平成14年度決算概要説明書

鈴木市長が説明をした。

 平成14年度の一般会計及び特別会計決算の認定をいただくに当たり、各会計の執行の概要を申し上げ、
御理解を得たいと存じます。
〔 総  括 〕
 平成14年度の予算は、市税等の自主財源の大幅な減少が続く中で、地方分権の推進につれ、市民に身近
な行政サービスを提供する量と役割が増すことから、医療や保健福祉を始め、市内経済活性化に向けた景気
対策や都市基盤の整備等を重点施策
として、財源の積極的な配分を行ったものでございます。

 我が国経済は、穏やかな景気回復過程をたどったものの、その足取りは弱く、景気回復局面は短期間にとど
まりました。このため、政府は構造改革を加速するために「改革なくして成長なし」との基本的な考えのもと、
「改革先行プログラム」を決定し、経済・財政、行政、社会など各般にわたる構造改革を推進しました。

また、平成14年度の国の予算は、財政構造改革の第一歩として、「国債発行額30兆円以下」との目標のもと、
歳出構造を抜本的に見直す「改革断行予算」と位置づけられ、いわゆる「5兆円を削減する一方で重点分野に
2兆円を再配分する」という理念を踏まえつつ、

予算配分を大胆にシフトすることによって経済構造の転換を促進することを基本的な考えのもとに編成され、
一般会計予算の規模は、対前年度で1. 7%減少させ81兆2,300億円となりました。

 このような状況を背景として、本市の平成14年度一般会計当初予算は、長引く景気低迷や予想以上の税収の落ち込み、更には競輪事業の不振等により、自主財源の確保に苦慮する厳しい財政運営を余儀なくされる中で
の編成をいたしたものであります。

 このため、経常的経費節減の徹底を通して自主財源の効果的な活用を図るものとし、重点事業への財源配分に心掛けるものといたしました。

 その結果、予算規模は、対前年度でマイナス4.2%の213億7千万円と平成7年度予算以来、6年連続の対前年度マイナス予算に歯止めをかけた前年度予算を再び割り込むものとなりました。

 政策的事業では、第三次総合計画に定める将来像「住みたい 訪れたい 自然豊かな やすらぎのまち 
伊東」の実現に向け、健康保養地づくりを施策の柱に据えて積極的に進めるものとし、乳幼児等を
対象とした予防接種事業や高齢者を対象としたインフルエンザ予防接種事業、中高年層を対象とした基本健康
診査事業、介護予防と健康維持を目的としたシニアプラザ施設管理運営事業など、地域医療、福祉施策の充実
を図ったものであります。

 また、池・里山のウォーキングコース沿いや「大平の森」におけるトイレの建設と「奥野の小径」整備、同報無線
・地域防災無線施設の整備等の防災対策の充実、白石マリンタウン計画のマリーナ関連施設の整備、城ヶ崎
吊橋改修事業等の観光資源の充実、中部横断道路宇佐美工区、和泉橋改修、下田旧道線の交差点改良等
の道路新設改良事業、伊東駅前通りの電線類地中化事業、宇佐美駅西口駐輪場整備事業等の都市基盤整備、
鎌田幼稚園園舎改築事業、国民体育大会に向けてリハーサル大会の開催などを重点施策として推進したものでございます。

 その後、介護予防拠点施設整備事業費、医療施設建設計画用地買収費、生活保護扶助費、焼却灰溶融固
化処理委託料、都市計画道路用地買収費、山田住宅実施設計委託料、退職手当等の補正を行い、最終予算
現額は228億2, 934万円
としたものであります。

 執行に当たりましては、経常的経費の節減や事務事業の合理化を図りながら、厳しい財政事情のもとで、限
られた貴重な財源の有効活用に意を注ぎ、でき得る限り市民要望に応える努力をいたしたつもりでございます。
 以上、平成14年度の予算編成から決算を通しての背景と所感の一端を申し上げました。

 引き続き、決算の内容について説明いたします。
 一般会計における歳入決算額は、223億8,241万1千円で、前年度を3.6%下回り、歳出決算額は、執行
率97.5%として222億6,066万円となり、前年度を3. 8%下回るものとなりました。

 歳入歳出差引額は、1億2,175万1千円となり、中部横断道路改良事業、都市計画道路宇佐美中央通線
改良事業及び山田住宅建設事業の繰越明許費により、翌年度へ繰り越すべき財源4,880万円を差し引いた
実質収支額は、7,295万1千円となり、これから前年度の実質収支額を差し引いた単年度収支額は、
2,992万2千円の黒字となっております。

