本命アイデア


メインアイデア
・ヒーローガーデンみたいな場所に行きたいよね
→ヒーローガーデン的な学校を舞台にした学園もの


その他のアイデア
・空中にある学園なんて設定だから、破天荒な学校でいい
(少女革命ウテナの劇場版くらい異常でいい)
→外見は天国(みたい)。だけど中にいる人間はあくまで人間。(外見が中身に干渉するし、外見が中身の正体を浮き彫りにする)

・ヒーローガーデンに即して、天国のイメージ
(そのイメージと実際の学園生活とにギャップが生まれる)

・校庭にある林檎の木
(失楽園。だけど本当に天国というわけではないので、木から林檎をむしり取って食べても退学にはならない)
→学校の木から実をもいで食べるっていう悪さと神話を重ねる少年少女っていう感じ。
→この設定の存在意義薄くね?ということで改善必要。
→学生がする「ちょっとした悪さ」が肝だと思っている。それによって、等身大の自分たちを見つけるきっかけになってほしい。
→天国っぽいところで自分たち生活してるけど、天使でもなんでもないよね、みたいな。
→チャットで出した「木の葉がガム」という案は、ガムと悪さのイメージが繋がりやすそうだったから。

・「私の場所」
→迷宮チックな校内に無数にある、使われていない教室の中で、主人公が自分だけの空間として使っている教室。
→女性の彫刻が置かれている。(どうやら卒業生の残した物らしい。モデルは作者の恋人なのではないかと主人公は推測する)
→その彫刻が存在することからもわかるように「私の場所」は厳密には自分の場所ではない。
→そこを意識することで、幼い頃自分が使っていた秘密基地を今の子供たちが使っているのを見つけた人と似た気持ちを味うことになる。

・女性の彫刻
→チャオ的な要素を追加しようと考えているうちに思い付いたけど、どこがチャオ的だったか思い出せません。ごめんなさい。
→主人公はこれを通して「昔この学校にいた彫刻を作るのが好きな男子とモデルになった女子」を想像する。
→その想像の中身は勿論彼女にとっての「理想」である。
→こういう設定を用意したら、物語的には「実際の二人がどうであったか」ということが明らかになって、そこから主人公の心境が変化していく、とするのが自然なんですかね?

・高校卒業=天国での生活の終わり
(教員になれば戻ってくることはできる。だけど主人公はそれを選択しない)
卒業は幸福な生活の終わりを予感させる(下の世界は空中の学園より酷いかもしれないから)ので、卒業までに何かをしたい、と思う生徒が多い。


学園アイデア

・「世界はメタファー(海辺のカフカ)」っていうことで、メタファーに富んだ学園にするのはどうか。

・個人の感情の複雑さと、さらに集団になって複雑になることを、校舎を迷宮のようにして表現するとか。
→ただし普段立ち入らない場所に行こうとしなければ、道順を記憶していることもあって、迷わない。
→迷宮チックな学校ゆえに「自分だけの場所」が生じやすい(そしてたまに知らない人と被る)


・天国っぽさが必要かどうか。
→恵まれた環境に置かせることで選民意識を生まれさせたい。(中学受験して中高一貫校に入った我々はそこらの義務教育ちゃんたちとは違うのだよ、みたいな)
→学園へ続く不思議な階段は気まぐれに地上のどこかへ足を延ばす。それで「偶然それを見つけた私は世界に愛されている」という意識を生む、というのはどうだろう。
→勿論、「選民意識」や「自分は幸福になるべき人間であると思い込む」要素として、天国よりもいい案があればそっちに流れていきたい。
→だけど外観は重視したい。全寮制の学校で生活する中学生高校生の登場人物たちにとって、外観からの影響は少なからずあると思うから。


プロット
・幼少期(5歳くらい?)に階段を見つけて、それを上って空中の学園に入る。
・そういう経緯で親と離れたまま育つので、主人公は親のことを「気になるけど凄く興味があるわけではない」と感じている。

