2003/02読書日記

2003年02月01日
「デルフィニア戦記T 放浪の戦士1」 茅田砂胡 -10-

 この文章を書いている途中で、ブレーカーがあがって、再度書いている。
 PCの悪いところだ。手書きだったら、何か残るのに。

 さて、十二国記に続いて、デルフィニア戦記もおじさんでも買いやすい文庫本になった。
 デルフィニア戦記のファンタジア時代のデザインはわからないが、この文庫のデザインは渋い。
 天下の中央公論社だから、儲けてなんぼの講談社とは違うと思うが、講談社文庫ではホワイトハーツ時代と一変して地味なデザインにして、おじさんの需要を掘り起こした十二国記をすこしうらやましく思っていたのかもしれない。

 さて、話はストレートで登場人物もストレート。これでこんなに大きなシリーズとして成立するのか読んでいるほうが不安になるが、読みやすいのは確か。

<登場人物 覚え>  ほぼ完成したところで飛んでしまったので、2巻で作ります。
2003年02月04日
「魔石の伝説6」 テリー・グッドカインド -11-

 表紙の女性(パシャ)がバービーちゃんのような鼻をしているのがイヤ。
 ストーリーはよい展開で、次の7巻で本当に大団円までいくのか心配になってしまう。
 カーラン大ピーンチッで第7巻へ。次が楽しみです。
2003年02月09日
「昇竜剣舞3 戦士の帰還」 ロバート・ジョーダン -12-

 ラン(槍は作らない)が再登場、3人娘は探風師に渡りをつける。マットはティリン女王に引っかかる。
 アビエンダの語りになっている部分があり、新鮮。

<登場人物覚え>

 (小さい塔)
メーリ エグウェーンの侍女 ロマンダ・セダーイの手下
ティアナ・ノセル 小さい塔の修練生指南役
セオドリン 茶アジャ アラド・ドマン人 若いアエズ・セダーイ エグウェーンに忠誠を誓う
ファオライン 青アジャ 同
ロマンダ・セダーイ
ヴァリリン・セダーイ 灰アジャの代表者 細身・赤毛
ルレーヌ・セダーイ
タキマ・セダーイ 茶アジャ代表者 黒髪
シウアン・サンチェ 元アミルリン位 青アジャ
エールディン・ストーンブリッジ 青アジャの情報網を指揮するアエズ・セダーイ アンドール人
ミレル・セダーイ 緑アジャ シェリアム一派 ランと絆を結ぶ エグウェーンに忠誠を誓う
クロイ・マーキン ミレルの護衛士 金髪細身
ヌレル・ドロマンド ミレルの護衛士
アヴァ・ハカミ ミレルの護衛士
ガレス・ブラン 小さい塔 軍隊の司令官
ディレーナ・セダーイ
ハリマ ディレーナの秘書
タルマネス卿 赤手軍(シェン・アン・カルハー)
ニサオ・ダーシェン ミレルに協力し、エグウェーンに忠誠を誓う
サリン・ホイガン ニサオの護衛士
ニコラ・トリーヒル 修練生 
アレイナ・ネルマシフ 角笛探索者
ラン・マンドラゴラン 元モイレインの護衛士 ナイニーブの恋人
カブリアナ・セダーイ 没 ハリマの友人

 (エバウ・ダー)
アビエンタ タールダッド・アイール<ナイン・ヴァレイズ>族出身
エレイン・トラカンド 緑アジャ アンドール王女
ビルギッテ
ナイニーヴ・アル=メアラ 
マット・コーソン
ヴァンディーン・セダーイ 小さい塔 緑アジャ
アデリアス・セダーイ 小さい塔 ヴァンディーンの姉妹
メライリーリュ・セダーイ 小さい塔 使節団代表
サレイサ・トマーレス 小さな塔 茶アジャ
マリン・ディン・トラル・波くだき(ブレーキング・ウエーブ) ソリマン族の波母、<疾風>号船母
ネスタ・ディン・レアス・二つ月(トゥー・ムーンズ) 海住民族(シー・フォーク)アサ=アン・ミエレ海母
ドリレ・ディン・エイラン・長い羽(ロング・フェザー) <疾風>号探風師
バロク
ナレセアン 赤手軍(シェン・アン・カルハー) ティア貴族
オルバー 少年、マットの従者
サンダー 盗賊捕縛士 ティア人
ジェイジム・キャリディン <光の手>尋問役 闇の信徒
ヴァノーラ その妹 (没)
ペドロン・ナイアル <光の子>大主将卿 (没)
シアイネ (ミリ・スケイン) 闇の信徒
オールド・カリー親分 闇の信徒
サマエル 闇セダーイ
ヘーゼル・ジェン・カリン・マチルド・ブレン・マディック・ラレン タラシン宮殿の召使い
ジョリネ 白い塔 美女 緑アジャ
テスリン 白い塔 赤アジャの代表者
ティリン・クインタラ アルタラ国女王、ミツォーバー家当主
ベスラン王子 その息子
ネヴィン・ダヴィンドラ ベスラン王子が決闘で殺害 (没)
2003年02月10日
「十八の夏」 光原百合 -13-