 歳入決算では、「自主財源」の根幹をなす市税が、長引く景気低迷の影響による市民税の減少、長期にわた
る地価の下落の影響を受けた土地評価額の落ち込みによる固定資産税及び都市計画税の減少などにより
対前年度で2. 8%の減少となるとともに、土地売払収入の減少による財産収入及び少子化対策基金からの
繰入金の減少により自主財源は、4.6%の減少となりました。

 「依存財源」は、生活保護費等に対する国庫支出金、地方交付税が増加したものの、市債、県支出金が減少
したため、対前年度比1.5%の減少となりました。

 歳出決算の性質別構成比につきましては、「経常的経費」において、人件費が1. 3ポイント下回る31.5%
なり、扶助費は、生活保護扶助費の増加により1.4ポイント上回る12.7%、公債費は、0.7ポイント上回る
10.0%となった結果、義務的経費は前年度を0. 8ポイント上回る54. 2%となり、物件費、維持補修費、
補助費等を加えた経常的経費全体では前年度を2. 6ポイント上回る75.2%となりました。

 「投資的経費」の普通建設事業のうち補助事業費は、継続事業として宇佐美漁港海岸環境整備事業や玖須
美元和田地内基盤整備促進事業を実施しましたが、事業の完了による南中学校屋内運動場増築工事費などの減少により、対前年度では35. 3%の大幅な減少となりました。

 また、単独事業費も、医療施設建設計画用地買収費等の増加はありましたが、八幡野保育園建設事業
生涯学習センター荻会館建設事業などの事業完了により対前年度で26. 0%の大幅な減少となりました。

 その結果、普通建設事業費全体では、前年度比26. 3%の減となり、歳出構成比では10. 7%とその比率を
3. 3ポイント下げるものとなりました。

 「その他の経費」のうち、繰出金は、国民健康保険事業特別会計等への繰出金が減少したものの、介護保険
事業・下水道事業特別会計等への繰出金が増加したため、構成比は前年度に比べ0. 6ポイント増の11. 6%となりました。

 また、積立金は、財政調整基金、福祉基金への積立金が増加しましたが、環境施設等整備基金への積立金
が減少したことにより、前年度と同じ率の0. 2 %、貸付金は、ペイオフ対策として小口資金融資制度を貸付原
資預託方式から利子補給方式に変更したことにより1.0ポイント減少し、0. 8%の構成比となりました。

 以上が、一般会計の歳入歳出決算の概要でありますが、続いて、基本計画の柱に沿い、諸施策の執行状況
について説明申し上げます。

 〔諸施策の概要〕

 最初に、「活力あるまちづくり」に係る事業でございます。
 健康保養地づくり事業につきましては、豊富な温泉や自然環境を通して、市民や観光客の心身の健康回復を
図る健康保養ツアーやウォーキング大会を実施するとともに、市民向けには、温泉プールを利用した腰痛予防
教室や生活習慣病予防教室などを開催し、健康回復都市宣言を踏まえたまちづくりに取り組みました。

観光関係につきましては、社会経済環境の大きな変動や観光客ニーズの多様化に対応できる今後の本市の
観光のあり方を探り、魅力ある観光地としていくために、市民による伊東みらい観光塾や観光基本計画市民懇
話会を設置し、本市の観光の現状把握と分析を行い観光振興の目標を定める観光基本計画の策定に着手
いたしました。

 中心市街地の核としての役割を果たしている観光・文化施設「東海館」につきましては、伊東マリンタウンとの
相乗効果がより一層図られるよう観光PRの連携にも努めてまいりました。

 また、行政と民間が一体となり、中心市街地や南部地区などの活性化を目的とした伊東温泉湯めまつり事業
や季節の観光イベント事業、伊豆高原フェスタや伊東温泉めちゃくちゃ市などのイベントを展開し、通年型観光地
としての本市を内外に情報発信し、新たな誘客や市内経済の活性化を図りました。

 観光施設整備につきましては、前年度に引き続き、伊豆高原駅から城ヶ崎自然研究路へのアクセス道である
対島川沿いに安全柵を設置し、小室山つばき園ではユニバーサルデザインに配慮した園路舗装を実施するなど
、来遊客の安全と利便性の確保に努めました。

