平成12年12月議会 代表質問全容

私は、正風クラブ代表として、代表質問を行います。
11月24日に行われました、市長の決算概要説明に基づき数項目について質問します。
21世紀をあと31日で迎えようとしています。

今、厳しい経済状況のもとで、さまざまな面で社会のあり方が大きく変わろうとしています。
こうした中で、本市が自然・温泉・海・山の魅力を一層高め、内外の人々から愛され世界に誇れる街として、市民の皆様と共に、積極的に挑戦していかなければならないところであります。
 
 鈴木市長は、バブル経済の崩壊後間もない、平成6年7月に市政を担当されることなり、今日まで大変厳しい状況の中でも休むことなく、市民の催す会場には出向き、市民の声を聞いております。
そのご努力には、敬意のほかはありませんが、しかし今、11年度決算の認定にあったっては、単年度収支額9284万円の赤字となっており、現状は誠に厳しく、これを乗り越え、21世紀の13年度につなげるには、まずは、11年度決算の検証をしっかりすることからが肝要であると考えます。
以下通告に従い質問します。明快なご答弁を期待するものであります。
 
一つ目は、平成11年度決算から、財政構造の弾力性を確保することが喫緊の課題であることから伺います。
長引く景気の低迷と数次の市民税減税等の影響を受け、歳入では、その根幹となる市税収入が伸び悩んでいます。

市税収入の決算額は、平成9年度は、159億6206万4千円でたが、平成10年度は、別荘概念の変更により、2億4300万円を超える固定資産税、都市計画税の減収と、市民減税などの影響を受けて、10億3349万3千円の大幅な減収となりました。11年度も146億2117万7千円で前年比97.9%となっています。

 歳出では、義務的な経費である人件費、扶助費をはじめとする経常的経費が、連続的に増加し、財政構造の弾力性を計る経常収支比率は、11年度は89.8%に悪化するなど財政構造の硬直化が進行しています。
建設費の投資的経費は、大規模事業の集中していた平成6年は市庁舎の建設を含め142億5586万5千円で構成比は、45.2%を占めていました。
 
 平成10年度は、47億5106万9千円で、さらに11年度は、38億9867万円、15.3%となり大幅に減少しています。また、市の貯金ともいわれる財政調整基金が、平成4年度末では55奥9850万2千円あったものが、平成5年から取り崩し、平成11年度末は、1億3259万2千円とほとんどなくなってしまいました。

さらに下水道特別会計をはじめとする、9特別会計に一般会計からの繰り出しが増えています。
10年度の繰り出し金、総額は22億5123万円で、一般会計歳出決算額の9.2%で、11年度は国民健康保険事業へ11億2200万円繰り出したのを最高に、総額で27億718万7千円と一般会計の歳出決算額の10.6%にまで増加しています。

 このような財政状況の中で、多様化する市民ニーズを的確に捉えた施策の展開、また少子・高齢社会の進展、地方分権の推進に伴う新たな行政需要や社会情勢の変動等に柔軟に対応できる財政構造の弾力性を確保することが喫緊の課題であることから以下4点についてお伺いします。

1点目の質問は、経常収支比率を下げる施策はどのように考えているのかお伺いします。
経常収支比率は、従来から都市部にあっては、80%を越える場合は、財政構造の弾力性が失われつつあるといわれており、70から80%の範囲が望ましいと考えられています。

11年度決算では、この範囲を約10ポイントも上回っています。自主財源の確保が厳しくなり、増加する経常経費の中で、経常経費比率を下げる施策について伺います。
 
2点目は、収入未済額の改善策についてお伺いします。平成11年度の収入未済額は、32億3882万円で前年度に比べ、1億5463万6千円で5%増加しています。
収納率は、景気の状況が大きな要因で、収納率が低下しつつあるのは、背景には景気が悪いということがあります。
そうはいっても、収納率が低いということは、税の負担の公平という点から問題があり、収納率の向上には、工夫をし、職員の意識改革を含め、更なる努力をしていかなければならないと思いますので、収入未済額の改善の取り組みについてお伺いします。

また、11年度から新たに臨時徴収員を配置し、徴収業務にあたらせましたが、この1年でこの成果はどういう風に現れたのか数字で表せたらお示しください。またあらたにこういう取り組みをしているというのがありましたらまずお伺いします

さらに、11月19日に地元新聞に特別滞納整理に関する投書が掲載されていました。この内容は、費用対効果のこと、
滞納になる前の現年度分を繰り越さない法、さらには職員に効果的仕事をしてほしいの3点だと思います。私も確認したいので質問します。

まず特別滞納整理の費用対効果ですが、私は税の負担の公平という点から、ことを重く受け止めれば、費用対効果は考えずに徴収業務はすべきと思います。 しかし、そうはいってもやはり数字が気になります。どのくらいの費用で、どの程度の成果があったのか数字で示せたらお願いします。

現年分を繰り越させない、毎年度の徴収方法についてお伺いします。
11年度の市民税を見ますと、1億3200万円が現年度分の収入未済額です。滞納繰越額は、特別滞納整理で徴収してきても、現年度の滞納があるから額は減ってこないのです。
現年度分を未済にしないことを主眼とする工夫はどのようにしているのかお伺いします。
 
