槍ケ岳から奥穂高縦走

8.25(月)〜8.28(木)

25(月) 磐田(12:15)ー沢渡(19:30)
          257・151・153・19・158号線

26(火) 沢渡(4:00 5:00)ー上高地(5:30)−明神(7:30)−徳沢(8:20 8:30)ー
                       途中岳沢登山口40分登り、引き返す
      横尾(9:20 9:30)ー槍沢ロッジ(10:50 11:10)ー槍ヶ岳山荘(15:10)

27(水) 槍ヶ岳(6:30)ー大喰岳(7:00)ー中岳(7:30)ー南岳(9:00 9:30)−
      北穂高岳(13:00)

28(木) 北穂高山荘(6:20)ー涸沢岳(8:45)ー穂高山荘(9:10 9:30)-
      涸沢小屋(11:10)−横尾(14:05 14:30)ー上高地(17:00)ー沢渡(17:40)

25(月)  今年のお正月、前穂高岳から槍ヶ岳の縦走を計画。ようやく日程がとれ、いざ行かんと思って
       いたところに家の用事,天候の崩れの予報があり、今年はもうだめかと思っていたが、どうしても
       行きたいと言う気持ちが募り出発。

       毎度の事ながら、ささやかな主婦の抵抗で、高速は使わず、下道で沢渡へ。
       途中、ヘッドライとのランプが切れるアクシデントがあったため予定より、到着少し遅れる。
       沢渡の温泉に入り、買い忘れたビールを買いに町に戻る。

       沢渡手前の道の駅を、今夜の宿泊場所に決めビールを飲んでいたところ、バイクでツーリング
       している大学生と息投合し、一緒に飲む。
    
       私も、学生時代からバイクで北海道を走り回った経験があり、話しが弾んだ。彼の愛車は、
       パートナーが設計に携わったバイクであった。

       明日は、4時起床なので少し物足りない感じはしたが、明日のために早めにシュラフに包ま
       った。
       雨と雷の中、天気の回復を願いつつ・・・・・。


    

26(火)  真っ黒い、低い雲が立ち込める中、上高地を出発。
       岳沢を40分くらい行ったところで、大雨となる。この天気で予定の前穂高から穂高山荘まで
       は厳しいと判断し、ルート変更し、槍ヶ岳に向うことにした。

       明神から横尾までは、土砂降りの雨となる、カッパはこの雨に耐え切れず、もれる状態。
       購入してから、5年は経っている。これほどの雨の中を行動したことはそう言えばなかった。

       1年ぶりの槍はガスの中、全く姿は見えない。あの時は9月下旬、快晴の槍ヶ岳だったことを
       懐かしく思う。

       

27(水)  夜中に、急に下痢になり数回トイレ通い。
       寝不足と相変わらずの下痢のため、体調不良。便として出るものは何もなくなるも、粘液便
       の状態。小屋でナプキンを購入し応急処置(?)をする。

       予定では、穂高山荘までの予定だが、朝食もたべれない状態。このまま、槍沢に下りようか、
       せめて南岳まで行こうか迷った末、南岳に向う。そして北穂高までの行程。

       昨日の天気とは打って変わって、360度の展望。笠ケ岳にかかった虹は絶品。
       大キレットの緊張感よりも、下痢のことのほうが気になり、どうにか体力が持ってくれればと
       願うばかり。少しの腹圧がかかると粘液便が出る状態。便臭はほとんどないのがせめてもの
       救い。

       大キレット・長谷川ピーク・飛騨泣きの鎖場が連続する難所を通過し北穂高山荘に13時に
       着く。途中食欲はなかったが、無理をしてでもパンを食べる。
       この体調のため、穂高山荘までは諦める。

       北穂高山荘に着いてからは、トイレに入り浸りの状態。少し落ちついた後、夕食までぐっ
       すり眠る。ビール思いっきり飲みたかったが、とてもかなわず。

       この下痢の原因であるが、8月上旬から続いた咳と痰の為、出発前まで抗生物質を服用
       していたが、その副作用であろう。4年前も歯の治療で抗生物質服用し同じような状況に
       なったことを思い出した。抗生物質は怖いと改めて思った。

       北穂高小屋はウッディなとても素敵な小屋である。バックミュージックにクラッシクが流れ、
       従業員の方の対応もとてもきめこまやか。体調良ければワインなど頂きながら過ごしたく
       なる雰囲気。下痢止めのお薬も頂くことが出来た。

       小屋で、小学6年生の娘さんと二人で縦走していらっしゃる方と、話しをする。その方曰く
       「山を通して子育てをした。山での子育ては間違いはない。自然との関わり、人との関わり、
       子供は山を通して、生きることを学んだ。18歳の息子、小6の娘に勉強のこと、生活の
       ことでとやかく言ったことは1度もない。言う必要もない生活をしている。」とのこと。娘さん
       の様子や、お父さんとの関わりの様子を拝見していると、その話にうそがないことがよく
       わかる。

       いろいろと、考えさせられた。

28(木)   小屋で頂いた薬がきき、大分楽になったが相変わらず下痢は続く。
        
        天気は非常に悪く、雨と風。普通に立つこともできないぐらいの風が吹く中、涸沢槍・
        涸沢岳を縦走する。視界はほとんどなく淡々と鎖場を通過する。岩や鎖場は怖いと
         いうより面白いと思う性格であることを再認識。

        この天気の為、穂高山荘では行動できずに停滞している人があふれかえっていた。
        そういえば後ろからきた人、すれ違った人は一人もいなかった。
        無茶をする性格は若い時から変わらず。進歩がない。

        明日以降も天気の回復が見込めない為、ザイテングラードから涸沢におり上高地に
        向うことに決めた。

        上高地に17時に着き、沢渡行きのバスに乗る。


        今回は、今までにない体調不良の山であった。普通では考えられない状態で3000
        メートルの山々を縦走したわけだが、自分これだけの体力があったことが不思議な
        感じがした。
        もちろん日頃からトレーニングはしているが、自分の力以外の何かを感じた。

        何かに生かされている自分を感じた。

坊主の岩小屋

槍ヶ岳

南岳小屋

大喰岳山頂

中岳山頂

北穂高山頂

穂高山荘

2003年

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