年月日 |
作者 |
題名 |
出版社 |
内容 |
04・11.07 |
太田忠司 |
藍の悲劇 |
ノンノベル |
続けての作品ですね。おもしろいです。事件への巻き込まれ方がやや不満。このシリーズは最初の頃の方が導入部が面白いですね。もっとかけあい漫才のような面白い語り口が良い味だったのに・・。まあ出も早く書けと言いたいのはいつもどうりですね。 |
04.10.17 |
二階堂黎人 |
魔術王事件 |
講談社ノベルス |
何年めかの新作ですね。名探偵二階堂蘭子の最新作です。どのように面白い書いていくとどうしてもネタばれしますが、まあ死体死体死体の山です。巧緻にして奸知な魔術王との対決です。気になるのはどうもカラクリがあるのが鼻についてしまいます。基本的にカラクリはあまり好きになれません。しかしメイントリックはまさに本格です。あくまでカラクリは雰囲気と場景を作り出すために使用していますので、納得は出来ます。まさに江戸川乱歩風の世界が楽しめます。久しぶりに背筋がゾクゾクする本格推理小説でした。 |
04。09.20 |
太田忠司 |
狩野俊介の記念日 |
徳間ノベルス |
4年ぶりのシリーズ再開おめでとうございます。今回も小品としてはよく出来た感じですが、私としては、主人公とアキの関係がもっと書きこまれているほうが好みかな?この方がすらすら読めて共感も出来て良い感じです。短いのが難点。すぐに読み終わってしまうんだもん・・・。もっと早くかけ長編を書けと作者に言いたいですね(笑)、。 |
04.09.19 |
綾辻行人 |
暗黒館の殺人 |
講談社のベルス |
久々に出ました。館シリーズ。分厚いのが上下巻です。ちょっと忙しいので1日に数ページしか読めませんね。今度の休みには気を入れて読み込むつもりです。
読むに気力がいる・・・。という事で何とか読みきりました。大体1週間かかりましたか。最後の3日は力入れて読みましたよ。まあこの作者の場合、隔離された中村清司作の館で殺人が起こるパターンですね。最近の作風では時間や空間が重要なテーマですネ。ただ今回の物語に関しては純粋なミステリーといいがたく、70点という点数をつけさせていただきます。純粋なトリックの観点からいくと1冊で済んでしまうお話を2冊に引き伸ばした感じがありどうもそれがなじめません。また、ストリー的にもダラダラしていて、昔のとくに「時計館の殺人」の頃の切り口というか語り口の方が、ぐいぐいと読み込んで、はまっていった感じがあります。それでいて後ろから襲ってくるような恐怖があったのが印象的でした。それからするとややオカルトがかっていて、それについての論理的な解明になっていないのもなんとなく気になります。まあ好みの問題なんでしょうが、ちょっと残念な感じでした。 |
04.08.15 |
師走トオル |
タクティカルジャジメント5 |
富士見書房 |
やっと出た新刊です。今回はひなびた温泉宿に、主人公グループが福引で当てた招待券で宿泊するのが始まりです。詳しく言うと面白くないのでこの辺で。 |
04.09.03
|
エドモント・ハミルトン |
キャプテンフューチャー全集1 |
東京創元社 |
昔懐かしいSFの復刻です。思えば中学時代にはまりました。今回思わず買ってしまいました。題名が泣かせますね。「恐怖の宇宙帝王」「暗黒星大接近」の2編が収録されていますが、もう昔を思い出してはまります。いまの科学を知っている物では空恐ろしい描写がありますが、まあ想像力の産物でおおらかな時代だったんですね。なんと言っても水星から冥王星まで間で、すべての星に人類?がもともと生息していて、中には人類以上の知力を持つ原住民がいるのでうから。「恐怖の宇宙帝王」では木星が舞台ですが、木星人がいるし、人類が殖民もしています。かの大赤班は溶岩の海で、さらには原始林がうっそうと生えている未開の星といった感じです。しかし太古には高度の文明があり、原子の固有振動数を変化させ、非実体化装置や、人工先祖がえりを起こす装置なども発明しています。現実では出来ませんが、そのいい加減な理論が魅力ではあります。なんと言っても50年代のSFですから・・・。 |
