今月の花                                                    トップページへ


藪椿 2006.11.30

 今月の花ですが、久し振りの更新です。またまた、ありふれた藪椿となりましたが、好きな花だから仕方がありませんね。そんな具合で、新鮮味が無く申し訳ありません。花器は、唐津の小壺を使ってみました。生まれは、蛸壺。しかし、なんとも言えない味わいが感じられます。現地の漁師さんから聞いたところ、大正から昭和初期にかけて使っていた小壺だそうです。

 
侘び助 2006.1.12

 今年は椿の開花がとても遅いです。水仙もそうですし、蝋梅も同じ。やっと満開になった、白侘び助を一輪生けてみました。花器は、銅で出来た水筒。でも、よくよく見ると水筒ではなく、硝煙入れだったかも知れません。いずれにしましても、もともと花器だった物ではなく、緑青の吹いたこの味わいが好きで、壁に掛けてみました。

秋の草花 2005.11.1

 秋の山野草が満開になりました。庭のあちこちから生えてきている草の蕾たちが開き始めました。秋咲き野薊、秋明菊、石蕗、秋桜、下野草、赤水引草、不如帰などです。それらをいつものように、どばっと生けてみました。
 籠は初お目見えです。藁で編んだ米櫃なんです。70才代の方に聞くと、子供の頃に藁の米櫃を使っていた記憶があると言う返事が返ってきました。やはり野の花には、こう言った道具類が似合うような気がします。中に入れた落としは、1リットルのヘットボトルを切った物を入れてあります。これが軽くて、水漏れも全くないので、一番重宝します。
 山野草は、その種類によって強い弱いがあります。僕の場合は、庭の地面に植えてあるので、放ったらかし状態なんです。花壇に植えてある訳でもありませんから。ですから、自然に絶えてしまう場合もあります。この花たちが、来年も顔を出してくれることを祈るばかりです。


水引草 2005.9.13

 本来は、他の花を引き立てさせる為に生ける花ってありますよね。縁の下の力持ち的な存在。目立たないんだけど、しっかり役目を果たしている。主演でもない、助演でもない、通行人まで落ちる事はないんですよね。ちょい役だけど味がある。水引草は、そんな存在の花ではないでしょうか。そんな水引草をメインに生けてみました。それもドバっと。お茶籠の花器に、これでもかと生けてみました。
 写真でお分かりいただけるでしょうか。赤と白の水引草を10数本投げいれてあるのですが、それぞれが、勝手な方向を向いて自己主張しています。「俺だって主役を演じられるぞ」ってな感じで。でも、ちょっと赤が足りなかったかな?今年は何故か白が多く咲いているんです。もう数本、赤を差してあげようかな。


金糸梅 2005.6.8

 金糸梅を生けてみました。ひとつの枝に、数個の蕾を付けるので、次から次へと咲いてくれます。ですから、咲き始めから1ヶ月は楽しめます。小さい可愛い黄色い花です。
 花器は何だと思いますか?そうです、鍬(くわ)の刃の部分です。材質は鉄。鍛冶屋の手による仕事だと思います。うっすらと赤さびが浮いていますが、本体は、びくともしない強靱さです。鉄の花器と言う物は、そうある物じゃありません。ですから、こう言った物を見立てで使い、楽しんでみたいと思います。
 初出しが続き、花を生ける心の余裕がありませんでした。今後はまた、いろんな花器を見立てで使って行きたいと思います。


藪椿 2005.2.18

 山に入る道を登っていくのが、いつもの散歩コースです。周りは、うっそうと茂る青竹ばかり。ほとんど陽が差し込まないので、昼間でも、ぼんやりと薄暗い感じがします。そんな山道を登っていくと、1本の椿の木が見えてきます。しかし、ひょろひょろっとした枝振りで、とても、沢山の蕾を付けるような雰囲気は微塵も感じられません。
 そんな、陽の当たらないところで、一生懸命に生きている藪椿に、いくつかの蕾が付いているのを今朝見つけました。大切な大切なその一枝を頂き、店で生けてみました。
 普通の藪椿より、花の色がとても濃いのがお解りいただけるでしょうか。とても魅力ある藪椿だと思いませんか。栄養の行き届いた藪椿の大木と違い、栄養失調気味の木だと思いますが、素敵な花を付けてくれました。


