2002/07読書日記

2002年07月17日
どこよりも冷たいところ S・D・ローザン -26-

 中年探偵ビル・スミスとレスリー・チャンのシリーズ、
今回はビルディングの建築現場で起こる連続殺人事件+傷害事件等々を
ビルがレンガ工として潜入捜査して解決するというもの。
 チャンの素敵さはいや増すが、ビルは知的な面がいまいちで、
あっちこっちへぶつかってはへこんでいる。もう少しスマートな人だったと思うが・・・。
 あんまりどたばたしているとスクラサスになってしまう。
2002年07月25日
楽毅 (4) 宮城谷昌光 -27-
楽毅を読み終わった。楽毅は、中山、燕、趙と三国を歩くことになる。
中山の遺臣である楽毅にとっては、燕とのつながりは昭王とのつながりであり、
昭王の死後、自分をかってくれた趙に逃れたのは仕方のないことであろう。
楽毅は国にとらわれず、自分の主を見ていた。戦国時代と春秋時代との違いであろう。
ここで、心を捉える話があったので、長いが引用させてもらう。

楽毅が狐祥を諭す。

「昔、晋に程鄭という臣がいた。晋君に愛されて、一軍の佐将に昇進した。が、程鄭はおのれの才徳に比べて位次が高すぎると感じていたので、鄭の国の賢臣である子羽が使いでやってきたとき、どうすればみずからの位を下げることができるか、と問うた。子羽はふさわしい答えを見つけられず、帰国して然明という大夫にそのことを話した」
「はい・・・」
「すると然明は、その人は死ぬ、さもなくば亡命する、といった。貴顕の位に登って恐れを知り、降格を願っているとすれば、じつはその人はふさわしい地位に居るわけで、位をさげるまでもなく、人にへりくだればよい。わかりきったことを人に問う、そこに程鄭の危うさがある、と看破するように言った。なんじが恐れを忘れない限り、わざわいには罹るまい。ここまで登ってしまったわたしとなんじは、あとは人にへりくだるだけだ』


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