04.07.27 |
若竹七海 |
悪いウサギ |
文芸春秋 |
女性探偵「葉村晶」の物語です。女性ならではの視点と、気配りが感じられます。どうも女性の小説は、丁寧に心理を付く物が多く、男性の小説は心理的な物も大仕掛けな物が多いように感じられます。
まあたぶんに心理物のような感じですが、出てくる男性がこのごろの新聞に出てくる犯人のような男が多かったのが気になります。もちろん良い男性も出てきますが・・・。印象に残るのがそんな男ばかりだとどうも・・・。最後の読後感がまあ救われるかな?という感じです。 |
04.07.24 |
藤木稟 |
夢魔の棲まうところ |
徳間ノベル |
盲目の探偵朱雀十五が活躍する推理小説です。やっと出ました。「陀吉尼の紡ぐ糸」からこのシリーズは愛読しています。横溝や乱歩に似ている感じですね。この方の本は他のはちょっと合わないので買っていませんが、このシリーズはお勧め。しかし障害のある探偵が好み?なのかこのごろそれを買う頻度が多いです。別に意識しているわけではないのですが。
さて、ないようですが、戦争直前の世相が現れ暗い雰囲気の中の物語です。その中で浮浪児が行方不明になり、いたずらをされて惨殺される事件が起こります。主人公はそれに絡み宗教が絡み、最後にはひとつにつながる、ある意味、京極夏彦に近い小説です。 |
04.07.13 |
早見祐司 |
愛情世界の西なる希望
Mr.サイレント5 |
富士見ミステリー |
シリーズ最終巻です。相変わらず人の心の裏側を覗く心理がうまいですが、やや前巻の方が好みですね。シリーズの底流に流れる謎が明らかになりますが、まあ唐突に無理やり終わらせた感じ不満です。主人公の2人の関係にも一応の決着が付きますがそれはまああんなもんでしょう。 |
04.0712 |
師走トオル |
タクティカル・ジャジメン
トSS |
富士見ミステリー |
短編集です。まあ方がこらずに読むにはちょうどいいミステリーです。特にかけあい漫才が秀逸。土曜ドラマなどならいい原作と言ったところじゃあないでしょうか。 |
04.07.12 |
京極夏彦 |
百鬼徒然袋 風 |
講談社 |
読むにかかりました。値段も高いですが、情報量がものすごい。読み込むに大変です。今回は榎木津礼次郎が主人公?かな。神のごとき名探偵とその下僕(一味ではない)をはめようとして自滅していく悪人。まあ悪人が可哀想になってしまいますね。しかもこの名探偵はまわりの人間も目に入らず、悪人をまさに殲滅してしまうため巻き込まれたほうはたまりませんね。悪人が思惑とは違うように流され、まさに自滅、殲滅される様は哀れの一言です。笑ってしまう展開でした。まあ、読み込んでいる読者でないとはまるに大変でしょうが・・・。
さて、今回も京極堂の一言がなかなか。「この世に不思議な物などなにもないのだよ」「呪術はすべてペテンだ。胡散臭いと思われただけでそいつは三流だよ。」 |
04.7.03 |
光原百合 |
十八の夏 |
双葉文庫 |
この作者も名前の通り女の方ですが、感性がいいです。いわゆる恋の物語で?しょう。しかしその裏側にはさまざまな人間模様があります。言葉の裏にある感情。その感情になった原因の歴史。でも人間の感情の中には救いがあるような気がする小説集です。
でも好みから言えば「遠い約束」の方が好みですね。まあイラストが野間みゆきなのも、あったんでしょうが。ミステリーとしてちゃんとできていて、感情が伝わってくる、そして暖かい気持ちになれる。これが一番でしょう。 |
04.06.10 |
青井夏海 |
陽だまりの迷宮 |
ハルキ文庫 |