菜の花 2005.1.25

 柊家さんから、先日、菜の花を頂戴しました。春はまだ先だと言うのに、もう咲き始めたようで、摘んできて下さいました。片口の漆器にガラスコップの落としを入れて、菜の花を生けてみました。
 後ろの屏風は既に、山桜が満開です。菜の花を生けて、一足先に春の到来を感じさせてくれる店内と相成りました。柊家さん、本当に有り難うございました。


仏手柑 2005.1.13

 今年の第一弾は、仏手柑(ぶっしゅかん)をご紹介します。インド原産の柑橘系植物ですが、慶長年間に中国を通して日本に伝えられたようです。仏様の手の形をしているので、こう名付けられました。
 お正月に活けるのに丁度良い花?(実)だと言うことで、とても珍重されています。従って、お正月前は値段も高く、3が日を過ぎると安くなるそうです。花台は、銅の水盤?です。しかし、用途不明と言ったほうが良いかも。緑青が吹いて、とても良い雰囲気です。


椿 2004.12.29

 お客様から頂いた椿の山を、どっと籠に投げいれてみました。椿は、その正確な種類が分かりません(お客様の椿の為)が、赤は藪椿、白は白玉椿でピンクは侘び助の種類ではないかと思っています。兎に角、椿は種類が多すぎて、それがまた楽しみでもあります。ですから、苗を頂いたり買ったりした時は、その名前を書き記して覚えておく必要があります。
 花器はいつものお煎茶籠。畳の地(イグサ)で編まれています。中に落としを入れて、どばっと生けるのが楽しいです。今回は、蝋梅も頂きましたので、蝋梅の薫りも楽しみました。


お茶の花 2004.12.1

 静岡はお茶どころですから、あちこちでお茶が栽培されています。都会育ちの私は、こちらに来るまで、お茶がどんな植物なのか全く知りませんでした。さらには、お茶が花を咲かせるなんて全く信じられませんでした。十数年前のある日、お茶畑に白い点々が見えるではありませんか。何だろうと近づいてみると、白い可愛い花を沢山付けているではありませんか。もう、感動してしまいました。お茶の木はツバキ科なのでしょうか。この時期、まさに椿の花に似たお茶の花が満開です。
 今回のお茶の花は、愛犬のお散歩の途中で、一枝失敬してきたものです。掛け花入れは、藁で編んだ鉈籠です。中には、ガラスの落としが入れられています。



 
石蕗 2004.11.15

 またまた秋の花が大集合です。今回は、黄色い花を附けた石蕗(つわぶき)に焦点を当ててみたいと思います。以前は、さほど好きな花ではありませんでしたが、丸い大きな葉の間から、にゅーっと伸びた茎の先に、黄色い可愛い花を咲かせる姿を見ていると、いつの間にか「石蕗って良いな」と感じるようになりました。葉の緑色が濃かったり薄かったり。また、斑入りの葉があったりして、変化に富んだ花でもあります。
 秋の花が、そろそろ終わりに近づいて来ています。お次は、椿の季節が到来します。


西王母 2004.11.1

 椿が咲き始めました。毎年、その咲き始め第1号は、この西王母椿なんです。夏の終わり頃から、緑色の蕾が少しずつ大きくなり始め、10月頃から開花し始めるんです。
 このピンク色の花に、濃いグリーンの葉が心を和ませてくれます。口が大きく開きすぎないところが魅力でもありますね。西王母(せいおうぼ)と言う呼び名も良いじゃないですか。椿の中で、最も好きな物のひとつです。
 西王母が咲き始めると、次は白侘び助から順次、我が家にある20種類近い椿が春まで絶え間なく、花を咲かせてくれるのです。椿は本当に楽しませてくれる花ですよ。


秋の花たち 2004.10.15

 秋の花が満開となりました。涼しさが増すと、一斉に蕾から開花へのスピードを上げます。夏場の花の少なさで、なかなかこのコーナーでご紹介出来ませんでしたので、今回はちょっと欲張ってしまいました。
 お馴染みの魚籠には、下野草、秋明菊、ホトトギス、秋咲きの野薊と赤水引草です。籠は、どばっと生けたくなりますね。また、どばっと下手くそに生けても、なんとかサマになります。そんな懐の広さが好きですね。
 今朝庭を見渡すと、もう西王母椿が咲き始めましたので、少しずつですが、秋から冬にかけての花たちをご紹介させて頂こうと思いますので、どうかご笑覧いただければと思います。


