2005/08読書日記

2005年08月05日
ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 : 北村薫 : 東京創元社 : 2005年06月 : 321P 市立図書館蔵書 -80-

 これはなかなか・・・読者の資質を問う本ですね。
ひとことで言えばマニア向け。勿論僕程度でも、十分楽しめるように出来てはいますが、自分には読む資格がないなぁ・・とも思ってしまいます。
 やはり、毎月ミステリーズを読んでいるような人が読む本なのだろうな・・と。
2005年08月05日
花まんま : 朱川湊人 : 文芸春秋 : 2005年04月 : 264P  : 1,650円(税込)  市立図書館蔵書 -81-

 直木賞受賞作、本の雑誌で紹介されていたので、受賞前に図書館の予約を入れていたため、割とタイムリーに読めました。
 女房は「浅田次郎みたいな幽霊人情ものは嫌い」と一刀両断にしていましたが、僕はこの本は好きです。
 幽霊や生まれ変わり、妖精生物など超常なものを扱いながら、それがあくまで脇役であることに好感を感じます。
 なんと言っても僕たちも確かに経験したあの時代をとても上手く描いていると思います。

 芥川賞・直木賞はすっかり一つの「権威」になってしまい、著者にあたえる影響も大きいため、特別な扱いをされるようになっていますが、所詮一つの文学賞にすぎず、選考も恣意的でとても公正平等な基準があるとは思えません。
 勿論、文学を平等にはかる基準なぞあるはずがありませんので、それは非難されるべきものではなく、この賞だけが特別な意味を
持ち始めていることに疑問を持っているだけです。
 閑話休題、直木三十五の著書を読んだことがある人が、どれだけいるんだろうか?僕は本自体見たこともありません。

 (北部図書館に開架には1冊ありました)
2005年08月10日
奴の小万と呼ばれた女 : 松井今朝子 : 講談社 : 2000年04月 : 316P 北部図書館蔵書 -82-

 破天荒な主人公「雪」がとても素敵で、良い本だと思います。
 松井さんは2冊目ですが、自分的には、この本で諸田さんより上になりました。ぼつぼつ読んでいきたいと思います。

 印象に残ったのは、お雪が最後に里恭と会う場面。
 
 「・・・身どもは 死ぬまでに一度は天下万民のために力を尽くしてみたいと願うようになった。何か形に残る事を成し遂げたいと切に思うようになった。」
 と里恭に聞かされたときに、お雪は
 「そのように仰せになる先生は、あまり好きではありませぬ」と自分でも驚くほど強い調子で答える。
 男が天下万民のためなどといいだすと、たいていろくなことにはならないのだ。

 という部分です。
2005年08月15日
日暮らし 下 : 宮部みゆき : 講談社 : 2005年01月 : 374P : 1,680円(税込) 市立図書館蔵書 -83-

 残念ながら、期待したほど面白くないような・・。
 おかしいなぁ、ぼんくらはもっと面白かったのに・・。
 とは言え、十分水準に達していると思います。

2005年08月17日
星月夜の夢がたり : 光原百合/著 鯰江光二/絵 : 文芸春秋 : 2004年05月 : 158P : 1,500円(税込) 市立図書館蔵書 -84-

 光原さん、こんな良い本を書いていたのですね。感動しました。
 鯰江さんの絵も素晴らしい。特に光の扱いが出色です。
 僕のような素人にもこの絵の素晴らしさはわかります。

 もう、説明も何もなく、とにかく今年の暫定ベストです。
 たくさんの人に読んでもらいたい本です。



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