 また、田園風景が広がる池地区山神社近くに地元の協力を得て観光トイレを建設し、来遊客の利便の向上を図りました。

 白石マリンタウン計画につきましては、公共マリーナの防波堤築造工事に対して所要の負担を行うとともに、ボートヤードや上下架施設の整備を進めました。また、伊東マリンタウンは、国土交通省の道の駅に登録され、本市及び伊豆の情報発信基地としての役割を果たしております。

 観光会館特別会計につきましては、首都圏を中心に、労働組合、各種団体、旅行業者等を訪問し、全国大会・
会議等の誘致に努めるとともに、ホール空調用ボイラーの改修工事を実施するなど、施設の環境整備を進めま
した。

 この結果、一般会計からの繰入金4,370万円とその他の事業収入を合わせ、歳入を6,662万8千円とし、
歳出は6,645万1千円で決算いたしました。

 農業関係につきましては、地域農業の振興を図るとともに、休耕地を利用したれんげ祭りを開催し、市民と農家の交流を図りました。

 また、農業近代化資金の利用者に対し利子補給を行い、農業経営の安定と振興を図りました。
 農道の整備につきましては、伊東開拓道路支線ほか1路線の農道改良舗装を実施するとともに、県営事業に
対し所要の負担を行い、農業の基盤整備に努めました。

 林業関係につきましては、松くい虫防除対策を実施するとともに、林道奥野線改良舗装事業や健康回復公園
大平の森に観光トイレを建設するなど、観光と一体となった林業の振興に努めました。

 水産業につきましては、アオリイカ産卵場造成、ヒラメ・アワビ種苗放流等の事業への補助や県漁業振興基金
が実施するマダイ放流事業への負担を行い、つくり育てる漁業の振興に努めました。

 漁港の整備につきましては、宇佐美漁港海岸環境整備事業を継続して実施し、護岸の整備により海岸の美化
・保全を図りました。

 商工関係につきましては、中小企業者への小口資金融資制度をこれまでの貸付原資預託方式から利子補給
方式に変更するとともに、信用保証料の補給を実施いたしました。また、中小企業経済変動対策特別資金、災害
対策資金及び経営安定資金における制度融資の利用者に対しても利子補給を実施いたしました。

 さらに、中小企業の振興や商工団体の育成を図るため、商店街共同施設設置事業や地場産品の一層の利用
創出を図る伊東逸品創作フェアの開催、e−ビジネス創業事業に対して支援をいたしました。

 特に、経費の一部を助成する住宅リフォーム振興事業を通じ、地元建築関連業者の振興を図り、小規模事業
経営支援事業では、郊外型量販店対策として、事業者が連携し組織を強化するための支援をいたしました。

 労働関係につきましては、高年齢者の就業相談、技能、技術の習得講習会や余暇活動の場として伊東市シル
バーワークプラザを活用するとともに、高齢者労働能力活用事業への助成を行い、生きがいと就労意欲の高揚に
努めました。

 また、勤労者対策として、静岡県労働金庫への貸付原資を通じて、市内勤労者の持ち家促進や教育費の負
担の軽減を図るとともに、地元建設関連業者への波及効果も期待し、勤労者が在来軸組木造住宅を建築する
資金の貸付を行いました。さらには、企業のリストラ等による離職者や転職者等を対象にした再就職を支援する
ためのパソコン講座を実施いたしました。

 次に、「快適なまちづくり」に係る事業でございます。
 市道の整備につきましては、安全で快適な生活環境の整備を図るため、城ヶ崎線を始め十足道線、伊豆高原
・東拓線等について改良整備を実施いたしました。また、中部横断道路宇佐美工区及び泉・城星線和泉橋改修
につきましては、継続事業として早期完成を目指し事業の推進を図っております。

 交通安全施設等整備事業におきましても、歩道の整備や道路標識の設置などを実施し、歩行者の安全確保
と通行車両の円滑化に努めました。

 国道135号につきましては、県により富戸地内で歩道の整備、吉田地内で交通安全対策として歩道と右折
レーンの整備が進められ、県道整備は、中大見八幡野線、池東松原線、伊東川奈八幡野線等の整備が継続
して施工され、所要の負担をいたしました。