秋明菊 2004.10.2

 やっと秋らしくなりました。朝晩が涼しくなると、秋の花が開花し始めます。庭の秋明菊も、ピンクの花びらを付け、ようやくその可憐な姿を見せてくれます。白花もあるのですが、先にピンクが開花します。追って白花もご紹介しますね。
 秋明菊は別名貴船菊とも呼ばれます。詳しく調べてはいませんが、菊のような花びらではありませんので、ひょっとすると、キク科での植物では無いかも知れません。私の大好きな、秋の花のひとつです。


やぶ蘭 2004.9.15

 朝晩は、ようやく涼しくなった気がしますが、昼間はまだ夏を思わせる、暑い日差しです。そんな訳で、秋の草花がなかなか顔を出してくれません。昨日、山間部へ車を走らせたところ、彼岸花(曼珠沙華)があちこちに赤い花を咲かせて、ほんの少しですが、秋を感じることが出来ました。その後、栗林を散策したのですが、大きなイガの中に、大粒の栗が3つ顔を覗かせていました。もうすぐそこまで、秋は近づいているようですよ。
 今回ご紹介するのは、やぶ蘭です。よく見かける花ですが、日当たりの良い場所では花の色が薄く、半日陰だと素晴らしい紫色の花を付けてくれます。写真では判りにくいと思いますが、藍の花も添えてみました。
 花器は、いつもの鉈籠です。桜の樹皮で編んでいます。


ひめおうぎ 2004.9.1

 夏は暑さのせいもあるのでしょう、好きな花が少なくて一番困る季節です。今回ご紹介させていただく花は「ひめおうぎ」です。この花も一日花ですので、じきに花を閉じてしまいます。
 紫ランのような葉からすーっと伸びた先にオレンジ色の花を一輪付けます。夏の暑い中、この花が咲いているのを見ると、元気が出ますね。
 今回の花器は何度か登場していますが、鉄の農具を改造したものです。鉄の花器って数的には少ないと思うのですが、花を活けてみるととてもマッチします。自分を犠牲にして、花を引き立てようとする。すんな風に私には見えます。
 今月からは少しずつ秋の花が咲いてきてくれると思います。庭が花で一杯の季節が、もうすぐ其処まで来ています。楽しい花をご紹介出来るように、頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。



高砂芙蓉 2004.8.15

 アテネ・オリンピックが始まりました。皆さんが注目される競技は何でしょうか。昨夜は、谷選手、野村選手の柔道が、共に金メダルと言うことで、日本にとって最高のスタートとなりましたね。
 さて今回は、高砂芙蓉です。細い枝が四方に伸び、その先端にいくつもの花を付けます。光の加減で分かりにくいかも知れませんが、白い花びらの中心に紅をさしてあります。前回登場の木槿ほど、花は大きくありませんが、やはり一日でしぼんでしまいます。高砂芙蓉の木を見ると、何週間も咲き続けているように見えますが、花が一日で咲いては萎み、咲いては萎みの連続を繰り返しているので、そう見えるのでしょう。でも実際は一日花です。

 瀬戸の掛け分け徳利に生けてみました。この徳利には珍しく、自然釉が掛かっています。

木槿 2004.8.1

 本格的な夏到来ですね。毎朝、クマゼミの大合唱で起こされています。特に、今回の花である、木槿(むくげ)の大木には、クマゼミがびっしりと張り付いています。
 木槿にも様々な種類がありますね。茶席では宗旦木槿が珍重されますし、花の大きなものから小さなもの、一重のものから八重のものまで、数えれば切りがありません。
 今回ご紹介するのは、紫で一重の木槿ですが、正確な花の名前は知らないのです。一本の木に何百、何千と花を付けているので、庭が豪華に見えます。しかし残念な事に、木槿は一日花ですから、切って生けても、午後にはしぼんでしまいます。
 ニッキ水の瓶に、古伊万里芙蓉手の小皿を添えて、フィリピンの床板古材の上に飾ってみました。


