BMW R80(1988)

上質なロングツーリング用フラットツイン

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  BMWモーターサイクルと言えば「フラットツイン/シャフトドライブ」。今でこそK1200RSやR1100Sなど先進的なモーターサイクルを生産しているBMWですが、1980年代まではやはりトラディショナルなバイク造りが主流でした。私も一般的なバイク好きのご多聞に洩れず「いつかはハーレーかBMW」と思っていましたから、経済的に少し余裕が出て、外車に乗ってもおかしくない30代半ばに走行800kmという新車同様のR80を購入しました。

  この1988年型R80は、OHVボクサーツインとしては最終型となるもので、リアサスが片持ちです。最高出力は50psと控えめですが、硬質でかつ上質なエンジンの回り方をします。ただし、1960年代のRシリーズのような静かさを求めてはいけません。両シリンダーヘッドからは盛大なメカノイズが発生し、排気音もなかなか勇ましいものです。BMW純正のシステムヘルメットは首の回りを厚いパッドで優しく包み込むようになっていますが、これは盛大なメカノイズをシャットアウトするために設計されたものかな?と勘ぐったりしました(^O^)。スロットルやクラッチなどの操作系も国産車に比較するとガタが小さく、工作精度の高さをうかがわせます。丁度同年式の四輪車BMW318iにも乗っていますが、やはりウィンカーレバーやパーキングブレーキの操作感が実にしっかりしています。この操作系のカtッチリ感は国産車には望めないものなんでしょうか?

  さて、R80で走り出してみるとすぐに感じるのがそのまろやかかつ硬質な鼓動感です。いかにもビッグツインと言うフィーリングで、60-80km/hの速度域で長時間走り続けるにには最適です。コーナリングも右と左でやや癖が違う(縦置きクランクのための現象です)こと以外は素直なハンドリングで、その気になればエンジンガードから火花を散らす事も可能です。純正オプションのパニアバッグも大きな積載量を持ち、2、3泊のツーリングなら余裕です。ただし、ハンドルバーよりシリンダーヘッド、シリンダーヘッドよりパニアバッグの方が幅が広いので、車の脇のすり抜けには気を使います。

  フロントのダブルディスク(オプション)は何の変哲もない対向ピストン1ポッドなんですが、効き、タッチとも最高です。サスペンションも及第点。ただ、大きな弱点があるんです。それはフレーム、特にステアリングヘッド回りの弱さなんです。100km/hを超える速度域でのコーナリングでは前輪の落ち着きがなくなり、峠の下りのコーナー入り口でのブレーキングではステアリングが左右に振れ、コーナリングを楽しむどころではありません。せめてF650並みのフレーム剛性があればなあ・・・。ロングツーリングに行く時間もなく、使い方は毎週の「峠行き」ではR80も可哀相です。名古屋の交番に勤務する巡査部長さんに引き取られていきました・・・。

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