栗代・大間川

大間川へは渓流を始めた頃からせっせと通った。最初は寸又温泉から観光客が行き来する大間ダムへの林道をヘンテコリンな姿をした釣り師として、観光客の白い目を浴びながら大間林道から取水堰堤や黒松沢の堰堤より上流の広河原を目指し遡行した。またその後は中川根から南赤石林道を経由し山犬段へ、そこから広河原へ降りたり、林道を歩きバラ谷出合いへ降り釣り歩いた。栗代川への釣行は大分後になってから、なぜか栗代については釣り師や雑誌からの情報が乏しく、最初のきっかけはお連れが単独で柚葉沢への山道経由で上流へ入った事を連絡してきたため、この話を聞き二人での釣行が実現してからである。釣行して見てえらい驚いた。谷の深さ、淵の大きさ、滝や通らずのスケ−ル、今まで通っていた渓流は何だったのか、それ以後栗代詣は現在に至っている。魚も大物がおり私の記録の37cmはここでの釣果、剥製にして居間に飾っている。どの渓も川底までの山道の昇り降りが長く閉口させられる。ボ−ズに限りなく近い釣果の時は泣けて来るのである。もう二度と釣りには来ないぞと思うが、時間経過と共に足がこちら方面に向いて来る。懲りない釣り師たちである。

栗代川にて

栗代は一番下流の栗代橋から入ったり、副水槽への降り口から、取水堰堤への降り口から、柚葉沢への降り口からと何処からも入渓した。どの領域にも魚は生息し上流に行き次第イワナが混じって来る。概ねホオジロ沢出合いの上までがアマゴ、それ以遠がイワナである。いずれにしても上流に行くに従い高巻きやへっつりがあり遡行は厳しい。一度ホオジロ沢から帰路を林道林道経由で帰った時等、道は崩れてるはトラロ−プの懸垂下降はやらされるはでエライ思いをした事を覚えている。今年も懲りずに入渓したが、以前より車止めが林道の崩壊により近くなったため林道歩きが長くなり、渓に降りればすぐに大ブ−ルが現れ朝の5時頃から水泳大会をやる始末、釣果はそれに似合ったものではない。苦労の割りに報われずである。栗代行きには相応の体力と根性が必要である。それを承知で釣行されたい方は頑張って下さい。危険と大物の2大特典が付いてますよ。

ジャジャ〜ン 栗代37cmのアマゴ
中流のポイント「鶴の天の滝」、出水により浅くなったり深くなったりを繰り返す。大物は止まっていると思うが一向にお便りなしの音信不通である。
栗代最大の悪場「竜神の瀬戸」、私はここまでで釣り終了、これを越える危険を犯してまでもイワナを釣ろうとは思わないから。

大間川の記録

大間は好きな渓流で下流から上流まで単独で、或いはお連れさんたちと泊まりや日帰りで幾度となく通ったものである。上西出と下西出の出会いの小屋を利用したり、テント持参で適当な場所で泊まって釣行を重ねた。魚は濃く、平川ながらちょっとしたぶっつけのポイントや岩の影に潜んでおり、極端な大物は釣れなかったが良型が満足のいく位釣れたので幾度となく通ったのだと思う。夕闇迫る河原で焚き火を囲み焼けた魚でお連れと交わす一杯(この場合の一杯は多量の意)は何とも言えず、渓流釣りをやって良かったと実感するひと時である。でも調子こいて飲むと朝が辛いのである。いつもその失敗の繰り返しなのだ。学習能力なし。

往年のテント「ミニエスパ−ス」、良く働いてくれました。感謝感謝。今も十分現役で働いています。
上西出と下西出の出会い、ここの左岸に小屋があり利用させてもらった。今も健在だろうか、心ない釣り師に壊されてしまったのかも知れない。
黒松沢の堰堤下を釣るお連れ、大物が居そうなのに全然釣れない。釣りは甘くないね。
ある日の釣果、幅広の良型が数釣れた。今も健在と思うけど、釣れるかどうかは釣り師の腕にもよりますから。残念 !!
これもある日の釣果、ここの魚は幅広だから好き、だから大間に通ちゃうんだな。
大間林道の途中で見る高い吊り橋、逆河内の夢想吊り橋とどちらが高いのかな。
テン場にて魚を焼く。ここで一杯やっていると不審な二人組が下流からやって来る。どうやら夜網を打ちに来たらしい。そのうちの一人が「うまそうだな、冷たいのが欲しいよ」とほざいていた。無法野郎め、「ボウズでエライ思いして山道を帰れ」と心の中で祈った私であった。
大間上西出中流の通らず「鍛冶屋の段」、右岸の壁をへっつり通過して行く。
大間上西出支流のバラ谷の渓相、ここも下流はアマゴ、上流にはイワナが生息する。
山犬段から林道を歩いてバラ谷の出合いにテントを張り泊まったのに、夜半からのシトシト雨、朝起きればご覧の有り様、チクショ−、折角苦労して歩いて来たのに。
山犬段から望む南アルプス深南部、黒法師岳やバラ谷山。秋の紅葉時期には良い景色。
連れたアマゴを塩焼きで、酔っ払いはその時のアマゴの味の記憶なし。弱ったもんで今もその醜態は変化なし、年は取っても成長なし。
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