 河川の整備につきましては、松尾川、八幡野川、川奈小室地区排水路等の改良工事を施工したほか、対島
川や市内各地にある水路の修繕工事を行いました。

 港湾整備事業につきましては、県施工の伊東港の観光桟橋改良工事等に所要の負担を行うとともに、伊東港
・伊東港海岸環境整備研究会の報告書に基づく伊東港と海岸の再整備について、国の次期港湾整備計画に
採択されるよう要望活動を展開してまいりました。

 都市計画街路事業につきましては、宇佐美中央通線内にある仲川の桜田橋架け替え工事を施工するととも
に用地の取得を進め、宇佐美八幡中里線につきましても、用地の取得に努めました。

 景観整備事業につきましては、伊東駅周辺整備計画の策定を進めるとともに、伊東駅前通りの電線類地中化
については、いでゆ橋から竹町方面にかけて工事を実施いたしました。

 ごみ処理関係につきましては、生ごみ処理容器等購入費に対する助成、びん・カンの分別収集、ペットボトル
などの店頭回収を実施し、ごみの排出抑制と再資源化の促進を図りました。

 また、ごみフェスティバルの開催及び市民、各団体の協力を得てクリーン作戦を実施するなど、市民への啓発
活動を通し、まちの美化、生活環境の保全に努めました。

 さらに、環境基本条例に基づき、環境を守り育てていくための環境基本計画を策定するとともに、市民のごみに
対する意識改革、ごみの分別の徹底及び再資源化を促進するため、可燃ごみ袋指定制度の導入についての準
備を進めました。


 下水道事業特別会計につきましては、歳入を30億175万1千円、歳出を29億8,985万2千円で決算し、
汚泥焼却棟修景整備、場内整備や最初沈殿池汚泥掻寄機の改築工事、さらには、支線管きょ布設工事を実施
し、利用区域や整備区域の拡大に努めるとともに、管きょ及びポンプ場、処理場施設の改修を実施いたしました。
 これにより、整備面積は422.12ヘクタール、整備率は75.0%となりました。

 また、荻・十足特定環境保全公共下水道につきましては、処理場の実施設計と土木・建築工事や汚水幹線布
設工事等を実施いたしました。

 土地取得特別会計につきましては、鎌田幼稚園隣接用地、介護予防拠点施設建設用地及び都市計画道路
宇佐美八幡中里線代替地の土地売払収入や一般会計からの繰入金などにより、歳入を2億808万5千円とし、
歳出は地方債償還金や土地開発基金への繰出金などで2億804万1千円の決算といたしました。

 続きまして、「安心して暮らせるまちづくり」に係る事業でございます。
 保健衛生につきましては、健やかな母子の育成支援のため乳幼児等家庭訪問指導及び各種健康診査や健
康教育等を実施いたしました。

 また、成人・老人保健事業としては、検診事業に肝炎ウイルス検診やマンモグラフィー検査を新たに加え、内容
の充実を図りました。

 地域医療対策事業につきましては、伊豆東海岸地域の基幹的医療施設の設置を目指し、医療施設建設計画
用地を取得
するとともに病院事業会計への繰出しを通し、市立伊東市民病院の円滑な運営を図りました。

 高齢者福祉施策につきましては、高齢者が要介護状態に陥ることを予防するため、介護予防拠点施設として
3施設目となるシニアプラザくすみを建設するなど高齢者福祉の充実に努めました。

 児童福祉対策といたしましては、増大する保育需要や多様化する要望に応えるため、市立八幡野保育園及び
伊豆栄光荻保育園の開設や児童定員の弾力化により定員を82人上回る847人の園児を措置いたしました。
 また、児童扶養手当に係る支給事務につきましては、県から市へ
権限移譲されました。
 さらに、今日、社会問題化しております児童虐待につきましては、児童虐待防止会議を開催し、関係団体等と
も連携して、その発生防止に努めました。

 障害者福祉施策につきましては、平成15年度からの支援費制度実施に向けて、その準備作業を進めたほか、
県から権限移譲された精神保健等の業務についても、各種サービスの円滑な移行を図りました。

 また、社会的な状況を要因として増加傾向にある生活保護者につきましては、適正な保護と自立の促進に努め
ました。

 国民健康保険事業特別会計につきましては、税率等の改正を行った国民健康保険税、国庫支出金、一般会計
からの繰入金などにより歳入を70億8,913万4千円とし、歳出は、保険給付費が診療報酬の支払年度区分の
変更により11か月分の支払いとなったため40億1,669万8千円と減少いたしましたが、一方で老人保健拠出
金が22億427万8千円と大幅に増加したため、全体として前年度比2.2%増の69億9,084万9千円で決算
いたしました。