 「螺旋階段のアリス」の感想の後でこれを書いています。で、少し厳しい採点になっているかもしれません。
 それにしても、「このミス6位」が日本推理作家協会賞より上に来るとは・・。すごい帯をつけたものだ。

 この下ネタバレです。

 さて、この本の4編目「イノセント・デイズ」が光原さんにとっては冒険した作品だったのではないでしょうか?読後感の良い、癒し系のいい話を書いてきた光原さんですが、この作品では犯人役の醜悪さがあまりにも強すぎます。その影響で破滅しかかる少女が最後に救われることがカタルシスとなっているのですが、それにしてもなぜ?という気持ちが強すぎます。
 なぜ、ともに暮らしてきた人をこんな形で追い込まなければならなかったのか?しかも二人ともです。経済的な問題とも愛憎の問題ともはっきりしない。なぜ離婚しないの?というのが正直な感想です。
 光原さんのお話では、「オオカミ」は出てこないとつい思ってしまうのが自分の悪い意味の思いこみで、本来「オオカミ」は居るわけですから、それが出てきても当然なのですが・・。
 設定に比べて、やっていることの稚拙さが・・。

 その他の3作はいつも通りの安定した良い話です。とくに、「十八の夏」と「ちょっとした奇跡」は良い。「イノセント・デイズ」はもう少し時間がたってから読み直して再度評価したいと思います。
2003年02月10日
「螺旋階段のアリス」 加納朋子 -14-

 いや〜、やっぱり、加納朋子さんはいい!
 今回は、下敷きに「アリス」があるので、いつにもまして怖いです。
 もちろん、ホラーじゃなくて。出てくる女性が皆怖い(安梨沙をのぞいて)

 ネタバレになるので、未読の方はこの下読まないでね。


 何度も離婚してしまう女性、遊び気分で夫の事業を危なくしてしまう女性、
 犬が変わっても気がつかない女性、自分がいなければ・・と思いこんでいる女性
 双子の赤ちゃんを1人と思いこんでしまう女性。

 こんなやつぁいないょ・・といえないリアルさが加納さんの場合出てきてしまう。
 最後の「アリスのいない部屋」では、こういった女性の一人として安梨沙が、その対局にいる女性として、三田村茉莉花が描かれる。この颯爽とした知的な女性が律儀で良い人の仁木を愛している姿が良くでていて読後感をすごく良くしている。

 ああ、いいなぁ。 早速次の本(虹の家のアリス)をYahooで注文してしまいました。
2003年02月12日
「街の灯」 北村薫 -15-

 文芸春秋社のホームページに加納朋子さんが書評を書いています。
 それ以上いうことないですね。それにしても、昭和7年といえばお袋の生まれる2年前です。
 親父は3歳。
 そのときにも、サイレントの「街の灯」は消えていくものと思われていたのに、自分たちも青春時代に見、そして、今でもこうして本になって出てくる。やはり、芸術とはすばらしいものです。
 息子や娘もきっと青春のいつかの時に見るのでしょうか?

 別宮みつ子さん、かっこいい。惚れました。ミステリアスだし・・。
 花村英子さん、そうなんですね。これからのこの人の人生はどうなるのでしょうか?
 お二人のこの後のお話、楽しみに待ちます(北村薫さんでは1年1冊がやっとでしょうが)。

 是非、加納さんの書評を読んでください。
 http://bunshun.topica.ne.jp/tacho/machinohi/machinohi.htm
2003年02月15日
「沙中の回廊 上」 宮城谷昌光 -16-

 「重耳」あたりから、宮城谷さんを読み始めたと思うのですが、そのころからどれくらいたったのでしょうか?10年くらいか・・?
 重耳、趙衰、介子維など、この本の前の時代は宮城谷さんも沢山書いていらっしゃいますが、次の世代になって若干登場人物が小さくなったかな?と思います。
 これは、本文中で宮城谷さんも書いていたとおり、重耳と困難をともにして大きくなった人たちと残った人たちとの違いが出ているのでしょうか?宮城谷さんもそう考えているのではないでしょうか?士会ももうちょっと魅力があればと思いますが、後半は違う面を出してくれるのかも?
2003年02月15日
◆「赤ちゃんをさがせ」 青井夏海 -17-