・主人公ともう一人の女の子の話がいいなあ
・林檎の木から林檎を取って食べる(二回目。一回目は男子と食べた)→自分は天使ではなく人間であるという自覚。(教師も食べたことがあると知るといいかも)
・ペンネーム的な名前を付け合って、それで呼ぶ。(うちの身の回りの女子ではそういうことあったよ。黒歴史になりかねないものだとわかっているけど、青春の思い出だと思うよ)

・特別な場所(空中にある学校)に生きていることを意識して、何か特別なことをしようとする。
(主人公たちに限らず、高校三年生全体にそのような雰囲気があり、過去の卒業生が残した痕もある)
→自分たちは特別である(もしくは特別でなくてはならない)と思うあまり無理をしてしまったり、不必要に傷ついたりする。
→ここを重視して、登場人物を多めにするといいのかもしれない。(校内を模写して回る人とか)

・女の友情に関係したオチ(それって女子の憧れだと思う)→覚醒とかしなくていい。静かに話が進んで静かにオチを迎える。

・卒業した後、主人公は大学生となって普通の生活に戻る。
(明確に『この学校のおかげで成長できた』とはしない方がいいと思う。ただ記念の品が手元に残る≒彼女だけの思い出)


登場人物

末森美奈(すえもり みな)
主人公。芯の強めな子にしたい。
ニックネームとかどうしよう……。
学校の中に自分の場所を持っていた(見つけ出した経緯というか、それを見つける時にどう考えてどういう道のりを進んだのか、描きたい)。
だけど他の人と被った。一人が男性(片思いした)で、もう一人が青葉。
(三人共、最初に『自分の場所』にたどり着いた道順は違う。青葉とはクラスが一緒になったのを機に共有する)

小野青葉(おの あおば)
親友。名前は仮。
ニックネームは「藍(あい)」ってどうだろう。電話帳で一番上に来るし、難しい漢字だよ。


序盤の本文案

 末森美奈がそこで見たのは階段だった。
 実体の見えない、ぼんやりと光を反射しているだけのものが階段になっているのであった。
 反射される色は流動的で、赤にも青にも黄にもなる。流動的な色の階段。それを美奈はしばらく眺めていたが、黒にはならないようだった。完全なランダムではなく、選り好みしたように明るい色のみに変わるようだった。美奈はそれを、綺麗だ、と思ってしばらく見入っていたのだが、やがて階段に足を乗せてみた。階段は美奈の体重を全て支えてみせる。虹が掴めないように、この階段もすり抜けてしまうのではないか、という予感があったために意外なものであった。驚きが美奈の足をどんどん進めていく。最初は色の変わる階段を見つめていたが、周囲の建物も目に入るようになってくる。その時にはもう二階建ての家よりも高い所に美奈はいた。下を見ると、危なく感じる。階段には手すりもなかった。落ちたら大怪我をする、と思った。迷ったが、美奈はまだ上ってみることにした。階段は曲がりくねっていた。まるで町中で鬼ごっこをする子供たちが作る軌跡のように。実際に階段は建物の間を縫うように続いていた。上っていくうちに美奈はビルのテナントの飲食店の看板と対等になる。車がミニカー程にもなった。そしてどのビルよりも高くなると、視界は開けて、周囲の一帯が全て自身の空間であるように感じられた。美奈は立ち止まって、階段がどこまで続いているのか確認してみる。ぐねぐねと曲がる階段に合わせて目を左右に動かしていると、門が見えた。距離としては、これまでの道のりと大差ない。美奈は既に高層ビルよりも高い所にいた。足が痛くなっていたが、ゴールが見えてしまったので美奈はそこまで行くことにした。


終盤の本文案

 携帯電話を手に取る。これも少しずつ手に馴染んできた。最初に登録して、まだ一番上にある名前。
 私たちは空の上で付けた名前で呼び合う。
「ねえ、アイ、今度飲みに行こうよ。それとも、うちに来る?」

(この短いフレーズだけだと微妙。もっと土台をきちんと作らないとね)