの毛色に黒が入るか茶が入るかを決めるのです!
4、子犬の毛色を予測する
ブレンハイムは、いつも完全に劣性遺伝子、sseeです。トライカラーで、片親がブレンハイムかルビー、あるいは
ブレンハイムかルビーの子犬を産んだ場合、遺伝子はssEeです。ルビーで、片親がブレンハイムかトライカラー、
あるいはブレンハイムかトライカラーの犬を産んだ場合は、遺伝子はSseeです。ブラックタンで、片親がルビー
なら、遺伝子はSSEe、あるいはSsEeのどちらかです。その犬のもう片方の親がトライカラー、あるいは産まれた
子犬がトライカラーの場合、遺伝子はSsEeです。ブラックタンで、片親がトライカラーの場合、遺伝子はSsEEか
SsEeのどちらかです。この犬のもう片方の親がルビー、あるいは産まれた子犬がルビーだった場合は、
遺伝子はSsEeです。トライカラーとブラックタンの犬で、両親共に黒の入った犬の場合、あるいはルビーや
ブラックタンの犬で、両親共にホールカラーの犬の場合は、その遺伝子型を考えて交配することが必要です。
交配で、両親犬の遺伝子型を考え、子犬たちの毛色の可能性を割り出すことができます。つまり、オスの精子の
遺伝子の組み合わせと、メスの卵子の遺伝子の組み合わせから、どのような毛色が、どのような確率で産まれて
くるのか分かるわけです(パンネット・スクエアという表を使って、確率を割り出します)。
ここまで長々と読んでいただき、ありがとうございました!もっと深くお知りになりたい方は、是非メールにて
お問い合わせください。
巣立っていった子犬たち
キャバリア 毛色の遺伝の法則