桔梗 2004.7.15

 白花の桔梗を生けてみました。紫色の桔梗は一般的ですが、白花が私は好きです。蒸し暑いこの時期、山吹の葉を添えて、涼を頂いてみました。花器は、竹で編んだ鉈籠。花器として使い込まれたのか、飴色に輝いています。本来は掛け花入れとして鉈籠を使いますが、土壁に金具を取り付けていませんので、天井からシュロで吊して楽しんでいます。
 梅雨明けし、夏本番となってまいりました。この季節は、楽しめる山野草が極端に減る時期でもあります。一輪一輪を大切に、生けさせて頂いております。次回の更新はどの花になるか分かりませんが、庭に花が絶えないように、しっかり管理しなければと思い、この暑い夏を乗り切ろうと考える今日この頃です。


いさりび草 2004.7.1

 いさりび草と聞いて掲載致しましたが、正式名なのかどうかはっきりしません。もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示くださればと思います。
 茶花の本を見ても、この花を見つける事が出来ませんでした。これは、お茶を習われているお友達から、10年程前に頂いてきました。我が家の庭の土に合っているのか、毎年、沢山の花を咲かせてくれます。薄紫の、火の粉が舞い散るような格好の花びらがとても美しいです。
 梅雨の真っ直中ですので、少しでも涼しげな雰囲気をと思い、ニッキ水のガラス瓶に生けてみました。この瓶は透明ですが、少し水色がかった物や、緑色がかった瓶等、形は同じでも、その表情は様々です。


くちなし 2004.6.15

 2回続けて白い花となりました。くちなしは、その花の白さが魅力ですが、香りも凄く良いんです。ついうっかり、女性のお客さんに「きょうは、○○さん良いニオイがしますね」と言ってしまいました。「お花の香りじゃないの」と言われ、「仕舞った」と思ったのも後の祭り。「私って普段はクサイの?」と言われ、返す言葉が出ませんでした(汗)。
 そんな、くちなしの花を庭から10本近く切ってきて、魚籠に生けてみました。魚籠も見違えるように高級に見えてきたのは、私だけでしょうか。緑の葉に純白のくちなし。
 くちなしは、草木染めでも重宝されています。草木染めに使うのは、くちなしの実ですね。実を煮出して染めると、栗きんとんのような色になります。


どくだみ 2004.6.1

 白い花を籠に生けると、とても清楚な感じがします。今回はちょっと欲張って、矢羽根ススキに下野草、それから金糸梅にどくだみの取り合わせとなりました。ぐちゃぐちゃしているようですが、どくだみがこの雰囲気をしっかりまとめている様です。
 籠は飴色になった魚籠です。腰に巻いたであろう、藍色の紐もそのまま付いています。この紐を壁に掛けて、掛け花入れに転用しました。


額紫陽花 2004.5.15

 梅雨入り間近の鬱陶しいお天気が続きます。庭を見渡すと、額紫陽花が今年も花を咲かせてくれました。白、紫、ピンク等、様々な色の花びらを付けて、楽しませてくれます。
 大きな花を付ける紫陽花も良いのですが、こう言った花生けに活ける場合は、額紫陽花や山紫陽花のような小振りの花が活けやすいです。雨続きでも、少しだけ爽やかな気持ちにさせてくれます。
 今回の花生けは竹製ですが、何に使われたのかが良く分かりません。飴色になりかけた竹筒の中に、ガラス瓶を落としとしていれてあります。活けてみて思うのは、白っぽい花がこの花器には合うような気がします。


都忘れ 2004.5.1

 紫色の花びらが印象的な「都忘れ」をニッキ水のガラス瓶に生けてみました。昭和初期のガラス瓶は、驚くほどの薄作りですが、水を入れると安定して、しっかり立ちます。
 この可憐な花が何故「都忘れ」と呼ばれるようになったのかは、調べてありませんが、この花を眺めているだけで、疲れを忘れさせてくれます。


白山吹 2004.4.15

 黄色の花をつける山吹と白い花をつける白山吹は似ているようですが、種類が全く違うそうです。でも、非常に似ています。咲く時期も同じ。でも、山吹は五弁で白山吹は四弁だそうです。
 この白山吹をそっと鉈籠に生けてみました。ちょっと早いですが、初夏を感じさせるような、清々とした雰囲気になりました。水揚げも良く、次から次へと蕾が開いていきます。
 実はこの白山吹ですが、この時期だけでなく、秋から冬にかけても大活躍してくれます。それは、花が終わったあとの実です。黒い実をつけてくれるのですが、この実も味わいのある、存在感を主張してくれます。


