H-D Sportster XLH883(2000)

やっぱりこれが本物のツイン



  過去何度となく罹患した「883欲しい病」、2000年モデルでフロントブレーキが対向4ポッドになったのと、「自分の名前が刻まれたプレートがHD本社敷地内にタイムカプセルの中身として埋められる」というミレニアムプレゼントに背中を押されて(ミーハー!)ついにハーレーオーナーになってしまいました。契約してから納車まで約2ヶ月間、その長かったこと・・・。

スタイリング:余計なものは何もついていないシンプルさ、それがSportster。メーターはスピードのみ(慣らしは2,500rpm以下ってどうやってやるの?)、シートはシングル(購入時にオプションでピリオンシートとシッシーバー着けたけど、無い方が全然格好良い)。しかし、クロームメッキの厚さとバフ掛けされたアルミパーツ類の鈍い輝き(ステアリングのトリプルツリーなんて工芸品だよ)は国産車とは比較になりません。おや?フロントフォークのアウターチューブの仕上げはイマイチだなあ・・・。ありゃショー○製なのね。一番絵になる角度は右後ろからのショットかな、左側はマフラーが無いからちょっと寂しいけど、Vツインのシリンダーはこちらの方が良く見えます。

ライディングポジション:ノーマルハンドルでは私の体格(164cm純日本人的体型)で軽い前傾姿勢、ステップの位置も前過ぎず自然なもの。長時間ライディングでもっとも疲れない類のポジションです。883Hugger用のハンドルバー(バックホーンと呼ばれる)も新車時に購入し、1000km走行時に交換しましたが、上体が直立になり、「腰に来るかな?」と思いきや、これも長距離OKです。ニーグリップは右はエアクリーナーカバーが丁度良いのですが、左は出来ません。おまけにこの左側、ステップ直後のクランクケースカバーが膨らんでいてヒールに当たり足の位置が落ち着かない。もう慣れちゃったけど。クラッチの重さも納車当日に120kmばかり走ったらもう「クラッチ握るの嫌だぁ!」状態だったけど、遊びを多めにしてやったのと慣れたのとで、1ヶ月後には苦痛にならなくなりました(渋滞は辛いけど)。その後社外品の「ストロークはそのままにクラッチが軽くなる!」というデバイスを組み込みました。これで渋滞もOK、でもストロークはしっかり大きくなりました。
現在はハンドルバーをノーマルに戻し、シートは「ノーマルのシングルシート」「バッドランダーカスタム(=フレームに沿った形のスタイリッシュなダブルシート、でもタンデムライダーには不評)」と「ピロールックシート(=厚くて格好悪いけど、タンデムツーリングするならこれしかない)」の三種類を使い分けています。交換はたった5分でできちゃうので、お手軽です。一番似合うのはやっぱりシングルシートかな・・・。ということで上の写真はシングルシートです。

  エンジン:883の魅力は何と言ってもこのエンジン。OHV 45度 Vツインが発生するまろやかな、芯の強いパワー、そしてふくよかなトルク。適切なレシオを持つ5速ミッションがさらにこのエンジン特性を気持ちの良いものにしています。アイドリングでフロントフォークやバックミラーを激しく揺さぶる振動も角の取れたまろやかなもので、気持ち良さを増幅させます。四輪車の後ろをついてゆっくり走る時でもイライラせずにエンジンの鼓動を楽しんでいられます。一番気持ち良いのは発進から90km/hくらいまで守備範囲の広いギアで息の長い加速をする時とワインディングの中速コーナーでの立ち上がりかな。決してうるさくはないけどしっかり自分にも聞こえてくるエキゾーストノートの存在も気持ち良さの大きなファクターです。ヤマハの650ツイン、トライアンフ、BMW Rと代表的なツインにこれまで乗ってきたけど、やはりバイクのエンジンはツインに限る!!!

  コーナリング:そりゃあ国産スポーツバイクに勝負は出来ません、でも弱アンダーの素直なハンドリングですよ。特にバックホーンバーに替えたら、まさに後輪荷重の安定したコーナリングが出来るようになりました。「ハーレーはリアブレーキ重視」というのは本当ですが、2000年モデルからのブレーキは指2本で結構フロントフォークを沈めることが出来るので(納車直後の一発目のブレーキは全く効かずにビビりましたが200kmも走ったら当たりがついた)そんなに違和感は感じません。硬く、かつストロークの短い前後サスはコーナリング中にギャップがあるとバイクをアウト側に飛ばしてくれますが、もともと高いコーナリングスピードが出せるわけではないので、これも楽しさの範疇でしょう。左コーナーはステップが接地、右はマフラーが擦りそうなので、あまり寝かせません。

メンテナンス性:まだまだ何とも言えませんが、600km走行時にタンデムシート取付けボルトが振動で飛んでいきました。定期的な増し締めは必須でしょう。また、所々にトルクスネジが使われているのですが、付属工具(車載工具とは言わない)との合いが悪くなめそうで恐い。かといってインチネジなので気軽に他のビスと交換できないしね。まあ、永年乗るつもりだからボチボチやろうっと。5月に往復600km強のツーリングをしました。雨中走行もしましたが当然ノントラブルでしたよ。ただしパーツは高い!ハンドルロックをしたまま走り出し、左側にコケてクラッチレバー、シフトペダル、シフトフォークを壊したところ、修理代68,000円!うち部品代43,000円です。シフトペダルが12,000円もするんだもん(-_-;)。この時にハンドルバーをバックホーンに交換したのですが、しばらくしてからまたノーマルに戻しました。スポーツスターはやっぱり低めのハンドルが似合うかな。

