freesia〜Rebirth
ドクン・・・。何の音・・・?誰?そこにいるのは誰?・・・ねえ、此処は何処?・・・僕はどうして此処に居るの?・・・どうして・・・ぼ・・・く・・・は・・・コ・・・コニ・・・
「・・・目覚めたかい?」
ざらついた声。何だか嫌悪感を感じる。・・・誰?
「・・・セカンドタイプ・・・。遂に成功した・・・」
セカンドタイプ・・・?セカンドタイプ…?コードに繋がれて身動きさえ取れない。何で僕はこんな所に居るんだ?・・・僕?僕は誰?・・・ねえ。
「・・・状況が把握できていないみたいだな。セカンドタイプ。お前は我々が創り出した『有り得ない存在』。・・・任務は・・・殺しだ」
・・・殺し・・・?僕が・・・?
「・・・僕の・・・名前、は・・・?」
「名前?そんな物は無い。『セカンドタイプ』。それが今のお前だ」
セカンドタイプ・・・。人間ではない。じゃあ・・・今此処に居る僕は誰?どうして心が存在するの?僕は一体・・・『誰』?僕の疑問は深まるばかりだった。・・・僕の身体に埋め込まれている『失われた遺物』は僕の精神を気まぐれに狂わせるようになりはじめる・・・。
「・・・ごめんな」
時々来る上級士官。明るい茶色の髪を後ろで縛っている。彼が来ると僕の意識は少し、狂わずとも済むようになる。彼は罪悪感に苛まれている様だった。
「判っていたのにな・・・。同じ事になるって・・・。俺が未完成な存在になってしまったから。だから・・・」
彼は僕に対して罪悪感を覚えているようだった。でも、僕は少しだけ・・・覚えている。彼を信頼していた記憶を。でも、彼は罪悪感を感じている。僕と同じであるが故に。そして、僕が此処に居るのを自分の罪であり、自分の力の無さ故だったと思っている様だった。・・・どうして彼はそんな風に感じるのだろう。その頃の僕はそう思っていた。・・・思い出すまでは。
新シリーズスタート(笑)元々は携帯サイトで連載していた物です。PCサイトに移すに当たって多少の変更をしています。『螺旋〜』もそのうちアップするんで(笑)よろしく(笑)