五十年前、奇跡が起こって世界は変化した。
世界は魔法の世界に変わった。

世界革命と呼ばれるその出来事によって、世界を悩ましていたエネルギー問題は解決された。
魔法が使える時代の到来であった。
副産物としてチャオが人の言葉を話すようになった。

それらの代償のように、世界革命以前の記憶の一部を失った人が大勢現れた。
それでも幸福な時代と言えた。
記憶を失っても大半の者は普通に生活を続けることができた。
代償にしては軽いと多くの人が感じた。
だから幸福な時代と言えた。

しかし毎日のように起こる殺人事件を筆頭に人々の周りには不幸が蔓延していた。
親を殺された誰かと、子供を殺された誰かと、そして人を殺した誰かが当たり前にいた。

「魔法、教えてあげる。でさ、一緒に魔法の学校に行こう」

そして若者たちは世界を変えた奇跡を求めて旅に出た。
本当の幸福を求めて。


今、僕たちの幼い冒険が終わる。
ピュアストーリー

十二月二十三日完結予定。