トラブルその1 バッテリ周り:2001年の夏の暑い日、伊良湖に向かう田舎道をきもちよく走っていると、いきなりスピードメーターの針が0に、その直後エンジンが止まりました。ショップに電話して色々聞きながらバッテリ回りをいじってみましたが駄目。仕方ないのでショップのトラックで運んでもらうことになりました。待つこと一時間半、楽しいはずのツーリングが、ショップの社長とトラックでドライブになっちゃいました(-_-;)。 トラブルの原因はバッテリ本体。どうやら振動で内部が破損した模様。新車から1年半、まだ7,000kmですよ。ハーレーのバッテリは耐震性だから、国産のバッテリを付けるとすぐ壊れるよって聞いたけど、純正だって駄目じゃん。クレーム期間も過ぎているため、バッテリ代22,000円、出張引き取り代12,000円、その他で40,000円の出費。今度のバッテリはいつまで持つのだろうか???

(2005/5/3追記)
 オドメーターが15,000kmを越えた頃から、路面のギャップで時折ミスファイアするようになりました。原因はスポーツスター特有と言われるバッテリーの+端子とセルモータにある車体側端子を結ぶケーブルの断線。セルモータ側の圧着端子のところで何十本もの銅線がブチッと切れていました。ギャップを越える時にここが離れてミスファイヤ、ということはしばらくの間切れた銅線同士の接触だけで走ってたってこと!?
 大体ケーブルそのものが硬すぎるし、リジッドマウントのエンジンの振動に耐えられないんでしょうね。いつ切れるかわからない純正ケーブル(3,500円もする!)に交換するのも芸がないので、近所のホームセンターで見つけた四輪車用のアーシングケーブルに換装しました。柔軟性があるし、ブルーのアウターチューブが格好いいし、なんせ1,980円で長/短2本ずつ入ってる!短いのを一本使用し、もう一本をスペアとしてツーリング時に持って行けば完璧です。
 このケーブル交換も骨が折れました。セルモーター側の端子がとんでもない所に付いていて、工具や指がなかなか届かない。何とか工具が届いたかと思えば、スパナのサイズがどれ使ってもしっくり来ない。結局二面幅12mmだって・・・。セルモーター、日本製なんだろうな・・・。

トラブルその2 ロッカーカバーガスケット破れ:2002年10月に行った「男8人だけの激走二泊三日ツーリング(三日で転倒者3名^^)」の途中でフロント側シリンダーとロッカーカバーとの間からオイルが洩れているのを発見。まぁ大した漏れではなかったのでそのまま帰ってきましたが、翌年2月にガスケットを交換しました。どこのガスケットかわからなかったので、ワンセット買ったら6,000円くらいになっちゃったけど、結局使ったのは1,700円の一枚だけ。そう、その一枚なのですが、パーツリストではツーピース、実物はワンピース。どうやらこのトラブルが多いのでガスケットの材質を2001年モデル頃から変更したとのこと。2000年式まではなんと紙!それがメタルに変わっていました。
 このガスケットを交換するには4本のトルクスネジ、四本の六角穴付きボルト、三つの六角ナットそして四本の六角ボルトを緩めて三段に重なったロッカーカバーを外せばいいのですが、これがまた最悪の整備性。六角レンチをグラインダーで短くカットしなきゃ入らなかったり、カバーをフレームとシリンダーの間から抜き出すのがほとんど知恵の輪状態だったり・・・。しっかり張り付いた紙ガスケットを剥がすのにも一苦労。そうそう、びっくりしたのはロッカーアームシャフトを固定しているナットが簡単に緩んでしまったこと。絶対に初期緩みだと思われます。と言うことはリアシリンダー側はどうなのよ・・・。当然心配になったので、リア側も同じように苦労してボルトを緩めたり知恵の輪を外したり。案の定ナットは緩んでいました。外回りのボルトは増し締めできても、こんなとこ出来ませんよねぇ。エンジン内部のほかのボルトって大丈夫なの?って不安になりました。結局三時間くらいかかりました。まぁ、ショップに出せば三万円くらいかかるだろうから、時給一万円ってことで・・・(笑)
 当然リアシリンダーのガスケットも破れました。18,000kmの時です。このときも約二時間半の作業、失敗したのはインレット側のプッシュロッドを上下逆に入れてしまったこと。結局何の問題もないようですが、しっかりマニュアルを熟読して作業しなきゃいけませんね・・・。

車検:多分生まれて始めて新車で買ったバイクを車検を通すことになりました。走行9,000km、当然ユーザー車検。マフラーをノーマルに戻し、ダブルシートを取付けて陸運局へ。光軸で一回落ちちゃったけど、適当に手で直したら合格。出費は29,365円。やっぱ、車検は自分でやるに限る!

  乗っている時は実に気持ち良く、疲れない883ですが、走り終わって家に着くと全身に心地良い疲労感が急に襲ってきて、良く眠れるんですよ。水泳のような全身運動をした後と同じ感覚なんです。スポーツスターの名の意味はここにあるのかな?

883の魅力のほとんどを占めるエンジン特性。これに飽きてしまったら乗れないでしょうね。購入よりすでに二年半がたちました。まだまだ全然飽きていません。さあ、宣言通り5年は乗れるかな?(2005年5月現在、購入から5年半が経ちました。まだ全然飽きてませんよ♪)

 2005/5現在の仕様です。リアホイールを1200C用のスロッテッドディスクホイール(これでチューブレスタイヤが履けました)、シートはMIKI CLAFT製のシンプルなダブルシート。エキゾーストパイプは連結管無しで、右側からもV-TWINエンジンが綺麗に見えるようになりました。サイレンサーはノーマルのままです。

HOME     My Motorcycles