NHKのドラマの原作の「赤ちゃんが一杯」を書いた方です。「スタジアム 虹の事件簿」などほのぼのミステリーの作者です。
3つの短編が連なった長編の形式です。いわゆる日常の謎ですが、少年の頃の主人公の心情が素直にわかる本です。主人公は24歳。父母の1周期の集まりで、海を見ながら姉と昔話を話すところから始まります。この兄弟は11人兄弟。父母は再婚で、父の連れ子3人。母の連れ子4人。結婚後にできた子が4人。主人公はその末っ子になります。その末っ子の目をとうした日常の不思議。そして最後にはすべてに連なる驚愕の謎が・・・(笑)。兄弟の不思議と屈折が、ほのぼのとした暖かい感情でかかれています。お勧め。 |
04.06.05 |
柄刀一 |
レイニィー・レイニー・ブ
ルー |
カッパノベル |
熊谷斗志八という車椅子の名探偵のお話です。障害者の探偵はいろいろいますが、この探偵もなかなかです。熊ん蜂といわれるような、毒舌でちくりと刺しながら慕われる性格というのもなかなか。柄刀一のミステリーははずれがないですよ。障害者などの部分を個性としてかかれている点も感心します。 |
04.06.03 |
加納朋子 |
ささら さや |
幻冬社 |
加納朋子の最新刊です。この方のこのてのミステリーははまりますね。ほのぼののミステリーです。人間は棄てたもんじゃあないと思わせる感じですね。特に主人公のまわりにいるおばあさんがいい味出しています。まあ、幽霊が出てくるのはちょっとですが、それ以外の件は起承転結していますし、最期には落ちがあるし、主人公には共感できると思いますよ。 |
04.06.03 |
鯨統一郎 |
はっとしてトリック |
中央公論社 |
鯨崎統一郎のサッカーを題材にしたミステリーですが、「邪馬台国はどこですか」の方が面白いです。なんか設定に無理がある感じですね。会話の所は「邪馬台国はどこですか」と一緒で楽しめますが、サッカーの部分がなんとも。設定でサッカーを出した意味がないし、コンピューターサッカーをする監督が出てきますが、その部分が余分になってしまっている感じです。そういった感じでなんか浮いている感じですね。
この作者のはなんか現代劇がむかない缶ですね。「隕石誘拐」も「あすなろ白書」もなんか無理が出てきている設定とトリックが気にかかる感じです。せっかく書く力量はあるのだから地に足を着けた物を書いてほしいですね。 |
04.05.27 |
宮部みゆき |
ぼんくら |
講談社 |
はまります。江戸時代の長屋の物語です。見回り同心の目を通じた物語ですが、庶民の感覚、その時代の眼をとうした歴史物語にも読めます。登場人物が実によくかけていて、人間臭く、感情を入れてしまいます。また、NHKのドラマにもなった、「茂七親分」も名前だけ出ています。時代的には「茂七」の次の世代の物語です。宮部みゆきの小説の面白いのは単なる推理小説や時代小説でなく、紙の中に人物が生きているところですね。
ところで、「麦湯」を冷やして飲むシーンが出てきます。つまり「麦茶」ですね。これを読むと、この時代では「麦湯」がとうった名前だったのでしょう。つまり「麦湯」「どくだみ湯」「柿の葉湯」「ハーブ湯」「ルイボス湯」ですね。何しろ茶が入っていないんですから。つまり厳密に言うと表示違反ですよね。茶が杯いていないのに茶の文字を入れている。最初にやった業者はどう思ってやったんでしょうか。ということでこのHPでは、お茶でない物は「湯」でとうしましょう(笑) |
04.05.27 |
何人かの合同 |
妖魔夜翔「真夜中の道
化師」 |
角川書店 |
妖魔夜翔リーズの最新刊です。基本的に都市伝説を絡めた新たな妖怪ファンタジ−です。これは第2期シリーズですが、第1期シリーズからの絡みを含めてよいよ佳境です。次巻が楽しみ。まあ気楽に読める本で畝。 |
04.05.27 |
柄刀一 |
アリア系銀河鉄道 |
光文社 |
