Triumph T140E(1979)

憧れの British Big Twin

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  10代の頃からの憧れだったトライアンフ、30歳にしてようやく手に入れました。トライアンフは別体ミッションの650ccに限ると言う声もあります。たしかに750ccユニット(ミッション一体型)エンジンは低速トルクはあるものの、650ccのように高回転でのスムースさはありませんが、80年〜90年にまともなビッグツインスポーツバイクが存在しなかった国産車に対し、まさに大排気量バーティカルパラレルツインの素晴らしさを味わせてくれました。センタースタンドを立てたままアイドリングを続けていると何時の間にかバイクがあらぬ方向を向いていると言う現象に、往年の荒々しさの片鱗をうかがわせます。

  エンジンが好調な時は、まさに乗っているだけで「楽しい」スポーツバイクです。ツーリング時に後ろを走っている人から「気持ち良さそうに走っていますね」と何度となく言われました。走りそのものは現代のバイクにかなうべくはなく、ブレーキは効かないし、バンク角も不足です。ただし緩い登りのコーナー立ち上がりで4速フルスロットルと言うシチュエーションでは、全身を震わせながらふくよかな中速トルクで200kgの車体を強力に加速させていくフィーリングに、まさにエクスタシーを覚えます。天竜川のフリーマーケットで手に入れたマフラーは確かに音量も大きいですが、実にまろやかなサウンドを奏でてくれました。

  このT140Eには2年半ほど乗りましたが、その間クラッチワイヤー切断、ウィンカーリレー故障などのマイナートラブルに始まり、ヘッドガスケット吹き抜け、ガソリンコック折損(いきなりガソリンがじゃあじゃあ太ももの上に降り注ぎました)、そして1次減速チェーンがクランクケースと干渉という様々なトラブルを生じ、その都度ヘインズのサービスマニュアルとにらめっこしながら自力で修理しました。1年のうち半分は乗って楽しみ、半分はいじって楽しみというパターンでしたが、乗りたい時にすぐ乗れないと言うにはフラストレーションが溜まります。気に入っている時は「あばたもエクボ」ですが、そうでない時は「あばたはやはりあばた」でしかないのです。その後BMW R80を買った事もあり、手放してしまいました。信頼性さえ高ければ、トライアンフのエンジンフィーリングはまさに私の一番の好みなのですが・・・。

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