 助産婦(助産師と呼ぶべきなのだそうです、そういえば、保母さんが「保育士になりました」といっていたことがありました)の聡子、陽奈のコンビとカリスマ助産婦OBの明楽先生のトリオによる所謂日常の謎派の推理小説。この一派の王道を行っていますね。

 良いです。これはお買い得!!
2003年02月16日
「虹の家のアリス」 加納朋子 -18-

 今回は「家」がテーマです。
 そうか・・。実はあんまりおもしろくないんです。
 それは、安梨沙がお人形さんでなく、怖くなってしまったからです。
 そうだよね、前作の最後で安梨沙は変わったんだから・・。

 安梨沙にお人形さん的なものを求めていたわけではないんですが・・。
 ましてや完璧な女性を求めていたわけではないです。

2003年02月21日
「魔石の伝説7 霊たちへの祈り」 テリー・グッドカインド -19-

 うまくまとまりました。よかったよかった。終わりよければすべてよし。
2003年02月23日
「半落ち」 横山秀夫 -20-

 女房が借りてきた本を又借り。
 いやー。これは今年一番の本でしょう。2月に早くもこんな良い本に出会ってしまうとは・・。

 未読の方は絶対読むべきです。

 単純なホワイダニットものなのですが、その結論はもとより、登場する男たちがそれぞれの立場でその謎に取り組み、それぞれに謎が解けないまま終わる。しかし、主人公に対する暖かい気持ちが残る。う〜〜。良すぎです。

 一つわかったのは、こんなに良い本なのに買わずに又貸しする女房は吝嗇です。


『半落ち』の事実誤認論争について

『半落ち』については、自分も今年の暫定ベスト宣言をしたとおり非常に感動的な良い本だと思います。
 しかし、この本は事実誤認論争があったようで、詳しい経緯は分かりませんが、一部評論家がかなり厳しい批判をしたようです。
 ことがこの本の最も重要な部分に触れるので、ここで説明することは控えますが、それほど批判されるような誤りだとは思いませんし、主人公がたとえこのことを分かっていたとしても、充分その気持ちを汲めると思いました。
 それにしても、出版社のおことわりの文書にもあるように、批判する側は平気でも、この本を愛している人にとっては、この本のミソの部分を大声でわめき散らされることは断腸の思いでしょう。自分の大事にしているものをめちゃくちゃにされるような・・。一種言論の暴力と言えますね。

2003年02月25日
◆「ミッドナイト・ブルー」 ナンシー・A・コリンズ -21- 396P-720Y

 吸血鬼もの。暴力と血とSEXですね。それなりに楽しめました。続編も読んでも良いかな?
 
2003年02月26日
「デルフィニア戦記 第T部 放浪の戦士2」 茅田砂胡 -22-  382P-648Y

 ウォルは幼なじみのイヴンにひょんなことから遭遇するが、彼はタウの山賊の副頭目になっており、数人の山賊とともに同行することになる。さらに、ロアに向かう途中ドラ将軍、シャーミアン、ナシアスにも落ち合う。
 リィは、ロアで伝説の馬黒主(グライア)を手なずけ、ワイベッカー城でのゲリラ戦で大活躍する。

<登場人物覚え>

ウォル・グリーク・ロウ・デルフィン  放浪のデルフィニア王(爆)
グリンディエタ・ラーデン(13)謎の少女(大爆)
ドラ将軍    ロアの領主
シャーミアン  その娘
ナシアス    ラモナ騎士団長
ガレンス    同副団長
ぺールゼン侯爵  改革派の中心者
アヌア侯爵   国王派の貴族 コーラルに虜囚
ヘンドリック伯爵  国王派の貴族  同上
フェルナン伯爵  ウォルの養父 コーラルに虜囚
セリエ卿  ポートナム領主
ガレフ  ギルツィ山の山賊 ウォルに捕縛される。
ブラン  タウの山賊 ツール村代表
ニモ  同 カジク代表
フレッカ  同 ヌイの代表
サルジ  同 レント代表
ジョグ  同 ソベリン代表
ダリ  同 アデルフォ代表
アザレイ  同 ベルト代表
イヴン タウの山賊 ベノアの副頭目
ドゥルーワ  デフフィニアの前王 (没)
マイキー  ダウの山賊
ジル  タウの山賊 ベノアの頭目 20人の頭目の筆頭
サング司令官  近衛騎士団長
タミュー男爵  改革派
チフォン  タミュー男爵の息子
バルロ  ティレドン騎士団長
ジェナー祭司長  改革派
カリン 女官長
ブルクス  侍従長
アエラ  ドゥルーワ前国王の妹
タンガ王女  ドゥルーワ前国王の妻
ポーラ  ウォルの母 (没)
ミンス領主
タルボ  ドラ将軍の副官
ダール卿  ウィンザ城主
ルカナン  近衛騎士団大隊長


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