平成9年6月定例会一般質問

 只今から今議会最後の質問をいたします。
今議会中11人の質問の中で、私を含め、8人が本市のまちの活性化や、誘客について質問しています。
私も同じように、 質問しますが、今の観光伊東は病気で言えば慢性の風邪から、肺炎を起こしている状態です。ここでカンフル剤を打たなければ危篤にもなるでしょう。

 市政50周年でもあり、観光都市伊東が、市長のカンフル剤で生き返るようなご答弁をお願いします。

まず初めに、まちづくりについてお伺いします。
一口に町づくりといっても、その内容は広汎多岐にわたります。平成8年9月議会でも質問しましたが、今議会では、社会環境を整備し、住み良い環境を造る方向から質問します。

国では21世紀に向けて、日本の国土を、美しい庭園の島にしていこうと宣言し、新たな国土計画を組み立てています。
 
戦後半世紀、日本経済や、私たちの所得は先進諸国の水準を超えるまで豊かになりました。しかし、豊かになるほど、日本全体は、その美しさを失い、乱雑になり、また汚くなりました。

国土がきたなくなってしまったのは、国や大企業だけの責任ではなく、国民一人一人、そして市町村も一緒になって乱開発に協力し、許したことに原因があるということで今回、国土計画は、人と自然そして市町村をその主体に位置づけようとしています。
 
 本来、用途地域の指定のない区域は、大規模リゾートマンションの建築は、想定をしていなかったところですが、昭和60年代に入りますと、リゾート法を契機にリゾート開発の波が押し寄せて来て、無秩序な開発が行われれ、日照障害、電波障害、景観破壊といった、自然環境データの悪化をもたらせました。

このようなことから、平成4年6月に建築基準法が改正され、これに基づき、本市では用途地域以外の地域を、もっと、快適で住みやすくなるような環境にしていくために、県の指導で、建築制限を見直そうとしています
 
現在の環境を守り、より快適で、住み易い居住環境をつくっていくために、見直しは必要となってくることは、理解しているところですが、本市のように天城連山の裾合いにあり、平坦地は少なく、特に旧来の漁村集落地内の、留田・新井・川奈、富戸、八幡野地区は、住宅が密集して建てられています。
 
 そこで、1点目の質問は、今回の建築制限の見直しでは、用途地域の、指定のない区域は、すべて同じ規制でありますが、その地区の、特性に見合った規制に、することはできないか、お伺いします。

川奈、富戸、八幡野地区の、旧来の、漁村集落地では、町の形態が、他の用途地域の指定のない区域と、全く違うのに、白地地区全体で、同じ規制は、はたして  地域にふさわしい指定か、疑問が残るところです。

新規制内容は、建ぺい率60%、容積率が200%、日影制限が適用されます。この制限ですと、これらの地区では、不適格建築物が生まれる可能性があるのではないでしょうか、また、将来、この場所に新築するとなると、建ぺい率の関係から、支障が生ずる恐れがあるのではないかと、思われます。

住み易い居住環境をつくっていくための、法律ということは理解ができますが、その中でも容積率は、100%、 200%、 300%、400%、を建ぺい率にしても、50、60、70%、を指定することができるとなっています。

したがって、今回の建築制限の見直しでは、用途地域の指定のない区域は、すべて、同じ規制でありますが  線引きをして、その地区の、特性に見合った数値の規制に、することはできないかお伺いします。
 
 第2点目は、用途地域に指定されている、住宅密集地の町づくりと、仮に存在すると、思われる、不適格建築物の取扱はどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

旧来の、漁村集落地区の宇佐美・新井地区は、漁港を中心に集落が形勢され、急峻な地形で、道路幅員は狭く、斜面の小さな敷地に、住宅が密集し、消防車も進入出来ない地区です。

一旦火災が発生したなら、延焼拡大の恐れが大きい地区です。したがって、快適でより住みやすい環境に整備していくということで、43年に、用途地域に指定され、建ぺい率60%、容積率200%となっています。

