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フツーの日記/2000年5月版
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05/29(月)-ルート・ファインディング

うわー「また」間違えたM40をJCT25で降りてA304からA1020へ入ってからすぐにB503へ入らなければならなかったのにこれはB36じゃないか大体この道さっきまでBath Roadっていってたのになんで途中で名前が変わるんだよありゃまた変わった・・・とこれは店主@今イギリス、が道(それぞれは道路の番号や名前)を間違えてパニックとなっている所を描写してみたものである。

この土地(5月29日の時点ではイギリス)でどこかに行くのに一応地図を見ながら走っていくんだけど、カー・ナビゲーション・システムの様に常に画面中央の矢印が自分のいる所、なんて見やすい機能はファクスで送られてきた不鮮明な地図には期待できない訳で、だから安全そうな瞬間を狙ってぱっと地図を見ようとするんだけど、そんな事では自分が今、どこを走っているかさえ地図上で認識できない。

特に市街地が最悪で、上記した様に同じ道を通っていても次々と名前が変わるので混乱する。更に一方通行が多かったり右折ができなかったりで、こうなると先方に着けるかどうかは運任せに近くなる。まぁそれでもそこそこ到着しているから、さほど悪い方でもないのだろう(=運)。でもこんな事で幸運を浪費したくないぞ。

では高速道路はどうかというと、気軽にUターン等ができないのと文字どおり高速な為にそれなりに始末が悪い。イギリスの高速道路って、一番速い車線では(合法かどうかは良く分からないんだけど)時速150キロくらいで流れていて、中くらいでも120キロ、一番尾遅い所は100キロを割ってるんだけどこれはトラックだらけで小さなレンタカーで走るのは恐い。勢い120キロ近辺で走りながら地図を見て、なんていう高速道路のどっち側に向かうんだっけと確認する・・・しようとするんだけど、そのスピードで隣の席に置いた地図を凝視していたら、下手すれば違う方向どころかあの世へ向かってしまいかねない。で、こっちだろうえいっ、と大抵反対方向に曲がってる。

余りに間違いまくるものだから神経に来て、間違うと胃が痛み出す様にさえなってしまったタフガイではない店主であった。

で、なんのかんのと言って一回辿り着いてしまうと一応は覚えるから、次からはまぁ迷う事は殆ど無いんだけど(時々2〜3回迷う・・・勘が悪い)、そうすると当初の苦労を忘れて、初めて行こうとする人に道を聞かれた時に「この地図の通りに行けば良いのですよ簡単です」なんて言ってしまう事になる・・・自分がそれで成し遂げられなかったのは思い出さない。

目印の一つも書き込んでおけば親切なのだが、そうしないのは喉元過ぎて熱さを忘れた為であり今では本当にその地図で辿り着けると信じているからであり、決して自分だけが損してなるものか、などという事は考えていないのである・・・ない筈だ。
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05/24(水)-トルコ

どこがと言えない所が更にそのアバウトさを増幅しているフェリーを降りてそう高くない山地を縫う埃っぽい高速道路をマイクロバスに乗って走りながら、意外とあっさり着けたなぁ、なんて思う。ガソリンスタンドがやたらと目に付き、ふと思い付いてそこに作ったかの様な街が向こうの山腹に広がる。屋根は総じて赤茶の煉瓦色で、良く見ればそれぞれ違うんだけど何となく一貫性を感じて「これが、『らしい』って事かな」、なんて考える。あれが「モスク」なんだろうか、尖塔と丸い屋根が常に視界のどこかしらに入ってる様に感じる。

「急で悪いんだが、トルコへ打ち合わせに行ってきて欲しい。」と上司から電話で言われた時「へ?」と思った。国がある事はもちろん知っていたし、こないだの地震では大きな被害が出た事も知っているけど、でも自分がそこに立つ地として認識した事はなかった。「はい、わかりました」と言った後、インターネットに繋いで取り急ぎビザの申請が必要かどうかだけは確認する・・・日本人は短い、収入を得ない滞在なら要らないとの事。とりあえず入国はできそうだ。

一緒に行く得意先の人と合流し、ロンドン・ヒースロー空港から飛ぶ事4時間、着いたイスタンブールはなかなかに暑い所であった。現地の受入先が手配してくれたマイクロバスに乗って走り出す。テントや仮設っぽい住宅がそこここにあるが、先の地震で家を失った人たちが暮らしているのだと教えられた。勝手に何となく、強い日差しと白っぽい砂の大地、ってなイメージを抱いていたんだけど、走っている所はエーゲ海沿いで、この国の中でも山がちな、緑豊かな部分であるらしい。

走る事+海を渡る事で4時間、目的の街に着く。ミーティングは明日という事で食事。ビュッフェ方式で色々あるが味の見当がつかず、とりあえず辛くなさそうなものを選ぶ。デザートがどれをとってもえらく甘かった。そして、名前だけは聞いていたトルコ・コーヒー・・・小さな柄杓の様な「鍋」から注がれてすぐに飲もうとしたら「待て」と言われた。トルココーヒーは、大雑把に言えば粉末にしたコーヒー粉を湯に溶かして沸かしたもので、注がれてから少し置いて粉が沈殿するのを待つ、というのを教えてもらった。

