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和箪笥集成 

講談社 昭和57年刊 著者 木内武男 塩野谷博治 安倍道明

 写真掲載点数は実に447枚を数える、和箪笥に関するバイブルと言える存在である。船箪笥、帳場箪笥から衣裳箪笥、薬箪笥に至るまで、製作地を明記して掲載している。図版は、正面から撮影されたものがほとんどで、正確に表示された寸法から、金具の大きさを知ることもできる。
 多くの骨董屋が和箪笥の標準を知る上で、お店に常備する程の図録研究本である。当然、絶版となっているため入手は困難を極めるが、真剣に探せば数年で入手できるかも知れない。
 図版以外の内容も充実しており、和箪笥の歴史から製作工程まで誰にでも分かる表現で記載されている点が嬉しい。
 和箪笥は、一生つきあえる骨董である。この本を参考にして、飽きのこない和箪笥と出会えて、自分の傍らに置くことができたら、こんなに幸せなことはないのでは・・・・・。

座辺の李朝

私家版 昭和46年刊 著者  中川竹治

 はっきり言って、李朝の図録の中では、これが一番だと思う。超一級品が掲載されているわけでもないし、万人受けする李朝が見られるわけでもない。しかし、真面目な分かりやすい李朝が満載である。初期白磁33点、中後期白磁37点、染付13点、鉄砂及び飴17点、合計100点の李朝が掲載されている。
 中川氏曰く「本書に収めた李朝は名品として庫の奥深く秘蔵されるものでなく、庶民の座辺に置いて眺め、好みに応じて使って楽しめる李朝である。暮らしの中の李朝なのである」と。
 そうは言っても、図録の白磁は手元に置きたくなるような、まさに座辺の李朝と呼ぶにふさわしい物ばかりである。この図録を書棚から引き出して眺めていると、無性に李朝が欲しくなる。そして、骨董屋に出かけ李朝でも置かれていようものなら・・・。
 この図録は700部限定の私家版であるため、入手は困難であるが、李朝好きなら、持っていなければいけない一冊だと思う。

さな蕾

創樹社美術出版 月刊誌
 
 日頃、非常にお世話になっている創樹社美術出版の「小さな蕾」である。このホームページをご覧の皆様も、定期購読されていたり、本屋さんで毎月購入されている方も多いと思う。
 充実した内容に、毎月驚かされるが、記事だけでなく、骨董屋の広告も毎月要チェックである。私などは、気に入った広告が掲載されていると、必ず電話をかけて値段をチェックしている。お店の方にとっては、迷惑極まりないことかも知れないが、この場を借りて、お許しをいただければと思う。
 創刊30周年を越えて、骨董専門誌の中では一番歴史のある出版社になってきた。今後のご活躍をお祈りするとともに、「また、何か掲載させてね!」とおねだりをして、本のご紹介を終わりたいと思う。

古伊萬里染付図譜

平安堂書店 昭和34年刊 著者 瀬良陽介  

 古伊万里について掲示板にて白熱した議論が展開されていた中、私自身、古伊万里と称されるやきものに敬意を表し、この図録に掲載された童女遊戯文四方花入の美しさに心惹かれ、一度でいいから手に取って見たいものだと感じた心境をご理解していただきたく、この図録を紹介させていただく。
 これは、古伊万里愛好家なら誰でも知っているであろう名著「古伊萬里染付図譜」である。この図録は、特装版と普及版が出版されており、この童女遊戯文四方花入の写真が箱の表に貼られた特装版は、出版部数が400部ということで非常に数も少なく、入手困難な図録である。
 この図録には、初期伊万里から明治ベロ藍の大皿まで掲載されており、柳宗悦の序文は名文である。この執筆のお礼として、瀬良氏のコレクションの中から数点を柳が選び、日本民藝館の所蔵となったと聞く。