43年以降、この地区で家を建て替える場合は、新規準の適用で、同じ面積の家は建てられないはずですが、なぜか新しい家が建っているように思えます。考えている町づくりと、現実は違うように感じますので、住宅密集地のまちづくりと、仮に存在すると思われる、不適格建築物の取扱はどのように考えているのかお伺いします。
 
第3点目の質問はまちづくりのため、地域リーダーの育成についてお伺いします。
私は、まちづくりの主役は市民一人一人だと思います。市民が地域社会の、責任あるひとりとして、この伊東の将来像を見て行く時、虫の目で、身近なところを、厳しく点検しより、良きものに造り変えなければならないと思います。

たとえば、コンクリートの川の護岸を、草花の土手に守られた川に復元したり、商店街の無秩序な家並みを、一定の約束で、すっきりと整備するなど、市民が誇りを持って、美しいまちつぐりに、参加する仕事は無数にあります。

したがって、地域づくりの原動力は市当局でなく、そこの住民になります。税金を使って町や村を手直しするには限度があります。
 
いろいろな人々が、その経験と知識、時間と、充分な体力を使って、ボランティアとして、美しいまちづくりを主導することが必要になってきます。
 
 これからは、将来性に富む、若い創造力がまちづくりの重要な要因で、若い層の発言力主導的な行動力を、大切にする環境づくりが重要だと思います。

宇佐美の留田地区では、平成5年に自分達のまちを、より快適に住みやすい町にしていくことを目的に、「留田まちづくり委員会」をつくり、多方面にわたり活動しています。
 
 この委員会では、自分達のまちが、密集した住環境であるので、日照や・通風・騒音・また消防活動を円滑にする、等の防災面からも、改善が必要と、挙げていますが、住民が満足していれば、この路地を上手に使い継承していこうといっています。
 
この委員長は町内会長がなっていますが、若い人がリーダーとなって運営しています。他の地区でも、自分の町をよくしていこうということで、まちづくり市民会議に参加し、真剣に取り組んだ方々がおりますので、やる気になっているときに、育成していくことが必要かと思います。
 まちづくりのため、地域リーダーの育成についてどのように取り組んでいくのかお伺いします。
 
 2つ目は、平成9年以降国際的イベントが県下でおこなわれますが本市はどのように取り組んでいくのかお伺いします。かっての伊豆は、旅館分野などでは、大変な先進国で、全国で伊豆の真似をしたと聞いていますが、最近はそういう状況にないようです。

それは、甘夏、スズムシ宣伝でもいえるように、30年前と変わっていないからではないでしょうか。
市政50周年です。いろいろな発想で、誘客をしようではありませんか。

静岡県内では、国際的イベントが、今年から始まります。今年の伊豆文学フェスティバル、から10年世界女子ソフトボール大会、11年には全国植樹祭、全国野鳥保護の集い12年には新世紀創造祭、全国高校文化祭、13年は都市緑化フェアー、東海道宿駅制度400周年、14年ワールドカップ、15年国民体育大会16年国際園芸博と続くのであります。
 
県内でほぼ10年間にわたる一連イベントはいままでなかったとことでしょう。
しかし、このイベントをみてみますと、各課にまたがっているだけに、担当部課だけ、あるいはその関係者だけの、参加のイベントで終わってしまう感がしますので、本市は、これらのイベントを、一緒にとらえて、本市の各業界や、団体等が行う、イベントも、かなりありますので、これらをすべて拾い出し、県のイベントに、連携させ、市民一体となった、人づくり、町づくり、地域経済の活性化に、つなげていけないものでしょうか。連携することにより静岡県、伊豆、伊東を国内外にアピールする絶好の機会であります
 