次の日の打合せ後、郊外のレストランで夕食となった。頼んだのは「ケバブ」。確か羊の肉に色々混ぜたものを練って大きな塊にして真ん中に棒を通して焼き(:この点、もし間違っていたらご容赦&ご指摘多謝)、ナイフで削ぎ落とす様にして切って食べる。ギリシャの料理だと思っていたんだけど、トルコの方がオリジナルらしい。屋外のデッキで、ご相伴に預かりたがるネコ数匹との食事となった。店主は、余りそれが無いと言われるラムでも、羊の肉のあの独特の風味は実はちょっと苦手なんだけど、焼いた(炒めた?)トマトと一緒に食べるとそれが気にならなくなるのをここで教わった。

翌日、帰りの空港での待ち時間に、至る所で見掛けて「何だろう」と思っていた「アクセサリ」を買った。青い涙滴型の中に周りが白、中央が黒の丸い模様が描かれているもので、目玉の様だと思って聞いてみたらそうだと言う。幸運のお守りなんだそうだ。何の目玉なのかは聞き忘れた。一番良く見たのはこれを車の内外にぶら下げてるというものだけど、そうした車がぶつかってるのも何回か見掛けた。目玉は触媒程度で、呼べる幸運は本人の運に依存するのだろうか。

買う、と言えば通貨はTL(トルコリラ)で、これがまぁ通貨設定当時に対してインフレが激しいのか、気軽に100万単位でやり取りされている。店主の手元には今1650万TLほどあるんだけど、お札4枚(1000万+500万+100万+50万)である。その時のレートで、日本円にして大体3000円ちょっとになると思う。これらの「超高額面」紙幣を眺めつつ、トルコが何かで頑張ってくれて、1TL=1円くらいに為替レートが劇的に変化しないかな、などと考えながら、あのヨーロッパとも言えアジアとも言えそうな独特の雰囲気を思い出している。
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05/20(土)-Windows CE

1ヵ月ほどの長さで予定されているこの出張に出る前日に、PDAというものを買った。カシオのCASSIOPEIA E-503というちょっとベタな名前のモデルで、これは1ヵ月間の行動記録、頻繁に変わるであろう予定、面会の約束やその相手の連絡先、金銭の収支やら何やらその他細々とした事を一手に記録しておけるハンディなものが欲しかったので購入した(自分の性格上、こういう物で一元管理しないと記録類が分散して絶対に収拾がつかなくなるのが見えている)。

3ComのPalmっていうのが一緒に置いてあってこれより一回り小型で薄くて魅力的だったんだけど、前からちょっと興味のあったWindows CEというものに触ってみたくてそれが搭載されているこのモデルにしてしまった。だったらきちんとしたキーボード搭載のWindows CEマシンの方が良いんじゃない?、という声もあろうけど、最新のこういう物(:PDA)を使ってみたかったんだよぅ。そのくせカラーディスプレイモデルを買っちゃうあたりの腹のくくり方がまた中途半端ではある。因みに、PDAは大昔にシャープのPA-1(だっけかな?)を使っていたけど、これは今でもなかなか優れた1台だったと思っている。動作用電池(ボタン電池で充電できない)が1ヵ月ももたないのでいい加減嫌になって捨てちゃったけど。

ご存知の方も多いと思うけど、Windows CEマシンには基本的にHDDがない。OSやら何やら、全部メモリの中に入っているのだ。だから起動は一瞬である。電源を入れればものの数秒で立ち上がる。で、早速家のデスクトップ機の方にWindows CEサービスなるものをインストールしてCASSIOPEIAとのデータの連携が取れるようにし、まずはメールアドレスとその時持っていたメールの転送を実施する。CASSIOPEIAにはPocket Outlookなるものが搭載されていてMS Outlookとの各種データの自動連携が取れるそうな。しかし、じゃOutlookを使っていない人は全部手入力なのか?という疑問が湧いたけど、幸いOutlookを使える環境にあったので面倒だから追求していない。

良くない癖だとは思うんだけど、説明書をろくに読まずに見えてるものとこんなもんだろうという思い込みでとりあえず操作してみる。だもんだから、突然デスクトップ機の方のメールデータが消えたりして慌てる事になる。また我が家のデスクトップ機「墓石U」は実はも5年以上も前のマシンで、ここに至るまでにドーピングとその場しのぎの塊の様な構成になってしまっており、一個しかないCOMポートを3個のデバイスが使って相互干渉してみたりで癖が悪い事この上ない。いい加減新しいマシンを買おう。

ここに至るまで1週間、こいつの上でWindows CEを使ってみて思うのは、特に表示に関して制限があるかなり小さ目のPDA、というハードウェア環境に押し込まれているのにも関わらず、涙ぐましいほどにWindowsしようとしているなぁ、って事である。なんせこれが初めて触るWindows CEなんでこれで見られる範囲でしか判断できないけど、ちょっと癖はあるものの、例えばCtrlキーと組合わせて行う操作とかあくまで備わる「スタート」ボタンとか見覚えのあるメニューバーとか、「頑張ってるなぁ」という感じがする。頑張りが過ぎて苦笑してしまう所もあるけども。

しかし・・・パネル上に「表示」されるソフトウェアキーボード上に、或いは他のボタンへの割付で使えるDeleteキーが欲しいぞ(Backspaceキーはある)。店主が操作や在処を知らないだけなのか、それともWindowsなインターフェースを再現するのに一生懸命なあまり、忘れちゃったんだろうか?
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