HONDA BEAT(1991)

  ホンダビートは1991年(平成3年)5月に発売された軽自動車です。バブル景気も終焉を迎えようとしている時期に出た軽自動車初のミッドシップオープンカー。平成3年に2万2千台あまりが登録されましたが、その後スズキカプチーノやマツダAZ-1などのライバルたちが登場した事もあってか販売台数は減る一方で、平成8年に惜しまれながら販売中止になるまで約3万4千台が登録されました。発売開始から7年近く経った今でも多くのビートが街中やワインディングを元気に走りまわっています。そのドライバーたちのほとんどが心なしか微笑んでいるように見えませんか?そうです、ホンダビートは運転していて本当に楽しい車なんです。天気が良ければ暑かろうが寒かろうが幌を降ろしたくなるんです。この楽しさに心を奪われた人達が日本中にたくさんいます。そして私もそのひとりなんです。

My BEAT SPEC

  ノーマルでも充分に楽しいBeat,でもやっぱり他人とは違う自分だけの車を作り上げたいというのは車好きの性。月々の小遣いの中からコツコツとパーツ代を捻出し、今ではそこそこ満足なBeatになりました。パーツを安価で(サスペンション2万円、マフラー1.9万円、タワーバー5千円)譲って戴いた皆さんに感謝!

年式 1991年(平成3年)
ボディカラー フェスティバルレッド
純正オプション アルミホイール フォグランプ リアスポイラー トランクキャリア 120Wスカイサウンド ダッシュボードスピーカー
タイヤ FRONT:BS B65 155/65-R13 REAR:BS B65 175/60-R14
ステアリングホイール NARDI CLASSIC LEATHER D=330mm
サスペンション ダンパー:GAB ストリート用(4段階調整) スプリング:タナベ
ストラットタワーバー オートジュエル(フロントのみ)
エアクリーナー FORZA純正交換タイプ
マフラー HKSリーガル デュアル
   

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ドライビングインプレッション [モータージャーナリストを気取って]

  ドアを開け、シートに腰掛けるとまずその低さに驚く。普通のセダンから乗り換えるとその視界は別世界だ。フロントウィンドウ上、左右のフックを外してからリアウィンドウ部のファスナーを開き、「えいやっ!」とソフトトップを上げれば、「Welcome to Open-air Mortoring World!!」。イグニッションキーを捻るとOHC 4バルブ3気筒エンジンはMTRECと呼ばれる3連スロットルボディを持つインジェクターから供給される混合気によりあっけなく目覚める。暖機運転は最小限にとどめ、軽いクラッチを踏み込みシフトレバーをローに。40mmと言われるそのシフトストロークの短さはこれからの小気味良いシフトワークを予感させる。659ccという排気量を過給器などというドーピング手法を使わずに64psにまでスープアップしたE07Aエンジンは低速から充分トルクを発生させるため発進にナーバスさは全く無い。

  街中では4000rpmを目安にシフトアップしていけば充分だ。程よくコントロールされた風の流れが心地よく、タウンスピードで走っていてもストレスは感じない。常に指摘されるラゲッジスペースの小ささから来る日常性の無さだが、一人で乗っているぶんには全く問題はない。純正オプションのトランクキャリアはロングツーリングもこなせる積載性を有しているし、いざと言う時にはパッセンジャーシートを外してしまえばかなりの荷物を飲み込むスペースが出現する。だが、Beatはやはりワインディングに連れ出して9000rpmから始まるレッドゾーン付近で走らせてやるのが本来の姿だろう。高回転になるにつれてHKSリーガルエキゾーストからは大きくはないが官能的なサウンドが吐き出される。2−3−4速を使い分けてタコメーターの針を6000rpm以上にキープしたまま交通量のほとんど無い峠道を走る。

  軽自動車初の全輪ディスクブレーキは760kgという軽としては重い車重にも充分な制動力を持つ。サーボアシスト量も適度でコントローラブルだ。ペダルレイアウトもスポーツ走行には理想的で、右足首をちょっと捻るだけでヒールアンドトゥが可能。ブレーキングとシフトダウンが楽しくて仕方がない。アプローチできっちりと車速を落とし、ブレーキを少し残しながらステアリングを切り込むと、ミドシップらしい小気味良い回頭性を示す。ノーマルではどうしてもアンダーステアが出てしまうが、4段階調整の3段目にセットされたGABのダンパーと約30mmローダウンのタナベのスプリング、そしてフロントのストラットタワーバーで締め上げられた足回りはあくまでニュートラル指向だ。早めに向き変えをし、スロットルを開けてやればあくまで自然な舵角を保ったまま立ち上がり体勢に移行する。確かにアップダウンのきついコースではパワー不足は否めない。しかし、峠道は天下の公道だ、絶対的なスピードじゃあなく、いかに楽しく、スポーティに走るかだ。それには常識的な速度域で充分に楽しめるBeatは理想的なスポーツカーじゃないかと思う。早朝の交通量の無い峠道を自分に気持ち良く感じるペースで走る。Beatにもっとも似合ったシチュエーションだ。

トラブルについて

Beatは勿論本田技研製の国産車ですが、まるでちょっと前のラテンの車のようにトラブルが多い車です。ここにその症状と対処方法を書きますが、そんなトラブルごときに負けないほど魅力たっぷりなのが Beatなのです。

1.雨漏り オープンカーの宿命(と言ってもユーノスRSは全然雨漏りなんてしないが)と諦めるしかありません。でもお尻がびしょびしょになるのも、キャビンがかび臭くなるのも嫌だから、ここはハーフカバーと行きましょう。純正オプションは既に入手不可能ですから、私が半年ほど前から毎日使っている優れものを紹介します。

”ラッパーズ” Beat用ハーフカバー   材質、仕上げにより数種類ありますが、ポリエステル100%の一番安い(\8,000)奴で充分です。問合わせ先は (有)アルカディア  TEL045-241-8700  FAX045-241-8701 電話で注文し、銀行振込で送金すれば10日ほどで届きます。前はワイパーアーム、後ろは幌のホックに止めるだけ。30秒もあれば被せられますので、お手軽です。勿論使わない時には狭いBeatのラゲッジスペースに収まりますよ

2.タイミングベルト切れ Beat最悪のトラブルがこれ。デストリビュータあるいはウォーターポンプのベアリングが焼き付いて起こると言われているこのトラブルの対処法は「予防保全」のみ。デスビ、Wポンプ、タイミングベルトを5〜6万km毎に交換しましょう。費用は5万円ちょっとかかります。これを怠ってベルトが切れてしまうと、その4倍以上の費用がかかります。

3.ヒューズ切れによるオーバーヒート Beatのエアコンは急加速などの高負荷時にコンプレッサーへの駆動をカットするためのマグネットクラッチが装備されていますが、これが曲者。このクラッチが焼き付くとヒューズが切れます。そしてなんとそのヒューズはラジエータ前の冷却ファンと共用なんです!クラッチが動かなくてもエアコンが効かなくなるだけなんですが、冷却ファンが動かないと・・・お分かりですよね。オーバーヒート、そして気付くのが遅れるとエンジンの焼き付きです。対策はマグネットクラッチを動作させない事。1.エアコンは使わない。2.雨天時などどうしてもエアコンを作動させなくてはいけない時は5,000rpm以上回さない、そして3.水温計のチェックを怠らないことです。 もし運悪くヒューズか切れてしまってもオーバーヒート前に気付いたら、スペアヒューズに交換して、エアコンを使わなければ大丈夫。そのまま整備工場へ!

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