平成8年9月定例会一般質問

 無会派ですので、今議会も最後の質問となりました。十四人目で疲れ気味とは思いますが、最後ですので、市長の明快なご答弁をお願いいたします。
 
一点目としまして、震災につよいまちづくりについてお伺いします。
 阪神・淡路大震災では、死者6300人を超え、負傷者4万3000人、建物被害も全半壊21万戸という戦後最大で、災害時の活動について多くの教訓を残すこととなりました。

そこで、一つ目の質問としまして、阪神・淡路大震災の教訓をもとに本市が行った政策について
お伺いします。対策でなく政策ということばをあえてつかわせていただきましたが、それは、国人の日本批判の一つに日本には対策はあるが政策がないといわれています。何か事が起こると、あわてて対策を打ち出すだけで、予め予想される事態を想定し、予防策を講じることや、被害を最小限にとどめるための政策がなかなか打てないと言われております
 
どうか本市におかれましては、消防団長を経験された市長さんでありますので、急きょ協議してできあがる対策でなく、大震災を見据えた政策を立案する計画があるのかどうかお伺いします。

阪神淡路大震災の教訓では初動態勢の遅れをはじめとする、初期の対策から中長期まで広範囲の教訓がありました。

事例につきましては、今更申しあげなくてもご承知のとおりですので割愛しますが、この教訓から、他都市では様々な対策が新聞報道されたり、防災訓練では新たに導入された資器材を用いた訓練している風景がテレビ報道されるなど、行政と市民が一体となって、真剣に取り組んでいる姿勢が、感じられました。

ところが、本市の防災訓練をみたとき、阪神淡路大震災以前の訓練に、終始している様に感じられるのは、私ばかりでしょうか。マンネリ化した訓練でも、体で覚えることが必要なことは理解できますが、何か不安を禁じ得ないのであります。

 地震予知にいたしましても、地震予知連委員の談話として、以前は、東海地震は予知できると言っておりましたが、最近では予知は非常にむずかしいと見解が変わってきています。

なぜかといいますと、地震予知はまず前兆現象があること、次に観測体制の充実、さらに判定がくだされる資料がそろうこと。この三つの条件がそろわなければ予知として公表できませんが、現段階では、観測体制の不備を始めとして、判定を下すには非常に難しい状況にあることから、予知はまず不可能という見解が示されております。

 さらに相模湾に面した東海岸の、,津波による被害が予想される、神奈川県西部地震、これは全く予知出来なく、突発型の地震との見解が示されております。

過去を逆上りますと、歴史にのこる神奈川県西部地震は小田原地震と合わせ5回発生しております。過去五回の地震は平均73年周期でくりかえされ発生しております。

一番最近発生した、関東大震災からすでに73年が経過していることから、その発生が危惧されております。

阪神淡路大震災後の平成7年3月議会では多くの先輩議員が地域防災計画の見直しなどについていろいろ質問し、その都度市長さんが答弁されておりますが、一年半以上たった現在、阪神淡路大震災を教訓をもとに本市が行ったた政策はどのようなものかお伺いします。
                 
二つ目は、被災地情報ネットワークの構築、について、お伺いします。
阪神淡路大震災では、情報について、多くの、教訓を残しております。住民が知りたいのは、まず、「家族を始めとする安否の情報でした」が、一方では、反省点として、情報が重複しないことや、行政の立場の、情報を収集しても、被害を受けた人に的確に、情報が流れない。

また、情報を集めても、行政が処理できなかったことが、挙げられております。
そして、これらの不備に対応する手段として、活字によるものには限界があるため、コンピューターを活用した、情報の的確な整備と素早い処理能力が、必要不可欠と言われております。
  
以上のことから私は、この情報ネットワークの構築を提案するのです。
このシステムは、現在の小・中学校で整備が進んでいるパソコンを活用し、避難所と災害対本部との間で避難所データのやりとりを行い、迅速で、円滑な避難所運営ができるシステムとなっています。
 
どういうことが可能かといいますと、一つには、避難者の状況を入力することにより、安否情報が、各避難所からいつでも、取り出せるので、家族の安否を気ずかう方々に対して、必要な情報を、提供することができ、混乱を回避できます。また、50音順による検索により瞬時にとりだせます。

二つには避難所の情報を入力することで、刻刻と変化する人数管理などができるし、本部で、その避難所の、情報の把握も可能となります。さらに、避難所からの必要物資の要求や、避難所における職員の登録や、行政からのインホメーションを発信することができます。

 また、この様子をデジタルカメラを使うことで、避難所の状況や、被害の状況がリアルタイムで本部で取り出せ、救助活動や、支援体制の指揮がより円滑になるでしょう。

さらに、インターネットに接続することになりますと、非被災地では被災地の情報を容易に入手できますし、支援活動の迅速化や、救援物資の搬送が円滑に進めることも、可能となります。
 
 このシステムを構築することにより、いくつもの問題点が、解消されるばかりか行政にとっても非常に大きなメリットとして生かされると思いますので、被災地情報ネットワークの構築についてどのように考えているのかお伺いいたします。
  
二点目の質問としまして、本市の木造密集住宅地であります、猪戸一丁目と、湯川二丁目・三丁目、及び、芝町周辺は災害危険が高いが、この地区を、市街地再開発事業に取り組む考えがないかお伺いします。

国では、災害時の危険度が高い、木造密集市街地での、住宅の建て替えを促す法律を、平成9年度に、制定します。この法律では、老朽化した、木造住宅の、密集度合いや、道路・公園の整備状況など、市街地の防災指針を作成し、その上で、防災診断を実施し、危険地区を、重点整備地域として公表、重点地区では、区画整理、再開発、市街地整備事業を行い、安全で、安心した町を、実現していこうというものです。
 