工藝 三四号

聚楽社 昭和8年刊

 創刊号からお仕舞いの120号まですべて揃えることが出来たら、工藝の知識は凄いものになるだろう。私は気に入った数冊しか持っていないが、特に創刊号の「石皿」特集と、この34号の「船箪笥」の特集は写真を見ても、記事を読んでも非常に興味深く感じることが出来た。柳宗悦の独特の語り口が読者を魅了し、掲載されている物も素晴らしく、何十年か経過した現代でも充分通用する内容である。
 また、この本は装丁が素晴らしい点も見逃せない。すべてが手作りである。一枚一枚染めた布をカバーに使ったり、漆絵で描かれた物や、和紙を使った物など、まさにこの本自体が工藝であると言いたくもなる。
 発行部数は、この34号が800部。昭和6年1月に創刊された月刊誌である。当時、半年分の会費6円を納めると、この工藝が毎月送られてきたようだ。一冊あたり1円と言うことか。
 兎に角、一度手にとって見られることをお勧めする。私は柳宗悦が好きなわけではないが、民藝運動を支えた彼らの目を通して見た「骨董」を知ることが出来る、唯一の月刊誌では無かろうか。古書店で、一冊2万円前後で売られていると思う。お気に入りのナンバーだけでも手に入れてみたいものだ。

油壺図録 第一号

日本油壺の会油壺図録刊行同人会 昭和48年刊

 一時期、油壺を集めていた。それも、染付の油壺ばかりを。色絵の物は、余りにも女性的過ぎて私には似合わなかったし、辰砂は高嶺の花で到底手の届く物ではなかった。今は、そんな油壺もすべて手放してしまい、この図録だけが手元に残った。
 昭和48年に発行されたこの図録は限定200部と言うことで、非常に発行部数が少ない。たぶん、日本油壺の会のメンバーに配られたものだろう。図録の中身と言えば、メンバーの所蔵品となる油壺の写真が一頁に一枚ずつ貼られている。口がラッパ状に開いた古い手から、色絵の江戸後期の手まで網羅されている。その後、第二号が発行され(この図録も持っているが)、こちらは300部限定である。また、第三号発行予定と記されてはいたが、発行まで至らなかったようである。
 この図録で特筆すべきは辰砂の油壺で、日本に何個現存しているのであろうか。首は呼び継ぎであるが、辰砂の発色が素晴らしく、いつか手に入れたいと思ったものだ。しかし、そんな夢は儚く消え去ってしまった。万が一見つかったとしても、私にはとても手が出せる金額ではないのが解ったからだ。そんなわけで、この図録だけが手元に残る結果となった。

石造美術

スズカケ出版部 昭和14年刊 著者 川勝政太郎

 多宝塔の美しさに惹かれて、参考になる書籍を探したところ、この「石造美術」に行き当たった。石造美術とひとことで言っても種類は様々で、宝篋印塔や五輪塔、石灯籠がすぐに思い浮かぶが、やはり時代が古いほど、訴えかける魅力が大きいようだ。
 我が家の狭い庭に宝篋印塔が一基、据えられているが、長年、風雨にさらされた姿を見ると、心を洗われるような気持ちになる。石造の美術品は、最初購入することに抵抗があったが、持ってみると非常に惹かれる部分が多い。この魅力は、石造の美術品を身近に置いたことのある人にしか解らない事かも知れない。
 いつかは多宝塔が欲しい。それまで、この書籍を読み込んで、時代背景や特徴をもっと勉強しなければいけないだろう。そうすれば、きっとチャンスが訪れると思う。
 この書籍は、何度か再販されているため、比較的容易に入手できるようだ。著者は、石造美術研究の第一人者。私のこの本も、ボロボロに近い状態である。もう一冊買っておいた方が良いかも知れない。それくらいの名著である。
瀬戸絵皿の美

リーチ 昭和44年刊 著者 秦秀雄

 瀬戸の絵皿に代表される石皿と油皿が掲載される、秦秀雄編集の名著である。以前から欲しいと思っていたのであるが、なかなか出会えず、徳祥さんの掲示板への書き込みに影響されて、思わず発注してしまった極最近入手した図録だ。380部限定の特装版で、秦秀雄の直筆による「見える人」との墨書がある。
 石皿や油皿は、以前ご紹介させていただいた「工藝」の創刊号でも特集が組まれており、古民藝ファンには必携のアイテムであった事だろう。兎に角、書かれた絵に魅了されて、蒐集される方が多いのだと思う。人の顔が見込み一杯に描かれた石皿や、女性が湯船に浸かろうとしている絵など、一点物の大珍品が掲載されているが、ありふれた、柳の絵の石皿に私は惹かれる。