 なお、歳入歳出差引額9,828万5千円の剰余金のうち、国庫支出金返還金の財源として、2万5千円を繰越
し、9,826万円を保険給付等支払準備基金に積立てました。

 老人保健特別会計につきましては、歳出を医療費の増加により前年度に比べ1.6%増の70億359万1千円
で決算し、支払基金交付金、国、県支出金及び一般会計繰入金をもって対処いたしましたが、歳入に5,536万
4千円の不足を生じたため、翌年度の歳入から繰上充用を行い、対応いたしました。

 介護保険事業特別会計につきましては、保険料、支払基金交付金、一般会計からの繰入金などにより、歳入
決算額を29億2,521万8千円とし、歳出は、保険給付費が対前年度比17.2%増の24億8,928万5千円
となったことなどにより、28億5,740万8千円で決算いたしました。

 防災対策につきましては、災害時の情報の収集・伝達体制強化のため、災害対策室映像システム等の改良
や同報無線屋外受信機の増設を行い、自主防災組織に防災用資機材の配付をするとともに、防災訓練や講演
会、防災フェア等を開催するなど、防災意識の高揚を図りました。

 消防関係につきましては、耐震性貯水槽の建設や分団のホース乾燥塔の改修など消防防災施設の整備を進
めるとともに、静岡県消防防災航空隊に職員1人を派遣し、大規模災害時等の支援対策を習得するとともに、
本市の防災対応の強化を図りました。

また、救急業務は、救急救命士の養成を継続したほか、機器の充実や救急救命講習の開催など、救急業務の
高度化に努めました。

 交通安全対策につきましては、関係機関・団体と連携して、四季の交通安全運動、街頭指導などを実施し、
交通安全についての啓発と、交通事故の削減に努めました。

 交通災害共済事業特別会計につきましては、共済加入率は26.0%となり、会費収入1,044万8千円に対し、
共済見舞金は105件で817万円を支出いたしました。これらにより歳入は1,274万6千円、歳出は850万2千
円で決算いたしました。

 霊園事業特別会計につきましては、2か年継続事業で芝生墓所280区画と中央広場及び植栽等の工事を
完成させ、255区画の使用が決定したことにより歳入は、1億6,434万6千円、歳出は、1億6,213万6千円
で決算いたしました。

 続きまして、「学び豊かなまちづくり」に係る事業でございます。

 幼稚園教育につきましては、保護者の要望等に応え、竹の台幼稚園で新たに3歳児保育を開始いたしました。

 学校教育関係につきましては、学校週5日制や小・中学校の新学習指導要領が完全実施となるなか、基礎
学力の充実と、心豊かでたくましく生きる子どもたちの育成に努めました。

 また、小学校低学年の多人数学級などに対し、臨時の指導補助員を配置し、きめ細かな指導と安全対策を図
りました。

 教育施設の整備につきましては、川奈小学校給食施設の改修、富戸・旭小学校及び対島中学校のトイレ改修、
鎌田幼稚園園舎の改築、川奈及び宇佐美幼稚園宮川分園の門扉設置工事や宇佐美小・中学校及び幼稚園の
下水道接続工事を実施し、教育施設の整備・改善に努めました。

 生涯学習関係につきましては、男女共同参画社会の実現を目指し、講演会等を開催するなど「男女共同参画
 あすを奏でるハーモニープラン」の推進に努めました。

 青少年教育につきましては、子どものミュージカル入門講座「キッズミュージック」を実施したほか、「中学生の
翼」で韓国へ、「小学生の船」で伊豆大島への体験学習を実施し、青少年健全育成の一助といたしました。

 文化振興につきましては、市内文化財の保護及び文化講演会の開催などにより、文化普及活動の充実と市民
文化の向上に努めてまいりました。また、市史編さん事業は、市制施行60周年となる平成19年の刊行を目途
に進めております。

 スポーツの振興につきましては、オレンジビーチマラソン大会に、バルセロナオリンピック出場の経験を持つ
山下佐知子選手を招待して開催したほか、雇用・能力開発機構から譲渡を受けた市民体育センターなどの社会
育施設や市内公立学校の屋内・屋外運動場を開放して、市民スポーツの振興に努めました。
 