しかし、この法律は、大都市が対象で、本市は該当しません。小さな町は危険がないかというとそんなはずはないわけです。
住宅は一棟ごとが単位で、その家庭にとっては、自分の家が安全ならよいわけですが、密集地で、自分の家だけ燃えなくするといっても、それは不可能でしょう。

行政がその街区を、あるいはその地区を整備する計画をたて、火災あるいは災害に強い、安心して生活できる、まちづくりを推進する必要があります。
 
本市では、昭和63年に、松原火災が、ありました。この火災では、第一現場21棟、第二現場、25棟合計四六棟がり災しております。この火災での反省点は、街区火災で特に、木造密集地では、消火は極めて困難であり、このような街区が市内に多くあるため整備研究する必要があります。

さらに、平成五年六月、芝町では木造密集地の街区内火災で、あったため、消火活動の進入路が狭く、9棟がり災しております。幸い、当時は風速が2メートルでしたので最小限に、食い止められたとものと思います

また、この区域では、現在の法律ですと、道路が狭く、家を建て替えるための、許可がおりないところもあると、聞いております。

これらの地区では、最開発を望む方々と、このままでもよいと、いう人がおり、問題点があるものと思います。この新法は、住民、自らが住んでいる地域の、災害に対する危険性の認識を深め、住民主体の、防災まちづくり活動の、気運を高めるのが目的となっています。

再開発は、住民の理解が先ず必要です。いま住んでいるところが、危険という判断がなければ、住民も協力してもらえないでしょう。この制定される法律は、地震防災対策強化地域では、木造密集住宅地の、災害危険度調査を行う場合には、補助制度が創設され、本市は該当になります。

この制度を使い、密集地の危険度を調査したなかで、危険ならばその地区に見合った再開発あるいは再整備も考えられますし、危険でなければ住民も安心して暮らるではないでしょうか。
 制定される法律を機会に、このような災害危険地域の、再開発についてお伺いします。

三つ目の質問としまして、まちづくりのため職員の人材育成についてお伺いします。
今議会でも、まちづくりに関連する質問14人中、11人もあります。今、全国どこの地域に行っても、まちづくりや、地域おこしの話が、一つや二つ、出て来ないところはないと思います。

一口にまちづくりと言っても、その内容は広汎多岐にわたります。一つには、地域の産業を振興し、経済的な豊かさを求めるもの。
二つには、社会環境を整備し、住みよい地域をつくる運動であり、三つには、いわゆる、イベントの開催であって、賑わいや楽しさが、主眼となったもので、このイベントが、現在のまちづくり活動の、主流を占めているいるとも、言えます

四つには、他地域や、他分野との交流を促進し、相互のふれあいを深める運動があげられます。町づくりは今、花ざかりの感がしますが、これほどのブームでありながら、その、成果となると、必ずしも満足すべき、状態であるとは言えません。

なぜだろうか。まちづくりには、景観の保全や、地域資源の活用、そしてイベントこれらのものは、ハード対策のみですとそれぞれ個別に、単発的に行われ、成功しません。

多様化する、市民ニーズを背景に、これからのまちづくりに望まれるもの、それは、ソフト面の充実であり、それを支える人材の育成が、欠かせない課題であろうと思います

さきほど挙げた、それぞれのタイプの、まちづくり活動を、企画、運営、調整するのが、いわゆる地域リーダーです。事実、地域リーダーの活躍いかんによって、まちづくりの成否は、決定されています。

地域リーダーとは、どういう人であるのかといいますと、まず、自らの地域に、深い、愛情を抱き、卓越した創造性や、豊かな、アイデアが欠かせません。
 
ご承知のように、現在まちづくりは、熾烈な競争関係に、まきこまれており、個性を活かし、他地域との差異を、際立たせることが必要であります。

そのためには、情報に強くなければなりません。さらに、旺盛な行動力の持ち主で、協調性も不可欠の要件となるでしょう。

これらの要件をそなえるリーダーたちが、グループをつくって、緊密に連携していく、態勢を築くことが望まれます。
本市では、町づくりには、市民アンケートもとり、市民総参加で取り組んでおり、当然民間主導の運動を、推進すべきと、考えております。

しかし、民間主導だからといって、行政側は、傍観者で、あってよいということではないはずです。
 それどころか、現状を見るかぎり、市職員の構成は、地域内では、最も、充実しており、断トツに強力であり、さらに、市の施設は市内に数多く、使用の方法を含め、個人情報など、膨大情報を集積しています。

つまり、町づくりの基本的要素というべき人、金、物情報を、支配しうる点において、市、職員に優る組織は、地域内に存在しないのではないでしょうか。

中田議員も、今議会で箸まつりを取上げ質問しております。私も、市の取組として、金を出せばよいという、ハード面の対策としか写りません。みしこや万灯に、参加している中に市の職員がみられました。また、いろいろなところで、参加活躍しています。この人達も自分が参加しているイベントや活動は大きく成功させたいと思っているはずです。

どういうふうにリーダーとなって意見を反映し、そして取り組んでいくのかがみえない。また反映するセクションもない。地域に愛情をもった、そして、豊かなアイデアをもった職員は何人かおります。

この職員を育てるとともに、意見を反映する場をつくり官民一体となってグループをつくり、連携していく体制を築き、未来に向けた明るいまちづくりを、えがこうではありませんか

わたしは、市職員がどう行動するかが、まちづくりのあり方を決定づけると思うのです。
職員の研修状況とあわせ、まちづくりのため、職員の人材の育成について、市長は、どのように考えているのか、お伺いし、壇上からの質問を終わります。

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