ロジックのミステリーです。まあ設定が気に入りません。純粋思考の本格推理ですが、やはり現実な設定の方が読んでいて面白いと思います。ただ中にある円周の計算方式はなかなか使えると思いました。 |
04.05.27 |
田代裕彦 |
平井骸骨その中に有り
其の弐 |
富士見書房 |
前作の方がいい。とはっきり言えます。閉鎖された空間での連続殺人。魅力的な設定ですが、無理が多い感じです。特にトリックが・・・。まああまり気に入れません。 |
04.05.17 |
北村薫 |
朝霧 |
東京創元社 |
「円紫師匠と私」シリーズの5作めで、とりあえず最終巻になるのかな?です。「空とぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」「六の宮の姫君」と続いて、「私」の成長日記のような感じです。大学の1年生のときに春桜亭円紫さんと言う落語家の師匠と出会います。それからが落語とのからみやら、純文学、日常の謎とまるで万華鏡のようにお話が進みます。その中にはいやな事も、後味のいやなことも、まさに「私」の人生の流れに沿って、物語は紡がれていきます。今回は「私」も出版社に就職後の話で、それに沿って、脇を固める人物にも成長があります。友人の笑美ちゃんは在学中に結婚、この間では子供が生まれます。正ちゃんこと高岡正子は小学校の先生。さらには主人公の姉も結婚し子供が生まれます。さらに私にも恋の予感がでたところで終わっています。余韻があっていい感じで終わってリますが、続きが読みたいです。純文学方面は一寸苦手ですが、この流れるような物語は素敵ですね。 |
04.05.17 |
倉知淳 |
幻獣協奏曲 |
東京創元社 |
猫丸先輩の最新刊です。いわゆる日常の謎を解き明かす物語です。読後の後、にやりとしてしまいます。お買い得な1冊です。猫丸先輩がさまざまなアルバイトをしながらそれにかかわるさまざまな謎を解き明かすのは、こんなアルバイトがあるんだという、不思議にも満ちています。 |
04.04.20 |
霧舎巧 |
霧舎巧傑作短編集 |
講談社 |
霧舎巧の短編集ですね。初期の頃の作品から、御手洗潔のパラサイト物まで、なかなか楽しんで読んでいます。基本的に楽しい本格推理です。現実ではなかなかできません。純粋な楽しみのための推理小説でしょう。 |
04.04.13 |
トム・クランシー |
教皇暗殺1〜4 |
新潮社 |
トム・クランシーのライアンシリーズの話です。時系列では第3作の「愛国者のゲーム」と第1作の「レッド・オクトーバーを追え」の間ですね。このごろのでは大統領にまでなって、イランに勝って、中国にも勝つ大活躍ですが、やはり情報機関員にとっては東西冷戦はなやかりし頃の方が活躍しやすいんでしょうね。この作者の「日米開戦」の最後は旅客機が議事堂に突っ込むシーンがあり、9.11の元になったのではと言われました。
しかしこのスパイゲームでは実在の人物が出てきますね。アンドロポフにブレジネフ、実名では載りませんが、レーガン、サッチャー、ヨハネ・パウロ2世。実際の有ったかも知れないと思わせるリアリティーに富んでいます。しかしこれを読むと冷戦の頃の方が世の中単純でしたね。ソビエトかアメリカしかなくて、その他はその他勢力ですもんね。実際ソビエト相手ならば同じヨーロッパ人種なので、スパイ活動がうまくいって、逆に今ののイラクのような混沌にはなって無いのですよね。イラクの今は,正確な情報活動ができないために泥沼になってきてるといえるのでしょう。そう、ちょうどベトナムのように・・・。ベトナムのときは時の国防長官マクナマラが中央のコントロールができるつもりで、弾丸1発打つのにも無線で許可がいるような状態で、許可が下りるまで長官まで連絡がいって、返事が来るまでに半日以上かかり、そのくせ人員による諜報活動は打ち切り、幾多の諜報員が殺されたそうです。現場の情報はレーダーと現場の報告のみですので、全体の状況さえつかめなかったようです。ちょうど今のイラクでは、イラク人の諜報員が少ないために現状がつかめなく、兵力の過剰投入につながっている感じです。昔から英国はあの当たりに利権が有り、諜報活動をしてきましたが、(アラビアのロレンスですね。)フセインに皆殺しにされてることもあるのでしょうが・・・。 |