 第58回国民体育大会「NEW!!わかふじ国体」につきましては、平成15年度開催に向けて、リハーサル大会
として第87回静岡県都市対抗ゴルフ選手権大会と第55回全日本フェンシング選手権大会を開催し、両競技の
競技会運営能力の強化を図るとともに、国体開催に向けて市民の関心を高め、広くスポーツの振興を図りました。

 最後に「まちづくりを進めるため」の事業でございます。
国際交流事業につきましては、イギリス・メドウェイ市との間で続けられている高校生交換プログラムを実施する
とともに、国際交流をより深めるためオリーブオイルの石臼を設置した広場でリエティフェアを開催いたしました。

 市町村合併につきましては、「市町村合併について考える」をテーマにした移動市長室や各種団体との懇談会
を開催し、情報提供に努めるとともに、市民の意見を聴取し、市町村合併のメリット・デメリットや将来の方向性に
ついて検討いたしました。これらの結果を踏まえ、「市町村合併を将来に向け実施すべき重要施策として捉え、
その体制を整えていくものとする」とした市長方針を平成15年3月に公表いたしました。

 市民参画のまちづくりにつきましては、基本的な考え方や役割分担、具体的な取組など、まちづくりや市政へ
の市民参画を推進する方針・施策を明らかにし、市民と行政双方が共有する指針となる「伊東市市民参画の
まちづくり推進計画」を策定いたしました。

 情報化の推進につきましては、地域及び行政の情報化を図るために、
パソコン専用の情報系LANを設置し、市政情報システムによる市民への情報提供、例規システム及び会議録
システムによる庁内行政情報の共有化を進めてまいりました。また、市民向けのIT基礎技能サポートセンター
の設置及び62講座のIT講習会を開催いたしました。 住民基本台帳ネットワークにつきましては、これまでの
準備期間を経て、市民にコード番号を通知し、システムの第1次サービスを開始いたしました。

 競輪事業につきましては、通常競輪に加え特別競輪等の場外開設により収益の向上に努めたものの、記念
競輪を除く11開催すべてで収益を欠く結果となりました。その結果、歳入に1億1,115万3千円の不足が生じ
たため、翌年度の歳入から繰上充用を行い、対応いたしました。

 今後は、競輪事業の再構築を図り、より一層の経費の見直しに努めるとともに、収益の向上に努め、経営回復
に向けて積極的に取り組んでまいります。

 以上、平成14年度の一般会計及び各特別会計の決算の概要について申し上げました。
 地方財政は、我が国経済の厳しい状況を反映して、地方税収等が低迷する一方で、数次の景気対策による
公共事業の追加や減税の実施等による地方債の発行により借入金残高が急増しており、今後、その元利償還
金が財政を圧迫する要因となることなどから、構造的に見て、極めて厳しい状況にあります。

さらに、政府は地方への税源移譲と補助金削減、地方交付税の見直しを同時に実現しようという「三位一体の
税財政改革」を進めていくこととしており、地方にとって財源の確保は一段と厳しさを増すものと思われます。

 このような状況の中で、市民福祉の向上と市内経済の活性化を図り、多様化・高度化する市民要望に的確に
応えるため、行政評価制度の効果的な運用を図るとともに行財政改革大綱に沿って、行財政運営の簡素化、
経常的経費の節減、職員の定員管理・給与の更なる適正化、高度情報化の推進、広域行政の推進など、でき
得る方策を着実に実施し、財政の健全化に努めてまいる所存であります。

 本市を取り巻く経済環境は、一向に回復の兆しが見えず、歳入の根幹をなす市税収入は、低下の一途をたど
り、これまで頼りとしてきた財政調整基金等からの繰入金も期待できず、非常事態ともいえる厳しい財政状況

中にあって、市民の皆様や議員各位からの貴重な御意見、御指導をいただきながら、これを支えとして行財政の運営を進めることができましたことに、心より感謝申し上げます。

 また、本決算の意義を真摯に受け止め、第三次総合計画の将来像である「住みたい 訪れたい 自然豊かな
 やすらぎのまち 伊東」の実現に向け、議会の力はもとより、市民の参画を得ながら最善の努力をしてまいりた
いと存じます。

 本決算につきましては、何とぞ御認定くださいますよう、お願い申し上げ、決算の説明を終わらせていただきま
す。

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