 最近では、骨董屋さんの店先で石皿を見かけるケースが以前より少なくなっている。入るべき所に入ってしまったのだろう。しかし根気よく探せば、まだ初見の石皿も入手可能ではないだろうか。それは、石皿が瀬戸を代表する雑器だから、また、無数に焼かれたであろうと思われるから。
日本の土俗面

徳間書店 昭和47年 著者 料治熊太

 古面についての著書は多数あると思いますが、研究内容の素晴らしさは、この本に優るものは少ないと思う。古い本なので、カラー写真より白黒写真が多いのは仕方がない事だが、掲載されている土俗面は、どれも「欲しい」と思う物ばかりだ。
 まえがきからの抜粋:「素晴らしいと思いませんか。これらの面は、皆日本の古い面です。日本の庶民の暮らしとともにあった面です。しかし、日本の歴史は権力中心の歴史で、野末の神社にかかる面があっても、ほとんど顧みられなかったのです。長い年月が過ぎ、ある面はひっそりそこで風雨にさらされて朽ちていきました。心なき村人に焚き火の材料にされ、燃やされてしまったものもありました。次々地上から姿を消していきました。日本の歴史は転換し、国民は神を忘れ、神社は荒廃していきました。」
 今回、縁あって東北地方に伝わる竈神を入手することが出来たが、これも、日本の風習の中で大切にされてきた土俗面だ。日本人の神に対する気持ちが失われつつあるが、この土俗面は大切に次の世代に伝えていきたいと思う。
藍木綿の筒描き

暮しの手帖社 平成14年 著者 下重暁子

 このコーナーは10年以上前に出版された著書を掲載してきたが、最近の図録にも素晴らしい物があるので、ここに紹介させていただこうと思う。
 これは、元NHKアナウンサーでいらした下重暁子さんの集められた筒描の図録だ。筒描の図録としては、京都書院から出されている某所のコレクションや、別冊太陽(平成15年発行)等が知られているが、私はこの図録が一番好きだ。30年かけて集められた筒描は、下重さんのセンスだろうか、派手過ぎず、地味過ぎず、「こんな筒描欲しいな」と感じるものばかりだ。最近はどうも派手な筒描が珍重され勝ちで、完品重視の傾向にある。しかし、布の味、糸味が良くて、痛みがあっても楽しめる優品が多数この図録には掲載されている点を評価したい。(この図録では、痛みがあってもそのまま掲載されている)
 新刊定価は3,800円+消費税。手元に置いて楽しめる図録だ。

 
民藝大鑑

筑摩書房 昭和58年刊

 発売当時の定価を見ると、1冊2万4千円もした大判の図録です。全5巻で、陶磁器から布、漆や木の物等、日本民藝館のお宝が満載です。それと、柳宗悦の解説で、味のある古民藝を満喫できる内容です。
 私が特に好きなのは、この第4巻で、木の古民藝から漆器が溢れんばかりです。柳が蒐集をしていた大正から昭和にかけては、これらの古民藝が沢山あったのでしょうが、それでも、古民藝ならどれでも良かった訳ではなく、しっかりとした審美眼がなければ、半世紀以上経った今でも、これだけ魅力のある物は集められなかったと思います。流石、民藝の父と言われるだけのことはありますね。
 現在、古書店で探すと、全巻揃いで15万円から25万円の間だと思います。1巻づつ揃えるのも良いかも知れませんね。
船箪笥

柳宗悦著 私家版 昭和36年刊

 やっと手に入れることが出来ました。柳宗悦の遺稿、「船箪笥」私家版、昭和36年刊、発行部数200部の非賣本です。この本は、函がもともと無く、和紙カバーで覆われているだけの、非常に簡単な造りです。その和紙をはずして撮影しました。200部限定の非賣本と言う意味は、柳宗悦が親しい人に配ったと言う事で、本を覆っている和紙も、送った人によって、どうも変えたようです。友人には普通の和紙で覆い、目上の人には上質の和紙で覆ってプレゼントしたとの事です。
 肝心な内容は、柳宗悦独特の言い回しで船箪笥について語られています。文献が全くない中、よくここまで調べ上げたものだと、非常に感心しました。分かり易い図説も多く掲載されており、この本の重みを実感しております。
 復刻版は古本屋さんで見かけることはあっても、この船箪笥は滅多にお目に掛かれません。ご希望の方は、当店で見ることができますよ。
 