紅李(べにすもも) 2004.4.4

 保育園を営む友人に頼まれて常滑のカメを用意して、山奥深いところから伐採した紅李の枝を豪快に生けてみました。卒園式と入学式は、この花でばっちり決まったようで、とても喜んで下さいました。
 カメの高さが約70センチですから、全体の高さは2メートル以上の豪華版でした。花は薄ピンク色で、ぱっと見は桜の花のようにも見えます。桜の花びらより、少し小さい花ですが、とても清楚な感じを受けました。
 天井が高くて広いエントランス等では、大きなカメに贅沢に生けてみるのも良いものだなと痛感しました。その場所の雰囲気に合う生け方がありますので、必ずしも豪快な生け方が合うとは限りませんが、年に一度くらいは贅沢をしても良いですよね。


山吹 2004.4.1

 庭の山吹が早くも咲き始めました。山吹色と言うのは、この花の色から来ているのでしょうか、とても落ち着いた黄色が春を感じさせてくれます。この山吹ですが、一重のものと八重のものがあります。生けるについては、やはり一重の山吹が綺麗ですね。また、山吹草と言う種類の花もあり、こちらは同じような山吹色の一重の花を付けますが、冬には地上部分が枯れ落ちて、地下根だけが残り、春に芽を出して咲くタイプです。

日向ミズキ 2004.3.24

 暖かくなり、春の予感がしてきたなと思ったら、庭のあちこちで春の花が咲き始めました。あわてて花材を切り、店の掛け花に生けて撮影開始。大急ぎの更新ですが、うまく撮影できたか心配でなりませんでした。花期の短い花があるため、その機を逃すと花たちに申し訳ない気がして。
 今回は、日向ミズキをご紹介させていただきます。枝のあちこちに黄色い小さな花をつけて、春の訪れを告げてくれる素敵な花です。HP更新にあたり、この花の名前が正しいか一応調べてみたところ、更新前は、うろ覚えで「土佐ミズキ」とばかり思っていたのですが、「日向ミズキ」が正解でした。調べて良かったです。間違ったご紹介をしてしまうところでした。人間の記憶って、いい加減ですね。


雪柳 2004.3.15

 雪柳の花が咲き始めました。雪と名が付きますが、春を知らせる花ですね。この木だけは、なるべく剪定をせずに、そのままの状態を庭で楽しんでいます。その方が、雪柳の枝が風になびき、花が散り始めると、本当に雪が降っているような雰囲気を感じさせてくれるからです。木瓜と藪椿に添えて、鉈籠に生けてみました。
 この鉈籠は、桜の皮を約2pの幅で裂いて、それを編んだ物です。飴色のとても良い雰囲気になっています。落としは、昭和初期のアイスキャンディーを作る為のガラス容器です。形は、試験管とそっくりです。そのガラス瓶を鉈籠に差し込んで、花を生けています。


うぐいすかぐら 2004.3.1

 うぐいすの鳴き声を聞くのには、まだ早そうですね。春を知らせる茶花、うぐいすかぐらをご紹介させて頂きます。太郎冠者(椿)が目立ちすぎて、分かりづらいかも知れませんが、上にまっすぐ伸びているのが、うぐいすかぐらです。小さくて赤い花を付けます。
 うぐいすかぐらと言う名の由来は知りませんが、本当に可愛い花を咲かせます。この花を知ったのは、秦秀雄さんが出された「野花を生ける」で取り上げていらしたからです。この可憐な花に魅了されて、あちこち探して、やっと手に入れることが出来ました。
 この花は、我が家では、毎年花を付けて楽しませてくれるので、とても重宝しております。中には、数年で絶えてしまう茶花が多々ありますので、育てるのも管理が大変です。春を迎えるにあたり、うぐいすかぐらをご紹介させていただきました。