 三点目の質問として、財源確保として未利用地の売却促進と利活用の取り組みはどのように進めていくのか伺います。

財政健全化を進める上で大切なことは、今後の税財源の充実と安定性の確保、いわゆる歳入構造改革であります。
歳出抑制の工夫だけでは、本質的な解決策にはならず、財政健全化を進める上で、安定財源の確保を真剣に検討すべきと考え、臨時的に財源を確保するため、未利用地の売却促進を進めるべきと思います。
 
地価はここ数年連続して下落するなど、地価の低迷が続き、資産価値が著しく低下し、土地取得の困難性が低下して
いるなど、土地の取得、処分をめぐる環境が著しく変化しています。

このことは、土地の希少性を前提とし、将来の行政需要に備え、財産を適正に保有・管理するという従来の財産管理の考え方を抜本的に修正し、活用可能な土地は積極的に売却に取り組むべきと思います。

さらには、利用・活用することについても提案します。これまで、市における財産の管理制度は、財産を当初の取得目的
を前提に、管理することを主眼としており、資産を広く利用・活用していくという視点があまりみられないことから、これからは、財産を経営資源の重要な一要素としてとらえるとともに、市民の「共有財産」として、市民サイドに立った資産の活用を進める必要があると思います。
 
 本市の現状は、平成12年9月30日現在、行政財産が合計で、158万8438.04平方メートル、普通財産は640万3510.46平方メートルあります。普通財産の中には、富戸字栗の木平 1万4.927平方メートル、吉田字地久保9021平方メートルと
1万4.909平方メートルをはじめとし、道路拡幅等で生じた狭小地も数多くあります。 

 また、行政財産では、松原の都市計画道路代替用地・湯川の緑地帯用地・白石マリンタウン用地・早急に活用しなければならない、伊東駅前改造用地などがあります。民間でこれだけ多くの土地は課税対象ですので、所有しきれないでしょう。

市の所有になると、公租公課がかからないなど、財産を保有するコストを普段意識することが極めて少ないと思います。また、利活用を進めるには、財政課が管理する普通財産だけでなく、各課所管の行政財産も有効に活用しなければならない訳ですので、全庁的に取り組んでいく仕組みを構築していく必要があります。未利用地の売却促進と、利活用の促進をどのように考えているかお伺いします。
 
 4点目は、本市財政が危機的状況にあることから、「財政専門家会議」を発足する考えはないのか伺います。
 11年度決算の数値から、経常的な経費の節減合理化や事業の見直しに積極的に取り組んでいるにもかかわらず、経常的に支出する経費の増加に市税等の収入の伸びが追いつかず本市財政が危機的な状況にあります。深刻な財政不足の続く中、高い人件費や扶助費などから現行の市民サービスの自然増に伴う所要の財源を捻出するだけでも大変になってきています。
 
経常収支比率の悪化は全国的な傾向で、静岡県や各市でも財政構造改革への積極的な取り組みが行われています。本市においても必要な市民サービスを低下・後退させないために、この危機的な財政状況から一刻も早く脱し、財政構造の弾力性を取り戻さなければなりません。

 このため私は、「財政改革専門家会議」を発足させ専門的な視点や市民的の感覚などから、財政運営の基本方針
に沿い、歳入の確保と歳出の削減の両面から経常収支の改善を進める討議をすることが必要ではないかと考えますが、市長はこのことについてどのように考えているのか伺います。
 
 2つ目に花咲く伊東整備事業についてお伺いします。
今、国内では、曲がり角にきているイベントと対象的に花をテーマにしたイベントが軒並み人気を博しています。
大規模イベントのようにマンネリ化・財政難・新企画不足という担当者の悩みはありません。花イベントは画期的な目新しさはありませんが、費用は比較的かからない上、花の素朴さに引かれ、親子連れ客が中心になり、花イベントは成功しています。

これは社会の高齢化が進み、厳しい経済状況と暗いニュースの続く中で、想像以上に人々は安らぎを求めているのではないでしょうか。

本市も、花を使ったキャッチフレーズ「花と海といでゆの街」で誘客に取り組んでいます。花咲く整備事業は、11度1239万4千円の事業費で、花壇を四季の花で飾り、伊東温泉のイメージアップに努めたと報告がありました。
  
 この事業費は、平成9年度1630万円あったものが、11年度は、391万円の減となっています。当然のように宇佐美から伊東に向かう、国道沿いの中央分離帯をはじめ、歩道沿いとシンボル柱・海岸沿いの花壇は植栽の回数が減ったためか、今の時期、花の見えるのは、シンボル柱と海岸沿いの花壇のみで、中央分離帯は雑草がおい茂っている状態です。
我が会派では、数回にわたり花いっぱい運動の取り組みについて再考していかなければと、質問しております。
花で誘客がはかれるのにもかかわらず、予算は大きく減額になっています。
 