野の花を活ける 茶花十二か月

文化出版局 昭和59年 著者 田中昭光

 好きな本は共有出来ると良いのにとの思いで、このコーナーを設けましたが、良い本は誰しも、あまり紹介したがらないのでは。それは、自分の中に取っておきたい気持ちがあるからでしょうか。
 花生けの本は、それこそ沢山出ていますが、私にぴったりなのが、この「野の花を活ける」です。重版に重版を重ねる本ですから、ご存知の方がほとんどでしょう。奈良の「友明堂」のご主人、田中昭光さんの茶花の本ですから、花も良い、器も勿論良い、活け方も素晴らしい。私の花生けの教科書です。骨董のプロが出す花生けの本(秦秀雄さんや柳孝さん)は、どれも素晴らしいのですが、ピカイチは、この本だと思います。
 兎に角、花が生きています。生き生きとしています。生ける方の愛情が感じられる本だと思います。
  
新古備前焼窯印

横浜大雅洞 昭和42年 著者 桂又三郎

 はしがきより抜粋:国焼陶器のうち、作品に記号を彫り付けている焼きものは、備前焼が第一であろう。備前焼も、その初期、つまり鎌倉時代や室町初期の作品には付けていないが、備前焼の窯が共同窯になった室町末期から、こんにちまで、一般的には窯印を付けるようになった。(中略)ただ筆者は昭和十一年以来、こんにちまで三十数年の間、目に触れる機会あるごとに一つ一つ拓本にとってきた。
 以上抜粋でもお分かりいただける通り、室町末期から昭和にかけての、備前焼の窯印を確認する上での、貴重な研究書です。昭和の古備前写しの彫印まで掲載されている為、「骨董商いの邪魔になる」と美術クラブからボイコットされた事もあったようです。
 そんな意味では、大変貴重な、命がけの研究書ではないかと思います。昭和42年刊、発行部数わずか47部。これぞ、幻の名著だと思います。
武鑑

須原屋茂兵衛 明治3年

 この武鑑の正式名は「官許 列藩一覧 改正 全」です。武鑑としては、廃藩置県前の最終版です。藩主の氏名、紋章、表紋、替紋、嫡子使用の紋、槍印、家系を示す本氏と本国、当主の官職、位階と姓名、行列に立てる槍・長柄の笠(その本数、長短、種類、色等)、それに石高等が記載されています。中身はこちら
落款花押大辞典

淡交社 昭和50年

 この辞典は商売道具ですので、中にはご存知の方もいらっしゃると思います。やきもの・絵・書の、主立った人の落款や花押が掲載されています。作者の解説も出ていますので、結構参考になります。掛け軸などの落款を、この辞典片手に確認作業を進めると言う業者が多いのではないでしょうか。しかし、他の出版社でも、コンパクト版が出ていますので、競り市にそれを持参して照合している風景を見かけます。
 しかし、この辞典に載っていない人が本当に多いんですよ。それだけ書画・骨董の世界は奥が深いですから、書画・骨董の人名辞典や禅僧の人名辞典などから作者を推定する仕事も合わせて行う必要が出てくる訳です。
 この辞典があるから逆に、同じ花押を巧みに描いて本物に見せかけてしまう。そんな事をしているふとどき者がいるのでしょうね。
 私にとっては、結構参考にさせて頂いている本です。
竹石居掌玩

