メールのヘッダ ■ Received: メールの到着経路情報。1つのメールに複数の Received: がある場合も多い。差出人を 詐称するメールでは、このヘッダを元に本当の差出人を特定する足がかりになる。メー ルゲートウェイやメールサーバが自動的に付加する。by が付加したサーバ名、from が by のサーバに渡した送信者。 ■ Message-ID: 送信するメール毎のユニークなID番号(ということになっている)。誰のどのメールとも 重複しないようになるのが仕様だが、無視しているメールソフトもある。ダイヤルアッ プ接続を利用していてメールソフトがこの設定を切れる場合は、送信時にメールゲート ウェイが自動的に正しいヘッダを付加してくれる場合もある。ただし電子メール自体と してはあまり利用されていない ■ From: 差出人のメールアドレス。 ■ To: 宛先のメールアドレス。ただし自分に来たメールの To: ヘッダに自分のアドレスが入っ ていないこともある。MLでは多くがそのようになっているし、また Bcc: に自分のアド レスが記述されたメールではTo: が本来の宛先のアドレスだけになっている。 ■ X-Mailer: 通常「X-」で始まるヘッダは独自に拡張されたヘッダ。差し出し人が使用したメールソ フトによっては、ここにその製品名やバージョン番号、会社名などの情報が入る。この ヘッダのないメールもある。 ■ Precedence: bulk メールの緊急性を示すヘッダ。控えめなメールはこのヘッダがあってもこのように bulk になっている。一般にはあまり利用されず、本来はシステム管理系などで利用される。 ■ References: そのメールが参照したメールのID(Message-ID: で指定される)が記述される。あるメ ールに返信すると、元のメールの情報がこのヘッダの形で付加される。このヘッダを付 加しないメールソフトも多く、電子メールでは実際には本文中に参照情報を付加するの が一般的。 ■ Errors-To: メール配送上のトラブルが発生した場合(宛先の誤りや宛先メールサーバーの停止など) に、エラー発生を伝えるメールが自動発送されるが、このヘッダがあるとそこに指定さ れたアドレス宛にこのメールが発送されるようになる。普通のメールソフトではこれが 付加できるものは少なく、MLなどでメンバー情報管理のためなどの理由で、システム側 でこれを付加する場合が多い。なお、この機能を無視する古いシステムのサイトも少な からずあり、そういうサイトの人がMLに参加する場合は、自分のアカウント変更や抹消 をきちんと知らせないと他のメンバーに大きな迷惑をかけることがある。 ■ X-ML-Var: これはKIUなどで利用されているMLシステムの情報。MLシステムが自動的に付加している 。現在は「OmList Ver2.3c_KIU 97/05/05」となっている。その他のMLシステムでも同様 なヘッダの付加されることが多い。 ■ Cc: 同じ内容のメールが送られたメールアドレス。カーボンコピーの宛先が指定されたメー ルにのみCc:ヘッダがつく。ちなみにBcc:というヘッダがついたメールが流れることはな い。 ■ Subject: 件名、題名、タイトルなどメールソフトによって呼び名が異なっている。なお、すでに 修正されていると考えられるが、比較的有名なメールソフトで、漢字を使うと各種トラ ブルの発生するものがあった。UNIXの基本的メールソフトをいまだに使っている人は少 ないが、本文は日本語が読めてもこの部分に日本語が表示できない。 ■ Date: メール送信時の日付と時刻の情報。一般にローカルタイムで記述するので、海外からの メールのDate:には時差に注意が必要。日本の時刻を使用する場合は、この表示の最後に JST(日本標準時の意)や +0900 といった情報が必ず付加される。またパソコンのカレ ンダー設定が誤っていると過去や未来からメールを送ってしまうことになるの注意が必 要。 ■ MIME-Version: 1.0 MIME 添付されているか、それが可能なことを示す。MIME が利用できないメールソフト では、このヘッダと以下の Content-Type: と Content-Transfer-Encoding: ヘッダも添 付されない。現状では MIME 受信処理ができない環境の人は少なくなったが、それでも 0%ではない。またいくつかの理由から MIME 添付を嫌う人も少なくない。MIME でファイ ル添付する場合は相手に断ってから送るほうがよい。 ■ Content-Type: text/plain; charset="ISO-2022-JP" メールの本文構造(複数パートがあるかどうか等)や漢字コードの指定。"ISO-2022-JP"は JIS 漢字系を使用していることを示す。日本語を扱うメールソフトでもこれが "US-ASCII" やその他の指定になっている場合もあり、この仕様を真面目に実装している メールソフトでは、このような誤ったヘッダのメールを読めないことがある。海外から のメールでは "ISO-8859-1" などその国の設定になり、また複数パートのあるメール(い わゆる添付された状態)では「text/plain;」ではなく「multipart/mixed;」となる場合 もある。 ■ Content-Transfer-Encoding: 7bit MIME 添付のあるメールの表現方法の指定。今のところ通常のメールは 7 ビットで送る ので、これ以外の設定になっているものは特殊。初期の Internet Mail ではこれが 8 ビットになっていたため、MIME 仕様を正しく実装したメールソフトでは読めない場合が あった。現在でも設定を間違えると 8 ビットになるソフトも多いので注意が必要。 ■ Reply-To: メールを受け取った人が返信しようとメールソフトを操作した場合に、このヘッダがあ ればその内容を返信アドレスにしてくれる。なければ From:などを参照するようになる 。出先など普段とは違うアドレスからメールを出す場合でも、このヘッダを利用すれば いつもと同じメールアドレスに返事をもらう指定ができる。ただしMLに出すメールでは それが必要な場合以外は使用してはいけない。またMLシステムによっては、MLのアドレ スを指定したこのヘッダを自動的に付加している場合もある。 ■ Return-Receipt-To: 配送確認つきのメールであることを示すヘッダ。ここに指定されたアドレスに確認メー ルが返される。 ■ In-Reply-To: メールに返信した場合に、その元のメールの情報がここに入る。このヘッダがないメー ルもある。 ■ Organization: このヘッダで差出人の所属(会社名や団体名など)を表現する場合がある。NetNewsで利 用されているが、一般のメールでも見かけることがある。 ■ Sender: メールの送信者を明示するためのヘッダ。MLなどで From: ヘッダにML自身のメールアド レスを記述してある場合などに、差出人を示すために使用される。また逆に From: ヘッ ダで差出人を明示し、ML自身のアドレスを Sender: で明示している場合などもある。 ■ Status: 受信済みのメールが読まれたり編集されたなどの情報が付加される。UNIX 上のメールソ フトを利用する場合などに、メールソフトがこのヘッダ内容を編集している。 ■ Lines: メール本文の行数。UNIX 上のメールソフトを利用する場合などに付加されることがあり MLシステムが付加することもある。 ■ X-UIDL: POP 関係のソフトが自動的に付加すると思われる識別用の拡張ヘッダ。 ※ X-ヘッダについて 英文字の X- で始まるヘッダは、あとで拡張されて一般化したもの、またはメールソフ トが独自に拡張したものです。場合によってはユーザーが個人的に付加する場合もあり ます(メールソフトによっては可能です)。システム管理者がシステムの機能を使ってデ バッグしたり調査のために特別な拡張ヘッダを付加することもあるので、上記以外の一 般的でない拡張ヘッダはあまり気にする必要はありません。