作品へ  目次へ

〜感想文集〜

藤枝市民劇場 第190回例会 2004年9月14日


                
幹の会+リリック

       
 オイディプス王 



●「オイディプス王」を静岡市民劇場(十七日昼)で観させてもらいました。こういう劇、好きだなあ。平幹二朗と鳳蘭のスケールの大きな演技と、脇を固める美声揃いの俳優の個性的な演技を堪能しました。機関誌「あけび」に平幹二朗の演出意図が紹介されていましたが、体や心にハンディを負った放浪の旅芸人たちが、現代のニューヨークにある場末の三叉路で野外劇「オイディプス王」を演じるという設定は大変面白いと思いました。ただ、舞台ではセリフによる説明が一切なく、突然「オイディプス王」が始まるので、この演出意図を知らずに観た人には解りにくかったかもしれません。
 この悲惨な物語の合間に歌われたゴスペルは、聞き慣れた曲ということもあって、緊張した雰囲気を和らげていたと思います。マイク使用についての批判がありますが、静岡では不自然な感じはしませんでした。でも、無線マイクではなく、あえて有線マイクとマイクスタンドを使った意図は何でしょうか。
 それにしても、ギリシャ悲劇が二五〇〇年も前から演じ続けられ、しかも今日でも深く心を打つという、古典がもつ普遍性というものに改めて感服しました。(kuinasan)

●「オイディプス王」実はあまり期待しないで参加しました。難しそうで、芝居に入っていけるかという思いがあったからです。やはり、前半「え、なんなのこれ、どうしてマイク?」等、舞台を見ながら戸惑っていました。でも、後半のオイディプスが自分の生い立ちを知る場面では説明的なセリフもあってしっかり納得。どんどん芝居に入り込めました。思いもかけぬ出生の秘密が明らかにされ、苦悩するオイディプスの平さんは、さすがと思わせる演技でした。平さん、後藤さんの声の通りがとても良かった。(唐茄子)

●コロスが合唱隊とは知りませんでした。演劇はギリシャ発だと聞きましたが、演劇用語もここから出たんだなあと思いました。それに舞台は抽象的、音楽は今風で、時間の隔たりを感じませんでした。ギリシャの大昔から、不条理や訴えるコトが多かったのだと思いました。   (一〇代)

●主人公オイディプスのまわりの人々の動きに楽しませてもらいました。声量と力強さ、それでいてしなやかな動きが主役をもり立てていました。ジーザスクライストスーパースター他、躍動感あふれる楽しい時間をつくってくれました。すぱらしい!  (四〇代)

●面白かったデス。歌と衣装が良かったです。「こう来るか!」って感じでびっくりでした。近くで見られなかったのがザンネンです。   (一〇代)

●すごかったです。雰囲気が暗い街並で、見るからにワクワクしました。途中、歌が入ったり、思いがけない演出にびっくりしてました。   (一〇代)

●平さん長いセリフでご自分の言葉にさせるのにご苦労なさったでしよう。音楽も歌も重厚でよかったです。 (六〇代)

●テーマは少し難しかったけど、ゴスペルや演技・衣装・音楽、魂に響いてきました。      (一〇代)

●わからない。気持ちが入っていけません。すごくさめた気分で観ていました。(四〇代)

●若者の美しさと長く演じてきた方々の円熟した演技カに感動しました。 (五〇代)

●皆様の熱演に感激しました。人間は真実を求めて生きるものなのですね。(五〇代)

●歌詞がわかりにくかった。音響の音量が大きすぎる。  (六〇代)

●大変良かった。久しぶりに楽しく時間を送った。  (六〇代)

●フロイトの精神分析理論に出てくる「エディプス・コンプレックス」って、この「オイディプス」から来ていると記憶していますが、原作はしっかりと読んだことありませんでした。母親は息子にとって最初に出会う異性であって特別な存在であり、父親に対しては母(異性)をめぐるライバルとして特別な感情が意識下に存在する。それが親子関係においての普遍性みたいなことをこの話でたとえたのが良く分かりました。
 例会の数日前に蜷川幸雄+野村万斉の「オイディプス王」をテレビで観ましたがこの作品が世界中で何千何万と演じられ続けているということは、この物語がいつの時代でもどこの国でも通じるテーマを持っていることの証だと思いました。それと、この作品に限らずシェイクスピアなどの古典的な作品は、特に脚本や演出や役者の違いを楽しむものなのかなと感じた。蜷川さんと平さん、同じ原作でこうもちがうのかと思いました。舞台がニューヨーク?ゴスペル?平さんのはすごく斬新で、こう来るか!って感じでした。  (風)

●渋谷でやっている時から、気になっていました。  (三〇代)

●マイクを使わない方がよかったと思う。  (五〇代)

●踊り・声、素晴しかった。  (五〇代)

●藤木孝がすてきでした。  (五〇代)

●歌が素晴しかった。(六〇代)

●迫力があった。   (六〇代)

●声がステキ!   (四〇代)


 ●○あとがき○●
 運営サークル会でも自己紹介を兼ねて話しますが、皆さんは舞台を観て何を貰っていますか?
 芝居の中身より市民劇場で仲間と会うのが楽しみ。テレビでしか見られないような役者さんを生で観られるのが楽しみ。などいろいろあると思いますが、芝居には必ずテーマがあります。家族だったり、平和だったり、環境問題だったり・・・そこから受けるメッセージは人それぞれです。受け取れない時もたまにはある…カナ?
 芝居を観たあとに仲間と感想を語り合ったり、感想文を書いたりすると、その芝居を観たことが自分の中にきちんと残ります。
 テレビやラジオで無償で偶然「目にした」「耳にした」ではな<、自分で求めた観劇の時間ですから、よりいっそう「こころに残す」ための時間を大事にしたいですね。

作品へ  目次へ