04.04.07 |
赤城毅 |
贋作遊戯 |
カッパノベル |
赤城毅の「遊戯」シリーズの2作目。コン・ゲームの話ですが、十分楽しめます。1作目もそうでしたが、逆転逆転の繰り返しの部分は感心します。まあ方のこらないエンター小説です。立見広介は、伝説の詐欺師・四条君隆とその孫娘・るぅの下で現在、詐欺師稼業修行中。昭和七年春、まんまとインチキ宗教家から大金をせしめた広介だったが、突然現れた男たちにある館に拉致されてしまう!その女主人は、詐欺師の中で「絹夫人(マダム・シルク)」といわれた人であった。マダムは広介に、彼女の一番弟子とのペテン勝負の遊戯を提案する。勝負の内容は三人の金満家が持つそれぞれの美術品を奪うこと。その場に立ち会った四条は、なぜか広介に参加を勧める。仕方なく遊戯に挑むことになった広介だが、三つの美術品には秘められた謎が・・・・・・。二転三転する勝負の行方は、はたして・・・。しかし作者は相当ロマンチストだぞ。 |
04.04.02 |
佐藤大輔 |
皇国の守護者8 |
中央公論新社 |
このシリーズもやっと出た。と言う感じです。何年ぶりか・・・。一部では圧倒的な支持を集めていて御大と言われる作者のシリーズです。一応ファンタジーか?でもなかなかドロドロした政治的な仮想戦記物とも言えます。さて、主人公の新城直衛中佐からの視点、敵対者の視点、その他の視点。時系列も前後しますが、なかなかに濃いー小説です。まあはまっています。この作者についてはこのHPがお勧め。お暇があればどうぞ |
04・03・29 |
星野亮 |
黒髪のジャンヌ
ザ・サード |
富士見ファンタジア |
このシリーズもお勧めの1冊です。主人公の「火乃香」は熱くて純粋で、それでいて悩み泣き笑い、生き生きと砂の大地を生きて行きます。サポート役の人工知能搭載砂上戦車のボギー。人類を監視している種族ザ・サードの浄眼機。まわりの人間?を熱く巻き込みながら戦い抜く姿は快感です。 |
04.03.29 |
新庄節美 |
始まりは青い月 スカ
ーレット・パラソル1 |
東京創元社 |
作者は児童文学では結構有名な方のようです。ストーリーとしてはユーモアミステリーのジャンルです。主人公の阿藤愛理のおばあ様はその昔紅蝙蝠と言う怪盗で、いわゆる義賊でした。しかも阿藤家は代々義賊の家柄でした。悪党に取り上げられたお宝を、持ち主に成り代わり取り戻してあげるのを代々の生業にしてきたのです。おばあさまは引退して久しいのですが、ブルネア王国の王子様(すでに中年)の家宝の宝石が、悪徳宝石商に騙し取られたのを、王位継承に必要なために取り戻す依頼を受けます。ところがおばあさまは骨折してしまい、孫の愛理がスカーレット・パラソルとして泥棒をすると言うストーリーです。そこに名探偵の孫、武市六平が絡み、なかなか読ませる中篇になっています。どのくらい面白いかと言うと、この作者の本を探してみようと思うくらい面白いです。 |
04.03.29 |
師走トオル |
タクティカル・ジャジメン
ト4 |
富士見ミステリー |
今回も面白かったですね。今回などはいわゆる研修詐欺?の話から始まって、殺人事件です。検事との駆け引きが面白いです。しかし詐欺は自分もかかる可能性があるので、考えさせられました。ちょうど今朝、メールの中にいわゆる「身に覚えの無い請求」がメールで送られてきました。請求者名がいかにもな感じのやつです。皆さんも気をつけましょうね。 |
04.03.18 |
二階堂黎人 |
新・本格推理04 |
光文社文庫 |
