2005/04読書日記

2005年04月01日
文学刑事サーズデイ・ネクスト 2 さらば、大鴉 原書名:Lost in a good book  ジャスパー・フォード : ソニー・マガジンズ : 2004年09月 : 603P 市立図書館蔵書 -33-

 面白かった・・が、1のように話が完結しておらず、
 2巻では地球生命の全滅をくい止めて、ついでに生命の起源に立ち会ったというだけでお話は途中も途中、もしかしたらやっとスタートしはじめただけという状況。
 本当にたまげた本があるもので、3巻以降が本当に楽しみです。

 読んで損することは絶対にありません。ぜひぜひお読みくださいませ。
2005年04月04日
君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話 宇江佐真理/著 : 文芸春秋 : 2005年03月 : 301P : 1,600円(税込) -34-

 髪結い伊三次のシリーズは、宇江佐さんには珍しく超常的なものが出てきます。
 他の本にはほとんど見られないため、不思議な感じがします。
 今回もちょっとそんな話と、いよいよ元服して見習い同心となった不破竜之進の成長のお話です。
表題作、君を乗せる舟・・良いですね。今回も十分堪能させてもらいました。
2005年04月04日
沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ1 : 夢枕獏 : 徳間書店 : 2004年07月 : 476P 北部図書館蔵書 -35-

 面白いですね。全4冊、楽しめそうです。

2005年04月11日
ぐるりのこと : 梨木香歩 : 新潮社 : 2004年12月 : 170P 北部図書館蔵書 -36-

 梨木さんのエッセイ。
 自然の川の流れのように、渦巻いたり、たゆとうたりしながら思考の流れが記されていて、とても考えさせられたり、共感したり、違和感を持ったりしながら一緒に流れを漂うことが出来ます。
 それでいて、計算され尽くした構成になっており、素晴らしいエッセイです。
 惜しむらくは、後半に入って、 言いたいことがストレートに出てくるようになり、この流れに沿っていく楽しみが少なくなってしまうことです。
 限られた枚数で、言いたいことが言い切れなくなってしまったのでしょうか?

 エッセイはあまり読まないのですが、さすが梨木さん。買ってしまおうかと逡巡しています。
 真っ白な装丁も清々しいです。

2005年04月13日
沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ2 : 夢枕獏 : 徳間書店 : 2004年07月 : 478P 北部図書館蔵書 -37-

 話は阿倍仲麻呂、玄宗、楊貴妃につながっていき、
 取っても面白い展開になっています。

 ところで、マルドゥック・スクランブルの感想の中で述べた、「我々は無数の価値観を作り上げることで、かつて地球上のどのような生命もなしえなかったほどの規模で社会発展を果たした、人類という名の種である」という命題について、これは真理かもしれないと言いましたが、この本とか「ぐるりのこと」を読んでいて、「この命題は正しいけれども、次のような命題に内包されうる。」と考えました。
「我々は”言語”によって、この世のあらゆるものを価値付けし、それによって、価値の共通化を図ったことで、発展してきた人類という名の種である」
 つまり、言語により全てものもの価値(意味)を標準化することが人類の発展の基礎にあるわけです。
 共通化があるから多様化もあるわけで、そういった「使用価値」については近代経済学の範疇ですね(おいおい・・笑)。


トップへ
戻る
次へ