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〜感想文集〜

藤枝市民劇場 第196回例会 2005年9月24日



  俳優座劇場プロデュース

             夜の来訪者


●最近は、引き込まれていく芝居に出会うことがなく興味を失いかけていたのですが、「夜の来訪者」を観て、こんなによく出来た舞台があったんだと感激しました。私たちに考える空間を提供してくるそんな演出が好きです。 (五〇代)

●普段何気なく過ごしている日常で、たまたま一つの家族全員がかかわっているミステリー。途中のひっかけに時々ひっかかりましたが最後のところで逆転。とてもおもしろかったです。 (一〇代)

●シリアスな劇の中に人と人との思いがけないつながりがある。人の心は複雑に絡んで面白い。時として思いやりがラッキーにつながる裏を見た。面白かったです。 (四〇代)

●ひとつひとつは小さくて耐えうる痛みだったとしても、無数に負えば死に至るほどの大きな痛みになる。私も誰かの大きな痛みの一端を担っているのではないかとドキッとしました。最後は、たとえ事実ではなくとも自分たちが犯した罪は変わらないということを、両親や婚約者がちゃんと気付いて考えを改めることができたならば、本当に刑事がやって来ることはなかったのではないかと思う(つまり女は死ななかったということ)。作り手に「真実は自分で見つけなさい」と言われたようで、観終わっていろいろと語りたくなる芝居はおもしろい! (三〇代)

●謎解き推理劇としての面白さだけでも充分楽しめました。加えて深い示唆を与えてくれた今回の芝居は、近年の上演作品では最高だったと思っています。刑事は似せ者なのか?彼は複数の写真を持っていたのか?家族が関わった女性は同一人物なのか?疑っていけばきりがありません。仮に5人が逢った女性が全部違ったとしたら、この家族は5人の女性を不幸に陥れた事になります。また自殺に追い込んだのが1人だったとしても、この家族が犯した罪は拭い去れません。例え刑事が何者であろうともです。そして私たちは、芝居の中のセリフを待つまでも無くこの世で一人では生きてゆけないし、廻りに迷惑をかけずには生きてゆけない生き物だと言うことを、つくづく実感しているところです。  (六〇代)

●幕が上がり舞台がとても美しかった。とりわけ桜が美しかった。土足で人の心に入り込む男を通し、心の奥 を描き出し人の世の出来事は全て絡み合っている事も描く・・・。そして人は犯した過ちをどう受け止めるかにより大きく隔たりが出来る事・・・。人として考えねばならない様々な事を、あの応接間から表現していた。物語を通し無念に死を選んだ一人の女の思いが浮き出ていたし、彼女は紛れもなくあの舞台に存在していた・・・。はらはらと散る桜の花が彼女の涙に見え、桜は彼女の化身のように美しかった・・。 (みつだんご)

●人の生きざまを感じた。 (四〇代)

●資本家の本質とはこんなものだということがよく現されていて面白かった。しかし娘や息子はあんなに素直で純粋だろうか。ちょっと疑問に思った。劇の設定としては良かったが。 (六〇代)

●人は年を重ねていくと自分が築きあげた名誉や財産に固執し、善悪さえ見失ってしまう弱い生き物なのだと切なくなりました。生きていく上で大切にしなければいけないものは何かを改めて考えさせられた劇でした。人と接するには責任があるという考え方は衝撃的で深く心に残っています。 (三〇代)

●人と人との関係というものを確かに忘れて生活に追われてしまっている様でとてもこわい気がしました。 (四〇代)

●今忘れられている個々の責任、他人のせいにしてしまうことを嫌という程見せられた。 (七〇代)

●あの男は誰? (四〇代)

●同じ場面での出来事で、登場人物も家族のみの中での会話を通して多くの事を考えさせられる劇でした。 (五〇代)

●ハラハラし通しの芝居だった。鈴木瑞穂さんの貫禄。うまい! (六〇代)

●初めて本格的なミステリーを舞台で拝見しました。ゾクゾクとする緊迫感。どんどん引き込まれていきました。 (四〇代)

●全員素晴らしい演技だったがそれよりも内容のすごさに感動した。 (六〇代)

●ドラマのストーリーと役者さん方の研ぎ澄まされた演技が感動的でした。 (五〇代)

●実力派の劇を目の当たりで見せていただいた。人は一人では生きられない。本当だと実感。 (四〇代)

●あっという間の上演時間でした。 (六〇代)


「夜の来訪者」例会後は、
事務所に訪れる会員の多くが、
「おもしろかったねー」
「〜だと思うのよ」
「アレは〜なんじゃない?」

といろいろと感想を話してくれました。内容も様々で、聞かせていただくのがとても楽しかったです。

 瑞穂さんと稲野さんが演じられた両親。私は“かたくなで愚かな人”と決め付けていました。でも−
「何としても子供と家(家族)守るんだっていう強い愛情でもあるんじゃないかな」
「歳を取ると若い人のように簡単に自分を変えられない。ジェネレーションギャップってあるんだろうね〜」

と、私などは想いもしなかったコトを感じておられる会員さんには
「スゴイなぁ、人に対して優しいなぁ、私はまだまだだなぁ〜」
と教えられました。

寄せられた感想は少なめでしたが、
この芝居、書くよりも語りたくなる芝居だったかもしれません
ね。              (事務局)

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