読み終わりました。やはり、専業作家では無いためか読みにくい感じがしてはかどりませんね。短編が6編野っていますが、拾い物は「迷宮の観覧車」ですね。まあ僕の好みにあっていると言うことですが、本格として最後のどんでん返しまで論理の破綻がなく、なによりも登場人物の心情が書けている点ですね。他の作品は、やはり心情がかけていない点でやや減点。設定に請っているのも懲りすぎうているのがやや難点ですね。まあ各作品趣向を凝らした点は評価できるのでしょう。 |
04.03.16 |
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先週から横山光輝、三国志を全30巻週末にかけて読み返してしまいました。やはり良いですね。子供が大きくなったら読ませたい1シリーズですね。(1冊でないのがミソ)今は光文社の「新・本格推理4」を読んでいます。新人素人の本格推理小説ですが、二階堂黎人が監修しているのでなかなか楽しめます。しかし、やはり好みで合う作品とあわ無い作品がありますね。まあ好みはオーソドックスな作品で、人物の新城がかけている作品が好みです。まあまた書きますので、まっていてください。 |
04.03.11 |
森博嗣 |
四季 冬 |
講談社 |
森博嗣の最新刊ですが、ちょっと気に入りませんね。やや思考の部分の考察のような所が多いです。まあそんなところも好きなんですが、やはり昔ながらの本格ミステリーが良いです。機械トリック、心理トリック。そんな純粋志向の部分が好きなんですけど。まあ、さすがにこの後このシリーズは出ないでしょう。完結編を記念した感じではありますね。 |
04.03.03 |
ジル・チャーチル |
夜の静寂に(しじまに) |
東京創元社 |
アメリカの作家、ジル・チャーチルの「グレイス&フェイバー・シリーズ」の2冊目です。さてさて第2次世界大戦まえの世界恐慌真っ只中のことです。ロバートとリリーのブルースター兄弟はの父親は家事の一切合財を担保に大勝負に負け自殺。兄弟は大金持ちから一晩で素寒貧に。おかげでロバートはいわゆるホストクラブのホストに、」リリーは銀行の事務員のアルバイト(小切手を数えるだけの安月給)。すると、大叔父の遺産が手に入ることになったものの、遺産は10年間ど田舎の古い屋敷に住み続けなくてはもらえないと言う妙な遺言で、お金は10年後でないと入らないことに。とりあえずお屋敷には住めるためにそこで下宿屋を開くことに。すると大叔父の死因に」疑惑が。有力容疑者はブルースター兄弟?ここまでが第1話です。第2話では有名作家を呼ぶ有料パーティーを企画。そこで無理やりの参加者が絞殺。町の人間との暖かな交流を交えながらの展開です。この作家の特長は、ウィットにとんだ会話の妙です。「主婦探偵ジェーン」のシリーズもそうですが、会話が絶妙に面白い上品なミステリーです。古きよき時代のイギリスミステリーがお好きな方はぜひお試しください。今のサイコで、サイケなミステリーとは一線を引いた良品です。 |
04,02,29 |
柄刀一 |
3000年の密室
4000年のアリバイ回廊
ifの迷宮 |
光文社 |
「殺意は砂糖の右側に」から思わずはまってしまいました。そこでとりあえず文庫を買ってしまいました。「3000年の密室」「4000年のアリバイ回廊」の2冊は一部登場人物がかぶっていますが、独立した物語になっています。考古学とDNAが勉強できます。古代のロマンと謎。それに現代の殺人が絡み合い、さらに古代の謎までが解かれる。まさに壮大な物語ですね。「ifの迷宮」はDNAがやはりキーワードです。そこに遺伝子治療の部分が絡み合い、そこに不可思議な殺人が起こります。ここでも過去の謎が解き明かされます。時間と空間を繋ぐ謎が主題ですね。しかもすばらしいことに、DNAが絡んでも、ソーンダイクのような知識が無いと解けないわけでなく、(しってると思うけども、世界で始めての科学探偵小説、ソーンダイクの事件簿のこと。世界最初の指紋偽造の冤罪事件が出てきます。)すべての証拠が提示されます。まさにフェアーな本格です。面白いとしかいえませんね。 |