 市政報告には、花壇を四季の花で飾ったと書いてありますがとても感じられませんがいかがでしょうか。花いっぱい運動には、地域の方々が共に力を合わせ自分たちの住む地域を、潤いのある町にしていくことだと思います。

本市でも、花の応援団の協力があり、市が購入した花の苗をみんなで植付け、水をやり、維持管理しておりますが、この、1月23日に地域住民と、花の応援団など企業も参加してフラワーポットの花を植え替えたと報道がありました。
 
 しかし、今一つ広がりがない。この理由としては、市民が観光地としての考え方が希薄なことと、行政はやらせようとするあせりがあるのではと感じます。
市民に浸透しにくい花いっぱい運動をどう考えているのかも伺います。

花咲く事業でもう1つ申しあげますと、長野県の小布施町では、民家の庭園を登録して一般の人に開放する「オープンガーデンを始めたら、ガーデニングニング人気を背景に庭園散策を目的とした、観光客が現われはじめたことから町が主導で、現在の38個所から花にちなんで87個所に増やしていきたいことや、20年前から花を町づくりのテーマに取り入れ、花づくりコンクールで内閣総理大臣賞を獲得した報道がありました。
 
 伊東市でも最近オープンガーデンのことが新聞に掲載されていました。、伊豆高原芸術の森散歩マップでも片隅に紹介がありました。どんな様子か一碧湖近くのガーデンを訪れ、お話をお伺いしますと、掲載後このガーデンには30人位が訪れ、多くの人に見てもらう楽しみが加わり、花づくりによけいに張り切るようになったと言っておりました。

私は、このオープンガーデンを観光の一つに位置付け、行政が参画した取り組みを提案しますがいかがでしょうか。

今、花で町おこしが盛んです。今から始めても遅いかも知れませんが、市民も一生懸命花作りに取り組んでいます。秋田県人会では、桜の里と松川湖にしだれ桜14本を植えたことや、 宇佐美では、宇佐美に花を植えよう会が巣雲山に今年あじさいや桜を植え年に数回下刈もしています。花咲く伊東整備事業についての再考を促すものです。

次に情報通信体系の充実について伺う。
国では、IT戦略本部の設置が平成12年7月7日閣議決定され、11月27日は第6回の会議が開かれ、国へ答申されました。 その内容は、すべての国民が、情報技術を積極的に活用する等、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指しています。

また、今日11時から全国一律にBSデジタル放送が開始されるなど、情報通信分野はめまぐるしく変わって
きています。本市は行政情報推進計画に基づき進めて降ります。ホームページは市政50周年事業で作成しました。

 しかし、情報通信技術は進むのが早く、本市の取り組みが遅れる恐れがあることから、私は数回にわたり質問してきましたが、今回は国の具体的な取り組みが示されてきたもので、本市の国の補助事業として新たなIT 関連事業の創設を考え取り組むことも可能なことから、本市の情報通信の充実を含め再度お伺いします。

インターネットの活用は、外部に開かれたホームページの作成と、組織内部の情報の共有化と、交換並びに業務の効率化を図る、イントラネット構築にあると考えます。

 国では、各市町村に格差が見られていることを、指摘しております。全国平均の庁内LANの整備率51.8%パソコンの整備率は3.4人に1台となっています。本市のパソコンは全部で57台です。速度が極めて速い中で、現在の本市の遅れが、将来、とり返しのつかない、競争力格差を生み出すことにつながることを、市長は認識する必要があると思います。

4つ目は、平成11年度決算にみる委託費と、市長在任中の未活用と思われる委託費の取り扱いはどのように考えているのか伺います。

平成11年度事業の伊東駅前広場改造事業費795万4千について伺います。
 伊東駅前整備については、平成6年・7年で改造計画業務委託が行われ、2年合わせて715万8500円費やしております。その他、周辺地区再整備計画作成業務委託と基本計画作成業務委託合わせて1234万6千円費やしました。

 その後、新たに伊東駅を含めた改造計画になり、11年度・12年度でたたき台となる、駅周辺地区再整備計画を委託しました。では6年・7年度で費やしたものはなんだったのでしょうか。

こういう改造計画は、たたき台の図面だと言われますが、地元や、議会で合意が得られず、頓挫する恐れがある
事業は、高い設計を委託する前に担当の手書き図面で同意してから委託をすることができないのでしょうか。
 
 先進地を視察に行き、事業計画の進め方で地元の合意のフローを伺うと、最近は地元の要望を先に聞いて
計画しないと頓挫するので、先に意見を聞いてから設計委託する事業が多くなってきています。
11年度事業の設計が果たして議会と、地元と合意ができるか心配せずにはいられません。 6年・7年の改造計画業務委託は生かされたのか伺います。

他には、平成8年・9年の農村集落整備構想策定委託料合計600万円は、11年度に事業の意向調査をしたところ、地元の合意が得られず実現できなかったと伺ってますが、この委託費についてはどうなのか。
さらに、市制50周年事業の目玉として掲げた、少年自然の家事業も、小室山周辺の住民から反対運動され、
計画が中断されました。

 この事業に今まで費やした金額は、8604万円です。今後の少年の家計画はどのように考えるかお伺いします。

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