平成12年におこなわれます。伊豆新世紀創造祭は、観光伊豆の活性化の、長期的取り組みとして、開催されることは、承知しておりますが、その前の、平成10年には、世界女子ソフトボール大会、11年には全国植樹祭が開催されます。これらをターゲットに、誘客を考えると、今から初めないと、遅いのではないでしょうか。

来年の世界女子ソフトボール大会は、富士宮で行われます。そんなに遠くはないはずです。大会前の練習グランドとして、 かどの球場を温泉のある球場としてPRし、チームを伊東に招致することが、考えられますが、いまその時期にきていると思います。平成11年の全国植樹祭は、西天城で、行われます。ここも近いです。

天皇陛下が、メーン会場で植樹をしますが、これに付随して、行幸をします。また多くの関係者が参加します。
天皇陛下の行程予定は、2泊3日の予定と聞きました。メーン会場近くに宿泊しますが、その前に県内のどかを行幸して、旅館に宿泊、次の日が植樹祭の式典で、終了して宿泊、次の日が県内のどこかを行幸して、お帰りになる計画のようです。

この植樹祭には関係者3千人、招待者3千人、一般6千人、が来る予定で、一般6千人とは、招待客ではないが、決まっている人の数で、純然たる一般は、プラスアルプァーですので、約1万5千人は来ると見込まれています。
  

本市でも、植樹や、町の緑化を図る行事は勿論するでしょうが、植樹祭の行事とは別に西天城で行われる植樹祭をターゲットにしてより、多くの関係者の方々に、伊東温泉に泊まってもらうよう、県等に働き掛ける必要があろうかと思います。天皇の行幸場所を考え、働きかけることもいかがでしょうか。
 
次に、国民体育大会ではフェンシング競技とゴルフが伊東市で開かれます。当然市民と一体となって進めていくことでしょう。さらに、国際園芸博は、浜松市庄内地区を、中心におこなわれますが、静岡県の国立公園は、富士・箱根・伊豆です 外国人はなんといっても、富士山をみるはずです。その足を、富士から伊豆までのばすには、富士から伊豆まで、街道を花で結ぶとかして、小室山やさくらの里につなげることが、できないでしょうか。

そして、伊東温泉の旅館は、玄関から部屋まで花、風呂には花を浮かべ、花の料理を並べる。これをインターネットで発進する。イベントごとに私の提言を申し上げてもきりがありませんので、例はこれくらいにしますが、ほぼ、10年にわたる、県内のイベントに、連携して、県内に訪れるひと達が、伊東に足を伸ばしてみよう。

伊東温泉で試合で疲れたからだを癒して帰ろう。伊東の町はきれいだった。楽しかったと思ってもらう町づくりを、市民とともに取り組み、考えていこうではありませんか。

わたしの提言みたいになりましたが、本年度以降、国際イベントが県下で、行われるが本市の取り組みについて、市長のお考えはいかがかお伺いします。

3つ目は各種災害で発生するがれき・残骸物・土砂等の処分場の確保についてお伺いします。
平成7年に発生した阪神・淡路大震災では、建築物の倒壊等により、大量の災害廃棄物が発生し、処理に困窮したとうかがっております。この災害でのがれきの発生量は2千110万‰で9年分に相当する量と聞いております。この時の処分はポートアイランドの空地を緊急用の仮置場とし、各施設管理者が、設置した簡易焼却場で処分したと伺っています。
 
 本市でも、過去に松原火災の残骸物を白石に仮置きしておりますが、現在の状況だとこの場所には、仮置きは出来ないと思います。本市は東海地震、神奈川西部地震の被害が予想され、がれき等の発生が当然予想されます。がれき処理対策を円滑に進め、復旧・復興の早期展開を図るためには、がれき処理を事前に準備・検討しておく必要があると考えます。
 
現在、地域防災応急計画がまだ発表されていませんが、この中での位置づけはどうなのか、各種災害で発生するがれき・残骸物・土砂等の処分場の確保についてお伺いします。
以上で壇上からの質問を終わります。

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