雪吹白玉椿 2004.2.22

 毎月1日と15日に更新をしようと思っていたのですが、雪吹白玉椿が3年ぶりに花を咲かせたので嬉しくなり、急遽、更新を思い立ちました。珍しい椿と言うことで10年程前に求めたのですが、これがなかなか蕾を付けてくれないのです。写真では、葉裏になってしまっていますが、ご容赦ください。5つしか蕾を付けていない為、葉表になっている花が無かったからです。
 白で一重の椿(白玉)にピンクの吹き墨みが施されていると言えば、お分かりいただけるでしょうか。本当に綺麗なんです。どうやったら、こんなに美しい花を付けられるのか。アップの写真も是非ご覧下さい。

 花器は、美濃の掛け花(堀の手)です。竹を象った姿をしているのですが、残念ながら、上部が失われています。しかし、この方が掛け花としては、ちょうど良い長さです。

白梅 2004.2.15

 2月を迎えて、あちこちで梅の花が咲き始めました。紅梅がまず咲き始め、続いて白梅の蕾が開き始めます。まだ、藪椿が咲いていましたので、その上にそっと白梅を差してみました。やっと咲き始めたんですよ。
 我が家の梅の木は、花で楽しんで、続いて6月には梅の実(大梅)を収穫して、2度楽しめるんです。梅の実では、梅酒を造ります。アルコールがダメな私ですが、自家製の梅酒だけは好きです。
 今回の掛け花入れは、鉄の農具を改造して、後ろに環を付けた花生けです。ちょうど良い具合に錆びが出て、白壁にマッチしています。落としは試験管。当然、入る水の量が少ないので、毎日、お水は替えてあげなくてはいけません。


木瓜 2004.2.1

 春の訪れを感じさせる花、木瓜の登場です。我が家の木瓜の花は白にピンクで、よく見かける赤花ではないのです。枝一杯に花を咲かせても、くどくなく、本当に春らしい気分にさせてくれます。
 また、木瓜はどんな花器にも良く合うので、とても重宝しています。今回は、藁で編んだ鉈籠に生けてみました。深い緑色の葉を付けているのは、胡蝶侘び助です。まだ蕾の状態ですが、花が開くと、白と赤の2色の花びらをそっと開いて、庭を少しだけ華やかにしてくれます。木瓜と胡蝶侘び助。両方ともお気に入りの花です。
 このコーナーでは、先に蝋梅をご紹介したかったのですが、秋に庭の手入れをした時に、蝋梅の木を思い切って剪定してしまったため、今年はその花があまり咲かず、少し時期は早いのですが、木瓜を紹介させて頂くことになりました。
 2月は雪の多い時期ですが、少しでも春を感じられる花を部屋に生けたい気分になりました。どうか、ご笑覧いただければと思います。


日本水仙 2004.1.15

 日本水仙が咲き始めました。開花は、東京の実家より、こちら浜松の方がだいぶ早く、12月の半ば過ぎから蕾が開き始めます。 水仙は風になびく姿が華麗で、花の香りもよく、部屋に生けるととても良い気持ちにさせてくれます。
 今回は、お札俵に生けてみました。ご存じの方がいらっしゃるかどうか、お札はお正月明けに門松などと一緒に燃やしてしまいます。しかし、お札を大切に取っておいて、1000枚貯まるとそれを納める俵を作り、2階の大黒柱にお守りとして縛り付けたそうです。ですから、このお札俵も煤で良い味になっています。


藪椿 2004.1.1

 山へ散歩に行くと、藪椿の花が沢山咲いていた。濃い朱色が何とも言えない美しさをあたり一面に振り撒いているようだ。もうすでにメジロがやって来ているのか、いくつかは、朱の花びらを食べられている。
 藪椿と言っても、厳密には何種類かあるのだろう。この山に自生する藪椿も、花が開きすぎるものと、ちょうど良いものとがある。最初の頃は、そんな事も知らずに切って自宅へ持ち帰ったが、翌日には大きな口を開けて、これでもかと咲き乱れる藪椿に閉口した記憶がある。今では、どの木がちょうど良い具合に咲いてくれるかが分かったので、その木の蕾だけを持ち帰るようにしている。
 もう一枝差してあるのは蝋梅だ。こちらは、とても良い香りがする。そんな香りに誘われて、やはりメジロの餌食になった蕾が地面に転がっている。桜の皮で編んだ鉈籠に生けて、楽しんでいる。