井上昇三著 私家版 昭和55年刊

 3年程も探したでしょうか。大抵の本は、探し出す自信があったのですが、この本は、いつ出てくるのか全く見当がつかず、苦労の末、入手出来ました。井上昇三さんが集められたコレクションの図録です。井上さんのお人柄とでも申しましょうか、本当に暖かな古美術品ばかりが掲載されています。ご本人曰く「それらの物は私が今日までに生きて来た間に、心の支えと申しますか、生き甲斐と申しましましょうか、そういうものの原動力となってくれたものたちであります。」と。本当ですね。こういう人生を送ってみたいですね。ブームだからとか、値上がりしそうだからとかではなく、本当にそのものたちが好きで、心の支えとなるものを見つける。そうなる為には、自分自身がそういう一人の立派な人間にならなければいけないのでしょうね。
 この本は私家版という事で、奥付けに定価等の記載がありませんので、井上さんが、懇意にされている方に贈呈された物だと思います。今回入手したこの本にも、井上さんの署名で、贈呈者の名前が書かれた和紙が挟まっていました。大切にしたい一冊です。
幻の日本民藝美術館

鈴木直之著 私家版 平成4年刊

 日本で最初の民藝館を、柳宗悦らの民藝運動推進者達が設立開館したのは、現在の駒場にではなく、遠州積志村(現在の浜松市)であった事をご存知の方がどれくらいいらっしゃるだろうか。以前は、日本民藝館の書類上からも、この日本で初めての民藝館開設の事は、故意に抹消されて世間一般に積極的に知らせようとはしていませんでした。
 「民藝」と言う言葉が誰によって、いつ作られたのか、どうして日本民藝美術館が閉館に追い込まれたのか。大正時代に始まった民藝運動を、その流れを追いながら詳細に解説しているのが本書「幻の日本民藝美術館 遠州の民藝運動とその群像」です。
 この本も私家版ですので、古書店に並ぶ事は滅多に無いと思われます。とても珍しい写真も掲載されていますので、一読をお勧めしたい一冊です。
珍品堂骨董の旅
名品訪問

徳間書店刊 昭和37年、38年 著者 秦秀雄

 写真は勿論白黒ですが、秦秀雄さん独特の言い回しが楽しく、名品の数々を物語り形式で紹介し、あたかもそれらを自分が購入しているような気持ちにさせてくれる、名著と言って良い本だと思います。
 挿絵として秦秀雄さんの墨筆(歌と言って良いのでしょうか)が掲載されていますが、これを見ますと、白洲正子さんの書の雰囲気は、秦さんの弟子だった事もあり、秦さんの真似をしていたんだなと感じずにはいられませんでした。これはあくまでも私の感想です。

國學院大学所蔵の牛玉宝印

 護符の研究をされている方が全国でどの位いらっしゃるのか分かりませんが、そんな文献となると、探すのに一苦労する本ばかりです。特に牛玉宝印の研究書となると、入手困難なものが多く、この「國學院大学所蔵の牛玉宝印」もそんな一冊でした。この本を書かれた教授に直接連絡をとらせていただき、無理を言って分けて頂きました。本当に有り難う御座いました。
 牛玉宝印は全国あちこちの神社仏閣で発行されており、その版の面白さに惹かれて、蒐集される方が多いようです。私も、そんな牛玉宝印を見ると、頭に血がカーっと昇り、必死で競り落とそうとする場合が多々あります。だから、高く仕入れてしまい、なかなか売れないんだなと反省ばかりしているのですがね。
 ただの紙切れと思うかも知れませんが、奥が深いです。烏や鷹や鳩や蛇が登場する牛玉宝印。柳宗悦らの初期民藝運動に参加していた人たちも注目し、蒐集されていたみたいです。
牛玉宝印 祈りの呪符

 1991年に町田市立博物館で開催された「牛玉宝印・祈りの呪符」展の図録です。兎に角、この図録が手に入らなくて、苦労しました。毎日のように、古本のサイトを検索していましたが、ネットに出る前に店頭で売れてしまうのか、全くこの図録に巡り会う事が出来ませんでした。しかし、ひょんな事から、偶然にこの図録を購入することが出来、今回ここに紹介させていただく運びとなりました。
 世の中には何冊か、入手困難な本がありますが、まさに、この図録は、そんな入手困難な本の中の一冊だと思います。町田市立博物館で再販すれば、きっと売れると思うのですが、やっていただけないみたいです。探している人が何人もいらっしゃるのに、もったいない事です。
 さて、牛玉宝印の図録としては、前回ご紹介させていただいた「國學院大学所蔵の牛玉宝印」とセットで見られると、とても参考になるのではと思います。是非見つけて、手元に置いていただきたい一冊です。