04,02,29 |
清水文化 |
禁酒、禁宴、禁休事態
気象精霊記7 |
富士見ファンタジア |
気象精霊記の7巻目です。この1人称の語り口が良いですね。おまけにイラストの七瀬葵がいい味を出しています。出てくるお酒の語り口が、うまそうなんだな。僕は下戸ですが、なんとも旨味のある感じです。しかし最近のファンタジーは政治、派閥争い、テロなど現実政治が浸食してきていますね。オ気楽な口調が無ければ陰惨な話しになりますね。 |
04,02,29 |
神坂一 |
Gハンター・フォルクス
スレイヤーズSP22 |
富士見ファンタジア |
スレイヤーズシリーズの短編です。すでに本編、TVも終了していますが、短編集のSPはまだまだ続いています。主人公リナ・インバースが良いですね。「悪人に生きる資格は無い」と言い切る性格。盗賊から逆にお宝を取り上げる実力。悪人からは「ドラマタりな」(ドラゴンもまたいでとうる)と言われる当たりがまたいいですね。相棒の金魚のウンチ、ナーガがまたいい味を出しています。まあ、短編ではハードな設定は無く、不幸になるのは悪人のみ、まあそのほかの日とは幸せになれる感じです。今回のなかでは動物保護団体が相手になってしまいます。現実な保護団体でも過激な物があります。まあ、人間よりも動物がかわいい感じ?ですね。それをまあ、ニヤリとさせてしまうのはさすがですね。おまけに短編では死人が出ません。不幸になるのは悪人のみ。まあ、悪人が不幸になるのは良い世界です。このごろの世の中を見ているとそう感じます。ほんと。 |
04.02.27 |
横山信義 |
海鳴りはつるとき7 |
中央公論新社 |
最終巻です。日米戦で前巻あたりから、いかに終結させて、停戦に持ち込むかが課題でした。戦略的思考のできる人間がいれば何とかなったようですね。当時できたかというと疑問ですが。最終的にいかに早い段階で連合艦隊をすりつぶせるかがキーポイントなのですから。当時では戦艦を後生大事に抱えるのが首脳部にとっては大事だったんですから。しかも海軍は最後まで政治的な動きをしなかったんですから、それもちょっと無理がある部分ですね。しかし、この本の戦後は今よりはすこ〜しだけましかも知れませんね。少なくとも対米追従や、なし崩しな外交や、国民を守らない政府では無いような気がします。 |
04.02.22 |
定金伸治 |
ジハード6 |
集英社 |
最終巻です。リチャード獅子心王の周りの人物が良い人になってしまいましたね。まずリチャード王はそれこそ良い人になってしまいました。べレンガリアと良い夫婦になってしまいますし、一番の変化はリチャードの妹、アリエノ‐ルがヴァレリーと結婚したとたん謀略家から幸せな善良な妻になったり。しかしヴァレリーは悲しいことを連続で経験します。個人的の正しいこと、感情的に正しいこと、宗教的に正しいこと、戦略的に正しいこと、政治的に正しいこと、ぞして絶対的に正しいこと・・・。このごろの現実の政治を見ても、すべて正しいようで、すべて正しくないといえるように感じます。しょせん正しいこと、絶対的なことはその人の立場感情によって変わるため、100%正しいことは無いのでしょうね・・・。最後は感動的なラストですが、ヴァレリーはヴァレリーといった感じです。しかしファンとしては続きが見たいですね。 |
04.02.13 |
関田涙 |
刹那の魔女の冒険 |
講談社 |
関田涙の3冊目の本です。はっきり言って本格好きな僕としては気に入りません。いわゆる階層小説というような出来です。ちょっとファンタジーが入っています。前2冊のほうが好きですね。太田忠司の「新宿少年シリーズ」などが好きな方は向いてるかも。 |